2.2.3 ソースファイルをコンパイルする

JP1イベントを発行および取得するには,コーディングしたソースファイルをコンパイル・リンクする必要があります。

[コンパイル時に必要なファイル]
  • ヘッダーファイル(JP1/Baseインストール時にインストールされます)
  • CまたはC++で作成したソースファイル(ユーザーが作成するものです)
ヘッダーファイルの格納先は次のとおりです。
Windows:Baseパス¥include¥JevApi.h
UNIX:/opt/jp1base/include/JevApi.h
[リンク時に必要なファイル]
  • ライブラリー(JP1/Baseインストール時にインストールされます)
必要となるライブラリーは,各OS,コンパイラーによって異なるため,注意が必要です。各OSで必要なライブラリーを次の表に示します。

表2-4 各OSで必要なライブラリー

OS必要なライブラリー
Windows XP Professional
Windows Vista
Windows Server 2003
Windows Server 2008
Baseパス¥lib¥libJevApiA.lib(32bitマルチスレッド用)
Windows Server 2003(IPF)
Windows Server 2008(IPF)
Baseパス¥lib¥libJevApiA.lib(64bitマルチスレッド用)
Solaris
AIX
Linux (x86)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAst.a(32bitシングルスレッド用)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt.a(32bitマルチスレッド用)
HP-UX (IPF)/opt/jp1base/lib/libJevApiAst32.a(32bitシングルスレッド用)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt32.a(32bitマルチスレッド用)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAst64.a(64bitシングルスレッド用)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt64.a(64bitマルチスレッド用)
Linux (IPF)/opt/jp1base/lib/libJevApiAst.a(64bitシングルスレッド用)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt.a(64bitマルチスレッド用)

各OSでのコンパイル,リンク時に指定するオプションを次の表に示します。

注意事項
WindowsのVisual Studio統合開発環境(GUI)上でコンパイルやリンクをする場合,次の表に示すコンパイルオプションやリンクオプションから,該当するオプションを使用して環境を設定してください。

表2-5 コンパイルオプション

OSコンパイルオプション
Windows XP Professional
Windows Vista
Windows Server 2003
Windows Server 2008
(32bitマルチスレッド)
/MD /I "Baseパス¥include"
Windows Server 2003(IPF)
Windows Server 2008(IPF)
(64bitマルチスレッド)
/MD /G2 /I "Baseパス¥include"
HP-UX (IPF)
(32bitシングルスレッド)
-Aa -I/opt/jp1base/include
HP-UX (IPF)
(32bitマルチスレッド)
-Aa -mt -I/opt/jp1base/include
HP-UX (IPF)
(64bitシングルスレッド)
+DD64 -Aa -I/opt/jp1base/include
HP-UX (IPF)
(64bitマルチスレッド)
+DD64 -Aa -mt -I/opt/jp1base/include
Solaris
(32bitシングルスレッド)
-I/opt/jp1base/include
Solaris
(32bitマルチスレッド)
-mt -D_THREAD_SAFE -I/opt/jp1base/include
AIX
(32bitシングルスレッド)
-I/opt/jp1base/include
AIX
(32bitマルチスレッド)
-D_REENTRANT -D_THREAD_SAFE -I/opt/jp1base/include
Linux (x86)
(32bitシングルスレッド)
-I/opt/jp1base/include
Linux (x86)
(32bitマルチスレッド)
-D_REENTRANT -D_THREAD_SAFE -I/opt/jp1base/include
Linux (IPF)
(64bitシングルスレッド)
-I/opt/jp1base/include
Linux (IPF)
(64bitマルチスレッド)
-D_REENTRANT -D_THREAD_SAFE -I/opt/jp1base/include

注※ HP-UXの-Aaオプションは,Cコンパイラー(cc)でコンパイルする場合だけ必要です。-Aeオプションに置き換えられますが,-Acオプションは指定しないでください。なお,C++コンパイラー(aCC)を使用する場合は省略できます。


表2-6 リンクオプション

OSリンクオプション
Windows XP Professional
Windows Vista
Windows Server 2003
Windows Server 2008
(32bitマルチスレッド)
"Baseパス¥lib¥libJevApiA.lib"
Windows Server 2003(IPF)
Windows Server 2008(IPF)
(64bitマルチスレッド)
"Baseパス¥lib¥libJevApiA.lib"
HP-UX (IPF)
(32bitシングルスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAst32.a
HP-UX (IPF)
(32bitマルチスレッド)
-mt /opt/jp1base/lib/libJevApiAmt32.a
HP-UX (IPF)
(64bitシングルスレッド)
+DD64 /opt/jp1base/lib/libJevApiAst64.a
HP-UX (IPF)
(64bitマルチスレッド)
+DD64 -mt /opt/jp1base/lib/libJevApiAmt64.a
Solaris
(32bitシングルスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAst.a -ldl
Solaris
(32bitマルチスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt.a -ldl -lpthread
AIX
(32bitシングルスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAst.a -ldl
AIX
(32bitマルチスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt.a -ldl -lpthread
Linux (x86)
(32bitシングルスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAst.a -ldl
Linux (x86)
(32bitマルチスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt.a -ldl -lpthread
Linux (IPF)
(64bitシングルスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAst.a -ldl
Linux (IPF)
(64bitマルチスレッド)
/opt/jp1base/lib/libJevApiAmt.a -ldl -lpthread
注意事項
  • JP1/Baseが提供するライブラリーは,スタティックライブラリー(UNIXの場合はアーカイブ)です。DLL用のインポートライブラリーや共有ライブラリーではありません。
  • JP1/Baseが提供するライブラリーは,JP1/Baseに同梱されているDLL(UNIXの場合は共有ライブラリー)をダイナミックロードします。このため,JP1/Baseがインストールされていない環境でも,作成されたプログラムは動作しますが,その場合,関数がJEV_NO_LIBRARYで失敗します。
  • Windows用のJP1/Base提供ライブラリーからダイナミックロードされるDLLは,Side by sideアセンブリーでパッケージ化されたライブラリーとの依存関係がないため,マニフェストは提供していません。
  • UNIXでJP1/Base提供ライブラリーをリンクするときは,-lオプションでリンクしないでください。
  • UNIXでリンクするときは,ldではなく,コンパイラーと同じリンケージエディター(ccなど)を使用することを推奨します。ldでリンクする場合は,コンパイラーが自動的にldに引き渡すオプションと同じものを同じ順序で指定してください。
  • x64版のLinux環境でコンパイルする場合,コンパイルオプションおよびリンクオプションに「-m32」を追加してください。