4.6 ネットワークを分離した環境で,特定のネットワークで運用する場合の通信設定例

この節では,ネットワークを分離した環境で,JP1/Baseを特定のネットワークだけで運用する場合の通信設定について,次に示すシステム構成例を基に説明します。

図4-7 JP1/Baseを運用する場合のシステム構成例(ネットワークを分離した環境で,特定のネットワークだけで運用する)

[図データ]

上記の図では,hostL(論理ホスト)がマネージャーホストとして動作し,各ホストのJP1/Baseは,ネットワーク2を使用して接続すると仮定します。

各ホストでの通信設定の変更の有無を次の表に示します。

ホスト名JP1/Base本体の通信設定イベントサービスの通信設定(confでの編集)
jp1hosts情報通信方式設定情報
hostA(物理ホスト)変更する変更する変更する
hostL(論理ホスト)変更する変更する変更する
hostB変更する変更する変更する

次に,各ホストでの通信設定の変更手順を説明します。

<この節の構成>
(1) hostAで必要な設定
(2) hostL(論理ホスト)で必要な設定
(3) hostBで必要な設定

(1) hostAで必要な設定

jp1hosts定義ファイルおよびイベントサーバ設定ファイル(conf)で,各ホストのJP1/Baseが使用するIPアドレスを認識させます。

通信の設定手順を次に示します。

  1. JP1/Baseを前提とする製品およびJP1/Baseと依存関係を持つプログラムを停止する。
    JP1/Baseと依存関係を持つプログラムには,例えばJP1/BaseのSNMPトラップ変換機能の起動に必要なJP1/Cm2/NNMがあります。
  2. JP1/Baseを停止する。
  3. jp1hosts定義ファイルを編集する。
    jp1hosts定義ファイルを次に示すように編集してください。

    # IPアドレス20.0.0.10をhostA,20.0.0.20をhostLとして対応付ける。
    hostA 20.0.0.10
    hostL 20.0.0.20

  4. jbshostsimportコマンドを実行する。

    jbshostsimport {-o|-r} jp1hosts定義ファイル名

  5. jbssetcnfコマンドを実行する。

    jbssetcnf physical_ipip.conf

  6. イベントサーバ設定ファイル(conf)を編集する。
    イベントサーバ設定ファイル(conf)のportsパラメーターおよびremote-serverパラメーターを次に示すように編集してください。

    ports 20.0.0.10 jp1imevt jp1imevtapi
    remote-server hostL close 20.0.0.20

  7. JP1/Baseを再起動する。
    JP1/Baseを前提とする製品およびJP1/Baseと依存関係を持つプログラムも再起動してください。

以上でhostAでの通信設定は完了です。

(2) hostL(論理ホスト)で必要な設定

hostL(論理ホスト)で必要な通信設定手順を次に示します。

  1. JP1/Baseを前提とする製品およびJP1/Baseと依存関係を持つプログラムを停止する。
    JP1/Baseと依存関係を持つプログラムには,例えばJP1/BaseのSNMPトラップ変換機能の起動に必要なJP1/Cm2/NNMがあります。
  2. JP1/Baseを停止する。
  3. jp1hosts定義ファイルを編集する。
    jp1hosts定義ファイルを次に示すように編集してください。

    # IPアドレス20.0.0.10をhostA,20.0.0.11をhostB,20.0.0.20をhostLとして対応付ける。
    hostA 20.0.0.10
    hostB 20.0.0.11
    hostL 20.0.0.20

  4. jbshostsimportコマンドを実行する。

    jbshostsimport {-o|-r} jp1hosts定義ファイル名 -h hostL

  5. logical_ipip.confを編集する。
    logical_ipip.confをエディターなどで開き,[LOGICALHOSTNAME¥JP1BASE]を探し,[hostL¥JP1BASE]に修正してください。
  6. jbssetcnfコマンドを実行する。

    jbssetcnf logical_ipip.conf

  7. イベントサーバ設定ファイル(conf)を編集する。
    イベントサーバ設定ファイル(conf)のportsパラメーターおよびremote-serverパラメーターを次に示すように編集してください。

    ports 20.0.0.20 jp1imevt jp1imevtapi
    remote-server hostL close 20.0.0.20

  8. API設定ファイル(api)を編集する。
    API設定ファイル(api)のserverパラメーターを次に示すように追加してください。

    server hostA keep-alive 20.0.0.10
    server hostL keep-alive 20.0.0.20
    server hostB keep-alive 20.0.0.11

  9. JP1/Baseを再起動する。
    JP1/Baseを前提とする製品およびJP1/Baseと依存関係を持つプログラムも再起動してください。

以上でhostL(論理ホスト)での通信設定は完了です。

(3) hostBで必要な設定

hostBで必要な通信設定手順を次に示します。

  1. JP1/Baseを前提とする製品およびJP1/Baseと依存関係を持つプログラムを停止する。
    JP1/Baseと依存関係を持つプログラムには,例えばJP1/BaseのSNMPトラップ変換機能の起動に必要なJP1/Cm2/NNMがあります。
  2. JP1/Baseを停止する。
  3. jp1hosts定義ファイルを編集する。
    jp1hosts定義ファイルを次に示すように編集してください。

    # IPアドレス20.0.0.11をhostB,20.0.0.20をhostLとして対応付ける。
    hostB 20.0.0.11
    hostL 20.0.0.20

  4. jbshostsimportコマンドを実行する。

    jbshostsimport {-o|-r} jp1hosts定義ファイル名

  5. jbssetcnfコマンドを実行する。

    jbssetcnf physical_ipip.conf

  6. イベントサーバ設定ファイル(conf)を編集する。
    イベントサーバ設定ファイル(conf)のportsパラメーターおよびremote-serverパラメーターを次に示すように追加してください。

    ports 20.0.0.11 jp1imevt jp1imevtapi
    remote-server hostL close 20.0.0.20

  7. JP1/Baseを再起動する。
    JP1/Baseを前提とする製品およびJP1/Baseと依存関係を持つプログラムも再起動してください。

以上でhostBでの通信設定は完了です。