イベントDBとは,JP1/Baseがインストールされたホストで発生したJP1イベントを蓄積するファイルです。イベントDBは次のファイルで構成されています。
イベントサービスのサービスが起動すると,これらのファイルが自動生成されます。データ,インデックス,転送情報はそれぞれ二つずつ生成されます。最初に一方のファイルが使用され,それがイベントサーバ設定ファイル(conf)のdb-sizeパラメーターで指定した容量に達すると,もう一方のファイルに切り替わります。二つ目のファイルの容量がいっぱいになると,一つ目のファイルの内容がすべて削除されたあとに新しくJP1イベントが蓄積されます。
イベントDBが切り替わる流れを次の図に示します。
図1-7 イベントDBが切り替わる流れ
イベントDBが切り替わるタイミングは,イベントDBの容量がイベントサーバ設定ファイルに指定した容量に達した場合,またはJP1イベントの保管期限がイベントサーバ設定ファイルに指定した期限に達した場合です。また,コマンドを使って意図的に切り替えることもできます。
イベントDBの内容は,JP1/IM - Viewの[イベントコンソール]画面から確認したり,コマンドを使ってcsvファイルに出力して確認したりできます。JP1/IM - Viewについては,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド」を参照してください。イベントDBの内容をcsv出力する方法については,「8.3 イベントDBの内容をcsvファイルに出力する」を参照してください。
(1) イベントDBの破損を検知するタイミング
イベントDBを直接編集したり,イベントサービスの稼働中に,OSのコマンドやバックアップ用のソフトウェアでイベントDBをバックアップおよびリストアしたりすると,イベントDBを破損するおそれがあるためご注意ください。
JP1/Baseは,次に示すタイミングでイベントDBが破損したかどうかを検知します。
メッセージをJP1/IM - View上で確認したい場合は,メッセージをJP1イベントに変換して,マネージャーホストへ転送してください。イベント変換の詳細については,「9. イベント変換の設定」を参照してください。
(2) 重複登録チェック機能
イベントサービスには,イベントDBに同一のJP1イベントが重複して登録されることを防止するため,重複登録チェック機能があります。重複登録チェックを行わないと,次の場合にJP1イベントが重複して登録されるおそれがあります。
(3) 重複防止テーブル
重複防止テーブルは,重複登録チェック機能を行うためのテーブルです。重複防止テーブルは,転送元ホストごとの転送実績レコードを記録し,転送されたJP1イベントを受信した場合に,レコードを追加したり更新したりします。
重複防止テーブルは,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターにsave-repフラグを指定した場合,ファイルに保持します。save-repフラグを指定しない場合,メモリーに保持します。転送されたJP1イベントを受信するイベントサーバでは,ファイルに保持する場合とメモリーに保持する場合で動作に違いがあるため,ファイルに保持して運用することを推奨します。
重複防止テーブルをファイルに保持する場合と,メモリーに保持する場合の動作の違いを次に示します。