付録K.3 操作ログの出力形式

操作ログは,操作対象のJP1ユーザーおよびJP1資源グループ単位にレコードが出力されます。例えば,JP1ユーザーに登録されている二つのJP1資源グループ(jp1group1,jp1group2)のJP1権限レベルを変更した場合,「JP1資源グループ(jp1group1)の変更」と「JP1資源グループ(jp1group2)の変更」という二つのレコードが出力されます。

また,ユーザー権限レベルファイル(JP1_UserLevel)でJP1資源グループやJP1権限レベルの内容を変更し,jbsaclreloadコマンドまたはjbs_spmd_reloadコマンドを実行した場合,認証サーバ上の操作権限情報とユーザー権限レベルファイル(JP1_UserLevel)の内容を比較し,変更した定義に関する情報だけが操作ログに出力されます。

操作ログ出力の出力形式,出力先,出力項目について説明します。

<この項の構成>
(1) 出力形式
(2) 出力先
(3) 出力項目
(4) 出力例

(1) 出力形式

CALFHM x.x,出力項目1=値1,出力項目2=値2,…,出力項目n=値n

(2) 出力先

Windowsの場合
インストール先フォルダ¥log¥BASE¥base_log[n].log
UNIXの場合
/var/opt/jp1base/log/BASE/base_log[n].log
注※
nは1~16の10進数です。

(3) 出力項目

出力項目は二つの分類があります。

(a) 共通出力項目

共通出力項目に出力される値と項目の内容を次の表に示します。

表K-2 操作ログの共通出力項目

項番出力項目内容
項目名出力される属性名
1共通仕様識別子CALFHMログフォーマット識別子
2共通仕様リビジョン番号x.xログフォーマットを管理するためのリビジョン番号
3通番seqnum通し番号操作ログレコードの通し番号(プロセスごとに採番される)
4メッセージIDmsgidKAJP6xxx-x製品のメッセージID
5日付・時刻dateyyyy-mm-ddThh:mm:ss.sssTZD※1操作ログの出力日時およびタイムゾーン
6発生プログラム名progidJP1Base事象が発生したプログラムのプログラム名
7発生コンポーネント名compidUser_management事象が発生したコンポーネント名
8発生プロセスIDpid認証サーバのプロセスID事象が発生したプロセスのプロセスID
9発生場所(ホスト名)ocp:host認証サーバのホスト名※4事象が発生したホストのホスト名
10事象の種別ctgry
  • StartStop
  • ConfigurationAccess
操作ログに出力される事象を分類するためのカテゴリー名
11事象の結果result
  • Success(成功)
  • Failure(失敗)
事象の結果
12サブジェクト識別情報subj:euid
  • OSユーザー名※4
  • Unknown※2
  • Not Support※3
事象を発生させたOSユーザー名
(凡例)
-:出力される属性名はありません。

注※1 Tは日付と時刻の区切りです。ZDはタイムゾーン指定子です。次のどれかが出力されます。

注※2 Unknownは,jbs_spmd_reloadコマンド実行時に出力されるメッセージ(KAJP6016-I~KAJP6020-I)の場合に出力されます。このコマンドを実行したOSユーザー名は,直後に出力されるKAJP6022-I~KAJP6023-Wのサブジェクト種別情報に出力されます。

注※3 Not Supportは,08-00以前のJP1/Baseで,ユーザー認証機能のコマンドを実行した場合に出力されます。どのOSユーザーによって実行されたか知りたい場合には,JP1/Baseのバージョンを08-10以上にしてください。

注※4 値を取得できなかった場合は,Noneが出力されます。


(b) 固有出力項目

固有出力項目に出力される値と項目の内容を次の表に示します。

表K-3 操作ログの固有出力項目

項番出力項目内容
項目名出力される属性名
1オブジェクト情報obj
  • JP1user
  • Permission
  • Process
  • Password
操作の対象
2操作情報op
  • Add
  • Apply
  • Update
  • Delete
  • Start
  • Stop
操作内容
3オブジェクトロケーション情報:認証サーバ名objloc:authsv認証サーバ名※1操作対象の資源がある認証サーバ名を出力する
4オブジェクトロケーション情報:JP1ユーザー名objloc:userJP1ユーザー名※1操作対象の資源のJP1ユーザー名を出力する
5変更前情報:JP1資源グループ名before:rsrcgrpJP1資源グループ名※1変更前の情報として,削除された情報を出力する
6変更後情報:JP1資源グループ名after:rsrcgrpJP1資源グループ名※1変更後の情報を出力する
7変更後情報:JP1権限レベル名after:prmssnJP1権限レベル名※1変更後の情報を出力する
8権限情報auth
  • Windows
    Administrator
  • UNIX
    SuperUser
操作したOSユーザーが持つ権限
9リクエスト送信元ホストfrom:ipv4コマンド実行ホストのIPアドレス※1※2コマンド実行ホストのIPアドレス
10自由記述msgメッセージ※2の詳細については「付録K.6 操作ログに出力されるメッセージの一覧」を参照。事象の内容を示すメッセージ

注※1 この値は,操作ログによって出力の有無が異なります。表K-4を参照してください。

注※2 値を取得できなかった場合は,Noneが出力されます。


操作ログに出力される固有出力項目のうち,出力の有無が異なる項目について,メッセージIDごとに次の表に示します。

表K-4 メッセージIDと固有出力項目の出力有無

メッセージIDオブジェクトロケーション情報:認証サーバ名オブジェクトロケーション情報:JP1ユーザー名変更前情報:JP1資源グループ名変更後情報:JP1資源グループ名変更後情報:JP1権限レベル名リクエスト送信元ホスト
KAJP6000-I×××
KAJP6001-W×××
KAJP6002-I×××
KAJP6003-W×××
KAJP6004-I×××
KAJP6005-W×××
KAJP6006-I×
KAJP6007-W××××
KAJP6008-I×
KAJP6010-I××
KAJP6011-W×××
KAJP6012-I×××××
KAJP6013-E×××××
KAJP6014-I×××××
KAJP6015-E×××××
KAJP6016-I×
KAJP6017-W××××
KAJP6018-I×
KAJP6020-I××
KAJP6022-I××××××
KAJP6023-W××××××
(凡例)
○:出力される。
×:出力されない。

(4) 出力例

操作ログの出力例を次に示します。

jbsadduserコマンドでJP1ユーザー「jp1user1」を登録した場合,認証サーバ「server1」の操作ログに出力される内容

CALFHM 1.0,seqnum=59,msgid=KAJP6000-I,date=2006-09-10T11:05:23.480+09:00,
progid=JP1Base,compid=User_management, pid=4028,
ocp:host=hostA,ctgry=ConfigurationAccess,result=Success,
subj:euid=Administrator,obj=JP1user,op=Add,objloc:authsv=server1,
objloc:user=jp1user1,auth=Administrator,from:ipv4=206.aa.bb.ccc,
msg=JP1ユーザーの登録に成功しました