イベントサーバ設定ファイル
形式
ファイル名
conf
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
イベントサーバインデックスファイルで指定したフォルダ¥
共有フォルダ¥jp1base¥event¥conf¥(クラスタ運用時)
- 初期設定のイベントサーバインデックスファイル(index)では,インストール先フォルダ¥conf¥event¥servers¥default¥となっています。
- UNIXの場合
イベントサーバインデックスファイルで指定したディレクトリ/
共有ディレクトリ/event/conf/(クラスタ運用時)
- 初期設定のイベントサーバインデックスファイル(index)では,/etc/opt/jp1base/conf/event/servers/default/となっています。
説明
イベントサービスの各種動作環境を設定するファイルです。主に次の項目を設定します。
- JP1イベント送受信用のIPアドレスやポート番号
- 取得できるJP1イベントおよびJP1イベントを取得できるJP1ユーザーの指定
- イベント転送失敗時のリトライ
- JP1/SESおよびJP1/AJSの稼働するホストとのJP1イベントの送受信
- イベントDB内のJP1イベントの保管期限およびイベントDBの容量
- 他ホストのイベントサーバにJP1イベントを転送するときの接続方法および転送時のエラーへの対処方法
定義の反映時期
イベントサービスを起動または再起動すると,設定が有効になります。
記述内容
イベントサーバ設定ファイル(conf)には,次に示す規則があります。
- 1行1,024バイト以内,ファイルサイズ2ギガバイト以内のテキストファイルにしてください。
- パラメーターの各単語は,半角スペース(0x20)またはタブ(0x09)で区切ります。
- 各行の先頭のパラメーター名および#(0x23)の前には,空白などは入れられません。
- 行の先頭に#(0x23)を指定すると,その行はコメント行になります。コメントと空行は,ファイル中の任意の場所に記述できます。
- 英字の大文字小文字は区別されます。
- ports アドレス 転送用ポート指定 AP用ポート指定
- このイベントサーバが,他プログラムからの接続を受け入れるために使用するIPアドレスとポート番号を指定します。なお,このパラメーターでの指定は,バージョン5以前の製品であるJP1/SESまたはJP1/AJSが稼働するホストからのイベント受信には適用されません。
- アドレス
- 使用するIPアドレスを次に示すどれかの形式で指定します。
- portsパラメーターを省略すると,アドレスとして,イベントサーバ名が指定されたものと仮定します。
- 0.0.0.0
IPアドレスを特に限定しないで,システムに任せることを指定します。
システムを物理ホストだけで運用する場合は,この値を指定してください。
- IPアドレス
ピリオドで区切った10進数(例: 172.16.50.50)で指定します。IPアドレスを指定する場合は,複数指定できます。IPアドレスの複数指定は,主にネットワークを分離した環境でイベントサービスを運用するときに利用します。ネットワークを分離した環境での運用については,「4.3 ネットワークを分離した環境での運用」を参照してください。IPアドレスを複数指定する場合は,IPアドレスを:(半角コロン)で区切って指定します(例: 172.16.50.50:172.16.50.51:172.16.50.52)。IPアドレスは,最大で4指定できます。
注意事項
OSの名前解決でプライマリーに返されるIPアドレス以外のIPアドレスを指定した場合,API設定ファイルのserverパラメーターには,明示的にIPアドレスを指定してください。
- ホスト名
システムのhostsファイル,ネームサーバなどでIPアドレスに変換できる255バイト以内の名称を指定します。
- 転送用ポート指定
- 他サーバからのJP1イベント転送を受け付けるためのポート番号を次に示すどちらかの形式で指定します。
- ポート番号
ポート番号を,10進数で指定します。
- サービス名
システムのservicesファイルで定義されている,tcpのサービス名を指定します。通常は,サービス名として「jp1imevt」を指定してください。portsパラメーターを省略すると,この値を仮定します。
- AP用ポート指定
- JP1イベントを発行または取得するアプリケーションからの要求を受け付けるためのポート番号を次に示すどちらかの形式で指定します。
- ポート番号
ポート番号を,10進数で指定します。
- サービス名
システムのservicesファイルで定義されている,tcpのサービス名を指定します。通常は,サービス名として「jp1imevtapi」を指定してください。portsパラメーターを省略すると,この値を仮定します。
- client-bind アドレス
- このイベントサーバが,他プログラムにJP1イベントを送信するために使用するIPアドレスを指定します。このパラメーターは,ネットワークを分離した環境でイベントサービスを運用するときに利用します。通常は,このパラメーターを指定する必要はありません。このパラメーターを省略すると,portsパラメーターに指定されたアドレスでJP1イベントを送信します。複数のアドレスが指定されている場合は,先頭のアドレスが設定されます。ネットワークを分離した環境での運用については,「4.3 ネットワークを分離した環境での運用」を参照してください。また,このパラメーターでの指定は,バージョン5以前の製品であるJP1/SESまたはJP1/AJSが稼働するホストへのイベント送信には適用されません。
- アドレス
- 使用するIPアドレスを次に示すどちらかの形式で指定します。
- 0.0.0.0
IPアドレスを特に限定しないで,システムに任せてイベント送信します。複数LAN対応の通信設定をする場合,通常はこの値を指定してください。
- IPアドレス
ピリオドで区切った10進数で指定します。指定したIPアドレスを利用してイベント送信します。
- users { * | ユーザー名 } …
- JP1イベントを取得できるユーザー名を指定します。
- このパラメーターは複数指定でき,すべての指定の和が,JP1イベントを取得できるユーザーとなります。このパラメーターを一つも指定しないと,どのユーザーもJP1イベントを取得できません。
- *
- すべてのユーザーがJP1イベントを取得できるようになります。
- ユーザー名
- ユーザー名を指定します。指定されたユーザー名を持つユーザーが,JP1イベントを取得できます。
- eventids { * | 基本コード | 基本コード:拡張コード } …
- プログラムで取得できるイベントIDを指定します。ここで指定されないイベントIDのJP1イベントは,発行されてもエラーにはなりませんが,取得できません。
- このパラメーターは複数指定でき,すべての指定の和が,取得できるJP1イベントとなります。このパラメーターを一つも指定しないと,JP1イベントを取得できません。
- *
- すべてのJP1イベントを取得できるようになります。
- 基本コード
- イベントIDの基本コードを,1~8桁の16進数で指定します。拡張コードには,0が仮定されます。
- 基本コード:拡張コード
- イベントIDの基本コードと拡張コードを,それぞれ1~8桁の16進数で,コロンで区切って指定します。
- alt-userid 代用ユーザーID 代用グループID
- WindowsおよびJavaの実行環境は,数値形式のユーザーID・グループIDの概念を持たないため,代わりにイベントデータ中に設定する値を指定します。
- 代用ユーザーIDおよび代用グループIDは,-1~65,535の10進数で指定します。省略すると,どちらも-1を仮定します。
- forward-limit リトライ期限
- JP1イベントの転送に失敗した場合の,リトライを繰り返す期限を指定します。転送設定ファイル(forward)で指定したJP1イベントの転送は,転送に成功するか,ここで指定した時間が過ぎるまで,retry-intervalパラメーターで指定した間隔で繰り返されます。値は,0~86,400(秒)の10進数で指定します。省略した場合は,0(リトライしない)を仮定します。なお,このパラメーターを設定する場合は,retry-intervalパラメーターで指定するリトライ間隔よりも大きい値を指定してください。
- after-error エラー後の転送抑止時間
- ある他サーバへのJP1イベント転送が失敗した後,そのサーバへのJP1イベント転送を抑止する時間を指定します。したがって,指定された時間内は,JP1イベントはそのサーバへ転送されず,エラーとして扱われます。値は0~2,147,483,647(秒)の10進数で指定します。retry-intervalパラメーターよりも小さい値を指定してください。このパラメーターを省略すると,30秒を仮定します。
- retry-interval 転送リトライ間隔
- JP1イベントの転送失敗時にリトライする間隔を指定します。値は,60~2,147,483,647(秒)の10進数で指定します。after-errorパラメーターよりも大きい値を指定してください。このパラメーターを省略すると,600秒を仮定します。
- リトライに関連するパラメーターの相関関係
- JP1イベントの転送のリトライに関連するパラメーターは,forward-limit,after-error,retry-intervalです。初期設定では,JP1イベントの転送に失敗すると,3,600秒の間600秒の間隔で転送をリトライします。
- クラスタ運用の場合,JP1イベントの転送中に転送元ホストまたは転送先ホストがフェールオーバーすると,そのJP1イベントの転送は失敗します。確実にJP1イベントを転送するために,必ず転送をリトライするように設定してください。
- JP1イベントの転送のリトライに関連するパラメーターの相関関係を次の図に示します。
図14-2 リトライ関連のパラメーターの相関関係
![[図データ]](figure/zu140100.gif)
- なお,転送抑止期間を除いたリトライ間隔内で,次のJP1イベントの転送が発生した場合には,その時点でリトライが行われます。
- JP1イベントの転送のリトライ中にイベントサービスの再起動またはリロードが行われた場合,転送されなかったJP1イベントはリトライ期限内であればイベントサービスの起動時に再送されます。
- buffnum SESイベント数
- JP1/SESイベントを使用する製品と連携するための機能に関連するパラメーターです。このパラメーターの詳細については,「付録J JP1/SESイベントを使用する製品との連携」を参照してください。
- include ses-conf ファイル名
- JP1/SESイベントを使用する製品と連携するための機能に関連するパラメーターです。このパラメーターの詳細については,「付録J JP1/SESイベントを使用する製品との連携」を参照してください。
- include ajs-conf
- JP1/SESイベントを使用する製品と連携するための機能に関連するパラメーターです。このパラメーターの詳細については,「付録J JP1/SESイベントを使用する製品との連携」を参照してください。
- expire イベント保管期限
- 発行されたJP1イベントを,イベントDBに保管しておく時間を指定します。JP1イベントはJP1イベントの発行後,ここで指定された時間内はイベントDB中に保管され,JP1/IM - Viewなどから参照できます。ただし,イベントDBの容量がdb-sizeパラメーターで指定した値に達した場合は,保管期限に達していなくても削除されることがあります。値は0~2,147,483,647(秒)の10進数で指定します。このパラメーターを省略すると,31,536,000秒,つまり365日が仮定されます。
- db-size イベントDBの容量
- イベントDBの容量を指定します。指定された容量に達すると,expireパラメーターで指定した期限に達していなくても,古いJP1イベントが削除されることがあります。イベントサービスでは,指定された容量の最大約2倍のディスク容量を使用します。値は0~2,147,483,647(バイト)の10進数で指定します。このパラメーターを省略すると,2,147,483,647バイトが仮定されます。
- 保存する日数分のイベントDBの容量の計算式を次に示します。容量を指定する際に参考にしてください。
[{a × (b + 64) + (c × 64)}× d]/2 (バイト)
- a:1日当たりに登録されるイベント※の総数。
- b:イベント1件当たりの平均サイズ。サイズは実測で測定してください。
- c:1日当たりに転送されるイベントの総数。
- d:保存する日数。
- 注※ 1日当たりに登録されるイベントとは,自ホスト上で発生するイベント,他ホストから受信するJP1/SESイベントおよびJP1イベント,転送されるイベントのことを指します。
- remote-server イベントサーバ名 通信タイプ [アドレス [ポート指定] ]
- 他サーバへイベントを転送する際の接続方法を指定します。このパラメーターには,異なるイベントサーバ名を複数指定できます。
- イベントサーバ名
- 定義するイベントサーバ名を,次に示すどちらかの形式で指定します。
- イベントサーバ名
個別のイベントサーバ名を,255バイト以内で指定します。
- *
個別に指定されなかったイベントサーバ名に対する省略値を指定します。
この指定がない場合は,個別に指定されていないイベントサーバに対してはイベントを転送できません。
- 通信タイプ
- 指定したイベントサーバへの接続方法を指定します。
- keep-alive
転送するJP1イベントが発生したら,転送元からTCP/IPのコネクションを張って送信します。 JP1イベント送信後,イベントサーバの終了時までコネクションを保存し再利用します。
注意事項
ファイアウォールで無通信時にコネクションを切断する設定をしている場合,または一時的な通信障害が発生した場合は,コネクション切断後の最初のJP1イベントの転送に失敗するおそれがあります。
- close
転送するJP1イベントが発生したら,転送元からTCP/IPのコネクションを張って送信します。送信後は3秒後にコネクションを切断します。
- ses
JP1/SESイベントを使用する製品と連携するための機能に関連するパラメーターです。このパラメーターの詳細については,「付録J JP1/SESイベントを使用する製品との連携」を参照してください。
- アドレス
- 使用するIPアドレスを次に示すどちらかの形式で指定します。
- IPアドレス
ピリオドで区切った10進数(例: 172.16.50.50)で指定します。
- ホスト名
システムのhostsファイル,ネームサーバなどでIPアドレスに変換できる255バイト以内の名称を指定します。
- 対象とするイベントサーバの,イベントサーバ設定ファイル(conf)に指定したportsパラメーターと一致させてください。
- 省略すると,ホスト名としてイベントサーバ名を仮定します。
- ポート指定
- 使用するポート番号を次に示すどちらかの形式で指定します。
- ポート番号
ポート番号を,10進数で指定します。
- サービス名
システムのservicesファイルで定義されている,tcpのサービス名を指定します。
- 対象とするイベントサーバの,イベントサーバ設定ファイル(conf)に指定したportsパラメーターと一致させてください。
- 省略すると,自イベントサーバの転送用ポートと同じ値を仮定します。
- forward-timeout 待ち時間
- JP1イベントを転送する場合に,転送先からの応答を待つ時間を指定します。指定した時間内に応答がなかった場合は,転送失敗と見なします。
- 値は,10~600(秒)の10進数で指定します。省略すると,90秒を仮定します。
- options [no-sync | sync] [remote-receive] [conv-off] [v5-unused] [KAJP1037-hntroff] [KAJP1037-syslogoff] [save-rep] [auto-forward-off]
- オプションのフラグを指定します。このパラメーターは,複数に分けて指定できます。
- no-sync | sync
- no-syncフラグを指定すると,JP1イベントのデータベースへの書き込みの,システムによるバッファリングを許します。JP1イベント発行の性能向上が期待できますが,システムが何らかの障害で停止した場合に,発行済みJP1イベントが消失することがあります。クラスタ運用をする場合は,信頼性の向上を目的とするため,指定しないでください。
- syncフラグを指定すると,発行されたJP1イベントをそのつど確実にディスクに書き込みます。システムの再起動後も確実に取得できます。ただし,JP1イベントが発行されるたびにディスクに書き込むため,JP1イベント発行の性能が劣化する場合があります。
- no-syncフラグ,syncフラグのどちらも指定しない場合,ディスクへの書き込みが定期的(10秒)となるため,発行済みJP1イベントが消失することがあります。
- remote-receive
- 他ホストで稼働しているプログラムからの,ネットワークを介したJP1イベント取得を許します。
- ほかのホストに接続したJP1/IM - ViewのGUIから,このホストのJP1イベントを検索する場合,およびバージョン5以前の製品であるJP1/AOM - EEの情報を参照する場合は,このフラグの指定が必要です。
- conv-off
- JP1/SESイベントを使用する製品と連携するための機能に関連するフラグです。このフラグの詳細については,「付録J JP1/SESイベントを使用する製品との連携」を参照してください。
- v5-unused
- バージョン5以前の製品であるJP1/SES,JP1/AJSとの互換性のために用意されているすべての機能の利用を抑止します。このフラグを指定するとJP1/SES,JP1/AJSの互換プロセスを起動しません。このため,JP1/OJEなどJP1/SESのプロトコルを利用している製品と,イベントの送受信ができなくなります。
- このフラグはバージョン5以前に対応していた製品と連携する場合を除き,外さないでください。バージョン5以前に対応していた製品との連携については,「付録J JP1/SESイベントを使用する製品との連携」を参照してください。
- KAJP1037-hntroff
- KAJP1037-E(イベント転送失敗)メッセージの統合トレースログへの出力を抑止します。
- KAJP1037-syslogoff
- KAJP1037-E(イベント転送失敗)メッセージのsyslog(UNIX)およびイベントログ(Windows)への出力を抑止します。
- save-rep
- イベントDBの重複防止テーブルをファイルに保持します。重複防止テーブルとは,JP1イベントが重複して登録されることを防止するテーブルです。
- save-repフラグを指定する場合,イベントDBを格納するディレクトリには,32 + 転送元イベントサーバ総数 × 288 バイトの空き容量が必要です。重複防止テーブルについては,「1.4.2 イベントDBの概要」を参照してください。
- auto-forward-off
- ホストの起動通知イベント(00004724)および停止通知イベント(00004725)が,抽出条件に一致しなくても転送される機能を無効にします。このフラグを指定した場合,ホストの起動通知イベントおよび停止通知イベントも,ほかのイベントと同様に,抽出条件に一致する場合だけ転送されるようになります。
- 注意事項
- KAJP1037-hntroff,KAJP1037-syslogoffを設定しても,転送エラーを通知するKAJP1017-Eは統合トレースログおよびsyslog(UNIX),イベントログ(Windows)に出力されます。転送エラーはKAJP1017-Eで監視してください。
- KAJP1037-Eメッセージは,イベントサービス転送エラーログ(fwderr.*)でも確認できます。
- error-size ファイルサイズ
- イベントサービスエラーログファイル(error.*)の最大容量を指定します。指定したサイズを超えると,イベントサービスエラーログファイルは, 先頭から上書きされます。値は,65,536~2,147,483,647(バイト)までの10進数で指定します。省略すると,500,000バイトを仮定します。
- 保存する日数分のイベントサービスエラーログファイルの容量の計算式を次に示します。ファイルサイズを指定する際に参考にしてください。
a + (b × c) × d (バイト)
- a:基本部1キロバイト。
- b:エラーのメッセージの平均サイズ(約120バイト)。
- c:1日当たりのエラーの発生回数。
- d:保存する日数。
- trace-size ファイルサイズ
- イベント転送トレースログファイル(trace.*)の最大容量を指定します。指定したサイズを超えると,イベント転送トレースログファイルは,先頭から上書きされます。値は,65,536~2,147,483,647(バイト)までの10進数で指定します。省略すると,1,000,000バイトを仮定します。
- 保存する日数分のイベント転送トレースログファイルの容量の計算式を次に示します。ファイルサイズを指定する際には,ログの出力量および1日当たりのイベント取得件数も考慮に入れて設定してください。
a + (b + c + d) × e (バイト)
- a:基本部1キロバイト。
- b:イベント1件登録時のログの出力量 × 1日当たりのイベント登録件数
- c:イベント1件取得時のログの出力量 × 1日当たりのイベント取得件数
- d:イベント1件転送時のログの出力量 × 1日当たりのイベント転送件数
- e:保存する日数。
- ログの出力量はイベントサービスの動作によって異なりますが,参考値としてのログの出力量を次に示します。
表14-6 ログの出力量(イベント転送トレースログ)
出力されるログの量(バイト) |
---|
イベント1件登録時 | イベント1件取得時※1 | イベント1件転送時※2(失敗時・イベント転送リトライ設定あり) |
---|
約150※3 | 約150※3 | 約1,500 |
注※1 イベント取得には,他アプリケーションによるJP1イベントの取得を含みます。参考値は,10件登録されているイベントDBの10件目のJP1イベント取得時のログ出力量となっています。また,イベントDBに登録されているJP1イベントの件数と,検索するJP1イベントの登録位置によって出力される量は変わります。
注※2 JP1イベント転送時にログ出力が最大になるのは,JP1イベントの転送に失敗し,リトライする場合です。
注※3 API設定ファイル(api)で,通信タイプをcloseに設定した場合のログの量です。
- イベント取得件数は,ユーザーアプリケーションやJP1シリーズのプログラムからイベント取得関数を使用してイベントを取得する件数です。JP1シリーズのプログラムの1日当たりのイベント取得件数は,次の計算式で求めた値を目安にしてください。
イベント取得回数※1 × イベントDBに登録されているイベント数 + 1日当たりのイベント登録件数※2
- 注※1 JP1/IMから,下記の回数の合計分だけイベントDBに対してイベントを取得します。
- JP1/IM - Viewの起動の回数
- JP1/IM - Viewのイベント検索の回数
- 注※2 JP1/AJSのイベント受信ジョブが実行登録されている場合,JP1/AJSは,新たにイベントDBに登録されたイベントを取得します。なお,イベント受信ジョブが複数登録されていても,JP1/AJSは登録されたイベントに対して1回だけイベントを取得します。
- evtlog-size ファイルサイズ
- イベントサービストレースログファイル(imevterr.*)の最大容量(バイト数)を指定します。指定したサイズを超えると,イベントサービストレースログファイルは,先頭から上書きされます。値は,65,536~2,147,483,647までの10進数で指定します。省略すると,1,000,000バイトを仮定します。
- 保存する日数分のイベントサービストレースログの容量の計算式を次に示します。ファイルサイズを指定する際には,ログの出力量および1日当たりのイベント取得件数も考慮に入れて設定してください。
a + (b + c + d) × e (バイト)
- a:基本部1キロバイト。
- b:イベント1件登録時のログの出力量 × 1日当たりのイベント登録件数
- c:イベント1件取得時のログの出力量 × 1日当たりのイベント取得件数
- d:イベント1件転送時のログの出力量 × 1日当たりのイベント転送件数
- e:保存する日数。
- ログの出力量はイベントサービスの動作によって異なりますが,参考値としてのログの出力量を次に示します。なお,イベントサービストレースログファイルは,log-levelパラメーターで設定されたログレベルに影響されません。
表14-7 ログの出力量(イベントサービストレースログ)
出力されるログの量(バイト) |
---|
イベント1件登録時 | イベント1件取得時※1 | イベント1件転送時※2(失敗時・イベント転送リトライ設定あり) |
---|
約3,000 | 約7,000 | 約3,000 |
注※1 イベント取得には,他アプリケーションによるJP1イベントの取得を含みます。参考値は,10件登録されているイベントDBの10件目のJP1イベント取得時のログ出力量となっています。また,イベントDBに登録されているJP1イベントの件数と,検索するJP1イベントの登録位置によって出力される量は変わります。
注※2 JP1イベント転送時にログ出力が最大になるのは,JP1イベントの転送に失敗し,リトライする場合です。
- イベント取得件数は,ユーザーアプリケーションやJP1シリーズのプログラムからイベント取得関数を使用してイベントを取得する件数です。JP1シリーズのプログラムの1日当たりのイベント取得件数は,次の計算式で求めた値を目安にしてください。
イベント取得回数※1 × イベントDBに登録されているイベント数 + 1日当たりのイベント登録件数※2
- 注※1 JP1/IMから,下記の回数の合計分だけイベントDBに対してイベントを取得します。
- JP1/IM - Viewの起動の回数
- JP1/IM - Viewのイベント検索の回数
- 注※2 JP1/AJSのイベント受信ジョブが実行登録されている場合,JP1/AJSは,新たにイベントDBに登録されたイベントを取得します。なお,イベント受信ジョブが複数登録されていても,JP1/AJSは登録されたイベントに対して1回だけイベントを取得します。
- fwderr-size ファイルサイズ
- イベントサービス転送エラーログファイル(fwderr.*)の最大容量を指定します。指定したサイズを超えると,イベントサービスエラーログファイルは,先頭から上書きされます。値は,65,536~2,147,483,647(バイト)までの10進数で指定します。省略すると,1,000,000バイトを仮定します。
- 保存する転送失敗イベント数分の転送エラーログ容量の計算式を次に示します。
保存する転送失敗イベント数×( 150 + イベントサーバ名長 +送信先イベントサーバ名長)
- 送信先イベントサーバが複数ある場合,送信先イベントサーバ名長は,送信先イベントサーバの中で最も長い送信先イベントサーバ名長とします。
- log-keep ログファイルの個数
- イベントサービスエラーログファイル,イベント転送トレースログファイル,およびイベントサービストレースログファイルを最大で幾つ作成するかを指定します。ログファイルは,イベントサービスの起動時に作成されます。イベントサービスの起動時に,指定した数以上のファイルがある場合は,最も古いファイルから削除されます。値は,0~50の10進数で指定します。省略すると,5を仮定します。0を指定するとログを保存しません。
- log-level レベル
- 06-51以前のJP1/Baseでは,syslog,イベントログ,イベントサービスエラーログファイル,およびイベント転送トレースログファイルへのログの出力レベルを指定できます。値は,1~10の10進数で指定します。省略すると,1を仮定します。通常は,値を1にしてご利用ください。なお,2以上の値を設定した場合は,障害発生時や障害から回復した場合などの詳細なログが出力されるようになります。
- 06-71以降のJP1/Baseでは,値に関係なく詳細なログが出力されるため,設定は不要です。
- repetition-noncheck-server { * | イベントサーバ名 } …
- 重複登録チェックを抑止するイベントサーバ名を指定します。重複登録チェックとは,JP1イベントの転送を受信する際にそのJP1イベントがすでに登録されているかどうかをチェックする処理のことを指します。重複と判断されるのは,JP1イベントの発行元イベントサーバ名,発行元イベントDB内通し番号,登録時刻が一致する場合です。
- JP1/SESのプロトコルで発生したイベントを複数経路から転送する場合にイベントのロストを防ぐために使用します。
- このパラメーターは複数指定でき,すべての指定の和が,重複登録チェックを抑止するイベントサーバとなります。このパラメーターを一つも指定しないと,すべての転送元イベントサーバからのJP1イベントの重複登録チェックを行います。
- *
- すべての転送元イベントサーバからの重複登録チェックが抑止されます。
- イベントサーバ名
- 重複登録チェックを抑止するイベントサーバ名を個別に指定します。イベントサーバ名は,英字の大文字小文字を区別します。
- restart 再起動回数 リトライ間隔 リセット時間
- 物理ホストのイベントサービスのプロセスが異常終了した場合の再起動の動作を設定します。再起動するための設定として,再起動回数,再起動のリトライ間隔および再起動回数のリセット時間を指定します。リセット時間で指定した期間内にプロセスが異常終了した回数が,再起動回数以下であれば,プロセスは再起動されます。再起動されると,回復したときにメッセージ(KAJP1072-I)を出力します。このメッセージはJP1イベント(イベントID:00003D04)としても通知されます。したがって,運用時にこのJP1イベントを監視すると,イベントサービスのプロセスが再起動されたことを検知できます。この指定はUNIX版のJP1/Baseだけで有効になり,Windows版のJP1/Baseでは無効になります。このパラメーターを省略した場合,イベントサービスのプロセスが異常終了しても,再起動されないため,イベントサービスは停止します。
- なお,イベントサービスの再起動中は,転送元ホストから転送されるJP1イベントを受け付けられません。転送元ホストでJP1イベント転送のリトライを設定している場合は転送がリトライされますが,リトライ期間を過ぎると転送失敗となります。このような転送失敗を防ぐために,再起動回数×リトライ間隔の値は,転送元ホストのconfで指定するJP1イベント転送のリトライ期限(forward-limitパラメーター)の値より小さくなるよう設定してください。
- 再起動回数
- 再起動の試行回数を指定します。推奨値は4回です。値は,0~99(回)の10進数で指定します。0を指定した場合,再起動されません。-1以下の値を指定した場合,0を仮定します。100以上の値を指定した場合,99を仮定します。
- リトライ間隔
- イベントサービスのプロセスが異常終了してから再起動をするまでの間隔を指定します。再起動に失敗した場合は,指定した間隔後に再起動します。推奨値は15秒です。値は,0~3,600(秒)の10進数で指定します。-1以下の値を指定した場合,0を仮定します。3,601以上の値が指定された場合,3,600を仮定します。
- リセット時間
- 再起動によってプロセスが起動してから,何秒後に再起動回数をリセットするかを指定します。プロセスが起動してから,指定した時間が経過すると,再起動回数がリセットされます。リセット時間の推奨値は,3,600秒です。値は,3,600~2,147,483,647(秒)の10進数で指定します。3,599以下の値を指定した場合,3,600秒が仮定されます。2,147,483,648以上の値を指定した場合,2,147,483,647秒を仮定します。
- 推奨値である,再起動回数に4回,リトライ間隔に15秒,リセット時間に3,600秒を設定した場合の動作を次の図に示します。
図14-3 イベントサービスのプロセスが異常終了した場合の動作例
![[図データ]](figure/zu140200.gif)
- 図の例では,再起動後,再起動回数のリセット時間で指定した3,600秒以内に異常終了しなかった場合,3,600秒の時点で再起動回数がリセットされます。次回異常終了したときには1回目からカウントされます。一方,再起動後,3,600秒以内に異常終了した場合は,再起動回数を引き継ぎます。再起動回数が指定した回数に達すると,次回異常終了時には再起動しません。
- 注意事項
- restartパラメーターの設定によって再起動できるイベントサービスのプロセスは,jevstatコマンドで確認できるプロセスIDのjevserviceプロセスの子プロセスだけです。
- 親プロセスが異常終了した場合,イベントサービスは停止します。
- 再起動回数は,子プロセスごとにカウントされます。
- jevserviceプロセスの子プロセスには,次の6種類があります。
表14-8 イベントサービスのプロセス構成
親プロセス | 子プロセス | 概要 |
---|
jevservice | jevservice(LogTrc) | syslogまたは統合トレースログなどへ記録されるメッセージを出力します。 |
jevservice(DBMngr) | イベントDBを管理します。 |
jevservice(SESEmu) | SES互換機能です。optionsパラメーターにv5-unusedフラグを設定している場合は起動しません。 |
jevservice(EvtAPI) | JP1イベントの登録要求または取得要求を受け付けます。 |
jevservice(FwdRcv) | 転送されてきたJP1イベントを受信します。 |
jevservice(FwdMgr) | JP1イベントを転送します。 |
定義例
イベントサーバ設定ファイル(conf)の設定例を次に示します。
# ポート番号は,システムの services ファイルに定義した,jp1imevt,および
# jp1imevtapi を使用する。
ports 0.0.0.0 jp1imevt jp1imevtapi
# ユーザー root と adm で実行されているプログラムだけがJP1イベントを取得
# できる。
users root adm
# JP1/SESのAPIで発行および取得できるJP1イベントは,IDが 2000・2001・3000・
# 3001であるものに限る。JP1/Baseに対応したプログラムでは,すべてのJP1
# イベントを発行および取得できる。
eventids *
eventids 2000 2001 3000 3001
# 自マシンがWindowsである場合,また,自マシンがUNIXでもJavaプログラム
# から発行された場合は,JP1イベントをUNIX環境に転送する際,ユーザーID
# またはグループIDがそれぞれ 1001 および 100 であると見なす。
alt-userid 1001 100
# JP1イベントの転送に失敗したときに,転送をリトライする。リトライは,
# 転送に成功するか,1時間(3600秒)経過するまで繰り返す。
forward-limit 3600
# 他ホストへのイベント転送に失敗した場合,ネットワークの負荷増大を
# 防ぐため,そのホストには以後 300 秒間,イベントを転送しない。
after-error 300
# JP1/SESの環境設定ファイル「/usr/bin/jp1_ses/jpevent.conf」を参照し,
# 指定内容を上記 userids・evendids の設定に追加する。
include ses-conf /usr/bin/jp1_ses/jpevent.conf
# 到着後 31日(2678400秒)経ったJP1イベントは,削除する。また,31日
# 経たなくても,保管されたイベントのデータ量が 1000000 バイトに達したら,
# 古いJP1イベントを削除する。
expire 2678400
db-size 1000000
# 他ホストからのJP1イベント取得を許す。(他マシンに接続したJP1/IM -
# Console ViewからJP1/AOM - EEの情報を参照したい場合は必ず
# 指定してください。)
options remote-receive
# JP1イベントのディスクへの書き込みの,OSによるバッファリングを許す。
options no-sync
# host1・host2 は,自LAN内のマシンであるため,TCP/IPに接続した
# ままでよい。
# ほかのマシン(host3以外)は,電話回線を経由するため,接続をこまめに切る。
# host3 は,JP1/BaseでなくJP1/SESを使用している。
remote-server host1 keep-alive
remote-server host2 keep-alive
remote-server host3 ses
remote-server * close
# エラーログファイルの最大容量を 500000バイト,トレースログファイルの
# 最大容量を 1000000バイトとする。この容量を超えると,ファイルの先頭から
# 上書きする。ログファイルが5個以上ある場合は,最も古いファイルから
# 削除する。
error-size 500000
trace-size 1000000
log-keep 5