2.5.2 バックアップとリカバリー(Windowsの場合)

ここでは,Windows版JP1/Baseの設定情報およびイベントDBのバックアップとリカバリーについて説明します。

<この項の構成>
(1) 設定情報のバックアップ
(2) イベントDBのバックアップ
(3) 設定情報のリカバリー
(4) イベントDBのリカバリー

(1) 設定情報のバックアップ

JP1/Baseの設定情報には以下のものがあります。

クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をバックアップしてください。

(a) 定義ファイルのバックアップ

JP1/Baseでは,ユーザーが設定する定義ファイルとして以下のファイルがあります。ファイルをコピーするなど任意の方法で,これらのファイルをバックアップしてください。

表2-6 JP1/Baseのバックアップ対象ファイル

ファイル名内容
JP1/Baseフォルダ※1¥boot¥JP1SVPRM.DAT起動順序定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥boot¥jp1svprm_wait.datサービス起動遅延時間/タイマー監視時間定義ファイル※2
JP1/Baseフォルダ※1¥jp1bs_env.confJP1/Base環境定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥jp1bs_param.conf
JP1/Baseフォルダ※1¥jp1bs_param_V7.conf
JP1/Baseパラメーター定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥jp1bs_spmd.confJP1/Baseプロセス管理定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥jp1bs_service_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥route¥以下のファイル構成定義ファイル
(JP1/IMで使用)
JP1/Baseフォルダ※1¥user_acl¥JP1_PasswdJP1ユーザー定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥user_acl¥JP1_GroupJP1グループ定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥user_acl¥JP1_UserLevelJP1権限レベル定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥user_acl¥JP1_AccessLevelJP1資源グループ定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥user_acl¥JP1_AccountaccessJP1アカウントアクセス情報ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥user_acl¥jp1BsUmap.confユーザーマッピング定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥ds¥jp1bs_ds_setup.confディレクトリサーバ連携定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥evtgw¥imevtgw.confSNMPトラップ変換動作定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥evtgw¥snmpfilter.confSNMPトラップ変換フィルターファイル
インストール先フォルダ¥event¥indexイベントサーバインデックスファイル
Eventフォルダ※3¥confイベントサーバ設定ファイル
Eventフォルダ※3¥forward転送設定ファイル
インストール先フォルダ¥event¥apiAPI設定ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥event¥ntevent.confイベントログトラップ動作定義ファイル
任意のファイル4または
JP1/Baseフォルダ※1¥jevlog.conf※4
ログファイルトラップ動作定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥event¥jevlog_start.confログファイルトラップ起動定義ファイル
Eventフォルダ3¥[jev_forward.conf | 任意のファイル] ※5配布定義ファイル(転送設定ファイル用)
JP1/Baseフォルダ※1¥[jev_logtrap.conf | 任意のファイル]5配布定義ファイル(ログファイルトラップ動作定義ファイル用)
JP1/Baseフォルダ※1¥event¥[jev_ntevent.conf | 任意のファイル]5配布定義ファイル(イベントログトラップ動作定義ファイル用)
任意のファイルパスワード定義ファイル(Windows限定)
JP1/Baseフォルダ※1¥user_acl¥JP1_UserLevelユーザー権限レベルファイル
任意のファイルディレクトリサーバ変更ファイル(Windows限定)
インストール先フォルダ¥plugin¥conf¥*.confアダプタコマンド設定ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥jbshc¥jbshc.confヘルスチェック定義ファイル
任意のファイル共通定義設定用ファイル(ヘルスチェック機能)
JP1/Baseフォルダ※1¥jp1hostsjp1hosts定義ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥jbsdfts¥*.confサービス管理制御定義ファイル
任意のファイルローカルアクション環境変数ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥lcact¥jbslcact.confローカルアクション実行定義ファイル
任意のファイル共通定義設定用ファイル(ローカルアクション機能)
JP1/Baseフォルダ※1¥physical_ipany.conf通信方式設定ファイル
JP1/Baseフォルダ※1¥logical_ipany.conf
JP1/Baseフォルダ※1¥physical_recovery_0651.conf
JP1/Baseフォルダ※1¥logical_recovery_0651.conf
JP1/Baseフォルダ※1¥physical_anyany.conf
JP1/Baseフォルダ※1¥physical_ipip.conf
JP1/Baseフォルダ※1¥logical_ipip.conf
JP1/Baseフォルダ※1¥jp1bs_baselog_setup.conf操作ログ定義ファイル

注※1 「JP1/Baseフォルダ」の部分は,次のフォルダに置き換えてください。

注※2 サービスの起動を待機させる設定,およびサービスの起動を監視する設定を有効にしている場合は,バックアップしてください。

注※3 「Eventフォルダ」の部分は,次のフォルダに置き換えてください。

注※4 ログファイルトラップ動作定義ファイルは任意の名称に設定できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,ログファイルトラップを使用していない場合には,ファイルは存在しません。

注※5 配布定義ファイルはデフォルトのファイル名または任意の名称で作成できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,定義情報の収集および配布機能を使用していない場合には存在しません。

注意事項
統合トレースログの設定は,バックアップとリカバリーの対象ではありません。設定を変更した場合は,JP1/Baseのセットアップをする際に,再度設定し直してください。

(b) 共通定義情報のバックアップ

JP1/Baseでは,定義ファイルだけでなく,共通定義情報もバックアップする必要があります。なお,この共通定義情報には,JP1/Baseのほかに,JP1/IM,JP1/AJSの定義情報も含まれています。ただし,個々の製品の定義情報を別々に取得することはできません。

共通定義情報をバックアップするには,次のコマンドを実行してください。

jbsgetcnf > 退避ファイル

なお,クラスタ運用している場合は,次のようにコマンドを実行してください。

jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル

(2) イベントDBのバックアップ

イベントDBのバックアップは次の2種類あります。

(a) リカバリーを目的としたバックアップ

イベントDBファイルのバックアップ手順を次に示します。

  1. JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
  2. JP1/Baseを停止する。
  3. イベントDBファイルをコピーするなど任意の方法で,バックアップする。
    バックアップの対象のファイルは次のとおりです。
    インストール先フォルダ¥sys¥event¥servers¥default¥IMEvent*.*
    または,
    共有フォルダ¥jp1base¥event¥IMEvent*.*
    注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するフォルダに別のパスを指定している場合は,指定したパス以下のファイルが対象となります。
  4. JP1/Baseを起動する。
  5. JP1/Baseを前提としている製品を起動する。

(b) 障害レポートとしてのバックアップ

障害レポートとしてバックアップする場合は,jevexportコマンドを使用してイベントDBの内容をcsvファイルに出力します。

なお,イベントDBは,イベントサーバごとに二つ存在し,一つが上限値(デフォルトでは10メガバイト)を超えると,もう一方のイベントDBに切り替わります。この際,使用するイベントDBの内容は消去されます。イベントDBの容量を定期的に確認して,イベントDBが切り替わる前にjevexportコマンドを実行してください。

(3) 設定情報のリカバリー

JP1/Baseのリカバリーについて説明します。クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をリカバリーしてください。

(a) 定義ファイルのリカバリー

下記の条件を確認した上で,バックアップファイルを,元の位置にリカバリーしてください。

(b) 共通定義情報のリカバリー

「(a) 定義ファイルのリカバリー」に加えて,共通定義情報をリカバリーする必要があります。

次に示すコマンドを実行してください。

jbssetcnf (1)(b)でバックアップした退避ファイル名

(4) イベントDBのリカバリー

バックアップしたイベントDBファイルをリカバリーした場合に,動作保証できる条件を次に示します。

イベントDBファイルのリカバリー手順を次に示します。

  1. JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
  2. JP1/Baseを停止する。
  3. バックアップしたファイルをフォルダに配置する。
    配置するフォルダは次のとおりです。
    インストール先フォルダ¥sys¥event¥servers¥default¥
    または,
    共有フォルダ¥jp1base¥event¥
    注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するフォルダに別のパスを指定している場合は,指定したパス以下に配置してください。
  4. JP1/Baseを起動する。
  5. JP1/Baseを前提としている製品を起動する。