ここでは,ホスト名を変更したときに影響する機能および必要な作業について説明します。
(1) ユーザー認証
認証サーバのホスト名を変更した場合は,Windowsの場合[JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[認証サーバ]タブで,UNIXの場合jbssetusrsrvコマンドで,ホスト名を変更してください。認証サーバのホスト名を変更していなければ,ユーザー認証関係に影響はありません。
(2) ユーザーマッピング
ユーザーマッピングの場合,変更漏れが発生するおそれがあるため,十分注意して次に示す作業を行ってください。
(a) マネージャー側のホスト名を変更した場合
マネージャーからリモートコマンド実行を出すすべてのエージェントホストで,エージェントホスト上のマッピング定義ファイルの確認をしてください。
マッピング定義ファイルに記述されている"JP1ユーザー名 : サーバホスト名 : ユーザーリスト"の二つ目のフィールドである"サーバホスト名"をマネージャー側のホスト名の変更に伴って変更する必要があります。変更手順を次に示します。
コマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jbsgetumap」と「jbsmkumap」を参照してください。
(b) エージェント側のホスト名を変更した場合
エージェント側のホスト名を変更した場合は,特に影響はありません。
(3) イベントサービス
イベントサービスの環境設定ファイル(すべてテキスト形式)に,ホスト名を指定している場合は,漏れがないように修正してください。なお,修正する必要があるのは,ユーザーが設定した部分だけです。デフォルトで設定されていた個所については,修正する必要はありません。イベントサービスが自動的にどこかに記憶し,それを修正しないと動作しなくなる,ということはありません。
(4) JP1/IM - Managerを利用している場合
イベント検索で「選択イベント条件入力」を使用する場合は,JP1/IM - Managerを使用するマシンから変更前のホスト名も参照できる(例:"ping 変更前ホスト名"が成功する)ようにhostsなどが設定されている必要があります。このような操作の必要がなければ,イベントサービスに関する設定を変更する必要は特にありません。
JP1/IM - Managerの場合,システムの構成を構成定義ファイルで行っています。このため,ホスト名が変更されるたびに,システム構成の再配布(jbsrt_distribコマンドの実行)が必要となります。システム構成の再配布を行わないと,JP1イベントが正しく転送されなくなるおそれがあります。システム構成の再配布の方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド」を参照してください。
(5) クラスタシステムを運用している場合
クラスタシステムを運用している環境で論理ホスト名を変更した場合は,変更前の論理ホスト名を削除してください。その後,変更後の論理ホスト名に対して,クラスタ運用ができるよう再セットアップしてください。
(6) 統合トレース(HNTRLib2)
ホスト名の変更をした場合,統合トレース(HNTRLib2)の再起動は必須ではありませんが,再起動を行わなかった場合,統合トレースログのヘッダー情報に変更前のホスト名が出力されます。
(7) jp1hosts定義ファイル
jp1hosts定義ファイルを設定している場合は,ホスト名を再設定してください。