ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for IBM WebSphere MQのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
システム全体のディスク占有量の見積もり値をOSごとに記載します。
(a) Windowsの場合
PFM - Agent for IBM WebSphere MQのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
Windowsの場合の,システム全体のディスク占有量のおおよその見積もりを次の表に示します。
表A-5 システム全体のディスク占有量(Windowsの場合)
PFM - Agent for IBM WebSphere MQの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) |
---|---|
Windows Server 2003 Windows Server 2008 | |
インストール時※1 | 1 |
初期状態での運用※2 | 200 |
運用時 | a + b |
(b) UNIXの場合
PFM - Agent for IBM WebSphere MQのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
UNIXの場合の,システム全体のディスク占有量のおおよその見積もりを次の表に示します。
表A-6 システム全体のディスク占有量(UNIXの場合)
PFM - Agent for IBM WebSphere MQの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) |
---|---|
AIX | |
インストール時※1 | 5 |
初期状態での運用※2 | 200 |
運用時 | a + b |
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-7 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | (X1+.....+Xa+3,500*a) |
PDレコードタイプ | (Y1+.....+Yb+700*b) |
表A-8 デフォルトの保存期間と保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
表A-9 レコードのインスタンス数の算出方法
レコード | インスタンス数取得SQL文,または算出方法 | 確認方法 |
---|---|---|
PD | インスタンス数は1です。 | - |
PI | 予約レコードのため使用できません。 | - |
PD_QS | 監視対象のキューマネージャーが持つキュー(システムキューを含む)の数。 | ※7 |
PD_QHS | 監視対象のキューマネージャーが持つキュー(システムキューを含む)にアクセスしているアプリケーションのアクセス中ハンドル数。 ハンドルは,アプリケーションからキューへの接続を表します。 | ※8 |
PD_CS | 監視対象のキューマネージャーが持つ,チャネル(システムチャネルを含む)の数。 | ※9 |
PI_CSI | 監視対象のキューマネージャーが持つ,チャネル(システムチャネルを含む)の数。 | ※9 |
(b) 見積もり例
a=1
c=681
d=1,644
e=2
f=2,039
(1,440+168+366+52+12+1)=2,039レコード
f=2,039
X={d*e+(c+1,900)*{d*e/(65,250-c)+1}}*f*1.5
X={1,644*2+(681+1,900)*{1,644*2/(65,250-681)+1}}*2,039*1.5
={3,288+(2,581)*{3,288/64,569+1}}*3,058
={3,288+2,581*1}*3,058
=5,869*3,058
=17,947,402 (バイト)
=約17(メガバイト)
b=1
c=681
d=384
e=3
g=2,232
Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}*(g/e)}*1.5
Y={384*2,232+(681+1,900)*{(384*3)/(65,250-681)+1}*
(2,232/3)}*1.5
={857,088+2,581*{1,152/64,569+1}*744}*1.5
={857,088+2,581*1*744}*1.5
={857,088+1,920,264}*1.5
=2,777,352*1.5
=4,166,028 (バイト)
=約4 (メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
X={(e+2)*f'+(d+60)*{((e+2)*f')/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1
表A-10 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 10(固定値) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-11 デフォルトの保存期間(Store バージョン2.0 の場合)
レコードタイプ | データの種類 | 保存期間 |
---|---|---|
PI | 分単位 | 1 日 |
時単位 | 7 日 | |
日単位 | 54 週 | |
週単位 | 54 週 | |
月単位 | 12か月 | |
年単位 | 制限なし | |
PD | - | 10 日 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)
)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2 * ((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
l:PI レコードで収集しているレコードの数
m:PD レコードで収集しているレコードの数
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for IBM WebSphere MQのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もり例について説明します。
●ディスク占有量
PI_CSIとPD_PQS を収集する設定にした場合を例にして説明します。
PI_CSIレコードの見積もりについて説明します。「(3)(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,a~gの値を調べます。
d=681 バイト
e=1,644 バイト
f=3
f’=4
g=60(秒)
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
a=1,440
b=1+(60-1)/60
=1.98...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(分)={(1,644+2)*4+(681+60)*{((1,644+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(3+1)*1.1
={6,584+741*1}*6,336
=7,325*6,336
=46,411,200(バイト)=約44メガバイト
a=24
b=1+(60-1)/3,600
=1.01...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(時)={(1,644+2)*4+(681+60)*{((1,644+2)*4)/(65,250-681)+1}}*24/1*(3+1)*1.1
={6,584+741*1}*105.6
=7,325*105.6
=773,520(バイト)=約0.7メガバイト
a=7
b=1+(60-1)/86,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(日)={(1,644+2)*4+(681+60)*{((1,644+2)*4)/(65,250-681)+1}}*7/1*(1+1)*1.1
={6,584+741*1}*15.4
=7,325*15.4
=112,805(バイト)= 約0.1メガバイト
a=1
b=1+(60-1)/604,800
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(週)={(1,644+2)*4+(681+60)*{((1,644+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={6,584+741*1}*2.2
=7,325*2.2
=16,115(バイト)= 約0.01メガバイト
a=1
b=1+(60-1)/2,592,000
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(月)
X(月)={(1,644+2)*4+(681+60)*{((1,644+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={6,584+741*1}*2.2
=7,325*2.2
=16,115(バイト)=約0.01メガバイト
a=1
b=1+(60-1)/31,622,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=10(固定)
X(年)={(1,644+2)*4+(681+60)*{((1,644+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={6,584+741*1}*12.1
=7,325*12.1
=88,632.5(バイト)= 約0.08メガバイト
以上から,PI_CSIの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=44.9メガバイト
=約45メガバイト
次にPD_QS レコードの見積もりについて説明します。
変数を次の値とします。
a=1,400
b=60/60=1
c=7(日)
d=681(バイト)
e=384(バイト)
f=10
f'=12
g=60(秒)
見積もり式を次に示します。
X={(384+2)*12+(681+60)*{((384+2)*12)/(65,250-681)+1}}*1,440/1*
(7+1)*1.1
={4,632+741*1}*12,672
=5,373*12,672
=68,086,656(バイト)=約65メガバイト
したがって,必要なディスク占有量はPI_CSI+PD_QS=110メガバイトとなります。
●ファイル数
PI_CSI,PD,PD_QS を収集する場合を例にして説明します。「(a) 見積もり式」の見積もり式の,可変値を調べます。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=1
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)=3(日)
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)=3(日)
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)=1(週)
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)=1(週)
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)=1(月)
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)=10(日)
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)+
)
=20+2*{
[3(PI_CSI分)+1]+
[3(PI_CSI分)+1]+
[1(PI_CSI分)+1]+
[1(PI_CSI分)+1]+
[1(PI_CSI分)+1]+
[11*1]+
[10(PD分)+10(PD_QS分)+2]
}
=20+2*{4+4+2+2+2+11+22}=114
●ディレクトリ数
PI_CSI,PD,PD_QS を収集する場合を例にして説明します。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=1
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=3(日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=3(日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=1(週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=1(週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)=1(月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)=10(日)(考え方:PD_QSが8日,PDが10日の場合は10日となります)。
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10)=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI,PD,PD_QS を収集する場合を例にして説明します。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=1
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*1+2)=36