ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for WebSphere Application Serverのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for WebSphere Application Serverのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
上記を踏まえ,システム全体のディスク占有量の見積もり値を次の表に示します。
表A-2 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for WebSphere Application Serverの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) | |||
---|---|---|---|---|
Windows | Solaris | AIX | Linux | |
インストール時※1 | 70 | 120 | 96 | 83 |
初期状態での運用※2 | 134 | 184 | 160 | 147 |
運用時 | a + b | a + b | a + b | a + b |
c + 60(メガバイト)
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-3 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | X1+.....+Xa+3,500*a |
PDレコードタイプ | Y1+.....+Yb+700*b |
X=[d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1]*f*1.5
Y=[d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1*(g/e)※2]*1.5
表A-4 各レコードのインスタンス数
項番 | レコードID | インスタンス数 |
---|---|---|
1 | PD | 単数インスタンスレコードのため,1 |
2 | PI | 単数インスタンスレコードのため,1 |
3 | PI_JVM | 単数インスタンスレコードのため,1 |
4 | PI_WEBC | 単数インスタンスレコードのため,1 |
5 | PI_WEBA | 複数インスタンスレコードのため,インスタンス数 |
6 | PI_SVLT | 複数インスタンスレコードのため,インスタンス数 |
7 | PI_EJB | 複数インスタンスレコードのため,インスタンス数 |
8 | PI_THRP | 複数インスタンスレコードのため,インスタンス数 |
9 | PI_JDBC | 複数インスタンスレコードのため,インスタンス数 |
10 | PI_J2C | 複数インスタンスレコードのため,インスタンス数 |
11 | PI_TRNS | 単数インスタンスレコードのため,1 |
12 | PI_WEBS | 複数インスタンスレコードのため,インスタンス数 |
13 | PI_ORB | 単数インスタンスレコードのため,1 |
表A-5 デフォルトの保存期間と保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
a=1
c=773
d=0
e=1
f=2,039
(1,440+168+366+52+12+1)=2,039レコード
f=2,039
X=[d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}]*f*1.5
=[0*1+(773+1,900)*{0*1/(65,250-773)+1}]*2,039*1.5
=(0+2,673*1)*3,058
=8,174,034(バイト)
=約8(メガバイト)
b=1
c=683
d=0
e=1
g=44,640
g=1,440レコード(1日分)*31(1か月)*1(eの値)=44,640レコード
g=44,640レコード
Y=[d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}*(g/e)]*1.5
={0*44,640+(683+1,900)*{(0*1)/(65,250-683)+1}*(44,640/1)}*1.5
=(0+2,583*1*44,640)*1.5
= 172,957,680(バイト)
= 約165(メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
表A-6 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 保存期間(単位:年) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-7 デフォルトの保存期間と保存レコード数(Storeバージョン2.0の場合)
レコードタイプ | データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|---|
PI | 分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 31日 | 744 | |
日単位 | 5週 | 35 | |
週単位 | 53週 | 53 | |
月単位 | 1年 | 12 | |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 | |
PD | - | 31日 | 44,640 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*1)+
(B1+B2+...+Bm+m)
)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for WebSphere Application ServerのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_JVMとPDを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_JVMレコードの見積もりについて説明します。「(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,a~gの値を調べます。
d=773
e=0
f=単数インスタンスレコードのため1
f’=fが1のため1
g=今回は60秒とする
次に,分レコード,時レコードなどを,それぞれ計算します。
X(分)={(0+2)*1+(773+60)*{((0+2)*1)/(65,250-773)+1}}*1,440/1*(1+1)*1.1
={2+833*(2/64,477+1)}*1,440*2*1.1
=2,645,280(バイト)
=約2.6(メガバイト)
X(時)={(0+2)*1+(773+60)*{((0+2)*1)/(65,250-773)+1}}*24/1*(31+1)*1.1
={2+833*(2/64,477+1)}*24*32*1.1
=705,408(バイト)
=約0.7(メガバイト)
X(日)={(0+2)*1+(773+60)*{((0+2)*1)/(65,250-773)+1}}*7/1*(5+1)*1.1
={2+833*(2/64,477+1)}*7*6*1.1
=38,577(バイト)
=約0.04(メガバイト)
X(週)={(0+2)*1+(773+60)*{((0+2)*1)/(65,250-773)+1}}*1/1*(53+1)*1.1
={2+833*(2/64,477+1)}*1*54*1.1
=49,599(バイト)
=約0.05(メガバイト)
X(月)={(0+2)*1+(773+60)*{((0+2)*1)/(65,250-773)+ 1}}*1/1*(12+1)*1.1
={2+833*(2/64,477+1)}*1*13*1.1
=11,941(バイト)
=約0.01(メガバイト)
X(年)={(0+2)*1+(773+60)*{((0+2)*1)/(65,250-773)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={2+833*(2/64,477+1)}*1*11*1.1
= 10,104(バイト)
= 約0.01(メガバイト)
以上から,PI_JVMの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=3.41(メガバイト)
=約4(メガバイト)
次にPDレコードの見積もりについて説明します。
a=1,440
b=60/60=1
c=31日とする
d=683バイト
e=0バイト
f=単数インスタンスレコードのため1
f’=fが1のため1
g=今回は60秒とする
見積もり式を次に示します。
X={(0+2)*1+(683+60)*{((0+2)*1)/(65,250-683)+1}}*1,440/1*(31+1)*1.1
={2+743*(2/64,567+1)}*1,440*32*1.1
=37,762,560(バイト)
=約36(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量はPI_JVM+PD=40メガバイトとなります。
●ファイル数
PI,PI_JVM,およびPDを収集する場合を例に挙げて説明します。「(a) 見積もり式」のファイル数の見積もり式の,可変値を調べます。
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数=1
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は1日とする
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は31日とする
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は5週とする
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は53週とする
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)=今回は12か月とする
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)=今回は31日とする
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*1)+
(B1+B2+...+Bm+m)+
)
=20+2*{
[1(PI分)+1(PI_JVM分)+2]+
[31(PI分)+31(PI_JVM分)+2]+
[5(PI分)+5(PI_JVM分)+2]+
[53(PI分)+53(PI_JVM分)+2]+
[12(PI分)+12(PI_JVM分)+2]+
[11*2]+
[31(PD分)+1]
}
=20+2*{4+64+12+108+26+22+32}=556
●ディレクトリ数
PI,PI_JVM,およびPDを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数=1
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は1日とする
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は31日とする
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は5週とする
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は53週とする
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)=今回は12か月とする
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は31日とする
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(1+31+5+53+12+11+31)=313
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI,PI_JVM,およびPDを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数=1
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*2+1)=46