ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for Dominoのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
システム全体のディスク占有量の見積もり値を記載します。
表A-2 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Dominoの状態 | メモリー所要量(単位:メガバイト) | ||
---|---|---|---|
Windows | Solaris | AIX | |
インストール時※ | 10 | 35 | 40 |
運用時 | 10+W | 35+W | 40+W |
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベースのディスク占有量について,レコードタイプごとに示します。
表A-3 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | ( X1 + ..... + Xa + 3,500 * a ) |
PDレコードタイプ | ( Y1 + ..... + Yb + 700 * b ) |
PLレコードタイプ | ( Z1 + ..... + Zc + 700 * c ) |
X = {e*f+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}※1}*g*1.5
Y = {e*h+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}※1*(h/f)※2}*1.5
Z = {e*h+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}※1*(h/f)※2}*1.5
表A-4 各レコードのインスタンス数
項番 | レコードID | インスタンス数 |
---|---|---|
1 | PD_PD | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
2 | PD_PDAG | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
3 | PD_PDCL | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
4 | PD_PDCM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
5 | PD_PDDB | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
6 | PD_PDDM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
7 | PD_PDIM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
8 | PD_PDLP | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
9 | PD_PDML | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
10 | PD_PDMM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
11 | PD_PDMT | MTA(Message Transfer Agent)で使用しているプロトコル数。 |
12 | PD_PDNE | Notesネットワークポートとして有効にしているポート数。 |
13 | PD_PDNN | NNTPで使用しているリモートサーバ数。 |
14 | PD_PDPP | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
15 | PD_PDRP | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
16 | PD_PDSM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
17 | PD_PDSO | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
18 | PD_PDSV | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
19 | PD_PDWR | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
20 | PD_PDXP | ドミノで使用しているシリアルポート数。 |
21 | PI_PI | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
22 | PI_PICM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
23 | PI_PIDB | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
24 | PI_PIDK | データディレクトリ内のデータベースファイル数(.NSF,.NSG,.NSHファイル)。 |
25 | PI_PIDM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
26 | PI_PIHC | 調査対象としている稼働監視タイプ数(http,smtp,pop3など)。 |
27 | PI_PIHT | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
28 | PI_PIIM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
29 | PI_PILG | データディレクトリとして使用しているドライブ数。旧バージョンのドミノでは,システムに接続されているすべてのドライブ数。 サーバコンソールから「show stat disk」で確認できる。 |
30 | PI_PILP | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
31 | PI_PIMK | データディレクトリ内のデータベースファイル数(.NSF,.NSG,.NSHファイル)。 |
32 | PI_PIML | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
33 | PI_PIMM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
34 | PI_PIMT | MTA(Message Transfer Agent)で使用しているプロトコル数。 |
35 | PI_PINE | Notesネットワークポートとして有効にしているポート数。 |
36 | PI_PINN | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
37 | PI_PIQM | Ispyタスクで調査対象としているメールサーバ数。 |
38 | PI_PIQS | Ispyタスクで調査対象としているサーバ数*TCPサービスタイプ数(http,stmp,pop3など)。 |
39 | PI_PIRP | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
40 | PI_PISM | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
41 | PI_PISV | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
42 | PI_PIWR | 単数インスタンスレコードのため,1。 |
43 | PI_PIXP | ドミノで使用しているシリアルポート数。 |
44 | PL_PLNL | 検索文字列に合致したNotesログの行数。 |
表A-5 PIレコードタイプの保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
a=1
d=681
e=68
f=1
g=2,039
1,440+168+366+52+12+1=2,039レコード
X={e*f+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}}*g*1.5
={68*1+(681+1,900)*{(68*1)/(65,250-681)+1}}*2,039*1.5
=(68+2,581*1)*2,039*1.5
=8,110,280(バイト)
=約8(メガバイト)
b=1
d=733
e=0
f=1
h=744
h=24レコード(1日分)*31(1か月)*1(fの値)=744レコード
h=744レコード
Y={e*h+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}*(h/f)}*1.5
={0*744+(733+1,900)*{(0*1)/(65,250-733)+1}*(744/1)}*1.5
=(0+2,633*1*744)*1.5
= 2,938,428(バイト)
= 約3(メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1
表A-6 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 保存期間(単位:年) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
PL | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-7 PIレコードタイプの保存期間(デフォルト値)
データの種類 | 保存期間 |
---|---|
分単位 | 1日 |
時単位 | 7日 |
日単位 | 54週 |
週単位 | 54週 |
月単位 | 12か月 |
年単位 | 制限なし |
表A-8 PDレコードタイプの保存期間(デフォルト値)
レコード名 | 保存期間(単位:日) |
---|---|
PD_PD | 10 |
PD_PDAG | 10 |
PD_PDCL | 10 |
PD_PDCM | 10 |
PD_PDDB | 10 |
PD_PDDM | 10 |
PD_PDIM | 10 |
PD_PDLP | 10 |
PD_PDML | 10 |
PD_PDMM | 10 |
PD_PDMT | 10 |
PD_PDNE | 10 |
PD_PDNN | 10 |
PD_PDPP | 10 |
PD_PDRP | 10 |
PD_PDSM | 10 |
PD_PDSO | 10 |
PD_PDSV | 10 |
PD_PDWR | 10 |
PD_PDXP | 10 |
表A-9 PLレコードの保存期間(デフォルト値)
レコード名 | 保存期間(単位:日) |
---|---|
PL_PLNL | 31 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)+
(C1+C2+...+Co+o)
)
m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
o:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
A11~A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
C1~Co:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
Cmax:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m+n)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for DominoのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もり例について説明します。
●ディスク占有量
PI_PIHCとPD_PDMMを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_PIHCレコードの見積もりについて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
d=681(バイト)
e=68(バイト)
f=1
g=60(秒)
次に,分レコード,時レコードなどを,それぞれ計算します。
a=1,440
b=1+(60-1)/60=1.98・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=1(日)
X(分)={(68+2)*1+(681+60)*{((68+2)*1)/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(1+1)*1.1
=(70+741*1)*1,440*2*1.1
=2,569,428(バイト)
=約2.5(メガバイト)
a=24
b=1+(60-1)/3,600=1.01・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=31(日)
X(時)={(68+2)*1+(681+60)*{((68+2)*1)/(65,250-681)+1}}*24/1*(31+1)*1.1
=(70+741*1)*24*32*1.1
=626,066(バイト)
=約0.6(メガバイト)
a=7
b=1+(60-1)/86,400=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=5(週)
X(日)={(68+2)*1+(681+60)*{((68+2)*1)/(65,250-681)+1}}*7/1*(5+1)*1.1
=(70+741*1)*7*6*1.1
=34,304(バイト)
=約0.03(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/604,800=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=53(週)
X(週)={(68+2)*1+(681+60)*{((68+2)*1)/(65,250-681)+1}}*1/1*(53+1)*1.1
=(70+741*1)*1*54*1.1
=44,085(バイト)
=約0.04(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/2,592,000=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=12(月)
X(月)={(68+2)*1+(681+60)*{((68+2)*1)/(65,250-681)+1}}*1/1*(12+1)*1.1
=(70+741*1)*1*13*1.1
=10,666(バイト)
=約0.01(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/31,622,400=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=10(固定)
X(年)={(68+2)*1+(681+60)*{((68+2)*1)/(65,250-681)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
=(70+741*1)*1*11*1.1
= 9,813(バイト)
= 約0.01(メガバイト)
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=3.19(メガバイト)
=約3.2(メガバイト)
a=1,440
b=3,600/60=60
c=31(日)
d=733(バイト)
e=0(バイト)
f=1
g=3,600(秒)
X={(0+2)*1+(733+60)*{((0+2)*1)/(65,250-733)+1}}*1,440/60*(31+1)*1.1
=(2+793*1)*24*32*1.1
=669,928(バイト)
=約0.7(メガバイト)
●ファイル数
PI_PI,PI_PIHC,およびPD_PDMMを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
m=2
n=1
A11~A1m=1(日)
A21~A2m=31(日)
A31~A3m=5(週)
A41~A4m=53(週)
A51~A5m=12(月)
B1~Bn=31(日)
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)
)
=20+2*(
[1(PI_PI分)+1(PI_PIHC分)+2]+
[31(PI_PI分)+31(PI_PIHC分)+2]+
[5(PI_PI分)+5(PI_PIHC分)+2]+
[53(PI_PI分)+53(PI_PIHC分)+2]+
[12(PI_PI分)+12(PI_PIHC分)+2]+
[11*2]+
[31(PD_PDMM分)+1]
)
=20+2*(4+64+12+108+26+22+32)=556
●ディレクトリ数
PI_PI,PI_PIHC,およびPD_PDMMを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
A1max=1(日)
A2max=31(日)
A3max=5(週)
A4max=53(週)
A5max=12(月)
Bmax=31(日)
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(1+31+5+53+12+11+31)=313
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI_PI,PI_PIHC,およびPD_PDMMを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2
m=1
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*2+1)=46