jr3slgetコマンド実行時に,引数として環境パラメーター設定ファイルを指定すると,ファイルの設定内容を基に,SAPシステムのシステムログ情報が抽出されます。
このファイルは,テキストファイルとしてユーザーが作成します。
(1) 設定手順
環境パラメーター設定ファイルの設定手順を次に示します。
(2) 設定内容
環境パラメーター設定ファイルは,次の形式で記述します。
[セクション]
ラベル=値
ラベル=値
:
:
[セクション]
ラベル=値
ラベル=値
次に,環境パラメーター設定ファイルの各セクションで設定する内容を表形式で説明します。表の「引数」列は,jr3slgetコマンドでも指定できる設定値の場合,コマンドで指定する際の引数を示します。「-」は,コマンドでは指定できない項目を示します。
(a) CONNECTセクション
CONNECTセクションでは,コマンド実行時に,SAPシステムとのRFC接続を確立するための情報を指定します。
表5-6 CONNECTセクションに指定できる値
ラベル | 意味 | 指定できる値 | デフォルト値 | 引数 |
---|---|---|---|---|
ASHOST | 接続先のアプリケーションサーバのホスト名(トランザクションコードSM51で確認できるホスト名)。 | 1~100バイトの半角英数字。次の形式で指定できる。
| localhost | -h |
SYSNR | 接続先のアプリケーションサーバホストで識別するためのシステム番号。 | 0~99 | 00 | -s |
CLIENT | 接続に利用するユーザーのクライアント名。 | 0~999 | 000 | -c |
USER | 接続に利用するユーザー名。※1 | 1~12バイトの半角英数字。 | CPIC | -u |
PASSWD | 接続に利用するユーザーのパスワード。※2 | 1~8バイトの半角文字列。※3 | ADMIN | -p |
PASSWD2 | 接続に利用するユーザーの拡張パスワード。※2 | 1~40バイトの半角文字列。※3 | ADMIN | -p2 |
LANG | 接続に利用するユーザーの言語。 | 日本語と英語が使用できる。 次に示すSAPシステムで使用されている2バイトのISO IDまたは1バイトの言語キーを指定する。
| なし | -l |
CODEPAGE | 接続先のUnicode版SAPシステムで文字コードを変換する時に使用するコードページ。 | LANGラベルの言語と組み合わせて指定する。※4 | なし | -codepage |
表5-7 ユーザーが汎用モジュールにRFC接続するための権限(S_RFC)
権限項目 | 説明 | 値 |
---|---|---|
RFC_TYPE | 保護されるRFCオブジェクトのタイプ | FUGR(汎用グループ) |
RFC_NAME | 保護されるRFC名 | * |
ACTVT | アクティビティ | 16(実行) |
表5-8 外部管理インターフェースを使用するための権限(S_XMI_PROD)
権限項目 | 説明 | 値 |
---|---|---|
EXTCOMPANY | 外部管理ツールの会社名 | HITACHI |
EXTPRODUCT | 外部管理ツールのプログラム名 | JP1 |
INTERFACE | インターフェースID | XAL |
表5-9 言語とコードページの指定内容の組み合わせ
接続先SAPシステム | 接続言語 | 言語(LANG) | コードページ(CODEPAGE) |
---|---|---|---|
Unicode版 | 日本語 | JA | 8000 |
英語 | EN | 指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。 | |
非Unicode版 | 日本語 | JA | 指定する必要はありません。指定する場合は,8000を指定してください。 |
英語 | EN | 指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。 |
(b) COMMANDセクション
COMMANDセクションでは,jr3slgetコマンドの作業ディレクトリの情報を指定します。
表5-10 COMMANDセクションに指定できる値
ラベル | 意味 | 指定できる値 | デフォルト値 | 引数 |
---|---|---|---|---|
WORKDIR | コマンドの作業ディレクトリ。 | 1~255バイトの半角英数字。相対パスを指定した場合,カレントディレクトリからの相対パスとなる。 | カレントディレクトリ | - |
(c) TRACEセクション
TRACEセクションでは,jr3slgetコマンドの実行履歴が保存されるメッセージログおよびデータログの情報を指定します。
表5-11 TRACEセクションに指定できる値
ラベル | 意味 | 指定できる値 | デフォルト値 | 引数 |
---|---|---|---|---|
MSGLOG_LEVEL | アプリケーションのトレース情報を保存するメッセージログの取得レベル。
| 0~4 | 2 | - |
MSGLOG_SIZE | メッセージログを取得するファイル容量。
| 0~65535 | 512 | - |
MSGLOG_DIR | メッセージログファイル(jr3slget.log)の取得先ディレクトリ。 | 1~255バイトの半角英数字。ファイル名部分のjr3slget.logまでを含めて255バイト以内で指定する必要がある。相対パスを指定した場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスとなる。 | コマンドの作業ディレクトリ(COMMANDセクションのWORKDIRラベルで変更していないときは,カレントディレクトリ) | - |
DATALOG_LEVEL | アプリケーションの各種データ情報を保存するデータログの取得レベル。
| 0~4 | 2 | - |
DATALOG_SIZE | データログを取得するファイル容量。
| 0~65535 | 512 | - |
DATALOG_DIR | データログファイル(jr3slget.dat)の取得先ディレクトリ。 | 1~255バイトの半角英数字。ファイル名部分のjr3slget.datまでを含めて255バイト以内で指定する必要がある。相対パスを指定した場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスとなる。 | コマンドの作業ディレクトリ(COMMANDセクションのWORKDIRラベルで変更していないときは,カレントディレクトリ) | - |
(d) TARGETセクション
TARGETセクションでは,抽出対象のシステムログ情報を特定するための情報を指定します。
表5-12 TARGETセクションに指定できる値
ラベル | 意味 | 指定できる値 | デフォルト値 | 引数 |
---|---|---|---|---|
SERVER | SAPインスタンス名(トランザクションコードSM51で確認できる,ダイアログサービスを持つSAPインスタンス名)。 | 1~20バイトの半角英数字。 | (なし) | -server |
(e) FORMATセクション
FORMATセクションでは,出力されるシステムログ情報の出力形式を指定します。
表5-13 FORMATセクションに指定できる値
ラベル | 意味 | 指定できる値 | デフォルト値 | 引数 |
---|---|---|---|---|
COLUMN | 出力されるシステムログ情報の出力形式。 | フィールドID。フィールドIDについては,「10. コマンド」を参照のこと。 | 列1:<TIME> 列2:<INSTANCE> 列3:<USER> 列4:<PROGRAM> 列5:<MSGNO> 列6:<MSGTEXT> | - |
(f) EXTRACTFILEセクション
EXTRACTFILEセクションでは,システムログ情報の出力ファイルの情報を指定します。
表5-14 EXTRACTFILEセクションに指定できる値
ラベル | 意味 | 指定できる値 | デフォルト値 | 引数 |
---|---|---|---|---|
SIZE | 出力ファイル容量。
| 0~65535 | 1024 | - |
X2PATH | jr3slgetコマンドの-x2オプションで,ログファイル出力を指定したときに適用されるログファイルのパス。※2 | 1~255バイトの半角英数字。相対パスを指定した場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスとなる(COMMANDセクションのWORKDIRラベルで変更していないときは,カレントディレクトリ)。 | SYSLOG | - |