付録A.2 ディスク占有量

ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。

PFM - Agent for Enterprise Applicationsのディスク占有量の見積もりについて説明します。

<この項の構成>
(1) システム全体のディスク占有量
(2) Storeデータベースのディスク占有量
(3) コマンド実行時のディスク占有量

(1) システム全体のディスク占有量

システム全体のディスク占有量の見積もりを次の表に示します。初期状態とは,収集設定がWorkLoad Summary Interval(PI)レコードおよびWork Process Summary(PD)レコードだけのPFM - Agent for Enterprise Applicationsのインスタンスが,Storeバージョン2.0で一つだけセットアップされている場合のことを示します。

表A-3 システム全体のディスク占有量

PFM - Agent for Enterprise Applicationsの状態ディスク占有量(単位:メガバイト)
Windows Server 2003,Windows Server 2008HP-UXSolarisAIX
インストール時3050※125※130※1
初期状態での運用110a+120a+120a+120
初期状態以外での運用30+20*インスタンス数+b+c+Wa+30+20*インスタンス数+b+c+Wa+30+20*インスタンス数+b+c+Wa+30+20*インスタンス数+b+c+W
(凡例)
a:インストール時のディスク占有量
b:System Log Monitor Command(PD_SLMX)レコードを収集する場合に作成されるシステムログ情報格納ファイル(SYSLOGファイル)のサイズ※2。ファイルサイズの設定は,「5.3 環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。インスタンスを複数構築している場合は,構築したインスタンスごとのシステムログ情報格納ファイル(SYSLOGファイル)のサイズの総和になります。
c:CCMS Alert Monitor Command(PD_ALMX)レコードを収集する場合に作成されるCCMSアラート情報格納ファイル(ALERTファイル)のサイズ※3。ファイルサイズの設定は,「6.3 環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。インスタンスを複数構築している場合は,構築したインスタンスごとのCCMSアラート情報格納ファイル(ALERTファイル)のサイズの総和になります。
W:Storeデータベースで使用するディスク占有量。レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。レコードタイプごとのディスク占有量の見積もり式については,「付録A.2(2) Storeデータベースのディスク占有量」を参照してください。インスタンスを複数構築している場合は,構築したインスタンスごとのStoreデータベースのディスク占有量の総和となります。
注※1
インストール時には一時的にプログラム本体容量の2倍分のディスク容量が必要となります。
注※2
デフォルトは,1(単位:メガバイト)です。
CCMSアラート情報格納ファイルのサイズの見積もりは次のようになります。求まったバイト数をキロバイト数(1キロバイト=1024バイト)に変換して設定してください。なお,1メガバイトは1024キロバイトです。
Windowsの場合
28+421*n(単位:バイト)
UNIXの場合
27+420*n(単位:バイト)
(凡例)
n:収集するCCMSアラートの行数
注※3
デフォルトは,1(単位:メガバイト)です。
システムログ情報格納ファイルのサイズの見積もりは次のようになります。求まったバイト数をキロバイト数(1キロバイト=1024バイト)に変換して設定してください。なお,1メガバイトは1024キロバイトです。
Windowsの場合
28+308*n(単位:バイト)
UNIXの場合
27+307*n(単位:バイト)
(凡例)
n:収集するシステムログの行数

(2) Storeデータベースのディスク占有量

StoreデータベースのStoreバージョンによって,ディスク占有量が異なります。Storeバージョンごとのディスク占有量を次に説明します。

注意
  • パフォーマンスデータがStoreデータベースに格納される際,幾つかのフィールドが追加されます。追加されるフィールドは,ディスク占有量に含まれるため,新たに容量を見積もる必要はありません。
    ・各レコードに共通して追加されるフィールド
    各レコードに共通して追加されるフィールドを次の表に示します。
    PFM - View名PFM - Manager名説明
    Agent HostDEVICEIDPFM - Agentが動作しているホスト名。
    Agent InstancePROD_INSTPFM - Agentのインスタンス名。
    Agent TypePRODIDPFM - AgentのプロダクトID。
    DateDATEレコードが作成された日(グリニッジ標準時)。
    Date and TimeDATETIMEDate(DATE)とTime(TIME)フィールドの組み合わせ。
    Drawer TypeDRAWER_TYPEPIレコードタイプのレコードの場合,データが要約される区分(分,時,日,週,月,年)。
    GMT OffsetGMT_ADJUSTグリニッジ標準時とローカル時間の差(秒単位)。
    TimeTIMEレコードが作成された時刻(グリニッジ標準時)。
    ・PIレコードタイプのデータを要約する際に追加されるフィールド
    PFM - View名やPFM - Manager名の末尾に,次に示す文字列が付加されているフィールドが該当します。PIレコードタイプのデータを要約する際に追加されるフィールドを次の表に示します。
    PFM - View名PFM - Manager名説明
    PFM - View名(Total)PFM - Manager名_TOTALフィールドの合計値。
    PFM - View名(Total)PFM - Manager名_TOTAL_SECフィールドの合計値(utime型の場合)。
    PFM - View名(Max)PFM - Manager名_HIフィールドの最大値。
    PFM - View名(Min)PFM - Manager名_LOフィールドの最小値。
    PFM - Manager名_COUNT収集レコード数。
    ・jpctool db dump(jpcctrl dump)コマンドで,Storeのデータベースに格納されているデータをエクスポートする際に追加されるフィールド
    jpctool db dump(jpcctrl dump)コマンドで,Storeのデータベースに格納されているデータをエクスポートすると,次のフィールドが出力されます。これらのフィールドもStoreデータベースに格納される際,追加されるフィールドです。これらのフィールドは,PFM - Agent for Enterprise Applicationsが内部で使用するフィールドであるため,運用で使用しないでください。
    - レコードID_DATE_F
    - レコードID_DEVICEID_F
    - レコードID_DRAWER_TYPE_F
    - レコードID_DRAWER_COUNT
    - レコードID_DRAWER_COUNT_F
    - レコードID_INST_SEQ
    - レコードID_PRODID_F
    - レコードID_PROD_INST_F
    - レコードID_RECORD_TYPE
    - レコードID_RECORD_TYPE_F
    - レコードID_SEVERITY
    - レコードID_SEVERITY_F
    - レコードID_TIME_F
    - レコードID_UOWID
    - レコードID_UOWID_F
    - レコードID_UOW_INST
    - レコードID_UOW_INST_F
    - レコードID_PFM - Manager名_SEC
    - レコードID_PFM - Manager名_MSEC
  • 履歴データを収集する各レコードのインスタンス数は,次の表で見積もることができます。

    表A-4 レコードごとのインスタンス数

    レコード名レコードに対応する監視対象インスタンス数
    Background Processing(PI_BTCP)SAPシステム全体のバックグラウンドシステムの状態および処理効率単数インスタンスレコードのため,1
    Background Service(PI_BTC)バックグラウンドサービス単数インスタンスレコードのため,1
    CCMS Alert Monitor Command(PD_ALMX)SAPシステムのCCMSアラート情報の抽出結果単数インスタンスレコードのため,1
    Dialog Service(PI_DIA)ダイアログサービス単数インスタンスレコードのため,1
    Enqueue Service(PI_ENQ)エンキューサービス単数インスタンスレコードのため,1
    SAP Buffer Summary(PI_BUFF)SAPバッファの要約単数インスタンスレコードのため,1
    SAP Instance Summary(PD_SRV)SAPインスタンスの要約接続先SAPシステムに存在するインスタンス(サーバ)の数(トランザクションコードSM51に表示されるインスタンス(サーバ)の数)
    SAP Memory Summary(PI_MEM)SAPメモリーの要約単数インスタンスレコードのため,1
    Spool Service(PI_SPO)スプールサービス単数インスタンスレコードのため,1
    System Log Monitor Command(PD_SLMX)SAPシステムのシステムログ情報の抽出結果単数インスタンスレコードのため,1
    Update1 Service(PI_UPD1)V1更新サービス単数インスタンスレコードのため,1
    Update2 Service(PI_UPD2)V2更新サービス単数インスタンスレコードのため,1
    User defined Monitor (Perf.)(PI_UMP)モニター情報設定したモニターセット名およびモニター名より以下に存在する,MTEタイプが「パフォーマンス属性」であるMTEの数
    Work Process Summary(PD)ワークプロセスの概要接続先インスタンスに存在するワークプロセスの数(トランザクションコードSM50で確認できます)
    WorkLoad Summary Interval(PI)ダイアログタスクのワークロード時間単数インスタンスレコードのため,1
  • jpctool db backup(jpcctrl backup)コマンドまたはjpctool db dump(jpcctrl dump)コマンドを実行する場合,バックアップファイルまたはエクスポートファイルには,次の説明で算出した容量の約2倍のディスク容量が必要となります。

(a) Storeバージョン1.0のStoreデータベースのディスク占有量

Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。

Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。

表A-5 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量

レコードタイプディスク占有量の見積もり式(単位:バイト)
PIレコードタイプX1+.....+Xa+3,500*a
PDレコードタイプY1+.....+Yb+700*b
(凡例)
X:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
Xの算出式を次に示します。
X={d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1}*f*1.5
Y:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
Yの算出式を次に示します。
Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1*(g/e)※2}*1.5
a:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
b:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
c:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※3
d:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※3
e:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※4
f:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数※5
g:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数の上限値※6
注※1
{(d*e)/(65,250-c)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※2
(g/e)の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※3
各レコードの固定部および可変部のサイズについては,「9. レコード」を参照してください。
注※4
各レコードのインスタンス数は,表A-4で見積もることができます。
注※5
PIレコードタイプのレコードの場合,収集したデータがある一定の区分(時,日,週,月,および年単位)に自動的に要約されるので,分,時,日,週,月,および年の部分の保存レコード数を考慮して計算する必要があります。デフォルトの保存期間と保存レコード数を次の表に示します。
データの種類保存期間保存レコード数
(収集間隔が1分の場合)
分単位1日1,440
時単位7日168
日単位1年366
週単位1年52
月単位1年12
年単位制限なし(収集年数)*1
注※6
保存レコード数の上限値については,「付録F.1 Agent Storeサービスのプロパティ一覧」を参照してください。

(b) Storeバージョン2.0のStoreデータベースのディスク占有量

Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。

ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。

(3) コマンド実行時のディスク占有量

PFM - Agent for Enterprise Applicationsが提供しているコマンドを実行したときのディスク占有量について,見積もりを次の表に示します。

(a) jr3algetコマンド

同一ディレクトリでjr3algetコマンドを実行する場合のディスク占有量を次の表に示します。

表A-9 jr3algetコマンド実行時のディスク占有量

ファイルディスク占有量(単位:キロバイト)
CCMSアラート情報格納ファイル1024※1※2
jr3alget.dat(データログファイル)512※1
jr3alget.log(メッセージログファイル)512※1
その他のファイル(合計)1
注※1
デフォルトの値です。ファイルサイズの設定については,「6.4 コマンド実行によるCCMSアラート情報の抽出」を参照してください。
注※2
CCMSアラート情報格納ファイルのサイズの見積もりは次のようになります。求まったバイト数をキロバイト数(1キロバイト=1024バイト)に変換して設定してください。
Windowsの場合
28+421*n(単位:バイト)
UNIXの場合
27+420*n(単位:バイト)
(凡例)
n:収集するCCMSアラートの行数

(b) jr3slgetコマンド

同一ディレクトリでjr3slgetコマンドを実行する場合のディスク占有量を次の表に示します。

表A-10 jr3slgetコマンド実行時のディスク占有量

ファイルディスク占有量(単位:キロバイト)
システムログ情報格納ファイル1024※1※2
jr3slget.dat(データログファイル)512※1※3
jr3slget.log(メッセージログファイル)512※1
その他のファイル(合計)1
注※1
デフォルトでの値です。ファイルサイズの設定については,「5.4 コマンド実行によるシステムログ情報の抽出」を参照してください。
注※2
システムログ情報格納ファイルのサイズの見積もりは次のようになります。求まったバイト数をキロバイト数(1キロバイト=1024バイト)に変換して設定してください。
Windowsの場合
28+308*n(単位:バイト)
UNIXの場合
27+307*n(単位:バイト)
(凡例)
n:収集するシステムログの行数
注※3
jr3slget.dat(データログファイル)のサイズの見積もりは次のようになります。求まったバイト数をキロバイト数(1キロバイト=1024バイト)に変換して設定してください。
Windowsの場合
9280+1542*d+257*n(単位:バイト)
UNIXの場合
9243+1536*d+256*n(単位:バイト)
(凡例)
d:システムログを収集する期間(日数)
n:収集するシステムログの行数