ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for JP1/AJS3のディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
システム全体のディスク占有量の見積もり値を記載します。
表A-2 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for JP1/AJS3の状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) | |
---|---|---|
Windows | UNIX | |
インストール時※ | 5 | 2 |
運用時 | 5+W | 2+W |
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,次の表に示します。
表A-3 Storeデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | X1+.....+Xa+3,500*a |
レコードID | インスタンス数 |
---|---|
PI | f*g+1 |
PI_QJED | h*i |
PI_EJED | j*k |
PI_LJED | l*m |
PI_JDD | 監視対象のJP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS2 - Managerのスケジューラーサービス数 |
PI_SWDD | 監視対象のJP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS2 - Managerのスケジューラーサービス数 |
PI_SIDD | 監視対象のJP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS2 - Managerのスケジューラーサービス数*9 |
PI_JIDD | 11 |
PI_CVOD | 監視対象のJP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS2 - Managerのスケジューラーサービス数*n |
PI_SEDD | o*2 |
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
PIレコードタイプのJobnet Delay Detail(PI_JDD)について,PI_JDD以外のPIレコードタイプを保存設定していない場合。表A-3に示した変数a~eが次の値とします。
a=1
b=937
c=95
d=1
e=2,039
X={c*d+(b+1,900)*{(c*d)/(65,250-b)+1}}*e*3
X={95*1+(937+1,900)*{95*1/(65,250-937)+1}}*2,039*3
={95+(2,837)*{95/64,313+1}}*6,117
={95+(2,837)*1}*6,117
=2,932*6,117
=17,935,044(バイト)
=約17.1(メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
表A-4 a,bおよびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 10(固定値) |
表A-5 デフォルトの保存期間と保存レコード数(Storeバージョン2.0の場合)
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 54週 | 378 |
週単位 | 54週 | 54 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 10年 | (収集年数)*1 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)
)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for JP1/AJS3のStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
PIレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
「(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式で示した変数が次の値とします。
d=937(バイト)
e=511(バイト)
f=3
g=60(秒)
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
a=1,440
b=1+(60-1)/60
=1.98...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(分)={(511+2)*3+(937+60)*{((511+2)*3)/(65,250-937)+1}}*1,440/1*(3+1)*1.1
={1,539+997*1}*6,336
=2,536*6,336
=16,068,096(バイト)=約15(メガバイト)
a=24
b=1+(60-1)/3,600
=1.01...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(時)={(511+2)*3+(937+60)*{((511+2)*3)/(65,250-937)+1}}*24/1*(3+1)*1.1
={1,539+997*1}*105.6
=2,536*105.6
=267,801(バイト)=約0.3(メガバイト)
a=7
b=1+(60-1)/86,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(日)={(511+2)*3+(937+60)*{((511+2)*3)/(65,250-937)+1}}*7/1*(1+1)*1.1
={1,539+997*1}*15.4
=2,536*15.4
=39,054(バイト)=約0.04(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/604,800
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(週)={(511+2)*3+(937+60)*{((511+2)*3)/(65,250-937)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={1,539+997*1}*2.2
=2,536*2.2
=5,580(バイト)=約0.005(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/2,592,000
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(月)
X(月)={(511+2)*3+(937+60)*{((511+2)*3)/(65,250-937)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={1,539+997*1}*2.2
=2,536*2.2
=5,580(バイト)=約0.005(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/31,622,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=10(年)
X(年)={(511+2)*3+(937+60)*{((511+2)*3)/(65,250-937)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={1,539+997*1}*12.1
=2,536*12.1
=30,686(バイト)=約0.03(メガバイト)
以上から,PIの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=15.38(メガバイト)
=約15(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量はPI =15メガバイトとなります。
●ファイル数
PIレコード,およびPI_SIDDレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(a) 見積もり式」のファイル数の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2
A11~A1l=3(日)
A21~A2l=3(日)
A31~A3l=1(週)
A41~A4l=1(週)
A51~A5l=1(月)
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)
)
=20+2*{
[3(PI分)+3(PI_SIDD分)+2]+
[3(PI分)+3(PI_SIDD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_SIDD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_SIDD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_SIDD分)+2]+
[11*2]
}
=20+2*{8+8+4+4+4+22}=120
●ディレクトリ数
PIレコード,およびPI_SIDDレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(a) 見積もり式」のディレクトリ数の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2
A1max=3(日)(考え方:PIが2日,PI_SIDDが3日の場合は3日となります。)
A2max=3(日)
A3max=1(週)
A4max=1(週)
A5max=1(月)
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11)
=25+2*(3+3+1+1+1+11)=65
●Storeサービスがオープンするファイル数
PIレコード,およびPI_SIDDレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l)
=20+2*(6*2)=44