付録K 用語解説

(英字)
Action Handler
PFM - ManagerまたはPFM - Baseのサービスの一つです。アクションを実行するサービスのことです。
Agent Collector
PFM - Agentのサービスの一つです。パフォーマンスデータを収集したり,アラームに設定されたしきい値で,パフォーマンスデータを評価したりするサービスのことです。
Agent Store
PFM - Agentのサービスの一つです。パフォーマンスデータを格納するサービスのことです。Agent Storeサービスは,パフォーマンスデータの記録のためにデータベースを使用します。各PFM - Agentに対応して,各Agent Storeサービスがあります。
Correlator
PFM - Managerのサービスの一つです。サービス間のイベント配信を制御するサービスのことです。アラームの状態を評価して,しきい値を超過するとアラームイベントおよびエージェントイベントを,Trap GeneratorサービスおよびPFM - Web Consoleに送信します。
JP1/AJS2
JP1/Automatic Job Management System 2の略称です。
JP1/AJS2は,業務を自動的に運用するためのプログラムです。
処理を順序付けて定期的に実行したり,特定の事象が発生したときに処理を開始したりできます。
JP1/AJS2 - Definition Assistant
Excelのテンプレートで編集した大量のJP1/AJS2の定義情報を,マネージャーホストに登録したり,マネージャーホストに登録されているJP1/AJS2の定義情報を,Excelのテンプレートに取得したりできるプログラムです。JP1/AJS2 - Definition Assistantで提供されている,Excelのテンプレートを定義情報管理テンプレートといいます。一覧表形式の定義情報管理テンプレートでは,オートフィルやオートフィルターなどのExcelの機能を使って,効率良く定義情報の入力や編集ができます。
JP1/AJS2 - Print Option
JP1/AJS2のジョブネットやスケジュールの情報を,ジョブネット定義情報,実行予実績確認表,実行結果確認表などの帳票レイアウトの形式で表示したり,印刷したりするためのプログラムです。また,JP1/AJS2のジョブネットやスケジュールの情報をCSV形式で出力できます。
JP1/AJS2 - Scenario Operation
JP1/AJS2 - Scenario Operationは,一つ一つの運用手順を蓄積し,ライブラリとして統合するためのプログラムです。業務運用の設計者は,立案したシナリオに合う運用手順をライブラリから選択し,運用環境に合わせてカスタマイズすることで,業務運用の設計を容易に,かつ高品質で実現できます。
JP1/AJS2 - Web Operation Assistant
複数のマネージャーホスト上で実行されているユニットの状態や結果を,Webブラウザ上に一覧表示するプログラムです。操作したいジョブやジョブネットをWebブラウザ上で選択して再実行などの操作をしたり,ジョブネットモニタを起動して状態や結果を確認したりできます。
JP1/AJS3
JP1/Automatic Job Management System 3の略称です。
JP1/AJS3は,業務を自動的に運用するためのプログラムです。
処理を順序付けて定期的に実行したり,特定の事象が発生したときに処理を開始したりできます。
JP1/AJS3 - Definition Assistant
Excelのテンプレートで編集した大量のJP1/AJS3の定義情報を,マネージャーホストに登録したり,マネージャーホストに登録されているJP1/AJS3の定義情報を,Excelのテンプレートに取得したりするプログラムです。JP1/AJS3 - Definition Assistantで提供されている,Excelのテンプレートを,定義情報管理テンプレートといいます。一覧表形式の定義情報管理テンプレートでは,オートフィルやオートフィルターなどのExcelの機能を使って,効率良く定義情報の入力や編集ができます。
JP1/AJS3 - Print Option
JP1/AJS3のジョブネットやスケジュールの情報を,ジョブネット定義情報,実行予実績確認表,実行結果確認表などの帳票レイアウトの形式で表示したり,印刷したりするためのプログラムです。また,JP1/AJS3のジョブネットやスケジュールの情報をCSV形式で出力できます。
JP1/Base
イベントサービス機能を提供するプログラムです。サービスの起動順序を制御したり,JP1イベントを送受信したりできます。また,JP1/Baseは,JP1/IM - Console,JP1/AJS3,JP1/AJS2,およびJP1/Power Monitorの前提プログラムです。JP1/IM - Console,JP1/AJS3,およびJP1/AJS2を使ったシステムを導入する場合,JP1ユーザーの操作を制限する機能を提供します。
Master Manager
PFM - Managerのサービスの一つです。PFM - Managerのメインサービスのことです。
Master Store
PFM - Managerのサービスの一つです。各PFM - Agentから発行されたアラームイベントを管理するサービスのことです。Master Storeサービスはイベントデータの保持のためにデータベースを使用します。
Name Server
PFM - Managerのサービスの一つです。システム内のサービス構成情報を管理するサービスのことです。
ODBCキーフィールド
PFM - ManagerまたはPFM - Baseで,SQLを使用してStoreデータベースに格納されているレコードのデータを利用する場合に必要なODBCキーフィールドを示します。ODBCキーフィールドには,各レコード共通のものと各レコード固有のものとがあります。
Performance Management
システムのパフォーマンスに関する問題を監視および分析するために必要なソフトウェア群の総称です。Performance Managementは,次の五つのプログラムプロダクトで構成されます。
  • PFM - Manager
  • PFM - Web Console
  • PFM - Base
  • PFM - Agent
  • PFM - RM
PFM - Agent
Performance Managementを構成するプログラムプロダクトの一つです。PFM - Agentは,システム監視機能に相当し,監視対象となるアプリケーション,データベース,OSによって,各種のPFM - Agentがあります。PFM - Agentには,次の機能があります。
  • 監視対象のパフォーマンスの監視
  • 監視対象のデータの収集および記録
PFM - Base
Performance Managementを構成するプログラムプロダクトの一つです。Performance Managementの稼働監視を行うための基盤機能を提供します。PFM - Agentを動作させるための前提製品です。PFM - Baseには,次の機能があります。
  • 各種コマンドなどの管理ツール
  • Performance Managementと他システムとの連携に必要となる共通機能
PFM - Manager
Performance Managementを構成するプログラムプロダクトの一つです。PFM - Managerは,マネージャー機能に相当し,次の機能があります。
  • Performance Managementのプログラムプロダクトの管理
  • イベントの管理
PFM - Manager名
PFM - Managerで,SQLを使用してStoreデータベースに格納されているフィールドのデータを利用する場合,SQL文で記述するフィールド名のことです。
PFM - View名
PFM - Web ConsoleのGUIで表示されるフィールド名のことです。
PFM - Web Console
Performance Managementを構成するプログラムプロダクトの一つです。ブラウザーでPerformance Managementシステムを一元的に監視するためWebアプリケーションサーバの機能を提供します。PFM - Web Consoleには,次の機能があります。
  • GUIの表示
  • 統合監視および管理機能
  • レポートの定義およびアラームの定義
PIレコードタイプ
→「Product Intervalレコードタイプ」
Product Intervalレコードタイプ
1分ごとのプロセス数など,ある一定の時間(インターバル)ごとのパフォーマンスデータが格納されるレコードタイプのことです。PIレコードタイプは,次のような,時間の経過に伴うシステムの状態の変化や傾向を分析したい場合に使用します。
  • 一定時間内に発生したシステムコール数の推移
  • 使用しているファイルシステム容量の推移
Storeデータベース
Agent Collectorサービスが収集したパフォーマンスデータが格納されるデータベースのことです。
(ア行)
アクション
監視するデータがしきい値に達した場合に,Performance Managementによって自動的に実行される動作のことです。次の動作があります。
  • Eメールの送信
  • コマンドの実行
  • SNMPトラップの発行
  • JP1イベントの発行
アラーム
監視するデータがしきい値に達した場合のアクションやイベントメッセージを定義した情報のことです。
アラームテーブル
次の情報を定義した一つ以上のアラームをまとめたテーブルです。
  • 監視するオブジェクト(Process,TCP,WebServiceなど)
  • 監視する情報(CPU使用率,1秒ごとの受信バイト数など)
  • 監視する条件(しきい値)
イベントジョブ
システム内の特定の事象の発生を監視するジョブです。イベントジョブを開始すると,ファイルの更新やメッセージの受信などを監視し始めます。
インスタンス
このマニュアルでは,インスタンスという用語を次のように使用しています。
  • レコードの記録形式を示す場合
    1行で記録されるレコードを「単数インスタンスレコード」,複数行で記録されるレコードを「複数インスタンスレコード」,レコード中の各行を「インスタンス」と呼びます。
  • PFM - Agentの起動方式を示す場合
    同一ホスト上の監視対象を一つのエージェントで監視する方式のエージェントを「シングルインスタンスエージェント」,同一ホスト上の監視対象を複数のエージェントで監視する方式のエージェントを「マルチインスタンスエージェント」,マルチインスタンスエージェントの各エージェントサービスを「インスタンス」と呼びます。
エージェント
パフォーマンスデータを収集するPFM - Agentのサービスのことです。
エージェントホスト
エージェントホストとは,マネージャーホストから依頼されたジョブを実行するホストです。このホストには,JP1/AJS3 - Agent,またはJP1/AJS2 - Agentをインストールします。なお,JP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS2 - ManagerもJP1/AJS3 - Agent,またはJP1/AJS2 - Agentの機能を持っているため,エージェントホストにJP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS2 - Managerをインストールすることもできます。
エージェントホストは,マネージャーホストからジョブの依頼を受け,ジョブを実行します。ジョブの実行が終わると,エージェントホストは,実行ファイルの実行結果(戻り値)を受け取り,ジョブの実行結果をマネージャーホストに転送します。
(カ行)
開始遅延
開始予定時刻を過ぎてもジョブネットが実行開始していない状態のことです。
監視テンプレート
PFM - Agentに用意されている,定義済みのアラームとレポートのことです。監視テンプレートを使用することで,複雑な定義をしなくてもPFM - Agentの運用状況を監視する準備が容易にできるようになります。
管理ツール
サービスの状態の確認やパフォーマンスデータを操作するために使用する各種のコマンドまたはGUI上の機能のことです。次のことができます。
  • サービスの構成および状態の表示
  • パフォーマンスデータの退避および回復
  • パフォーマンスデータのテキストファイルへのエクスポート
  • パフォーマンスデータの消去
キューイングジョブ
キューへジョブを直接登録して実行依頼する形態のジョブです。
キューレスジョブ
キューを使わず,マネージャーから直接エージェントへ送られて実行されるジョブです。キューでのジョブの管理を省略し処理を簡略化しているため,通常のジョブに比べて処理性能が向上し,一定の時間により多くのジョブを実行できます。
ジョブネットに定義するPCジョブ,UNIXジョブ,およびイベントジョブをキューレスジョブとして定義できます。
クラスタシステム
クラスタシステムとは,複数のサーバシステムを連携して一つのシステムとして運用するシステムで,障害が発生しても業務を継続できるようにすることを目的としています。業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるので,「系切り替えシステム」とも呼びます。
なお,クラスタシステムという用語には,並列処理による負荷分散機能という意味もありますが,このマニュアルでは,系を切り替えて業務の中断を防ぐ機能のことだけを指します。
(サ行)
サービスID
Performance Managementプログラムのサービスに付加された,一意のIDのことです。コマンドを使用してPerformance Managementのシステム構成を確認する場合,または個々のエージェントのパフォーマンスデータをバックアップする場合などは,Performance ManagementプログラムのサービスIDを指定してコマンドを実行します。サービスIDの形式は,プロダクト名表示機能の設定によって異なります。サービスIDの形式については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,Performance Managementの機能について説明している章を参照してください。
サブミット
ジョブの実行を依頼することです。
終了遅延
終了予定時刻を過ぎてもジョブネットが実行終了していない状態のことです。
ジョブ
コマンド,シェルスクリプト,Windows実行ファイルなどの集まりです。
ジョブ実行環境
ジョブ実行環境は,JP1/AJS3,またはJP1/AJS2のマネージャーホストと実行ホスト(エージェントホスト)から構成されます。ジョブの実行時は,マネージャーからエージェントにジョブが転送され,エージェントでジョブが実行されます。
マネージャーからエージェントへのジョブの転送は,ジョブをいったんキューに入れてキューでジョブを制御する方法と,キューを使わずジョブを直接エージェントに転送して実行する方法(キューレスジョブ)の2とおりがあります。
キューを使うジョブの場合,ジョブはキューに登録され,同時に実行されるジョブの数をマネージャーが管理しながら,エージェントにジョブを順次転送していきます。キューレスジョブの場合は,キューを介さずにジョブが直接エージェントに転送されます。同時に実行されるジョブの数は,エージェント(キューレスエージェント)が管理します。
ジョブネット
実行順序を関連づけたジョブの集まりです。ジョブネットを実行すると,ジョブネット中のジョブが実行順序に従って自動的に実行されます。
ジョブネットワーク要素
ジョブネットワークを定義するための要素です。これらの要素を総称して「ユニット」とも呼びます。
スケジューラーサービス
ジョブネットを実行するスケジュールを管理し,スケジュールに従って,処理を実行します。スケジューラーサービスは,スケジューラーサービス名と同じ名称のルートジョブグループ配下のユニットを管理します。
スケジューラーサービスは,一つのマネージャーで複数起動できます。スケジューラーサービスを複数起動すると,スケジューラーサービスごとにルートジョブグループを管理できるようになります。例えば,スケジューラーサービスを業務ごとに分けて起動すると,それぞれのスケジューラーサービスが,ほかのスケジューラーサービスの影響を受けることなく,独立して業務(ジョブネットおよびジョブ)を並行実行できます。
スタンドアロンモード
PFM - Agent単独で起動している状態のことです。PFM - ManagerのMaster ManagerサービスおよびName Serverサービスが,障害などのため起動できない状態でも,PFM - Agentだけを起動して,パフォーマンスデータを収集できます。
ステータス管理機能
PFM - ManagerおよびPFM - Agent上で動作するすべてのサービスの状態を管理する機能です。ステータス管理機能を用いると,システム管理者は各ホストでのサービスの起動や停止などの状態を正しく把握できるため,障害復旧のための適切な対処を迅速に行うことができます。
(タ行)
単数インスタンスレコード
1行で記録されるレコードです。このレコードは,固有のODBCキーフィールドを持ちません。
→「インスタンス」を参照してください。
データベースID
PFM - Agentの各レコードに付けられた,レコードが格納されるデータベースを示すIDです。データベースIDは,そのデータベースに格納されるレコードの種類を示しています。データベースIDを次に示します。
  • PI:PIレコードタイプのレコードのデータベースであることを示します。
  • PD:PDレコードタイプのレコードのデータベースであることを示します。
データモデル
各PFM - Agentが持つレコードおよびフィールドの総称のことです。データモデルは,バージョンで管理されています。
(ハ行)
バインド
アラームをエージェントと関連づけることです。バインドすると,エージェントによって収集されているパフォーマンスデータが,アラームで定義したしきい値に達した場合,ユーザーに通知できるようになります。
パフォーマンスデータ
監視対象システムから収集したリソースの稼働状況データのことです。
フィールド
レコードを構成するパフォーマンスデータの集まりのことです。
複数インスタンスレコード
複数行で記録されるレコードです。このレコードは,固有のODBCキーフィールドを持っています。
→「インスタンス」を参照してください。
物理ホスト
クラスタシステムを構成する各サーバに固有な環境のことです。物理ホストの環境は,フェールオーバー時にもほかのサーバに引き継がれません。
(マ行)
マネージャーホスト
マネージャーホストは,ジョブネットの定義情報やスケジュール情報をデータベースで管理し,ジョブの実行をエージェントホストに依頼して実行させます。マネージャーホストには,JP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS2 - Managerをインストールします。
マネージャーホストでは,定義されたスケジュール情報を基に,ジョブネットの実行予定が作成されます。実行開始時刻になると,マネージャーホストは,ジョブとして定義された実行ファイルを起動して,ジョブ定義情報をエージェントホストに転送し,エージェントホストにジョブを実行させます。実行が終わると,エージェントホストでのジョブの実行結果を受け取り,データベースに反映します。その反映された情報を基に,後続ジョブを実行したり,次回の実行予定を作成したりします。
(ヤ行)
ユニット
ジョブネットワーク要素の総称です。
(ラ行)
ライフタイム
各レコードに収集されるパフォーマンスデータの一貫性が保証される期間のことです。
リアルタイムレポート
監視対象の現在の状況を示すレポートです。
履歴レポート
監視対象の過去から現在までの状況を示すレポートです。
レコード
収集したパフォーマンスデータを格納する形式のことです。レコードの種類は,Storeデータベースの各データベースによって異なります。
レポート
PFM - Agentが収集したパフォーマンスデータをグラフィカルに表示する際の情報を定義したものです。主に,次の情報を定義します。
  • レポートに表示させるレコード
  • パフォーマンスデータの表示項目
  • パフォーマンスデータの表示形式(表,グラフなど)
論理ホスト
クラスタシステムでの運用時にJP1の実行環境となる論理上のサーバのことです。障害の発生時には,論理ホスト単位で系が切り替わります。
論理ホストは専用のIPアドレスを持ち,系切り替え時にはそのIPアドレスを引き継いで動作します。そのため,障害で物理的なサーバが切り替わった場合も,クライアントからは同じIPアドレスでアクセスでき,一つのサーバが常に動作しているように見えます。