ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for HiRDBのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
システム全体のディスク占有量の見積もり値を次の表に示します。
表A-3 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for HiRDBの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Windows Server 2003 | Windows Server 2008 | HP-UX | Solaris | AIX | Linux (x86),Linux (x64) | Linux (IPF) | |
インストール時※1 | 15 | 15 | 55 | 40 | 100 | 35 | 35 |
初期状態での運用※2 | 25 | 25 | 65 | 50 | 110 | 45 | 45 |
運用時 | a+b | a+b | a+b | a+b | a+b | a+b | a+b |
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベースのディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
PFM - View名 | PFM - Manager名 | 説明 |
---|---|---|
Agent Host | DEVICEID | PFM - Agentが動作しているホスト名。 |
Agent Instance | PROD_INST | PFM - Agentのインスタンス名。 |
Agent Type | PRODID | PFM - AgentのプロダクトID。 |
Date | DATE | レコードが作成された日(グリニッジ標準時)。 |
Date and Time | DATETIME | Date(DATE)とTime(TIME)フィールドの組み合わせ。 |
Drawer Type | DRAWER_TYPE | PIレコードタイプのレコードの場合,データが要約される区分(分,時,日,週,月,年)。 |
GMT Offset | GMT_ADJUST | グリニッジ標準時とローカル時間の差(秒単位)。 |
Time | TIME | レコードが作成された時刻(グリニッジ標準時)。 |
PFM - View名 | PFM - Manager名 | 説明 |
---|---|---|
PFM - View名(Total) | PFM - Manager名_TOTAL | フィールドの合計値。 |
PFM - View名(Total) | PFM - Manager名_TOTAL_SEC | フィールドの合計値(utime型の場合)。 |
PFM - View名(Max) | PFM - Manager名_HI | フィールドの最大値。 |
PFM - View名(Min) | PFM - Manager名_LO | フィールドの最小値。 |
表A-4 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | X1+.....+Xm+3,500*m |
PDレコードタイプ | Y1+.....+Yn+700*n |
表A-5 デフォルトの保存期間と保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
PFM - Agent for HiRDBのStoreデータベース(Storeバージョン1.0)の見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_RDSTおよびPD_SVSTレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_RDSTレコードの見積もりについて説明します。「(2)(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,m,n,a~fの値を調べます。
PI_RDSTレコードの見積もりについて説明します。
m=1
a=681バイト
b=228バイト
c=今回は10とする
PI_RDSTレコードの収集間隔を600秒,年単位の収集年数を2年として,リテンションの設定が表A-4の注※3のとおりである場合。
d=(1,440+168+366+52+12+2*1)*(60/600)*10(cの値)
=2,040レコード
以上から,PI_RDSTレコードの見積もりは次のようになります。
X+3,500*m={228*10+(681+1,900)*{(228*10)/(65,250-681)+1}}*2,040*1.5+3,500*1
={2,280+2,581*1}*3,060+3,500
=4,861*3,060+3,500
=14,878,160(バイト)=約14.2(メガバイト)
次に,PD_SVSTレコードの見積もりについて説明します。
n=1
a=681
b=105
c=今回は3とする
PD_SVSTレコードの収集間隔を600秒にして,7日分のデータを保存した場合。
e=(86,400/600)*7*3(cの値)
=3,024レコード
なお,PD_SVSTレコードのリテンションの設定のデフォルトは1,000レコードなので,Product Detail - SVSTの値を3,024以上に設定する必要があります。
以上から,PD_SVSTレコードの見積もりは次のようになります。
Y+700*n={105*3,024+(681+1,900)*{(105*3)/(65,250-681)+1}*(3,024/3)}*1.5+700*1
={317,520+2,581*1*1,008}*1.5+700
=2,919,168*1.5+700
=4,379,452(バイト)=約4.2(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量はPI_RDST+PD_SVST=約18.4メガバイトとなります。
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1
表A-6 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 10(固定値) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-7 デフォルトの保存期間と保存レコード数(Storeバージョン2.0の場合)
レコードタイプ | データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|---|
PI | 分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 | |
日単位 | 54週 | 378 | |
週単位 | 54週 | 54 | |
月単位 | 12月 | 12 | |
年単位 | 10年 | (収集年数)*1 | |
PD | - | 10日 | 14,400 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)
)
m:PIレコードで収集しているレコードの数
n:PDレコードで収集しているレコードの数
A11~A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分のレコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時のレコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日のレコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週のレコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月のレコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*m+n)
m:PIレコードで収集しているレコードの数
n:PDレコードで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for HiRDBのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_RDSTおよびPD_SVSTレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_RDSTレコードの見積もりについて説明します。「(3)(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,a~gの値を調べます。
d=681バイト
e=228バイト
f=今回は12とする
g=今回は600秒とする
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
X(分)={(228+2)*12+(681+60)*{((228+2)*12)/(65,250-681)+1}}*1,440/10*(3+1)*1.1
={2,760+741*1}*633.6
=3,501*633.6
=2,218,233.6(バイト)=約2.2(メガバイト)
X(時)={(228+2)*12+(681+60)*{((228+2)*12)/(65,250-681)+1}}*24/1*(3+1)*1.1
={2,760+741*1}*105.6
=3,501*105.6
=369,705.6(バイト)=約0.4(メガバイト)
X(日)={(228+2)*12+(681+60)*{((228+2)*12)/(65,250-681)+1}}*7/1*(1+1)*1.1
={2,760+741*1}*15.4
=3,501*15.4
=53,915.4(バイト)=約0.06(メガバイト)
X(週)={(228+2)*12+(681+60)*{((228+2)*12)/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={2,760+741*1}*2.2
=3,501*2.2
=7,702.2(バイト)=約0.008(メガバイト)
X(月)={(228+2)*12+(681+60)*{((228+2)*12)/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={2,760+741*1}*2.2
=3,501*2.2
=7,702.2(バイト)=約0.008(メガバイト)
X(年)={(228+2)*12+(681+60)*{((228+2)*12)/(65,250-681)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={2,760+741*1}*12.1
=3,501*12.1
=42,362.1(バイト)=約0.05(メガバイト)
以上から,PI_RDSTレコードの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=2.726(メガバイト)
=約2.8(メガバイト)
次に,PD_SVSTレコードの見積もりについて説明します。
a=1,440
b=600/60=10
c=今回は7日とする
d=681バイト
e=105バイト
f=今回は4とする
g=今回は600秒とする
見積もり式を次に示します。
X={(105+2)*4+(681+60)*{((105+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1,440/10*(7+1)*1.1
={428+741*1}*1,267.2
=1,169*1,267.2
=1,481,356.8(バイト)=約1.5(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量はPI_RDST+PD_SVST=約4.3メガバイトとなります。
●ファイル数
PI_GBUF,PI_RDST,PD_CNSTおよびPD_SVSTレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」のファイル数の見積もり式の可変値を調べます。
m=2
n=2
A11~A1m=今回は3日とする
A21~A2m=今回は3日とする
A31~A3m=今回は1週とする
A41~A4m=今回は1週とする
A51~A5m=今回は1か月とする
B1~Bn=今回は10日とする
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*{
{3(PI_GBUFレコード分)+3(PI_RDSTレコード分)+2}+
{3(PI_GBUFレコード分)+3(PI_RDSTレコード分)+2}+
{1(PI_GBUFレコード分)+1(PI_RDSTレコード分)+2}+
{1(PI_GBUFレコード分)+1(PI_RDSTレコード分)+2}+
{1(PI_GBUFレコード分)+1(PI_RDSTレコード分)+2}+
(11*2)+
{10(PD_CNSTレコード分)+10(PD_SVSTレコード分)+2}
}
=20+2*{8+8+4+4+4+22+22}
=164
●ディレクトリ数
PI_GBUF,PI_RDST,PD_CNSTおよびPD_SVSTレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」のディレクトリ数の見積もり式の可変値を調べます。
A1max=今回は3日とする(考え方:PI_GBUFレコードが2日,PI_RDSTレコードが3日の場合は3日となります)
A2max=今回は3日とする
A3max=今回は1週とする
A4max=今回は1週とする
A5max=今回は1か月とする
Bmax=今回は10日とする(考え方:PD_CNSTレコードが10日,PD_SVSTレコードが8日の場合は10日となります)
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*(3+3+1+1+1+11+10)
=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI_GBUF,PI_RDST,PD_CNSTおよびPD_SVSTレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」のStoreサービスがオープンするファイル数の見積もり式の可変値を調べます。
m=2
n=2
Storeデータベースがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*2+2)
=48