ここでは,PFM - Agent for DB2を運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
(1) LANG環境変数の設定
PFM - Agent for DB2で使用できるLANG環境変数を次の表に示します。
なお,これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストール・構築されていることを確認しておいてください。正しくインストール・構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。
表2-2 PFM - Agent for DB2で使用できるLANG環境変数
OS | 言語種別 | LANG環境変数の値 | |
---|---|---|---|
AIX | 日本語 | Shift-JISコード |
|
EUCコード |
| ||
英語(日本語なし) |
| ||
Linux | 日本語 | UTF-8コード |
|
Shift-JISコード | -(該当なし) | ||
EUCコード | -(該当なし) | ||
英語(日本語なし) |
|
(2) LD_LIBRARY_PATH環境変数の設定(Linuxの場合)
PFM - Agent for DB2が08-50以降の場合は,PFM - Agent for DB2を起動する前に,LD_LIBRARY_PATH環境変数にDB2ライブラリの場所を次のように指定する必要があります。
LD_LIBRARY_PATH=DB2のインストールパス/lib32
LD_LIBRARY_PATH環境変数に,ほかのパスを含める場合には,必ず上記の値を先頭に指定してください。
DB2ライブラリの場所は,DB2インスタンスユーザーでログインし,DB2DIR環境変数に設定されている値に"/lib32"を付けたパスです。
jpcspm start -key DB2 -inst PFM - Agent for DB2のインスタンス名(jpcstart agtr inst=PFM - Agent for DB2のインスタンス名)
(3) PFM - Agent for DB2の登録
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - Agentを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - Agent for DB2を登録する必要があります。
PFM - Managerのバージョンが08-50-05以降およびPFM - Web Consoleのバージョンが08-50-02以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,ここで説明する手順は不要です。ただし,PFM - Managerのリリースノートに記載されていないデータモデルバージョンのPFM - Agentは,手動で登録する必要があります。
なお,PFM - Agent for DB2のデータモデルのバージョンについては,「付録I バージョン互換」を参照してください。
PFM - Agentの登録の流れを次に示します。
図2-4 PFM - Agentの登録の流れ
(a) PFM - Agent for DB2のセットアップファイルをコピーする
PFM - Agent for DB2をインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
表2-3 コピーするセットアップファイル
PFM - Agentの セットアップファイル | コピー先 | ||
---|---|---|---|
PFMプログラム名 | OS | コピー先ディレクトリ | |
/opt/jp1pc/setup/jpcagtrw.EXE | PFM - Manager | Windows | インストール先フォルダ¥setup¥ |
/opt/jp1pc/setup/jpcagtru.Z | UNIX | /opt/jp1pc/setup/ | |
/opt/jp1pc/setup/jpcagtrw.EXE | PFM - Web Console | Windows | インストール先フォルダ¥setup¥ |
/opt/jp1pc/setup/jpcagtru.Z | UNIX | /opt/jp1pc/setup/ |
(b) )PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - ManagerでPFM - Agent for DB2をセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcconf agent setup -key DB2 (jpcagtsetup agtr)
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
PFM - ManagerホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。
(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - Web ConsoleでPFM - Agent for DB2をセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcwagtsetup
PFM - Web ConsoleホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。
(4) インスタンス環境の設定
PFM - Agent for DB2で監視するDB2のインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - Agentホストで実施します。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。DB2のインスタンス情報の詳細については,DB2のマニュアルを参照してください。
表2-4 PFM - Agent for DB2のインスタンス情報
項目 | 説明 | 設定できる値 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
db2_instance | DB2のインスタンス名。 | 8バイト以内の半角英数字。 ただし,次の文字は指定できない。
| - |
db2_node | DB2のノード名。 | - | |
db2_name | DB2のデータベース名。 | - | |
db2_user | DB2のデータベースに接続できるユーザー名。 | 次のどれかの権限を持つこと。
| - |
db2_password | db2_userで指定したユーザーのパスワード。 | 64バイト以内の半角英数字。 ただし,次の文字は指定できない。
| - |
attach_retry | DB2インスタンス接続リトライ回数。 | 0~99(単位:回数) | 0 |
attach_waittime | DB2インスタンス接続リトライ間隔。 | 0~600(単位:秒) | 0 |
db2_activate | DB2を活動化状態にするかどうかを指定する。 | yまたはn | n |
db2_dir※1 | DB2のインストールパスを指定する。※2 | 255バイト以内のディレクトリパス | /opt/IBM/db2/V9.1 |
Store Version※3 | 使用するStoreバージョンを指定する。 Storeバージョンについては「2.4.3 Storeバージョン2.0への移行」を参照のこと。 | 1.0または2.0 | 2.0 |
なお,DB2の"Control Center"を使用できない場合,DB2のコマンドを使って次の表の方法を実施し,必要な値を確認します。DB2のコマンドの詳細は,DB2のマニュアルをしてください。
表2-5 DB2を使ったPFM - Agent for DB2のインスタンス項目値の確認方法
インスタンス項目 | 設定する値の確認方法 |
---|---|
db2_instance | 次のコマンドを実行して出力された値を確認します。 DB2のインストールディレクトリ/bin/db2ilistコマンド このコマンドは,どのユーザーでも実行できます。 |
db2_node | 次のどちらかの値を確認します。
|
ユーザーによる活動/非活動の設定 | アプリケーションの接続 | PFM - Agent for DB2起動 | PFM - Agent for DB2停止 |
---|---|---|---|
活動化している | 有 | 【DB2メッセージ】SQL1490W データベースは正常にアクティブになりましたが,このデータベースは 一つ以上のノードですでにアクティブになっています。※1 | - |
無 | - | ||
活動化していない | 有 | 【DB2メッセージ】SQL1494W データベースは正常にアクティブになりましたが,このデータベースへの接続はすでに存在しています。※2 | - |
無 | 【DB2メッセージ】エラーなし※3 | - | |
非活動化していない | 有 | - | 【DB2メッセージ】SQL1495W データベースの非アクティブ化は正常に実行されましたが,このデータベースとの接続がまだ存在しています。※4 |
無 | - | 【DB2メッセージ】 エラーなし | |
非活動化している | 有 | - | 【DB2メッセージ】SQL1495W データベースの非アクティブ化は正常に実行されましたが,このデータベースとの接続がまだ存在しています。※5 |
無 | - | 【DB2メッセージ】SQL1496W データベースの非アクティブ化は正常に実行されましたが,このデータベースはアクティブにされてはいませんでした。 |
活動化/非活動化時にDB2のエラー(上記のエラーや権限不足など)が検出された場合,PFM - Agent for DB2の処理は続行され,DB2のエラーメッセージがログに出力されます。
インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setup (jpcinssetup)コマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。
jpcconf inst setup -key DB2 -inst db2inst (jpcinssetup agtr -inst db2inst)
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時のインスタンス環境を変更したい場合は,再度jpcconf inst setup (jpcinssetup)コマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.4.2 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
構築されるインスタンス環境のディレクトリ構成を次に示します。
表2-6 インスタンス環境のディレクトリ構成
ディレクトリ名・ファイル名 | 説明 | ||
---|---|---|---|
agent | インスタンス名 | jpcagt.ini | Agent Collectorサービス起動情報ファイル |
jpcagt.ini.model※ | Agent Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル | ||
log | ログファイル格納ディレクトリ | ||
store | インスタンス名 | jpcsto.ini | Agent Storeサービス起動情報ファイル |
jpcsto.ini.model※ | Agent Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル | ||
*.DAT | データモデル定義ファイル | ||
dump | エクスポート先ディレクトリ | ||
backup | バックアップ先ディレクトリ | ||
import | インポート先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) | ||
log | ログファイル格納ディレクトリ | ||
partial | 部分バックアップ先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) | ||
STPD | PDレコードタイプのパフォーマンスデータ格納ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) | ||
STPI | PIレコードタイプのパフォーマンスデータ格納ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
(5) ネットワークの設定
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。
ネットワークの設定には次の二つの項目があります。
(6) ログのファイルサイズ変更
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合に必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(7) パフォーマンスデータの格納先の変更
PFM - Agent for DB2で管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先,またはインポート先のディレクトリを変更したい場合に必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトでは,次の場所に保存されます。
詳細については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(8) PFM - Agent for DB2の接続先PFM - Managerの設定
PFM - Agentがインストールされているホストで,そのPFM - Agentを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost define (jpcnshostname)コマンドを使用します。
手順を次に示します。
jpcconf mgrhost define -host host01 (jpcnshostname -s host01)
(9) 動作ログ出力の設定
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。