ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for DB2のディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
システム全体のディスク占有量の見積もり値をOSごとに記載します。
(a) UNIXの場合
UNIXの場合の,システム全体のディスク占有量の見積もり値を次の表に示します。
表A-3 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for DB2 の状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) | |
---|---|---|
AIX | Linux (x86) | |
インストール時※ | 24 | 12 |
初期状態での運用 | 118 | 65 |
運用時 | a+84 | a+36 |
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-4 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | X1+.....+Xa+3,500*a |
PDレコードタイプ | Y1+.....+Yb+700*b |
表A-5 データの種類と保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
a=1
c=969
d=0
e=1
f=4,078
(1,440+168+366+52+12+1)*1(eの値)=2,039レコード
f=2,039
X={d*e+(c+1,900)*{d*e/(65,250-c)+1}}*f*1.5
X={0*1+(969+1,900)*{0*1/(65,250-969)+1}}*2,039*1.5
={0+(2,869)*{0/64,281+1}}*3,058.5
={0+2,869*1}*3,058.5
=2,869*3,058.5
=8,774,836.5(バイト)
=約9(メガバイト)
b=1
c=681
d=629
e=3
g=2,232
Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}*(g/e)}*1.5
Y={629*2,232+(681+1,900)*{(629*3)/(65,250-681)+1}*(2,232/3)}*1.5
={629*2,232+2,581*{1,887/64,569+1}*744}*1.5
={1,403,928+2,581*1*744}*1.5
={1,403,928+1,920,264}*1.5
=3,324,192*1.5
=4,986,288(バイト)
=約5(メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに集約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
表A-6 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 集約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 10(固定値) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-7 デフォルトの保存期間と保存レコード数(Storeバージョン2.0の場合)
レコードタイプ | データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|---|
PI | 分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 | |
日単位 | 54週 | 378 | |
週単位 | 54週 | 54 | |
月単位 | 12か月 | 12 | |
年単位 | 10年 | (収集年数)*1 | |
PD | - | 7日 | 10,080 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)
)
l:PIレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードで収集しているレコードの数
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
l:PIレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードで収集しているレコードの数
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
l:PIレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for DB2のStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_ DBPIとPD_DBIAを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_ DBPIレコードの見積もりについて説明します。「(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,a~gの値を調べます。
d=969
e=0
f=今回は1とする
g=今回は60秒とする
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
X(分)={(0+2)*1+(969+60)*{((0+2)*1)/(65,250-969)+1}}*1,440/1*(3+1)*1.1
={2+1,029*1}*6,336
=1,031*6,336
=6,532,416(バイト)=約6(メガバイト)
X(分)={(0+2)*1+(969+60)*{((0+2)*1)/(65,250-969)+1}}*24/1*(3+1)*1.1
={2+1,029*1}*105.6
=1,031*105.6
=108,873.6(バイト)=約0.1(メガバイト)
X(分)={(0+2)*1+(969+60)*{((0+2)*1)/(65,250-969)+1}}*7/1*(1+1)*1.1
={2+1,029*1}*15.4
=1,031*15.4
=15,877.4(バイト)=約0.01(メガバイト)
X(分)={(0+2)*1+(969+60)*{((0+2)*1)/(65,250-969)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={2+1,029*1}*2.2
=1,031*2.2
=2,268.2(バイト)=約0.002(メガバイト)
X(分)={(0+2)*1+(969+60)*{((0+2)*1)/(65,250-969)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={2+1,029*1}*2.2
=1,031*2.2
=2,268.2(バイト)=約0.002(メガバイト)
X(分)={(0+2)*1+(969+60)*{((0+2)*1)/(65,250-969)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={2+1,029*1}*12.1
=1,031*12.1
=12,475.1(バイト)=約0.01(メガバイト)
以上から,PI_ DBPIの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=6.124(メガバイト)
=約6(メガバイト)
次にPD_DBIAレコードの見積もりについて説明します。
a=1,440
b=60/60 =1
c=7日とする
d=681
e=629
f=今回は12とする
g=今回は60秒とする
見積もり式を次に示します。
X={(629+2)*12+(681+60)*{((629+2)*12)/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(7+1)*1.1
={7,572+741*1}*12,672
=8,313*12,672
=105,342,336(バイト)=約100(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量はPI_DBPI+PD_DBIA=106(メガバイト)となります。
●ファイル数
PI_DBPI,PI_ DCAI,PD_DBIA,およびPD_DCAAを収集する場合を例に挙げて説明します。「(a) 見積もり式」のファイル数の見積もり式の,可変値を調べます。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)=今回は1月とする
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)=今回は10日とする
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)
)
=20+2*{
[3(PI_DBPI分)+3(PI_DCAI分)+2]+
[3(PI_DBPI分)+3(PI_DCAI分)+2]+
[1(PI_DBPI分)+1(PI_DCAI分)+2]+
[1(PI_DBPI分)+1(PI_DCAI分)+2]+
[1(PI_DBPI分)+1(PI_DCAI分)+2]+
[11*2]+
[10(PD_DBIA分)+10(PD_DCAA分)+2]
}
=20+2*{8+8+4+4+4+22+22}=164
●ディレクトリ数
PI_DBPI,PI_ DCAI,PD_DBIA,およびPD_DCAAを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が"分"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする(考え方:PI_DBPIが2日,PI_DCAIが3日の場合は3日となります)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が"週"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)=今回は1月とする
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は10日とする(考え方:PD_DBIAが8日,PD_DCAAが10日の場合は10日となります)
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10)=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI_DBPI,PI_ DCAI,PD_DBIA,およびPD_DCAAを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*2+2)=48