ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for Microsoft SQL Serverのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Microsoft SQL Serverのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
上記を踏まえ,インストール時および運用時のディスク占有量を次の表に示します。
表A-2 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Microsoft SQL Serverの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) |
---|---|
Windows Server 2003, Windows Server 2008 | |
インストール時 | 10 |
初期状態での運用※ | 110 |
運用時 | a+b |
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-3 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | X1+.....+Xa+3,500*a |
PDレコードタイプ | Y1+.....+Yb+700*b |
X={d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1}*f*1.5
Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1*(g/e)※2}*1.5
表A-4 デフォルトの保存期間と保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
a=1
c=681
d=313
e=2
f=4,078
(1,440+168+366+52+12+1)*2(eの値)=4,078レコード
f=4,078
X={d*e+(c+1,900)*{d*e/(65,250-c)+1}}*f*1.5
X={313*2+(681+1,900)*{313*2/(65,250-681)+1}}*4,078*1.5
={626+(2,581)*{626/64,569+1}}*6,117
={626+2,581*1}*6,117
=3,207*6,117
=19,617,219(バイト)
=約19(メガバイト)
b=1
c=681
d=1,362
e=3
g=2,232
Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}*(g/e)}*1.5
Y={1,362*2,232+(681+1,900)*{(1,362*3)/(65,250-681)+1}*(2,232/3)}*1.5
={1,362*2,232+2,581*{4,086/64,569+1}*744}*1.5
={3,039,984+2,581*1*744}*1.5
={3,039,984+1,920,264}*1.5
=4,960,248*1.5
=7,440,372(バイト)
=約7(メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
表A-5 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 保存期間(単位:年) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-6 デフォルトの保存期間と保存レコード数(Storeバージョン2.0の場合)
レコードタイプ | データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|---|
PI | 分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 | |
日単位 | 54週 | 378 | |
週単位 | 54週 | 54 | |
月単位 | 12か月 | 12 | |
年単位 | 10年 | (収集年数)*1 | |
PD | - | 7日 | 10,080 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)+
)
l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for Microsoft SQL ServerのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_TLOGとPD_DDを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_TLOGレコードの見積もりについて説明します。「(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,a~gの値を調べます。
d=681
e=313
f=今回は4とする
g=今回は60秒とする
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
X(分)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(3+1)*1.1
={1,260+741*1}*6,336
=2,001*6,336
=12,678,336(バイト)=約13メガバイト
X(時)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4)/(65,250-681)+1}}*24/1*(3+1)*1.1
={1,260+741*1}*105.6
=2,001*105.6
=211,305.6(バイト)=約0.2メガバイト
X(日)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4)/(65,250-681)+1}}*7/1*(1+1)*1.1
={1,260+741*1}*15.4
=2,001*15.4
=30,815.4(バイト)=約0.03メガバイト
X(週)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={1,260+741*1}*2.2
=2,001*2.2
=4,402.2(バイト)=約0.005メガバイト
X(月)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={1,260+741*1}*2.2
=2,001*2.2
=4,402.2(バイト)=約0.005メガバイト
X(年)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4/(65,250-681)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={1,260+741*1}*12.1
=2,001*12.1
=24,212.1(バイト)=約0.03メガバイト
以上から,PI_TLOGの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=13.27メガバイト
=約14メガバイト
次にPD_DDレコードの見積もりについて説明します。
a=1,440
b=60/60 =1
c=7日とする
d=681バイト
e=1,362バイト
f=今回は12とする
g=今回は60秒とする
見積もり式を次に示します。
X={(1,362+2)*12+(681+60)*{(1,362+2)*12/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(7+1)*1.1
={16,368+741*1}}*12,672
=17,109*12,672
=216,805,248(バイト)=約207メガバイト
したがって,必要なディスク占有量はPI_TLOG+PD_DD=221メガバイトとなります。
●ファイル数
PI_DI,PI_ TLOG,PD_DD,およびPD_LICを収集する場合を例に挙げて説明します。「(a) 見積もり式」のファイル数の見積もり式の,可変値を調べます。
l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)=今回は1月とする
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)=今回は10日とする
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)
)
=20+2*{
[3(PI_DI分)+3(PI_TLOG分)+2]+
[3(PI_DI分)+3(PI_TLOG分)+2]+
[1(PI_DI分)+1(PI_TLOG分)+2]+
[1(PI_DI分)+1(PI_TLOG分)+2]+
[1(PI_DI分)+1(PI_TLOG分)+2]+
[11*2]+
[10(PD_DD分)+10(PD_LIC分)+2]
}
=20+2*{8+8+4+4+4+22+22}=164
●ディレクトリ数
PI_DI,PI_ TLOG,PD_DD,およびPD_LICを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が"分"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする(考え方:PI_DIが2日,PI_TLOGが3日の場合は3日となります)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が"週"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)=今回は1月とする
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は10日とする(考え方:PD_LICが8日,PD_DDが10日の場合は10日となります)
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10)=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI_DI,PI_ TLOG,PD_DD,およびPD_LICを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*2+2)=48