1レコードの収集時間のうち,Oracleへのアクセス時間の上限をタイムアウト値として設定できます。
Oracleおよびマシンに負荷が掛かっているときにレコードデータを収集すると,収集データ量によってレコード収集に時間が掛かる場合があります。このような場合,PFM - Agent for Oracleの要求がOracleの稼働に影響を与えるおそれがあります。タイムアウト値を設定すると,PFM - Agent for OracleからOracleへの要求をキャンセルできるため,Oracleの稼働に与える影響を抑止できます。
レコードの収集は,レコード単位に次の順で行われます。
しかし,タイムアウト値を設定した場合,Oracleへのアクセス中にタイムアウトが発生すると,そのレコードの収集がキャンセルされます。
この機能は,OracleのOCI(Oracle Call Interface)のOCIBreak関数によって実現しています。
タイムアウト値は,次に示す方法で設定できます。
設定できる値は0,または10~3,600(単位:秒)です。0を指定した場合,この機能は働きません。また,範囲外の値は無効となります。デフォルトの値は,0が設定されています。
タイムアウト値の入力可否を設定方法別に次の表に示します。
表3-16 タイムアウト値の入力可否
設定方法 | 入力値 | ||||
---|---|---|---|---|---|
-1以下 | 0 | 1~9 | 10~3,600 | 3,601以上 | |
jpcconf inst setup (jpcinssetup)コマンドからの設定/更新 | 入力エラー(入力不可) | ○ | △ | ○ | 入力エラー(入力不可) |
PFM - Web Consoleからの変更 | × | ○ | × | ○ | × |
jpcconf inst setup (jpcinssetup)コマンドによるタイムアウト値の設定については,「2.1.4(3) インスタンス環境の設定」を参照してください。
なお次のレコードはキャンセル対象外です。
タイムアウトが発生した場合,エージェントログの通常ログ(agtoinf0x.log)に次のメッセージが出力されます。
KAVF12636-I |
また,キャンセルによりレコードが収集されない場合,共通メッセージログに,「KAVF12401-W」のメッセージが出力されます。
履歴データの収集など複数レコードの収集が同じタイミングで一度に行われる場合,一つのレコードでタイムアウトが発生しキャンセルされても,ほかのレコードの収集はキャンセルされません。
次の状況では,タイムアウト発生によるキャンセルが受け付けられても,レコード収集はキャンセルされません。