ここでは,Virtageシステムのディスクリソースを監視する方法について説明します。
(1) 概要
Virtageシステム上の各LPARはSANブートで稼働します。Virtageシステムでは,ホストマシン物理ホストに搭載されているHBAを各LPARに対し仮想HBAとして割り当てます。LPARは,仮想HBAを物理HBAとして認識して動作します。
PFM - Agent for Virtual Machineは,物理・仮想HBAのI/O割り込み回数をパフォーマンスデータとして取得します。この数値の推移が高いとLPARがHBAに対し過大な負荷をかけていると判断でき,対策を講じることができます。
なお,PFM - Agent for Virtual Machineでは,LPARごとに存在するSANストレージ上の物理ディスクリソース不足量の監視はできないため,PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformを使用して監視する必要があります。
また,ディスクリソースの不足やHBAの故障を検知したい場合は,HVMスクリーンやJP1/ServerConductorコンソールによるアラート監視を利用できます。JP1/ServerConductorコンソールによるアラート監視については,「(3) JP1/ServerConductorコンソールによるアラート監視」を参照してください。
ディスクリソースを監視するレコードには,次の二つがあります。レコードの詳細については「5. レコード」を参照してください。
次の図に,それぞれのレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。
図1-57 レコードとデータ収集範囲の対応
(2) 監視例
ここでは,仮想環境が稼働しているホストマシン上の物理HBAのI/O割り込み回数やLPARの仮想HBAのI/O割り込み回数の監視を例に,ディスクリソースが不足する要因と問題への対処方法を説明します。次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。
図1-58 監視項目と対処の流れ
(a) ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数を監視する例
ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数は,PI_HPDIレコードのRequestsフィールドで確認できます。
ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数の監視例を次の図に示します。
図1-59 ホストマシンの物理HBAのI/O割り込み回数の監視例
この例では,I/O割り込み回数が多いHBA1は,継続的に割り込み回数が多いため,対策が必要です。
(b) LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数を監視する例
LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数は,PI_VPDIレコードのRequestsフィールドで確認できます。
LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数の監視例を次の図に示します。
図1-60 LPARの仮想HBAのI/O割り込み回数の監視例
この例では,LPAR1は継続的に割り込み回数が多いため,対策が必要です。
(c) LPARのディスク不足を監視する例
LPARのディスク不足を監視するには,PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformの監視テンプレートを使用して監視します。PFM - Agent for PlatformまたはPFM - RM for Platformで,次に示す項目を監視することで,収集されたLPARのディスク未使用率を監視し,ディスクが不足しているLPARを特定できます。
(3) JP1/ServerConductorコンソールによるアラート監視
シャーシ,サーバモジュールに同梱されているJP1/ServerConductorを管理マシンとLPARにインストールすることでディスク不足(ディスク使用量しきい値設定)が発生した場合にアラートを発生させ,ディスクが不足しているLPARを特定できます。JP1/ServerConductorコンソールによるアラート監視については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 システム管理者ガイド」を参照してください。
(4) 監視テンプレートレポートのカスタマイズ
ここでは,監視テンプレートのHost Disk I/OレポートおよびVM Disk I/Oレポートをカスタマイズして,Requestsフィールドをグラフで表示させる方法を説明します。
(a) ベースとなるレポートをコピーする
レポートをカスタマイズする前に,ベースとなるレポートをUser Reportsフォルダ配下にコピーする必要があります。手順を次に示します。
(b) レポートをカスタマイズする
コピーしたレポートをカスタマイズする手順を次に示します。