2.1.4 PFM - Agent for Platformのセットアップ手順

ここでは,PFM - Agent for Platformを運用するための,セットアップについて説明します。

[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

<この項の構成>
(1) LANG環境変数を設定する
(2) PFM - Agent for Platformの登録
(3) ネットワークの設定
(4) ログのファイルサイズ変更
(5) パフォーマンスデータの格納先の変更
(6) PFM - Agent for Platformの接続先PFM - Managerの設定
(7) 動作ログ出力の設定

(1) LANG環境変数を設定する

PFM - Agent for Platformで使用できるLANG環境変数を次の表に示します。

なお,これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストール・構築されていることを確認しておいてください。正しくインストール・構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。

注意
共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決まります。そのため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。

 

表2-3 PFM - Agent for Platformで使用できるLANG環境変数

OS言語種別LANG環境変数の値
HP-UX日本語Shift-JISコード
  • ja_JP.SJIS
  • japanese
EUCコード
  • ja_JP.eucJP
  • japanese.euc
英語(日本語なし)C
Solaris日本語Shift-JISコード
  • ja_JP.PCK
EUCコード
  • ja
  • japanese
英語(日本語なし)C
AIX日本語Shift-JISコード
  • Ja_JP
  • Ja_JP.IBM-932
EUCコード
  • ja_JP
  • ja_JP.IBM-eucJP
英語(日本語なし)C
Linux日本語Shift-JISコード
EUCコード
UTF-8コード
  • ja_JP.UTF-8
  • ja_JP.utf8
英語(日本語なし)C
(凡例)
-:該当しない

(2) PFM - Agent for Platformの登録

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - Agentを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - Agent for Platformを登録する必要があります。

PFM - Managerのバージョンが08-50以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,ここで説明する手順は不要です。ただし,PFM - Managerのリリースノートに記載されていないデータモデルバージョンのPFM - Agentは手動で登録する必要があります。なお,PFM - Agent for Platformのデータモデルのバージョンについては,「付録I バージョン互換」を参照してください。

PFM - Agentの登録の流れを次に示します。

図2-4 PFM - Agentの登録の流れ

[図データ]

注意
  • すでにPFM - Agent for Platformの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - Agent for Platformを追加した場合,PFM - Agentの登録は必要ありません。
  • PFM - Agent for Platform のデータモデルバージョンが「3.0」「4.0」の場合は,データモデルバージョンを更新するためのセットアップは不要です。
  • バージョンが異なるPFM - Agent for Platformを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
  • PFM - Managerと同じホストにPFM - Agentをインストールした場合,jpcconf agent setup (jpcagtsetup)コマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。

(a) PFM - Agent for Platformのセットアップファイルをコピーする

PFM - Agent for PlatformをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
  2. PFM - Agentのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
    ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。

    表2-4 コピーするセットアップファイル

    コピー先PFM - Agentの
    セットアップファイル
    PFMプログラム名OSコピー先ディレクトリ
    PFM - ManagerWindowsPFM - Managerのインストール先フォルダ¥setup¥/opt/jp1pc/setup/jpcagtuw.EXE
    UNIX/opt/jp1pc/setup//opt/jp1pc/setup/jpcagtuu.Z
    PFM - Web ConsoleWindowsPFM - Web Consoleのインストール先フォルダ¥setup¥/opt/jp1pc/setup/jpcagtuw.EXE
    UNIX/opt/jp1pcwebcon/setup//opt/jp1pc/setup/jpcagtuu.Z

(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - ManagerでPFM - Agent for Platformをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcconf agent setup -key UNIX (jpcagtsetup agtu)

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注意
コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setup (jpcagtsetup)コマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setup (jpcagtsetup)コマンドを実行してください。

PFM - ManagerホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。

(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - Web ConsoleでPFM - Agent for Platformをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcwagtsetup

PFM - Web ConsoleホストにあるPFM - Agent for Platformのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。

(3) ネットワークの設定[図データ]

Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,変更する場合に必要な設定です。

ネットワークの設定では次の二つの項目を設定できます。

(4) ログのファイルサイズ変更[図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

(5) パフォーマンスデータの格納先の変更[図データ]

PFM - Agent for Platformで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先またはエクスポート先のディレクトリを変更したい場合に,必要な設定です。

パフォーマンスデータは,デフォルトで,次の場所に保存されます。

詳細については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

(6) PFM - Agent for Platformの接続先PFM - Managerの設定

PFM - Agentがインストールされているホストで,そのPFM - Agentを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost define (jpcnshostname)コマンドを使用します。

注意
  • 同一ホスト上に,複数のPFM - Agentがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,一つだけです。PFM - Agentごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
  • PFM - AgentとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。

手順を次に示します。

  1. Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
    セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
    jpcconf mgrhost define (jpcnshostname)コマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
  2. 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost define (jpcnshostname)コマンドを実行する。
    例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。

    jpcconf mgrhost define -host host01 (jpcnshostname -s host01)

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf mgrhost defineコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf mgrhost defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

(7) 動作ログ出力の設定[図データ]

PFMサービスの起動・停止時や,PFM - Managerとの接続状態の変更時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。

設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。