1.3.1 概要

パフォーマンス監視の概要について説明します。

<この項の構成>
(1) パフォーマンス監視の目的
(2) パフォーマンス監視で最も重要なシステムリソース
(3) ベースラインの選定

(1) パフォーマンス監視の目的

パフォーマンスを監視することは,システム環境の構築および管理では重要な作業です。

PFM - Agent for Platformを用いたパフォーマンス監視は,主に次の目的で使用できます。

システムを運用する場合,特定のボトルネックによって,システム全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす場合があります。ボトルネックの原因としては,次のようなケースが挙げられます。

各種条件(同時接続ユーザーなど)を変更してパフォーマンスを監視したり,継続的にパフォーマンスを監視することで,システム環境の負荷特性と対応するシステムリソースへの影響を把握できます。これによって,次のようなメリットがあります。

運用システムが正しく動作しているかどうかを確認することは大変重要なことです。システム環境が正しく動作しているかどうかは,パフォーマンスの観点に加えて,次のような監視によって確認できます。

このように,システムを安定稼働させるには,PFM - Agent for Platformを用いて正しくパフォーマンスを監視することが重要です。

この節では,PFM - Agent for Platformを用いてパフォーマンスを監視し,システムを安定稼働させる方法について紹介します。

パフォーマンスの監視方法について,例を挙げて紹介しますが,しきい値はあくまで参考値です。具体的なしきい値については,ベースラインを測定し決定してください。また,具体的な設定項目については,システムの運用形態に合わせて検討してください。

(2) パフォーマンス監視で最も重要なシステムリソース

PFM - Agent for Platformでパフォーマンスを監視する上で最も重要なシステムリソースは,次のとおりです。

PFM - Agent for Platformでは,これらの重要な項目については,監視テンプレートの形で提供しています。したがって,この節では,監視テンプレートを用いた監視のしかたを中心に説明しています。また,高度に監視するための関連情報も記載しています。

(3) ベースラインの選定

ベースラインの選定とは,システム運用で問題なしと想定されるラインをパフォーマンス測定結果から選定する作業です。

PFM製品では,ベースラインの値をしきい値とすることでシステムの運用を監視します。このように,ベースラインの選定はしきい値を決定し,パフォーマンスを監視する上での重要な作業となります。

なお,ベースラインの選定では,次の注意事項を考慮してください。