Process Detail IntervalPD_PDI

機能

Process Detail Interval(PD_PDI)レコードには,プロセスについての,ある一定の時間を単位としたパフォーマンスデータが格納されます。システム内にあるプロセスIDにつき1件のレコードが作成されます。

このレコードに格納されるパフォーマンスデータは,Process Detail(PD)レコードと同じです。しかし,ある時点に収集したパフォーマンスデータと1回前に収集したパフォーマンスデータが同じプロセスのものだった場合,同じレコードにパフォーマンスデータが格納されないで新しいレコードが作成されるので,その点がProcess Detail(PD)レコードと異なります。したがって,同じプロセスについて複数のレコードが作成されます。ただし,パフォーマンスデータを収集したある時点から,次に収集する間にプロセスが終了した場合,そのプロセスのパフォーマンスデータは,収集されません。

このレコードをリアルタイムで収集する場合,システムで実行中のすべてのプロセスについてのパフォーマンスデータが格納されます。このレコードは,複数インスタンスレコードです。

注意
  • AIX,Solarisでは,<defunct>プロセスについて次に示すフィールドのデータだけが取得されます。これら以外のフィールドには,「0」または「n/a」が表示されます。
    Accounting Flags,Argument List,End Time,Exit Status,Group,Group ID,Parent PID,PID,Program,Real User,Real User ID,Record Time,Record Type,Snapshot Time,Start Time,State,Terminal,User,User ID
  • このレコードのInterval(INTERVAL)フィールドは常に「0」です。頻度,平均,割合を表すフィールドではデータソースとして,プロセスの起動からの経過時間を使用します。デルタ値を収集する場合は,前回のプロセス経過時間と今回のプロセス経過時間の差分で計算されます。デルタ値を収集しない場合は,プロセスの累積経過時間を使用して計算されます。
  • Priority(PRIORITY)フィールドでは,数字の大きさによってプロセスの優先順位が決まります。Solarisでは数字が大きい方が,高い優先順位を示します。AIX,Linuxでは数字が小さい方が,高い優先順位を示します。HP-UXでは,プロセスごとの設定によって,より高い優先順位を示す数字が異なります。次のコマンドを使用して,プロセスごとの設定を確認してください。
    export UNIX95=1
    ps -eo pid,cls,pri
    clsが次の場合,数字が小さい方がより高い優先順位を示します。
    FIFO
    RR
    RR2
    clsが次の場合,数字が大きい方がより高い優先順位を示します。
    HPUX
    RT
  • 終了したプロセスのパフォーマンスデータは収集できません。
  • インスタンスの対象プロセスがゾンビプロセスの場合,AIXまたはHP-UXでは,Group,Group ID,User,User IDの各フィールドは,次のように表示されます。
    OSフィールド表示内容
    AIXGroupIDが0のグループ名
    Group ID0
    HP-UXGroupN/A gid = -3
    UserN/A uid = -3
    Group ID-3
    User ID

デフォルト値および変更できる値

項目デフォルト値変更可否
LogNo
LOGIF空白
Sync Collection WithInterval Records,PI×

ODBCキーフィールド

ライフタイム

プロセスの実行から終了まで。

レコードサイズ

フィールド

PFM-View名
(PFM-Manager名)
説明要約形式デルタサポート対象外データソース
Accounting Flags(ACCOUNTING_FLAGS)プロセスの動作履歴情報。プロセスが終了している(End Timeが「n/a」でない)場合だけ有効。string(256)NoHP-UX,
Solaris,
AIX,
Linux
Argument List(ARGUMENT_LIST)プロセスの引数リスト。ps -efコマンドのCOMMAND(CMD)列に表示される文字列に相当する。
AIXでは,最大119バイトに制限される。Linuxでは,最大119バイトに制限される。HP-UXでは,最大63バイトに制限される。Solarisでは,最大79バイトに制限される。
string(120)No
Avg I/O Kbytes(AVG_IO_KBYTES)I/O処理の平均転送サイズ(キロバイト単位)。floatNoHP-UX,
AIX,
Linux
TOTAL_IO_KBYTES / TOTAL_IO_OPS
CPU %(CPU_PERCENT_USED)プロセスのCPU使用率をプロセッサ数で割った平均値(%)。floatNo・初回収集または非デルタ計算時の場合
(((USER_CPU_TIME + SYSTEM_CPU_TIME) / プロセスの累積経過時間) / プロセッサ数) * 100
・その他の場合
(((USER_CPU_TIME + SYSTEM_CPU_TIME) / Interval) / プロセッサ数) * 100
CPU % Each(CPU_PERCENT_EACH)プロセスのCPU使用率(%)。floatNo・初回収集または非デルタ計算時の場合
((USER_CPU_TIME + SYSTEM_CPU_TIME) / プロセスの累積経過時間) * 100
・その他の場合
((USER_CPU_TIME + SYSTEM_CPU_TIME) / Interval) * 100
Context Switches(CONTEXT_SWITCHES)コンテキストスイッチが実行された回数。ulongYesHP-UX,
Linux
End Time(END_TIME)プロセスの終了時刻。プロセスが実行中であれば「n/a」。time_tNoHP-UX,
Solaris,
AIX,
Linux
START_TIME + プロセスの稼働時間
Executable Data Kbytes(EXECUTABLE_DATA_KBYTES)使用しているデータサイズ(キロバイト単位)。
このフィールドをSolarisで収集するためには,事前に環境変数SAUNIXPMAPを設定する必要があります。コマンドラインから次のコマンドを実行してください。
# SAUNIXPMAP=1
# export SAUNIXPMAP
ulongNoLinux
Executable Text Kbytes(EXECUTABLE_TEXT_KBYTES)使用しているテキストサイズ(キロバイト単位)。
このフィールドをSolarisで収集するためには,事前に環境変数SAUNIXPMAPを設定する必要があります。コマンドラインから次のコマンドを実行してください。
# SAUNIXPMAP=1
# export SAUNIXPMAP
ulongNoLinux
Exit Status(EXIT_STATUS)プロセスの終了状態。プロセスが終了している(End Timeが「n/a」でない)場合だけ有効。string(20)NoHP-UX,
Solaris,
AIX,
Linux
Group(GROUP_NAME)プロセスの実効グループ名。string(256)No
Group ID(GROUP_ID)プロセスの実効グループID。longNo
Heap Kbytes(HEAP_KBYTES)使用しているヒープのサイズ(キロバイト単位)。ulongNoHP-UX,
AIX,
Linux
Interval(INTERVAL)常に「0」。ulongYesHP-UX,
Solaris,
AIX,
Linux
Major Faults(MAJOR_FAULTS)物理的なI/Oを引き起こすページフォルトの回数。ulongYes
Minor Faults(MINOR_FAULTS)物理的なI/Oを引き起こさないページフォルトの回数。ulongYes
Niceness(NICENESS)プロセスのナイス値。プロセスに割り当てられたスケジューラークラスが値に影響する。例えば,タスクがスケジューラークラスRTに割り当てられている場合,ナイス値は「0」。longNo
PID(PID)プロセスID。longNo
Parent PID(PARENT_PID)親プロセスのプロセスID。longNo
Priority(PRIORITY)プロセスの優先順位。AIXの32bit環境で,プロセスIDが0のプロセスの場合,このフィールドの値は「0」が設定される。longNo
Program(PROGRAM_NAME)プログラム名。ps -eコマンドのCOMMAND(CMD)列に表示される文字列に相当する。AIXでは,最大32バイトに制限される。Linuxでは,最大15バイトに制限される。HP-UXでは,最大14バイトに制限される。Solarisでは,最大15バイトに制限される。string(256)No
Reads(READ_OPS)AIXでは,RAW読み取り処理が発生した回数。Solarisでは,Block読み取り処理が発生した回数。ulongYesHP-UX,
Linux
Reads/sec(READ_OPS_PER_SECOND)読み取り処理が発生した頻度(1秒当たりの回数)。floatYesHP-UX,
Linux
・ デルタ値を収集しない場合READ_OPS / プロセスの累積経過時間
・ デルタ値を収集する場合READ_OPS / (前回のプロセス経過時間 - 今回のプロセス経過時間)
Real Mem Kbytes(REAL_MEMORY_KBYTES)使用している物理メモリーのサイズ(キロバイト単位)。ulongNo
Real User(REAL_USER_NAME)プロセスの実ユーザー名。string(256)No
Real User ID(REAL_USER_ID)プロセスの実ユーザーID。longNo
Record Time(RECORD_TIME)レコードが作成された時刻(グリニッジ標準時)。time_tNo
Record Type(INPUT_RECORD_TYPE)レコード種別。常に「PDI」。char(8)No
Shared Lib Kbytes(SHARED_LIBRARY_KBYTES)使用している共用ライブラリーのサイズ(キロバイト単位)。ulongNoHP-UX,
Solaris,
AIX,
Linux
Shared Mem Kbytes(SHARED_MEMORY_KBYTES)使用している共用メモリーのサイズ(キロバイト単位)。ulongNoSolaris,
AIX
Signals Rcvd(NUMBER_OF_SIGNALS_RECEIVED)受信したシグナル数。ulongYesLinux
Snapshot Time(LAST_SNAPSHOT_TIME)最後にプロセステーブルの情報を取得した時刻。プロセステーブル情報がない場合は,レコード時刻。time_tNo
Stack Kbytes(STACK_KBYTES)使用しているスタックのサイズ(キロバイト単位)。ulongNoAIX
Start Time(START_TIME)プロセスの開始時刻。time_tNo
State(STATE)プロセスの状態。次の値が設定される。
・ AIXの場合IDLE,ZOMBIE,STOP,RUN,SWAP,NONE
・ HP-UXの場合IDLE,OTHER,RUN,SLEEP,STOP,ZOMBIE,NONE
・ Solarisの場合IDLE,ONCPU,RUN,SLEEP,STOP,ZOMBIE,NONE
・ Linuxの場合RUN,SLEEP,SWAP,STOP,ZOMBIE,NONE
string(10)No
Swaps(SWAPS)スワップが発生した回数。ulongYesLinux
System CPU(SYSTEM_CPU_TIME)カーネルモードで動作した時間(秒単位)。utimeYes
Terminal(TERMINAL_NAME)実行された端末名。端末名を持たないプロセスの場合,「??」と表示される。string(40)No
Throughput/sec(IO_KBYTES_PER_SECOND)I/O処理の速度(1秒当たりのキロバイト数)。floatYesAIX,
Linux
・ デルタ値を収集しない場合TOTAL_IO_KBYTES / プロセスの累積経過時間
・ デルタ値を収集する場合TOTAL_IO_KBYTES / (前回のプロセス経過時間 - 今回のプロセス経過時間)
Total I/O Kbytes(TOTAL_IO_KBYTES)I/O処理の合計転送サイズ(キロバイト単位)。floatYesAIX,
Linux
Total I/O Ops(TOTAL_IO_OPS)I/O処理が発生した回数。ulongYesHP-UX,
AIX,
Linux
READ_OPS + WRITE_OPS
Total I/O Ops/sec(TOTAL_IO_OPS_PER_SECOND)I/O処理が発生した頻度(1秒当たりの回数)。floatYesHP-UX,
AIX,
Linux
・ デルタ値を収集しない場合TOTAL_IO_OPS / プロセスの累積経過時間
・ デルタ値を収集する場合TOTAL_IO_OPS / (前回のプロセス経過時間 - 今回のプロセス経過時間)
Total Process Kbytes(TOTAL_PROCESS_KBYTES)プロセスのサイズ(キロバイト単位)。このフィールドの値は,AIXでは,ps -lコマンドで得たSZ列に表示される値と同じ。HP-UX,Solarisでは,ps -lコマンドで得たSZ列に表示される値にページサイズを乗じた値と同じ。Linuxでは,"/proc/<PID>/statmの1列目*ページサイズ/1024"で得た値と同じ。ulongNo
User(USER_NAME)プロセスの実効ユーザー名。string(256)No
User CPU(USER_CPU_TIME)ユーザーモードで動作した時間(秒単位)。utimeYes
User ID(USER_ID)プロセスの実効ユーザーID。(ゾンビプロセスの場合,Solarisは0がAIX,HP-UXでは-3がこのフィールドに設定されます)longNo
Virtual Mem Kbytes(VIRTUAL_MEMORY_KBYTES)使用している仮想メモリーのサイズ(キロバイト単位)。ulongNoSolaris
Writes(WRITE_OPS)AIXでは,RAW書き込み処理が発生した回数。Solarisでは,Block書き込み処理が発生した回数。ulongYesHP-UX,
Linux
Writes/sec(WRITE_OPS_PER_SECOND)書き込み処理が発生した頻度(1秒当たりの回数)。floatYesHP-UX,
Linux
・ デルタ値を収集しない場合WRITE_OPS / プロセスの累積経過時間
・ デルタ値を収集する場合WRITE_OPS / (前回のプロセス経過時間 - 今回のプロセス経過時間)