1.3.3 定義例

監視するリソースごとに,監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。定義例の見方を次に示します。

<この項の構成>
(1) プロセッサ
(2) メモリー
(3) ディスク
(4) ネットワーク
(5) プロセス

(1) プロセッサ

監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・プロセッサに関連する監視テンプレートのアラーム

プロセッサに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM UNIX Template Alarms [CPU] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-8 プロセッサの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム名使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Kernel CPUPIKernel CPU %> 75> 50動作している時間の割合が継続してしきい値より大きい場合,OS,運用方法に問題があるおそれがある。
User CPUPIUser CPU %> 85> 65動作している時間の割合が継続してしきい値より大きい場合,特定のアプリケーションに問題があるおそれがある。
Run QueuePI5-Minute Run Queue Avg> 8> 4スレッド数の平均がしきい値より大きい場合,OS,運用方法,特定のアプリケーションに問題があるおそれがある。
CPU Per Processor(K)PI_CPUPProcessor ID>= 0>= 0CPU使用率が継続してしきい値以上の場合,OSまたは運用方法に問題があるおそれがある。
System %> 75> 50
CPU Per Processor(U)PI_CPUPProcessor ID>= 0>= 0CPU使用率が継続してしきい値以上の場合,特定のアプリケーションに問題があるおそれがある。
User %> 85> 65
注※
過度にプロセッサを使用しているプロセスを見つけ,対策を立ててください。プロセスに問題がない場合,短期間に大量のプロセスが生成および消滅するなど,カーネルのスケジューリング処理が追いつかない運用をしているおそれがあります。その場合,限界を超えるシステム環境のため,プロセッサをアップグレードするか,プロセッサを追加するなどの対策を立ててください。

プロセッサの負荷状況を詳細に監視する場合,「1.3.2(1)(b) 監視方法」に示すアラームやレポートを作成し,既存アラームとあわせて監視してください。

既存アラームの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

・プロセッサに関連する監視テンプレートのレポート

表1-9 プロセッサの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
CPU Per Processor Statusプロセッサの状態についてのリアルタイム情報。
CPU Per Processor UsageプロセッサごとのCPU使用率についてのリアルタイム情報。
CPU Trend最近1か月間の特定ホストのCPU使用率についての履歴情報(日単位)。
CPU Usage Summary最近1時間のCPU使用率についての履歴情報(分単位)。
CPU Status(Multi-Agent)最近24時間の複数ホストのCPU使用率についての履歴情報(時単位)。
CPU StatusCPU使用率についてのリアルタイム情報。
CPU Trend(Multi-Agent)最近1か月間の複数ホストのCPU使用率についての履歴情報(日単位)。

既存レポートの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

(b) 監視テンプレート以外の定義例

・ プロセッサ使用率が高いプロセスを確認するリアルタイムレポート

表1-10 定義例

項目内容
名前と種別レポート名PD_PDI - Memory
プロダクトUNIX (6.0)
レポート種別○リアルタイム(一つのエージェント)●チェックする
○履歴(一つのエージェント)
○履歴(複数のエージェント)
フィールドレコードPD_PDI
選択されたフィールドProgram
PDI
CPU %
System CPU
User CPU
フィルター条件式:●拡張フィルター
条件式の定義PID <> "0"
表示時に指定□チェックしない
表示設定□ 表示時に指定■チェックする
□ デルタで表示□チェックしない
更新間隔□ 自動更新しない□チェックしない
初期値30
最小値30
ランキング表示フィールドCPU %
表示数10
□ 降順□チェックしない
表示形式全フィールド
一覧
グラフSystem CPU
User CPU
表示キーフィールド(なし)
降順
グラフのプロパティグラフの種類積み上げ横棒
系列
軸ラベルX軸プロセス名(プロセスID)
Y軸CPU 使用時間
データラベルデータラベル1プロセス名
データラベル2プロセスID
ドリルダウンレポートのドリルダウン任意
フィールドのドリルダウン任意
(凡例)
-:指定しない
注※
状況に応じて設定してください。

(2) メモリー

監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・メモリーに関連する監視テンプレートのアラーム

メモリーに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM UNIX Template Alarms [MEM] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-11 メモリーの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
PagescansPIPage Scans/sec> 150> 100発生した回数がしきい値より多い場合,メモリーが不足しているおそれがある。
Swap OutsPISwapped-Out Pages/sec> 200> 100ページ数がしきい値より多い場合,メモリーが不足しているおそれがある。
Alloc Mem MbytesPIAlloc Swap Mbytes>= 1800>= 1024使用量が継続してしきい値(PIレコードのTotal Physical Mem Mbytesフィールド)以上の場合,物理メモリーが不足しているおそれがある。

既存アラームの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

・メモリーに関連する監視テンプレートのレポート

表1-12 メモリーの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
Memory Paging最近1時間のメモリー使用状況についての履歴情報(分単位)。
Memory Paging Statusメモリーやページングについてのリアルタイム情報。
Memory Paging Status (Multi-Agent)最近24時間の複数ホストのメモリー使用状況についての履歴情報(時単位)。
Paging Trend (Multi-Agent)最近1か月間の複数ホストのページスキャンについての履歴情報(日単位)。
注※
Linuxの場合は,使用できません。

・システム(メモリー)に関連する監視テンプレートのレポート

表1-13 システムの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
I/O Overview最近1時間のI/O回数についての履歴情報(分単位)。Linuxの場合は,使用できない。
Process Trend最近1か月間のプロセスの稼働数についての履歴情報(日単位)。
System Overview(システム稼働状況を示すリアルタイムレポート)システムの稼働状況についてのリアルタイム情報。
System Overview(システム稼働状況を示す履歴レポート)最近1時間のシステムの稼働状況についての履歴情報(分単位)。
System Utilization Statusシステムの稼働状況についてのリアルタイム情報。
Workload Statusシステム負荷についてのリアルタイム情報。
Workload Status (Multi-Agent)最近24時間の複数ホストのシステム負荷についての履歴情報(時単位)。

既存レポートの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

(b) 監視テンプレート以外の定義例

・プロセスのメモリー使用量を確認するリアルタイムレポート

表1-14 定義例

項目内容
名前と種別レポート名PD_PDI - Memory
プロダクトUNIX (6.0)
レポート種別○リアルタイム(一つのエージェント)●チェックする
○履歴(一つのエージェント)
○履歴(複数のエージェント)
フィールドレコードPD_PDI
選択されたフィールドすべて選択する
フィルター条件式:●拡張フィルター
条件式の定義PID <> "0"
表示時に指定□チェックしない
表示設定□ 表示時に指定■チェックする
□ デルタで表示□チェックしない
更新間隔□ 自動更新しない□チェックしない
初期値30
最小値30
ランキング表示フィールドVirtual Mem Kbytes※1
表示数30※2
□ 降順■チェックする
表示形式Program
PID
Real Mem Kbytes
Virtual Mem Kbytes
Major Faults
Swaps
Context Switches
CPU %
一覧
グラフVirtual Mem Kbytes
Real Mem Kbytes
表示名
表示キーフィールド(なし)
降順
グラフのプロパティグラフの種類折れ線
系列
軸ラベルX軸時間
Y軸メモリー使用量
データラベルデータラベル1(なし)
データラベル2(なし)
ドリルダウンレポートのドリルダウン任意
フィールドのドリルダウン任意
(凡例)
-:指定しない
注※1
監視したいフィールドを設定します。
注※2
状況に応じて設定します。

(3) ディスク

監視テンプレートの定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・ディスクに関連する監視テンプレートのアラーム

ディスクに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM UNIX Template Alarms [DSK] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-15 ディスクの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
I/O Wait TimePIWait %> 80> 60I/O待ちの状態だった時間の割合がしきい値より大きい場合,データベースの更新など,I/Oに遅延が発生しているおそれがある。
Disk Service TimePI_DEVDAvg Service Time> 0.1> 0.06平均動作時間がしきい値より長い場合,非常に大きなサイズのI/Oが発生しているおそれがある。
File System Free(L)PD_FSLFile System<> dummy<> dummy未使用領域が少ない場合,ディスク容量が不足していることを示す。
Mbytes Free< 5120< 10240
File System Free(R)PD_FSRFile System<> dummy<> dummy未使用領域が少ない場合,ディスク容量が不足していることを示す。
Mbytes Free< 5120< 10240
Disk Busy %PI_DEVDDevice Name<> dummy<> dummyビジー率の割合が継続してしきい値以上の場合,I/Oが特定のディスクに集中しているおそれがある。
Busy %>= 90>= 80
Disk QueuePI_DEVDDevice Name<> dummy<> dummyキューの長さが継続してしきい値以上の場合,デバイスの混雑を示す。
Queue Length>= 5>= 3

既存アラームの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

・ディスクに関連する監視テンプレートのレポート

表1-16 ディスクの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
Avg Service Time - Top 10 Devices平均動作時間が長い上位10個のデバイスについてのリアルタイム情報。
Avg Service Time Status - Top 10 Devices平均動作時間が長い10個のデバイスについてのリアルタイム情報。
Device Detail選択したデバイスについてのリアルタイム情報。
Device Usage Statusデバイスの使用状況についてのリアルタイム情報。
Device Usage Status (Multi-Agent)最近24時間の複数ホストのデバイスの使用状況についての履歴情報(時単位)。
Free Space Mbytes - Top 10 Local File Systems空き領域が少ない10個のローカルファイルシステムについてのリアルタイム情報。
Local File System Detail選択したローカルファイルシステムについてのリアルタイム情報。
Remote File System Detail選択したリモートファイルシステムについてのリアルタイム情報。
Space Usage - Top 10 Local File Systems使用率が高いローカルファイルシステムの上位10個についてのリアルタイム情報。
Space Usage - Top 10 Remote File Systems使用率が高いリモートファイルシステムの上位10個についてのリアルタイム情報。
NFS Activity Overview最近1時間のNFSクライアントとNFSサーバの稼働状況についての履歴情報(分単位)。
NFS Load Trend最近1か月間のNFSクライアントとNFSサーバの稼働状況についての履歴情報(日単位)。
NFS Usage StatusNFSクライアントとNFSサーバの稼働状況についてのリアルタイム情報。
NFS Usage Status (Multi-Agent)最近24時間の複数ホストのNFSクライアントとNFSサーバの稼働状況についての履歴情報(時単位)。
注※
Linuxの場合は,使用できません。

既存レポートの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

(4) ネットワーク

監視テンプレートの定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・ネットワークに関連する監視テンプレートのアラーム

ネットワークに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM UNIX Template Alarms [NET] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-17 ネットワークの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Network Rcvd/secPI_NINSPkts Rcvd/sec>= 9>= 8パケット数が多い場合,多量のパケット受信に成功したことを示す。

既存アラームの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

・ネットワークに関連する監視テンプレートのレポート

表1-18 ネットワークの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
Network Interface Detail選択したシステムのネットワーク使用状況についてのリアルタイム情報。
Network Interface Summary(ネットワーク使用状況を示すリアルタイムレポート)ネットワーク使用状況についてのリアルタイム情報。
Network Interface Summary(ネットワーク使用状況を示す履歴レポート)最近1時間のネットワーク使用状況についての履歴情報(分単位)。
Network Overview最近1時間のネットワーク使用状況についての履歴情報(分単位)。
Network Status (Multi-Agent)最近24時間の複数ホストのネットワーク使用状況についての履歴情報(時単位)。
Network Statusネットワーク使用状況についてのリアルタイム情報。

既存レポートの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

(5) プロセス

監視テンプレートの定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・プロセスに関連する監視テンプレートのアラーム

プロセスに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM UNIX Template Alarms [PS] 09.10アラームテーブルに格納されています。

表1-19 プロセスの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Process EndPD_PDIProgram= jpcsto= jpcstoパフォーマンスデータが収集されない場合,プロセスが停止していることを示す。
Process AlivePI_WGRPProcess Count> 0> 0ワークグループのプロセスが動作していることを示す。
Workgroup= workgroup= workgroup
Application StatusPD_APP2Application Name= *= *Application Existフィールドの値がABNORMALの場合,アプリケーションに設定している監視対象のすべてがABNORMALの状態であることを示す。Application Statusフィールドの値がABNORMALの場合,アプリケーションに設定している監視対象のうちどれかがABNORMALの状態であることを示す。
Application Exist= ABNORMAL= NORMAL
Application Status= ABNORMAL= ABNORMAL
Process ExistencePD_APSProgram Name= jpcsto= jpcstoレコード収集されない場合,プロセスが停止していることを示す。

既存アラームの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。

・プロセスに関連する監視テンプレートのレポート

表1-20 プロセスの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
CPU Usage - Top 10 ProcessesCPU使用率上位10個のプロセスについてのリアルタイム情報。
I/O Activity - Top 10 ProcessesI/O処理数上位10個のプロセスについてのリアルタイム情報。HP-UX,AIX,Linuxの場合は,使用できない。
Major Page Faults - Top 10 Processes物理的なI/Oを引き起こすページフォルト数上位10個のプロセスについてのリアルタイム情報。
Process Detail選択したホストのプロセスについてのリアルタイム情報。
Process Overview最近1時間のプロセスの稼働状況についての履歴情報(分単位)。
Process Summary Statusプロセスの稼働状況についてのリアルタイム情報。

既存レポートの設定内容については「5. 監視テンプレート」を参照してください。