ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for Platformのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
表A-4 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Platformの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) |
---|---|
インストール時 | 20 |
初期状態での運用 | 100 |
初期状態以外での運用 | 50+W |
Storeデータベースで使用するディスク占有量は,PIレコードタイプのレコードのディスク占有量とPDレコードタイプのレコードのディスク占有量の合計で計算されます。
レコードタイプごとのディスク占有量の見積もり式については,次で説明します。
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-5 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | (X1+.....+Xa+3,500*a) |
PDレコードタイプ | (Y1+.....+Yb+700*b) |
表A-6 レコードに対応するパフォーマンスオブジェクトのインスタンス数
レコードID | レコードに対応する パフォーマンス オブジェクト | 備考 |
---|---|---|
PD | Process | インスタンス数 |
PD_PAGF | Paging File | インスタンス数 |
PD_PDI | Process | インスタンス数 |
PD_PEND | Process | 収集間隔中に終了するインスタンス数 |
PI | Redirector,Server,Cache,Memory,Objects,System,Processorの"_total"インスタンス | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_AD | NTDS,DNS,Databaseのlsassインスタンス | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_BRSR | Browser | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_ICM6 | ICMPv6 | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_ICMP | ICMP | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_IP | IPまたはIPv4 | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_IP6 | IPまたはIPv6 | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_LOGD | LogicalDisk | インスタンス数 |
PI_NBT | NBT Connection | インスタンス数 |
PI_NETI | Network Interface | インスタンス数 |
PI_PCSR | Processor | インスタンス数 |
PI_PHYD | PhysicalDisk | インスタンス数 |
PI_SVRQ | Server Work Queues | インスタンス数 |
PI_TCP | TCPまたはTCPv4 | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_TCP6 | TCPまたはTCPv6 | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_UDP | UDPまたはUDPv4 | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_UDP6 | UDPまたはUDPv6 | 単数インスタンスレコードのため,1 |
PI_WINS | WINS Server | 単数インスタンスレコードのため,1 |
表A-7 PFM - Web Console,Windowsツール,収集データ追加ユーティリティ,またはユーザー作成データ収集機能で確認するインスタンス数
レコードID | 確認元 | 備考 |
---|---|---|
PD_APS | タスクマネージャーの[プロセス]タブを確認する。 | 表示されるプロセス数。「全ユーザーのプロセスを表示する」がチェックされている必要がある。 |
PD_APSI | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でホスト名<Windows>(Agent Collectorサービス)を選択し,[Advanced application monitoring]-[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成されたアプリケーション名のツリーを確認する。 | 各アプリケーションに登録されているMonitoringXX Conditionに一致したプロセス数またはサービス数の総数(PD_APPDレコードのMonitoring Countの総数)。 |
PD_APP | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でホスト名<Windows>(Agent Collectorサービス)を選択し,[Application monitoring setting]ツリーを確認する。 | Application monitoring settingに登録されているアプリケーション数。 |
PD_APP2 | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でホスト名<Windows>(Agent Collectorサービス)を選択し,[Advanced application monitoring]-[Application monitoring setting]ツリーを確認する。 | Advanced application monitoringのApplication monitoring settingに登録されているアプリケーション数。ただし,MonitoringXX FieldがNone以外でかつMonitoringXX Conditionを指定している組み合わせがない場合,そのアプリケーションは対象外。 |
PD_APPD | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でホスト名<Windows>(Agent Collectorサービス)を選択し,[Advanced application monitoring]-[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成されたアプリケーション名のツリーを確認する。 | 各アプリケーションに登録されているMonitoringXX Conditionの総数。ただし,MonitoringXX FieldがNoneの場合は対象外。 |
PD_ASVC | [管理ツール]-[サービス]を確認する。 | 登録されているサービス数。 |
PD_DEV | [システム ツール]-[システム情報]-[ソフトウェアの環境]-[ドライバ]を確認する。 | 登録されているドライバ数。 |
PD_ELOG | [管理ツール]-[イベントビューア]を確認する。 | 収集間隔中に出力されるログ件数。 |
PD_GEND | [収集データ追加ユーティリティ]を確認する。 | 設定したユーザーレコード件数。 |
PD_SVC | [管理ツール]-[サービス]を確認する。 | 登録されているサービス数。 |
PD_UPD | ユーザー作成データ収集機能を実行して確認する。 | 設定した件数。 |
PD_UPDB | ユーザー作成データ収集機能を実行して確認する。 | 設定した件数。 |
PI_GENI | [収集データ追加ユーティリティ]を実行して確認する。 | 設定したユーザーレコード件数。 |
PI_UPI | ユーザー作成データ収集機能を実行して確認する。 | 設定した件数。 |
PI_UPIB | ユーザー作成データ収集機能を実行して確認する。 | 設定した件数。 |
PI_WGRP | [収集データ追加ユーティリティ]を確認する。 | 設定したユーザーレコード件数。 |
表A-8 デフォルトの保存期間と保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
a=1
d=681
e=532
f=2
g=2,039
1,440+168+366+52+12+1=2,039レコード
g=2,039
X={e*f+(d+1,900)*{e*f/(65,250-d)+1}}*g*1.5
X={532*2+(681+1,900)*{532*2/(65,250-681)+1}}*2,039*1.5
={1,064+(2,581)*{1,064/64,569+1}}*3,058.5
={1,064+2,581*1}*3,058.5
=3,645*3,058.5
=11,148,232(バイト)
=約10.6(メガバイト)
b=1
d=681
e=472
f=3
h=2,232
Y={e*h+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}*(h/f)}*1.5
Y={472*2,232+(681+1,900)*{(472*3)/(65,250-681)+1}*(2,232/3)}*1.5
={472*2,232+2,581*{1,416/64,569+1}*744}*1.5
={1,053,504+2,581*1*744}*1.5
={1,053,504+1,920,264}*1.5
=2,973,768*1.5
=4,460,652(バイト)
=約4(メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1
表A-9 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 保存期間(単位:年) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
PL | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-10 PIレコードタイプの保存期間(デフォルト値)
データの種類 | 保存期間 |
---|---|
分単位 | 1日 |
時単位 | 7日 |
日単位 | 54週 |
週単位 | 54週 |
月単位 | 12か月 |
年単位 | 制限なし |
表A-11 PDレコードタイプの保存期間(デフォルト値)
レコード名 | 保存期間(単位:日) |
---|---|
PD | 2 |
PD_PDI | 2 |
PD_APS | 0 |
PD_APSI | 10 |
PD_PEND | 2 |
PD_PAGF | 2 |
PD_SVC | 2 |
PD_ASVC | 0 |
PD_GEND | 10 |
PD_DEV | 2 |
PD_ELOG | 31 |
PD_UPD | 10 |
PD_UPDB | 10 |
PD_APP | 10 |
PD_APP2 | 10 |
PD_APPD | 10 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)+
(C1+C2+...+Co+o)
)
m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
o:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
A11~A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
C1~Co:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
Cmax:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m+n)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for PlatformのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もり例について説明します。
●ディスク占有量
PI_LOGDレコードとPDレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_LOGDレコードの見積もりについて説明します。「(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
d=681(バイト)
e=700(バイト)
f=4
g=60(秒)
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
a=1,440
b=1+(60-1)/60
=1.98...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(分)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1,440/1*(3+1)*1.1
={2,808+741*1}*6,336
=3,549*6,336
=22,486,464(バイト)=約22(メガバイト)
a=24
b=1+(60-1)/3,600
=1.01...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(時)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*24/1*(3+1)*1.1
={2,808+741*1}*105.6
=3,549*105.6
=374,774.4(バイト)=約0.4(メガバイト)
a=7
b=1+(60-1)/86,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(日)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*7/1*(1+1)*1.1
={2,808+741*1}*15.4
=3,549*15.4
=54,654.6(バイト)=約0.05(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/604,800
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(週)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(1+1)*1.1
={2,808+741*1}*2.2
=3,549*2.2
=7,807.8(バイト)=約0.008(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/2,592,000
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(月)
X(月)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(1+1)*1.1
={2,808+741*1}*2.2
=3,549*2.2
=7,807.8(バイト)=約0.008(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/31,622,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=10(固定)
X(年)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(10+1)*1.1
={2,808+741*1}*12.1
=3,549*12.1
=42,942.9(バイト)=約0.04(メガバイト)
以上から,PI_LOGDレコードの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=22.506(メガバイト)
=約23(メガバイト)
次にPDレコードの見積もりについて説明します。
変数を次の値とします。
a=1,400
b=60/60=1
c=10(日)
d=681(バイト)
e=472(バイト)
f=12
g=60(秒)
見積もり式を次に示します。
X={(472+2)*12+(681+60)*{((472+2)*12)/(65,250-681)+1}
*1,400/1*(10+1)*1.1
={5,688+741*1}*17,424
=6,429*17,424
=112,018,896(バイト)=約112(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量はPI_LOGD+PD=135メガバイトとなります。
●ファイル数
PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
m=2
n=2
o=なし
A11~A1m=3(日)
A21~A2m=3(日)
A31~A3m=1(週)
A41~A4m=1(週)
A51~A5m=1(月)
B1~Bn=10(日)
C1~Co=不要
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)+
(C1+C2+...+Co+o)
)
=20+2*{
[3(PI分)+3(PI_LOGD分)+2]+
[3(PI分)+3(PI_LOGD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+
[11*2]+
[10(PD分)+10(PD_PDI分)+2]
}
=20+2*{8+8+4+4+4+22+22}
=20+2*72=20+144=164
●ディレクトリ数
PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(a) 見積もり式」のディレクトリ数の見積もり式で示した変数が次の値とします。
A1max=3(日)(考え方:PIが2日,PI_LOGDが3日の場合は3日となります)
A2max=3(日)
A3max=1(週)
A4max=1(週)
A5max=1(月)
Bmax=10(日)(考え方:PD_PDIが8日,PDが10日の場合は10日となります)
Cmax=なし
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10+0)=25+2*30=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2
m=2
n=0
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m+n)
=20+2*(6*2+2+0)=48