1.3.3 定義例

監視するリソースごとに,監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。定義例の見方を次に示します。

<この項の構成>
(1) プロセッサ
(2) メモリー
(3) ディスク
(4) ネットワーク
(5) プロセス・サービス
(6) イベントログ

(1) プロセッサ

監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・プロセッサに関連する監視テンプレートのアラーム

プロセッサに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM Windows Template Alarms [CPU] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-19 プロセッサの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
CPU UsagePICPU %>= 90> 80プロセッサの使用率(%)が継続して高い場合,プロセッサがシステムのボトルネックになっているおそれがある。過度にプロセッサを使用しているプロセスを見つけ,対策を立てる必要がある。プロセスに問題がない場合,限界を超えるシステム環境のため,プロセッサをアップグレードするか,プロセッサを追加するなどの対策が必要である。
Processor QueuePIProcessor Queue Length>= 10>= 2要求数が継続してしきい値以上の場合,プロセッサが混雑していることを示す。
SVR Processor QueuePI_SVRQQueue Length>= 3>= 2キューの長さが継続してしきい値以上の場合,プロセッサに大きな負荷が掛かっていることを示す。

・プロセッサに関連する監視テンプレートのレポート

表1-20 プロセッサの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
CPU Status (Multi-Agent)最近24時間の複数のエージェントについてのCPU使用率の要約(時単位)。
CPU Trend最近1か月間のユーザーモードと特権モードで実行されたCPU使用率(日単位)。
CPU Trend (Multi-Agent)最近1か月間の複数システムのCPU使用率(日単位)。
CPU Usage Summary最近1時間のCPU使用率の要約(分単位)。

既存レポートの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

(b) 監視テンプレート以外の定義例

・プロセッサ使用率が高いプロセスを確認するリアルタイムレポート

表1-21 定義例

項目内容
名前と種別レポート名PD_PDI - Memory
プロダクトWindows (6.0)
レポート種別○リアルタイム(一つのエージェント)●チェックする
○履歴(一つのエージェント)
○履歴(複数のエージェント)
フィールドレコードPD_PDI
選択されたフィールドProgram
PDI
CPU %
Privileged CPU %
User CPU %
フィルター条件式:●拡張フィルター
条件式の定義Program <> "_Total"
AND PID <> "0"
表示時に指定□チェックしない
表示設定□ 表示時に指定■チェックする
□ デルタで表示□チェックしない
更新間隔□ 自動更新しない□チェックしない
初期値30
最小値30
ランキング表示フィールドCPU %
表示数10
□ 降順□チェックしない
表示形式全フィールド
一覧
グラフPrivileged CPU %
User CPU %
表示キーフィールド(なし)
降順
グラフのプロパティグラフの種類積み上げ横棒
系列
軸ラベルX軸プロセス名(プロセスID)
Y軸CPU %
データラベルデータラベル1プロセス名
データラベル2プロセスID
ドリルダウンレポートのドリルダウン任意
フィールドのドリルダウン任意
(凡例)
-:指定しない
注※
状況に応じて設定します。

(2) メモリー

監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・メモリーに関連する監視テンプレートのアラーム

メモリーに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM Windows Template Alarms [MEM] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-22 メモリーの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Available MemoryPIAvailable Mbytes< 3< 4未使用サイズがしきい値より小さい場合,物理メモリーが不足しているおそれがある。過度にメモリーを使用しているプロセスを見つけ,対策を立てる必要がある。プロセスに問題がない場合,限界を超えるシステム環境のため,メモリーを増設するなどの対策を立てる必要がある。
Committed MbytesPICommitted Mbytes>= 2046>= 1024仮想メモリー領域の使用量が継続してしきい値(PIレコードのTotal Physical Mem Mbytesフィールド)以上の場合,物理メモリーが不足しているおそれがある。
Pages/secPIPages/sec>= 5>= 4ページ数の割合が継続してしきい値以上の場合,メモリーがシステムのボトルネックになっているおそれがある。ただし,しきい値の超過が一時的な場合は,監視した値が20までは許容範囲になることがある。
Page Faults/secPIPage Faults/sec>= 5>= 4ページフォルトが発生した数の割合が継続してしきい値以上の場合,メモリーがボトルネックになっているおそれがある。

既存アラームの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

・メモリーに関連する監視テンプレートのレポート

表1-23 メモリーの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
Memory Available Trend (Multi-Agent)最近1か月間の複数システムの物理メモリーの空き容量(日単位)。
Memory Paging最近1時間のページングしたページ数の頻度(分単位)。
Memory Paging Status (Multi-Agent)最近24時間の複数のエージェントについてのメモリーのページフォルトが発生した状況の要約(時単位)。
OS Memory Usage Status(メモリー使用量を示すリアルタイムレポート)物理メモリーの空き容量。
OS Memory Usage Status(メモリー使用量を示す履歴レポート)最近24時間のシステムの物理メモリーの空き容量の要約(時単位)。
System Memory Detail最近1時間のシステムの物理メモリーの詳細(分単位)。

・システム(メモリー)に関連する監視テンプレートのレポート

表1-24 システムの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
File System I/O Summary最近1時間のI/O使用量の要約(分単位)。
Process Trend最近1か月間のシステムで実行されたプロセス数(日単位)。
System Overview(システムの概要を示すリアルタイムレポート)システム全体の概要。
System Overview(システムの概要を示す履歴レポート)最近1時間のシステムの概要(分単位)。
Workload Statusシステムのワークロード関連データ。
Workload Status (Multi-Agent)最近24時間の複数のシステムについてのワークロード関連データの要約(時単位)。

既存レポートの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

(b) 監視テンプレート以外の定義例

・メモリーリークが発生しているおそれがないか確認する履歴レポート

表1-25 定義例

項目内容
名前と種別レポート名PI - Memory
プロダクトWindows (6.0)
レポート種別○リアルタイム(一つのエージェント)
○履歴(一つエージェント)●チェックする
○履歴(複数のエージェント)
フィールドレコードPI
選択されたフィールドPool Nonpaged Bytes
Pool Paged Bytes
Pages/sec
Page Faults/sec
Data Map Hits %
Commit Limit Mbytes
Committed Mbytes
Non Committed Mbytes
% Committed Bytes in Use
Total Physical Mem Mbytes
Used Physical Mem Mbytes
Available Mbytes
% Physical Mem
Current Processes
Current Threads
フィルター条件式:●フィルターなし
表示設定表示時に指定□チェックしない
□ 表示時に指定■チェックする
レポート表示期間の設定対象期間レポートの表示時に指定
レポート間隔
ピーク時間フィールド(なし)
最大レコード数1440
表示形式全フィールド
一覧
グラフPool Nonpaged Bytes
表示名
表示キーフィールド(なし)
降順
グラフのプロパティグラフの種類折れ線
系列
軸ラベルX軸時間
Y軸非ページプール
データラベルデータラベル1(なし)
データラベル2(なし)
ドリルダウンレポートのドリルダウン任意
フィールドのドリルダウン任意
(凡例)
-:指定しない
注※
状況に応じて設定します。

・プロセスのメモリー使用量を確認するリアルタイムレポート

表1-26 定義例

項目内容
名前と種別レポート名PD_PDI - Memory
プロダクトWindows (6.0)
レポート種別○リアルタイム(一つのエージェント)●チェックする
○履歴(一つのエージェント)
○履歴(複数のエージェント)
フィールドレコードPD_PDI
選択されたフィールドすべて選択する
フィルター条件式:●拡張フィルター
条件式の定義Program <> "_Total"
AND PID <> "0"
表示時に指定□チェックしない
表示設定□ 表示時に指定■チェックする
□ デルタで表示□チェックしない
更新間隔□ 自動更新しない□チェックしない
初期値30
最小値30
ランキング表示フィールドPool Nonpaged Kbytes
表示数30
□ 降順■チェックする
表示形式Program
PID
Handle Count
Page Faults/sec
Pool Nonpaged Kbytes
Pool Paged Kbytes
Working Set Kbytes
Page File Kbytes
Private Kbytes
CPU %
一覧
グラフPool Nonpaged Kbytes
Pool Paged Kbytes
Working Set Kbytes
Page File Kbytes
Private Kbytes
表示名
表示キーフィールド(なし)
降順
グラフのプロパティグラフの種類折れ線
系列
軸ラベルX軸時間
Y軸メモリー使用量
データラベルデータラベル1(なし)
データラベル2(なし)
ドリルダウンレポートのドリルダウン任意
フィールドのドリルダウン任意
(凡例)
-:指定しない
注※
監視したいフィールドを設定します。

(3) ディスク

監視テンプレートの定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・ディスクに関連する監視テンプレートのアラーム

ディスクに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM Windows Template Alarms [DSK] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-27 ディスクの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Disk SpacePI_LOGD% Free Space< 5< 15空き領域がしきい値より少ない場合,ディスク容量不足になっているおそれがある。不要ファイルの削除,ファイル圧縮,ディスクの最適化,ディスク増設などの対策が必要である。
Logical Disk FreePI_LOGDID<> _Total<> _Total未使用領域が少ない場合,ディスク容量不足になっているおそれがある。
Free Mbytes< 5120< 10240
Disk Busy %PI_LOGDID<> _Total<> _Total経過時間の割合が継続してしきい値以上の場合,ディスクへの負荷が高いことを示す。
% Disk Time>= 90>= 50
Logical Disk QueuePI_LOGDID<> _Total<> _Total要求数が継続してしきい値以上の場合,論理ディスクが混雑していることを示す。
Current Disk Queue Length>= 5>= 3
Physical Disk QueuePI_PHYDID<> _Total<> _Total要求数が継続してしきい値以上の場合,物理ディスクが混雑していることを示す。
Current Disk Queue Length>= 5>= 3

既存アラームの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

・ディスクに関連する監視テンプレートのレポート

表1-28 ディスクの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
Disk Time - Top 10 Logical Drivesディスク使用率が高い論理ディスクの上位10個。
Free Megabytes - Logical Drive Status論理ディスクで使用できる領域に関連する情報。
Free Space - Low 10 Logical Drives空き領域が少ない論理ディスクの上位10個。
Free Space - Top 10 Logical Drives空き領域が多い論理ディスクの上位10個。
Logical Drive Detail特定の論理ディスクの詳細。

既存レポートの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

(4) ネットワーク

監視テンプレートの定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・ネットワークに関連する監視テンプレートのアラーム

ネットワークに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM Windows Template Alarms [NET] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-29 ネットワークの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Network ReceivedPI_NETIBytes Rcvd/sec>= 3000>= 2048サーバがネットワークから受信したバイト数とネットワークカードの総帯域幅性能を比較し,帯域幅(ネットワークで一定時間内に転送できるデータの量)が50%以上の場合,ネットワーク接続がボトルネックになっているおそれがある。

既存アラームの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

・ネットワークに関連する監視テンプレートのレポート

表1-30 ネットワークの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
Access Failure Status(システムアクセスエラーを示すリアルタイムレポート)システムアクセス試行でのエラー数。
Access Failure Status(システムアクセスエラーを示す履歴レポート)最近24時間にシステムへのアクセス試行中に発生したエラー数の累積値(時単位)。
Server Activity Detailネットワーク間での通信状況についての情報。
Server Activity Summary (Multi-Agent)最近24時間の複数のエージェントについてのネットワーク間での通信状況についての要約(時単位)。
Server Activity Summary(ネットワーク間での通信状況についての情報を示すリアルタイムレポート)ネットワーク間での通信状況についての情報。
Server Activity Summary(ネットワーク間での通信状況についての情報を示す履歴レポート)最近1時間のネットワーク間での通信状況(分単位)。
Server Activity Summary Trend (Multi-Agent)最近1か月間の複数システムのサーバがネットワークとの間で送受信したデータの稼働状況(日単位)。
Server Sessions Trend (Multi-Agent)最近1か月間の複数システムのサーバでアクティブなセッション数(日単位)。
System Utilization Statusサーバがネットワークとの間で送受信した状況。

既存レポートの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

(5) プロセス・サービス

監視テンプレートの定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・プロセスに関連する監視テンプレートのアラーム

プロセスに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM Windows Template Alarms [PS] 09.10アラームテーブルに格納されています。

表1-31 プロセスの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Process EndPD_PDIProgram= jpcsto= jpcstoパフォーマンスデータが収集されない場合,プロセスが停止していることを示す。
Process AlivePI_WGRPProcess Count> 0> 0ワークグループのプロセスが動作していることを示す。
Workgroup= workgroup= workgroup
Service(Service Nm)PD_SVCService Name= JP1PCAGT_TS= JP1PCAGT_TSアプリケーションサービス(プロセス)が起動中(RUNNING)以外の場合,サービスが停止していることを示す。
State<> RUNNING<> RUNNING
Service(Display Nm)PD_SVCDisplay Name= PFM - Agent Store for Windows= PFM - Agent Store for Windowsアプリケーションサービス(プロセス)が起動中(RUNNING)以外の場合,サービスが停止していることを示す。
State<> RUNNING<> RUNNING
Application StatusPD_APP2Application Name= *= *Application Existフィールドの値がABNORMALの場合,アプリケーションに設定している監視対象のすべてがABNORMALの状態であることを示す。Application Statusフィールドの値がABNORMALの場合,アプリケーションに設定している監視対象のうちどれかがABNORMALの状態であることを示す。
Application Exist= ABNORMAL= NORMAL
Application Status= ABNORMAL= ABNORMAL
Process ExistencePD_APSProgram Name= jpcsto.exe= jpcsto.exeレコード収集されない場合,プロセスが停止していることを示す。

既存アラームの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

・プロセスに関連する監視テンプレートのレポート

表1-32 プロセスの監視テンプレートのレポート

レポート名表示する情報
CPU Usage - Top 10 ProcessesCPU使用率が高いプロセスの上位10個。
Process Detail特定のプロセスのシステムリソース消費についての詳細。
Page Faults - Top 10 Processesページフォルトが発生した頻度が高いプロセスの上位10個。

既存レポートの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

(6) イベントログ

監視テンプレートの定義例について説明します。

(a) 監視テンプレート

・イベントログに関連する監視テンプレートのアラーム

イベントログに関連する監視テンプレートのアラームは,PFM Windows Template Alarms [LOG] 09.00アラームテーブルに格納されています。

表1-33 イベントログの監視テンプレートのアラーム

監視テンプレートのアラーム使用レコード使用フィールド異常条件警告条件値の見方
Event Log(all)PD_ELOGLog Name<> dummy<> dummyアプリケーションでエラーまたは警告が発生したことを示す。
Event Type Name= Error= Warning
Source Name<> dummy<> dummy
Event ID<> 0<> 0
Description<> dummy<> dummy
Event Log(System)PD_ELOGLog Name= System= SystemMSCSでエラーまたは警告が発生したことを示す。
Event Type Name= Error= Warning
Source Name= ClusSvc= ClusSvc
Event ID<> 0<> 0
Description<> dummy<> dummy

既存アラームの設定内容については,「4. 監視テンプレート」を参照してください。

・イベントログに関連する監視テンプレートのレポート

なし