PFM - Agent for Platformをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。
(1) 前提OS
PFM - Agent for Platformが動作するOSを次に示します。
(2) ネットワークの環境設定
Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。
(a) IPアドレスの設定
PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。
監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。
(b) ポート番号の設定
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
表2-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(Windowsの場合)
サービス説明 | サービス名 | パラメーター | ポート番号 | 備考 |
---|---|---|---|---|
サービス構成情報管理機能 | Name Server | jp1pcnsvr | 22285 | PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。 |
NNM連携機能 | NNM Object Manager | jp1pcovsvr | 22292 | PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャーとオブジェクトマネージャーの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 |
サービス状態管理機能 | Status Server | jp1pcstatsvr | 22350 | PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。 PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 |
これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
PFM - Agent for Platformをインストールするときは,必ず,Administrators権限を持つアカウントで実行してください。
(4) 前提プログラム
ここでは,PFM - Agent for Platformをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成図を次に示します。
図2-1 プログラムの構成図
(a) 監視対象プログラム
PFM - Agent for Platformの監視対象プログラムを次に示します。
これらの監視対象プログラムは,PFM - Agent for Platformと同一ホストにインストールする必要があります。
(b) Performance Managementプログラム
監視エージェントには,PFM - AgentとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - Agentの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。
ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。
また,PFM - Agent for Platformを使ってWindows Serverの稼働監視をするためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。
PFM - Agent for Platform 09-00が対応するPFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョンを,次の表に示します。
表2-2 対応するPFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョン
OS名 | PFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョン |
---|---|
Windows Server 2003 | 08-00以降 |
Windows Server 2008 | 08-50以降 |
(5) パフォーマンスデータを収集するために必要な環境構築
PFM - Agent for Platformを動作させるために必要なネットワーク環境でパフォーマンスデータを収集するためには,Agent Collectorサービス起動前に,パフォーマンス情報を監視できるネットワークサービス,プロトコル,サーバ,製品などをインストールする必要があります。また,インストールした製品の環境を構築していない場合,または,インストールで追加したサービスが[停止]している場合,パフォーマンスデータを収集してもデータが取得できなかったり,フィールド値が0で表示されたりします。
PFM - Agent for Platformで特定のレコードのパフォーマンスデータを収集する場合,Agent Collectorサービスを起動する前に,次の表に示す前提条件が満たされている必要があります。ただし,次の表にはEvent Log[サービス名:Eventlog]など,OSの動作の前提となるサービスは記載していません。
パフォーマンスデータの収集に必要な前提条件を次の表に示します。
表2-3 パフォーマンスデータの収集に必要な前提条件
カテゴリー | レコード名(レコードID) | フィールド名(PFM - View名) | 前提条件 |
---|---|---|---|
OS | Logical Disk Overview(PI_LOGD) | Page File Size Mbytes (PAGE_FILE_SIZE_BYTES) | Windows Management Instrumentation[サービス名:WinMgmt]が開始されていること。 注意:Windows Server 2003,Windows Server 2008の場合だけ必要。 |
Process End Detail(PD_PEND) | すべてのフィールド | ||
Processor Overview(PI_PCSR) | すべてのフィールド | ||
System Overview(PI) | % Total DPC Time (PCT_TOTAL_DPC_TIME) % Total Interrupt Time (PCT_TOTAL_INTERRUPT_TIME) Active CPUs (NUMBER_OF_ACTIVE_CPUS) CPU % (PCT_TOTAL_PROCESSOR_TIME) Privileged CPU % (PCT_TOTAL_PRIVILEGED_TIME) System Type (SYSTEM_TYPE) Total DPC Rate (TOTAL_DPC_RATE) Total DPCs Queued/sec (TOTAL_DPCS_QUEUED_PER_SEC) Total Interrupts/sec (TOTAL_INTERRUPTS_PER_SEC) User CPU % (PCT_TOTAL_USER_TIME) | ||
ネットワークサービス | Browser Overview(PI_BRSR) | すべて | Computer Browser[サービス名: Browser]が開始されていること。 |
WINS Server Overview(PI_WINS) | すべて | Windowsインターネットネームサービス(WINS)をインストールし,インストール後に追加されたサービスが開始されていていること。 | |
Server Work Queues Overview(PI_SVRQ) | すべて | Server[サービス名:LanmanServer]が開始されていること。 | |
System Overview(PI) | Blocking Reqs Rejected(BLOCKING_REQUESTS_REJECTED) | ||
Bytes Rcvd/sec(BYTES_RECEIVED_PER_SEC) | |||
Bytes Total/sec(BYTES_TOTAL_PER_SEC) | |||
Bytes Xmitd/sec(BYTES_TRANSMITTED_PER_SEC) | |||
Context Blocks Queued/sec(CONTEXT_BLOCKS_QUEUED_PER_SEC) | |||
Errors Access Permissions(ERRORS_ACCESS_PERMISSIONS) | |||
Errors Granted Access(ERRORS_GRANTED_ACCESS) | |||
Errors Logon(ERRORS_LOGON) | |||
Errors System(ERRORS_SYSTEM) | |||
File Directory Searches(FILE_DIRECTORY_SEARCHES) | |||
Files Open(FILES_OPEN) | |||
Files Opened Total(FILES_OPENED_TOTAL) | |||
Logon Total(LOGON_TOTAL) | |||
Logon/sec(LOGON_PER_SEC) | |||
Pool Nonpaged Failures(POOL_NONPAGED_FAILURES) | |||
Pool Nonpaged Peak(POOL_NONPAGED_PEAK) | |||
Pool Paged Failures(POOL_PAGED_FAILURES) | |||
Pool Paged Peak(POOL_PAGED_PEAK) | |||
Server Pool Nonpaged Bytes(SERVER_POOL_NONPAGED_BYTES) | |||
Server Pool Paged Bytes(SERVER_POOL_PAGED_BYTES) | |||
Server Sessions(SERVER_SESSIONS) | |||
Sessions Errored Out(SESSIONS_ERRORED_OUT) | |||
Sessions Forced Off(SESSIONS_FORCED_OFF) | |||
Sessions Logged Off(SESSIONS_LOGGED_OFF) | |||
Sessions Timed Out(SESSIONS_TIMED_OUT) | |||
Work Item Shortages(WORK_ITEM_SHORTAGES) | |||
Active Directory | Active Directory Overview(PI_AD) | Cache % Hit | Active Directoryが有効でActive Directoryデータベースパフォーマンスカウンタがインストールされていること。 注意:Windows Server 2003 (x64),64ビット版のWindows Server 2008ではwmiadap /fコマンドをDOSプロンプトで実行し,OSを再起動すること。 |
Cache Page Fault Stalls/sec | |||
Cache Page Faults/sec | |||
Cache Size | |||
Log Record Stalls/sec | |||
Log Threads Waiting | |||
Log Writes/sec | |||
Table Open Cache % Hit | |||
Table Open Cache Hits/sec | |||
Table Open Cache Misses/sec | |||
Table Opens/sec | |||
上記以外すべて | Active Directoryが有効であること。 |
(6) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインスールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。
(a) レジストリに関する注意事項
PFM - Agent for Platformは,OSが提供する標準的な方法で設定された環境での動作しかサポートしていません。Microsoftのサポート技術情報で公開されている情報であっても,レジストリエディターでレジストリ情報を直接編集するなど,OSの環境をカスタマイズしている場合,パフォーマンスデータが正しく収集できなくなることがあります。
(b) 環境変数に関する注意事項
Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(c) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
(d) バージョンアップの注意事項
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
なお,バージョンアップについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。
(e) その他の注意事項