2.1.1 インストールとセットアップの前に

PFM - Agent for Platformをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。

<この項の構成>
(1) 前提OS
(2) ネットワークの環境設定
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
(4) 前提プログラム
(5) パフォーマンスデータを収集するために必要な環境構築
(6) 注意事項

(1) 前提OS

PFM - Agent for Platformが動作するOSを次に示します。

(2) ネットワークの環境設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

(a) IPアドレスの設定

PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。

監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

(b) ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

表2-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(Windowsの場合)

サービス説明サービス名パラメーターポート番号備考
サービス構成情報管理機能Name Serverjp1pcnsvr22285PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。
NNM連携機能NNM Object Managerjp1pcovsvr22292PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャーとオブジェクトマネージャーの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
サービス状態管理機能Status Serverjp1pcstatsvr22350PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。

これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。

(3) インストールに必要なOSユーザー権限について

PFM - Agent for Platformをインストールするときは,必ず,Administrators権限を持つアカウントで実行してください。

(4) 前提プログラム

ここでは,PFM - Agent for Platformをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成図を次に示します。

図2-1 プログラムの構成図

[図データ]

(a) 監視対象プログラム

PFM - Agent for Platformの監視対象プログラムを次に示します。

これらの監視対象プログラムは,PFM - Agent for Platformと同一ホストにインストールする必要があります。

(b) Performance Managementプログラム

監視エージェントには,PFM - AgentとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - Agentの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。

ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。

また,PFM - Agent for Platformを使ってWindows Serverの稼働監視をするためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。

PFM - Agent for Platform 09-00が対応するPFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョンを,次の表に示します。

表2-2 対応するPFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョン

OS名PFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョン
Windows Server 200308-00以降
Windows Server 200808-50以降

(5) パフォーマンスデータを収集するために必要な環境構築

PFM - Agent for Platformを動作させるために必要なネットワーク環境でパフォーマンスデータを収集するためには,Agent Collectorサービス起動前に,パフォーマンス情報を監視できるネットワークサービス,プロトコル,サーバ,製品などをインストールする必要があります。また,インストールした製品の環境を構築していない場合,または,インストールで追加したサービスが[停止]している場合,パフォーマンスデータを収集してもデータが取得できなかったり,フィールド値が0で表示されたりします。

PFM - Agent for Platformで特定のレコードのパフォーマンスデータを収集する場合,Agent Collectorサービスを起動する前に,次の表に示す前提条件が満たされている必要があります。ただし,次の表にはEvent Log[サービス名:Eventlog]など,OSの動作の前提となるサービスは記載していません。

パフォーマンスデータの収集に必要な前提条件を次の表に示します。

表2-3 パフォーマンスデータの収集に必要な前提条件

カテゴリーレコード名(レコードID)フィールド名(PFM - View名)前提条件
OSLogical Disk Overview(PI_LOGD)Page File Size Mbytes
(PAGE_FILE_SIZE_BYTES)
Windows Management Instrumentation[サービス名:WinMgmt]が開始されていること。
注意:Windows Server 2003,Windows Server 2008の場合だけ必要。
Process End Detail(PD_PEND)すべてのフィールド
Processor Overview(PI_PCSR)すべてのフィールド
System Overview(PI)% Total DPC Time
(PCT_TOTAL_DPC_TIME)
% Total Interrupt Time
(PCT_TOTAL_INTERRUPT_TIME)
Active CPUs
(NUMBER_OF_ACTIVE_CPUS)
CPU %
(PCT_TOTAL_PROCESSOR_TIME)
Privileged CPU %
(PCT_TOTAL_PRIVILEGED_TIME)
System Type
(SYSTEM_TYPE)
Total DPC Rate
(TOTAL_DPC_RATE)
Total DPCs Queued/sec
(TOTAL_DPCS_QUEUED_PER_SEC)
Total Interrupts/sec
(TOTAL_INTERRUPTS_PER_SEC)
User CPU %
(PCT_TOTAL_USER_TIME)
ネットワークサービスBrowser Overview(PI_BRSR)すべてComputer Browser[サービス名: Browser]が開始されていること。
WINS Server Overview(PI_WINS)すべてWindowsインターネットネームサービス(WINS)をインストールし,インストール後に追加されたサービスが開始されていていること。
Server Work Queues Overview(PI_SVRQ)すべてServer[サービス名:LanmanServer]が開始されていること。
System Overview(PI)Blocking Reqs Rejected(BLOCKING_REQUESTS_REJECTED)
Bytes Rcvd/sec(BYTES_RECEIVED_PER_SEC)
Bytes Total/sec(BYTES_TOTAL_PER_SEC)
Bytes Xmitd/sec(BYTES_TRANSMITTED_PER_SEC)
Context Blocks Queued/sec(CONTEXT_BLOCKS_QUEUED_PER_SEC)
Errors Access Permissions(ERRORS_ACCESS_PERMISSIONS)
Errors Granted Access(ERRORS_GRANTED_ACCESS)
Errors Logon(ERRORS_LOGON)
Errors System(ERRORS_SYSTEM)
File Directory Searches(FILE_DIRECTORY_SEARCHES)
Files Open(FILES_OPEN)
Files Opened Total(FILES_OPENED_TOTAL)
Logon Total(LOGON_TOTAL)
Logon/sec(LOGON_PER_SEC)
Pool Nonpaged Failures(POOL_NONPAGED_FAILURES)
Pool Nonpaged Peak(POOL_NONPAGED_PEAK)
Pool Paged Failures(POOL_PAGED_FAILURES)
Pool Paged Peak(POOL_PAGED_PEAK)
Server Pool Nonpaged Bytes(SERVER_POOL_NONPAGED_BYTES)
Server Pool Paged Bytes(SERVER_POOL_PAGED_BYTES)
Server Sessions(SERVER_SESSIONS)
Sessions Errored Out(SESSIONS_ERRORED_OUT)
Sessions Forced Off(SESSIONS_FORCED_OFF)
Sessions Logged Off(SESSIONS_LOGGED_OFF)
Sessions Timed Out(SESSIONS_TIMED_OUT)
Work Item Shortages(WORK_ITEM_SHORTAGES)
Active DirectoryActive Directory Overview(PI_AD)Cache % HitActive Directoryが有効でActive Directoryデータベースパフォーマンスカウンタがインストールされていること。
注意:Windows Server 2003 (x64),64ビット版のWindows Server 2008ではwmiadap /fコマンドをDOSプロンプトで実行し,OSを再起動すること。
Cache Page Fault Stalls/sec
Cache Page Faults/sec
Cache Size
Log Record Stalls/sec
Log Threads Waiting
Log Writes/sec
Table Open Cache % Hit
Table Open Cache Hits/sec
Table Open Cache Misses/sec
Table Opens/sec
上記以外すべてActive Directoryが有効であること。

(6) 注意事項

ここでは,Performance Managementをインスールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。

(a) レジストリに関する注意事項

PFM - Agent for Platformは,OSが提供する標準的な方法で設定された環境での動作しかサポートしていません。Microsoftのサポート技術情報で公開されている情報であっても,レジストリエディターでレジストリ情報を直接編集するなど,OSの環境をカスタマイズしている場合,パフォーマンスデータが正しく収集できなくなることがあります。

(b) 環境変数に関する注意事項

Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

(c) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項

Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。

(d) バージョンアップの注意事項

古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。

なお,バージョンアップについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。

(e) その他の注意事項