JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(Windows(R)用)

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レコードの注意事項

レコードを収集する場合の注意事項を次に示します。

レコードのインスタンスがユニークに識別されない場合の注意事項

PFM - Agent for Platformは,一定間隔でOSの最新情報を参照してパフォーマンスデータを収集しています。レコードのフィールドが,OSから取得した情報でレコードのインスタンスをユニークに識別できない場合,次のようになります。

  1. フィールドの末尾に項番「#n」(n=1,2,3・・・)が付加されます。
    末尾に項番が付加されるレコードのフィールドを次の表に示します。

    表5-11 末尾に項番が付加されるレコードのフィールド

    レコード名 フィールド名
    Event Log(PD_ELOG) Source Name(SOURCE_NAME)
    Generic Data Detail(PD_GEND) Instance(INSTANCE)
    Generic Data Interval(PI_GENI) Instance(INSTANCE)
    Logical Disk Overview(PI_LOGD) ID(INSTANCE)
    NBT Overview(PI_NBT) Instance(INSTANCE)
    Nerwork Interface Overview(PI_NETI) Instance(INSTANCE)
    Page File Detail(PD_PAGF) Instance(INSTANCE)
    Physical Disk Overview(PI_PHYD) ID(INSTANCE)
    Process End Detail(PD_PEND) Program(PROCESS_NAME)
  2. PD_UPD, PD_UPDB, PI_UPI, PI_UPIBレコードでは,最初のレコードのインスタンスを採用します。
    OSから取得した情報でレコードのインスタンスをユニークに識別できない場合,レコードのインスタンスごとに収集されたパフォーマンスデータは,正しい値ですが,インスタンスに対応するデバイス(例えば,Nerwork Interface Overview(PI_NETI)レコードの場合,対応するNIC)を識別することはできません。また,システムの環境が変更された場合などに,レコードのインスタンスの整合性が保証できないため,正しいリアルタイムデータの情報の更新や,履歴データの集約ができません。

レコードが収集されない場合の注意事項およびアプリケーションイベントログ

レコードが収集されない場合の注意事項

PFM - Agent for Platformで次のレコードのパフォーマンスデータを収集する場合,パフォーマンスコンソール上でオブジェクトがモニタリング可能な状態である必要があります。各レコードに対応するオブジェクト,イベントログに出力されるソース(サービス)名,およびパフォーマンス拡張DLLを次の表に示します。

注※
各レコードに対応するオブジェクトの名称は,「パフォーマンス」で確認できます。各レコードに対応するオブジェクトが存在しない場合,Microsoft社が提供しているMicrosoft Knowledge Baseで公開されている手順に従って,モニタリング可能な状態にしてください。
 

表5-12 各レコードに対応するオブジェクト,イベントログに出力されるソース(サービス)名,およびパフォーマンス拡張DLL

カテゴリー レコード名(レコードID) オブジェクト名 イベントログに出力されるソース[サービス]名 パフォーマンス拡張DLL
ディスク Logical Disk Overview(PI_LOGD) LogicalDisk PerfDisk PerfDisk.dll
Physical Disk Overview(PI_PHYD) PhysicalDisk
プロトコル ICMP Overview(PI_ICMP) ICMP Tcpip perfctrs.dll
ICMP Version 6 Overview(PI_ICM6) ICMPv6
IP Overview(PI_IP) IPまたはIPv4
IP Version 6 Overview(PI_IP6) IPまたはIPv6
TCP Overview(PI_TCP) TCPまたはTCPv4
TCP Version 6 Overview(PI_TCP6) TCPまたはTCPv6
UDP Overview(PI_UDP) UDPまたはUDPv4
UDP Version 6 Overview(PI_UDP6) UDPまたはUDPv6
ネットワーク関連 Network Interface Overview(PI_NETI) Network Interface
NBT Overview(PI_NBT) NBT Connection
WINS Server Overview(PI_WINS) WINS Server Wins winsctrs.dll
Browser Overview(PI_BRSR) Browser PerfNet perfnet.dll
Server Work Queues Overview(PI_SVRQ) Server Work Queues
System Overview(PI) Redirector
Server
OS全般(プロセッサ,メモリーなど) Cache PerfOS PerfOS.dll
Memory
Objects
System
Processor
Processor Overview(PI_PCSR)
Page File Detail(PD_PAGF) Paging File
プロセス関連 Process Detail(PD) Process PerfProc PerfProc.dll
Process Detail Interval(PD_PDI)
Application Process Interval(PD_APSI)
Application Process Overview(PD_APS)
Application Summary(PD_APP)
Application Summary Extension(PD_APP2)
Application Process Detail(PD_APPD)
Process End Detail(PD_PEND)
Workgroup Summary(PI_WGRP)
Active Directory Active Directory Overview(PI_AD) Database ESENT esentprf.dll
NTDS NTDS ntdsperf.dll
DNS DNS dnsperf.dll
全般 Generic Data Detail(PD_GEND) 収集データ追加ユーティリティで設定したオブジェクト オブジェクトごとに異なる。
Generic Data Interval(PI_GENI)
その他 Event Log(PD_ELOG) 対象外 (該当なし)
Device Detail(PD_DEV)
User Data Detail(PD_UPD)
User Data Detail - Extended(PD_UPDB)
User Data Interval(PI_UPI)
User Data Interval - Extended(PI_UPIB)
Service Process Detail(PD_SVC)
Application Service Overview(PD_ASVC)

レコードが正常に収集されない場合のアプリケーションイベントログ

アプリケーションイベントログにPerflib(すべてのオブジェクトに共通のソース(サービス)名)または各オブジェクトのソース(サービス)名が記録されている場合,PFM - Agent for Platformが正常に動作しないことや,そのソース(サービス)に対応するレコードが収集できないことがあります。次の表に示すようなアプリケーションイベントログが記録されている場合,ソース(サービス)を再インストールするか,Microsoft社が提供しているMicrosoft Knowledge Baseに公開されている原因を取り除くか,ソース(サービス)の開発元に対処方法を問い合わせて,アプリケーションイベントログが記録されない環境に修復してください。PFM - Agent for Platformが正常に動作しない場合や,そのソース(サービス)に対応するレコードが収集できない場合のアプリケーションイベントログの一例を次の表に示します。

表5-13 レコードが正常に収集されない場合のアプリケーションイベントログの例

イベントID ソース
(サービス)名
イベントログの内容
1008 Perflib サービス "サービス名" (DLL "DLL名") の Open プロシージャに失敗しました。 このサービスのパフォーマンス データは利用できません。返されたステータス コードは, データ DWORD 0 です。
1009 Perflib サービス "サービス名" (DLL "DLL名") の Open プロシージャで,例外が発生しました。 このサービスのパフォーマンス データは利用できません。返された例外コードは, データ DWORD 0 です。
1010 Perflib サービス "サービス名" (DLL "DLL名") の Collect プロシージャで,例外が発生したか,または 無効なステータスが返されました。カウンタ DLL から返されるパフォーマンス データは, パフォーマンス データ ブロックに返されません。返された例外またはステータス コードは, データ DWORD 0 です。
1011 Perflib "サービス名" サービスに対して指定されたライブラリ ファイル "DLL名" を開けません でした。このサービスのパフォーマンス データは利用できません。ステータス コードは, データ DWORD 0 です。
2001 Perflib "サービス名" サービスが Performance サブキーを持っていないか,またはそのキーを 開けませんでした。このサービスに対しては,パフォーマンス カウンタは収集されません。 Win32 エラー コードはデータで返されます。
2002 Perflib DLL "DLL名" のサービス "サービス名" の Open プロシージャの完了までに,確立されている 待機時間よりも長い時間が掛かりました。この拡張可能カウンタまたはデータを収集している サービスに問題があるか,このコールが試行されるときに,システムがビジー状態だった 可能性があります。
2000 PerfDisk システムから論理ボリューム情報を読み取れません。 戻された状態コードはデータ DWORD 0 です。

注※
上記表以外のPerflibが出力するアプリケーションイベントログについては,Microsoft社が提供しているMicrosoft Knowledge Baseを参照してください。

各レコードの注意事項

プロセスのプログラム名を使用する場合の注意事項

プロセスのプログラム名にはWindowsのパフォーマンスレジストリーから取得したデータを設定しています。これらの名称はWindowsのタスクマネージャーやシステムモニタで表示される名前とは,大文字小文字などが一致しない場合があります。

アラーム定義やレポートに表示するフィールドの表示条件の定義に,プロセスのプログラム名を使用する場合は,大文字および小文字の区別が必要になります。次の手順に従って,大文字小文字の違いを含めてのプロセスのプログラム名を確認してください。その後,確認したプロセスのプログラム名を使用して,アラーム定義での監視プロセスやレポートに表示するフィールドの表示条件などを設定してください。

  1. PFM - Web Consoleを起動する。
  2. レポートウィザードを起動する。
    レポートウィザードの起動方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,稼働分析のためのレポートの作成について説明している章を参照してください。
  3. レポートに表示するフィールドを定義する。
    レポートウィザードの[新規レポート > フィールド]画面で監視する対象となるレコードとフィールドを設定します。
    • レコード:Process Detail(PD)
    • フィールド:Program(INSTANCE)
  4. レポートウィザードに従って,レポートの作成を終了する。
  5. 作成したレポートを表示する。
    システム内のプロセスのプログラム名がすべて表示されます。

データを取得できない場合のレコード生成結果

フィールドに格納するデータを取得できない場合のレコード生成結果について説明します。

予約レコードについての注意事項

PFM - Agent for Platform 07-50以前のバージョンからPFM - Agent for Platform 08-00以降にバージョンアップした場合,履歴の収集設定時に,PFM -Web Consoleのレポートウィザードの[新規レポート >フィールド]画面の[レコード]で,PFM - Agent for Platform 08-00以降では予約レコードになっているレコードが表示され,変更操作も可能になります。この場合,PFM - Agent for Platform 08-00以降で予約レコードになっているレコードを収集対象に設定しても,レコードの収集は行われません。なお,初回の収集時だけ,共通メッセージログに次のメッセージが出力されます。

KAVF11201-W 不正な収集イベントが発生しました(レコードID, rc=保守情報

参考
PFM - Agent for Platform 08-00以降を新規インストールした場合,予約レコードはプロパティに表示されません。

Active Directoryのインストール方法

PFM - Agent for Platform 08-11以降のバージョンでは,Active Directory情報を収集するActive Directory Overview(PI_AD)レコードを使用できます。Active Directoryのパフォーマンスデータを取得するには,Active Directoryをインストールしてください。Active Directoryが有効でない環境では,メッセージ(KAVF11304-W)が出力されて,レコードの取得はできません。Active Directoryのインストール方法を次に示します。

  1. dcpromoコマンドを実行する。
    Windowsの[スタート]ボタンをクリックして,[ファイル名を指定して実行]を選択します。[ファイル名を指定して実行]ダイアログが起動されますので,[名前]ボックスにdcpromoと入力し,[OK]ボタンをクリックします。[Active Directoryのインストールウィザード]が起動します。
  2. Active Directoryをインストールする。
    [Active Directoryのインストールウィザード]の手順に従い,Active Directoryをインストールします。

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