JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(Windows(R)用)
PFM - Agent for Platformをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。
- <この項の構成>
- (1) 前提OS
- (2) ネットワークの環境設定
- (3) インストールに必要なOSユーザー権限について
- (4) 前提プログラム
- (5) パフォーマンスデータを収集するために必要な環境構築
- (6) 注意事項
(1) 前提OS
PFM - Agent for Platformが動作するOSを次に示します。
- Windows Server 2003
- Windows Server 2008
(2) ネットワークの環境設定
Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。
PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。
監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。
- 監視ホスト名に実ホスト名を使用している場合
Windowsシステムではhostnameコマンド,UNIXシステムではuname -nコマンドを実行して確認したホスト名で,IPアドレスを解決できるように環境を設定してください。なお,UNIXシステムでは,hostnameコマンドで取得するホスト名を使用することもできます。
- 監視ホスト名にエイリアス名を使用している場合
設定しているエイリアス名でIPアドレスを解決できるように環境を設定してください。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。
- Performance Managementのホスト情報設定ファイル(jpchostsファイル)
- hostsファイル
- DNS(Domain Name System)
- 注意
- Performance Managementは,DNS環境でも運用できますが,FQDN形式のホスト名には対応していません。このため,監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。
- 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,固定のIPアドレスを設定してください。
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
表2-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(Windowsの場合)
サービス説明 サービス名 パラメーター ポート番号 備考 サービス構成情報管理機能 Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。 NNM連携機能 NNM Object Manager jp1pcovsvr 22292 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャーとオブジェクトマネージャーの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 サービス状態管理機能 Status Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
PFM - Agent for Platformをインストールするときは,必ず,Administrators権限を持つアカウントで実行してください。
ここでは,PFM - Agent for Platformをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成図を次に示します。
図2-1 プログラムの構成図
(a) 監視対象プログラム
PFM - Agent for Platformの監視対象プログラムを次に示します。
- Windows Server 2003
- Windows Server 2008
これらの監視対象プログラムは,PFM - Agent for Platformと同一ホストにインストールする必要があります。
(b) Performance Managementプログラム
監視エージェントには,PFM - AgentとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - Agentの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。
ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。
また,PFM - Agent for Platformを使ってWindows Serverの稼働監視をするためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。
PFM - Agent for Platform 09-00が対応するPFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョンを,次の表に示します。
表2-2 対応するPFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョン
OS名 PFM - ManagerおよびPFM - Baseのバージョン Windows Server 2003 08-00以降 Windows Server 2008 08-50以降
PFM - Agent for Platformを動作させるために必要なネットワーク環境でパフォーマンスデータを収集するためには,Agent Collectorサービス起動前に,パフォーマンス情報を監視できるネットワークサービス,プロトコル,サーバ,製品などをインストールする必要があります。また,インストールした製品の環境を構築していない場合,または,インストールで追加したサービスが[停止]している場合,パフォーマンスデータを収集してもデータが取得できなかったり,フィールド値が0で表示されたりします。
PFM - Agent for Platformで特定のレコードのパフォーマンスデータを収集する場合,Agent Collectorサービスを起動する前に,次の表に示す前提条件が満たされている必要があります。ただし,次の表にはEvent Log[サービス名:Eventlog]など,OSの動作の前提となるサービスは記載していません。
パフォーマンスデータの収集に必要な前提条件を次の表に示します。
表2-3 パフォーマンスデータの収集に必要な前提条件
カテゴリー レコード名(レコードID) フィールド名(PFM - View名) 前提条件 OS Logical Disk Overview(PI_LOGD) Page File Size Mbytes
(PAGE_FILE_SIZE_BYTES)Windows Management Instrumentation[サービス名:WinMgmt]が開始されていること。
注意:Windows Server 2003,Windows Server 2008の場合だけ必要。Process End Detail(PD_PEND) すべてのフィールド Processor Overview(PI_PCSR) すべてのフィールド System Overview(PI) % Total DPC Time
(PCT_TOTAL_DPC_TIME)
% Total Interrupt Time
(PCT_TOTAL_INTERRUPT_TIME)
Active CPUs
(NUMBER_OF_ACTIVE_CPUS)
CPU %
(PCT_TOTAL_PROCESSOR_TIME)
Privileged CPU %
(PCT_TOTAL_PRIVILEGED_TIME)
System Type
(SYSTEM_TYPE)
Total DPC Rate
(TOTAL_DPC_RATE)
Total DPCs Queued/sec
(TOTAL_DPCS_QUEUED_PER_SEC)
Total Interrupts/sec
(TOTAL_INTERRUPTS_PER_SEC)
User CPU %
(PCT_TOTAL_USER_TIME)ネットワークサービス Browser Overview(PI_BRSR) すべて Computer Browser[サービス名: Browser]が開始されていること。 WINS Server Overview(PI_WINS) すべて Windowsインターネットネームサービス(WINS)をインストールし,インストール後に追加されたサービスが開始されていていること。 Server Work Queues Overview(PI_SVRQ) すべて Server[サービス名:LanmanServer]が開始されていること。 System Overview(PI) Blocking Reqs Rejected(BLOCKING_REQUESTS_REJECTED) Bytes Rcvd/sec(BYTES_RECEIVED_PER_SEC) Bytes Total/sec(BYTES_TOTAL_PER_SEC) Bytes Xmitd/sec(BYTES_TRANSMITTED_PER_SEC) Context Blocks Queued/sec(CONTEXT_BLOCKS_QUEUED_PER_SEC) Errors Access Permissions(ERRORS_ACCESS_PERMISSIONS) Errors Granted Access(ERRORS_GRANTED_ACCESS) Errors Logon(ERRORS_LOGON) Errors System(ERRORS_SYSTEM) File Directory Searches(FILE_DIRECTORY_SEARCHES) Files Open(FILES_OPEN) Files Opened Total(FILES_OPENED_TOTAL) Logon Total(LOGON_TOTAL) Logon/sec(LOGON_PER_SEC) Pool Nonpaged Failures(POOL_NONPAGED_FAILURES) Pool Nonpaged Peak(POOL_NONPAGED_PEAK) Pool Paged Failures(POOL_PAGED_FAILURES) Pool Paged Peak(POOL_PAGED_PEAK) Server Pool Nonpaged Bytes(SERVER_POOL_NONPAGED_BYTES) Server Pool Paged Bytes(SERVER_POOL_PAGED_BYTES) Server Sessions(SERVER_SESSIONS) Sessions Errored Out(SESSIONS_ERRORED_OUT) Sessions Forced Off(SESSIONS_FORCED_OFF) Sessions Logged Off(SESSIONS_LOGGED_OFF) Sessions Timed Out(SESSIONS_TIMED_OUT) Work Item Shortages(WORK_ITEM_SHORTAGES) Active Directory Active Directory Overview(PI_AD) Cache % Hit Active Directoryが有効でActive Directoryデータベースパフォーマンスカウンタがインストールされていること。
注意:Windows Server 2003 (x64),64ビット版のWindows Server 2008ではwmiadap /fコマンドをDOSプロンプトで実行し,OSを再起動すること。Cache Page Fault Stalls/sec Cache Page Faults/sec Cache Size Log Record Stalls/sec Log Threads Waiting Log Writes/sec Table Open Cache % Hit Table Open Cache Hits/sec Table Open Cache Misses/sec Table Opens/sec 上記以外すべて Active Directoryが有効であること。
(6) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインスールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。
(a) レジストリに関する注意事項
PFM - Agent for Platformは,OSが提供する標準的な方法で設定された環境での動作しかサポートしていません。Microsoftのサポート技術情報で公開されている情報であっても,レジストリエディターでレジストリ情報を直接編集するなど,OSの環境をカスタマイズしている場合,パフォーマンスデータが正しく収集できなくなることがあります。
(b) 環境変数に関する注意事項
Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(c) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
- PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - Agentの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Managerをインストールしてから PFM - Agentをインストールしてください。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
- PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールすると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerになります。この場合,接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
- PFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールすると,PFM - Agentの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。
- PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - Agentをインストールする場合は,Webブラウザの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
- Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ただし,07-50から08-00以降にバージョンアップインストールした場合は,ステータス管理機能の設定状態はバージョンアップ前のままとなります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
- ポイント
- システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
なお,バージョンアップについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。
- Performance Managementのプログラムをインストールするときは,ローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止しておいてください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
- すでにPerformance ManagementプログラムがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールする場合,PFM - Agentのインストールパスは,すでにインストールされているPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムのインストールパスと同じになります。インストールパスを変更したい場合は,インストール済みのPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムをすべて削除し,インストールし直す必要があります。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - ManagerとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
- バージョン08-00以降のPerformance Managementプログラムでは,Store実行プログラム(jpcsto.exeおよびstpqlpr.exe)の配置先が変更されています。PFM - Agentを08-00以降にバージョンアップする際に,旧配置先のStore実行モジュールは削除されます。
- バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースが自動的にバージョンアップされるため,一時的にStoreデータベースのディスク占有量が2倍になります。バージョンアップインストールする前に,Storeデータベースの格納先のディスクに十分な空き容量があるかどうか確認してください。
(e) その他の注意事項
- Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままインストールした場合,システムの再起動を促すメッセージが表示されることがあります。この場合は,メッセージに従ってシステムを再起動し,インストールを完了させてください。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままの状態,ディスク容量が不足している状態,またはフォルダ権限がない状態でインストールした場合,ファイルの展開に失敗することがあります。Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラムが起動している場合はすべて停止してからインストールし直してください。ディスク容量不足やフォルダ権限不足が問題である場合は,問題を解決したあとでインストールし直してください。
- Performance Managementのプログラムをインストールする場合,次に示すセキュリティ関連プログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インストールされている場合,次の説明に従って対処してください。
- セキュリティ監視プログラム
セキュリティ監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのプログラムのインストールを妨げないようにしてください。
- ウィルス検出プログラム
ウィルス検出プログラムを停止してからPerformance Managementのプログラムをインストールしてください。
Performance Managementのプログラムのインストール中にウィルス検出プログラムが稼働している場合,インストールの速度が低下したり,インストールが実行できなかったり,または正しくインストールできなかったりすることがあります。
- プロセス監視プログラム
プロセス監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのサービスまたはプロセス,および共通コンポーネントのサービスまたはプロセスを監視しないようにしてください。
Performance Managementのプログラムのインストール中に,プロセス監視プログラムによって,これらのサービスまたはプロセスが起動されたり停止されたりすると,インストールに失敗することがあります。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2012, Hitachi, Ltd.