JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(Windows(R)用)
パフォーマンス監視の概要について説明します。
- <この項の構成>
- (1) パフォーマンス監視の目的
- (2) パフォーマンス監視で最も重要なシステムリソース
- (3) ベースラインの選定
(1) パフォーマンス監視の目的
パフォーマンスを監視することは,システム環境の構築や管理で重要な作業です。
PFM - Agent for Platformを用いたパフォーマンス監視は,主に次の目的で使用できます。
- パフォーマンスデータを分析し,ボトルネックの原因を見つける。
- パフォーマンスデータの傾向を分析し,負荷の特性と対応するシステムリソースへの影響を把握する。
- 運用システムが正しく動作しているか監視する。
システムを運用する場合,特定のボトルネックによって,システム全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。ボトルネックの原因としては,次のようなケースが挙げられます。
- メモリー不足
- プログラムによる特定のリソースの占有
- サブシステム故障
- サブシステム構成不正(ネットワークインターフェースカードで,100Mbpsに設定する必要があるのに,10Mbpsに構成されているなど)
- サブシステム間で負荷の不均等
各種条件(同時接続ユーザーなど)を変更してパフォーマンスを監視したり,継続的にパフォーマンスを監視したりすることで,システム環境の負荷特性と対応するシステムリソースへの影響を把握できます。これによって,次のようなメリットがあります。
- システム構成の変更や調整が容易にできる。
- 将来のシステムリソースのアップグレード計画が立てられる。
運用システムが正しく動作しているかを確認することは大変重要です。システム環境が正しく動作しているかどうかは,パフォーマンスの観点に加えて次のような監視によって確認できます。
- システムを提供するプロセスの動作監視
- システムが前提とするサービスの動作監視
- システム内の不正なプロセスの動作監視
このように,システムを安定稼働させるには,PFM - Agent for Platformを用いて正しくパフォーマンスを監視することが重要です。
この節では,PFM - Agent for Platformを用いてパフォーマンスを監視し,システムを安定稼働させる方法について紹介します。
パフォーマンスの監視方法について,例を挙げて紹介しますが,しきい値はあくまで参考値です。具体的なしきい値については,ベースラインを測定し決定してください。また,具体的な設定項目については,システムの運用形態に合わせて,検討してください。
(2) パフォーマンス監視で最も重要なシステムリソース
PFM - Agent for Platformでパフォーマンスを監視する上で最も重要なシステムリソースは,次のとおりです。
- プロセッサ
- メモリー
- ディスク
- ネットワーク
- プロセス
- サービス
また,パフォーマンスを監視する以外にも,OSの不具合,プロセスの異常などを検知するには,次の情報が有効です。
- イベントログ
PFM - Agent for Platformでは,これらの重要な項目については,監視テンプレートの形で提供しています。したがって,この節では,監視テンプレートを用いた監視のしかたを中心に説明しています。また,高度に監視するための関連情報も記載しています。
(3) ベースラインの選定
ベースラインの選定とは,システム運用で問題なしと想定されるラインをパフォーマンス測定結果から選定する作業です。
PFM製品では,ベースラインの値をしきい値とすることでシステムの運用監視をします。ベースラインの選定はしきい値を決定し,パフォーマンスを監視する上での重要な作業となります。
なお,ベースラインの選定では,次の注意事項を考慮してください。
- 運用環境の高負荷テスト時など,ピーク時の状態を測定することをお勧めします。
- システム構成によってしきい値が大きく異なるため,システムリソースや運用環境を変更する場合は,再度ベースラインを測定することをお勧めします。
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