付録A.2 ディスク占有量

ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverのディスク占有量の見積もりについて説明します。

<この項の構成>
(1) システム全体のディスク占有量
(2) Storeデータベースのディスク占有量

(1) システム全体のディスク占有量

PFM - RM for Microsoft SQL Serverのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。

上記を踏まえ,インストール時および運用時のディスク占有量を次の表に示します。

表A-2 システム全体のディスク占有量

PFM - RM for Microsoft SQL Serverの状態ディスク占有量(単位:メガバイト)
Windows Server 2003
インストール時10
初期状態での運用※1110
運用時a+b
(凡例)
a:インスタンスごとのディスク占有量の和。
一つのインスタンスのディスク占有量の算出式を次に示します。
c + d + 18 + e
b:インストール時のディスク占有量。
c:Storeデータベースのディスク占有量※2。Storeデータベースのディスク占有量については「(2) Storeデータベースのディスク占有量」を参照してください。
d:エージェントログサイズ。エージェントログのファイルサイズの上限は,128メガバイトです。
e:監視対象ごとのディスク占有量の和。
一つの監視対象ホストのディスク占有量の算出式を次に示します。
1 + f
f:監視対象ホストごとのログのディスク占有量。
デフォルト:64メガバイト(16メガバイト×4面)
最大値:128メガバイト(32メガバイト×4面)
注※1
収集設定がGlobal Server Summary(PI)レコードだけのPFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンスが一つだけセットアップされている場合のことを示します。
注※2
Storeデータベースのディスク占有量の合計は,監視対象ホストごとのディスク占有量と,グループエージェント用のディスク占有量の合計になります。

(2) Storeデータベースのディスク占有量

Storeデータベースのディスク占有量について説明します。Storeデータベースのディスク占有量の合計は,監視対象ごとディスク占有量と,グループ用のディスク占有量の合計になります。

(a) 見積もり式

ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。

●ディスク占有量

Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。

レコードタイプごとのディスク占有量Xの見積もり式(単位:バイト)
X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1
a:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表A-3を参照してください。
b:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表A-3を参照してください。
c:履歴データの保存期間設定値※3。レコードタイプ,要約区分ごとに指定する単位が異なります。単位については表A-3を参照してください。
d:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※4
e:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※4
f:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※5。インスタンス数が2以上の場合,4の倍数に切り上げます。例えばインスタンス数が2の場合は,f=4となります。インスタンス数が13の場合は,f=16となります。インスタンス数が1の場合は,f=1となります。

表A-3 a,b,およびcに設定する値

レコードタイプ要約区分abc
PI1,4401+(g-1)/60※2保存期間(単位:日)
241+(g-1)/3,600※2保存期間(単位:日)
71+(g-1)/86,400※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/604,800※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/2,592,000※2保存期間(単位:月)
11+(g-1)/31,622,400※2保存期間(単位:年)
PD1,440g/60保存期間(単位:日)
(凡例)
g:履歴データの収集インターバル設定値(単位:秒)
-:該当しない
注※1
{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※2
PIレコードタイプのbの計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※3
デフォルトの保存期間と保存レコード数を次の表に示します。

表A-4 デフォルトの保存期間と保存レコード数

レコードタイプデータの種類保存期間保存レコード数
(収集間隔が1分の場合)
PI分単位1日1,440
時単位7日168
日単位54週378
週単位54週54
月単位12か月12
年単位10年(収集年数)*1
PD7日10,080
(凡例)
-:該当しない
注※4
各レコードの固定部・可変部のサイズについては,「5. レコード」のレコードサイズを参照してください。
注※5
レコードごとのインスタンス数については,「付録A.4 レコードのインスタンス数の算出方法」を参照してください。なお,グループエージェントのインスタンス数については,インスタンスに登録されている監視対象のインスタンス数の最大値になります。

●ファイル数

Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)+
)

l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数

m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数

A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)

A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)

A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)

A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)

A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)

B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)

●ディレクトリ数

Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。

N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))

l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数

m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数

A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)

A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)

A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)

A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)

A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)

Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)

●Storeサービスがオープンするファイル数

Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(6*l+m)

l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数

m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数

(b) 見積もり例

PFM - RM for Microsoft SQL ServerのStoreデータベースの見積もりについて,具体例を用いて説明します。

●ディスク占有量

PI_TLOGとPD_DDを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。

PI_TLOGレコードの見積もりについて説明します。「(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,a~gの値を調べます。

d=681

e=313

f=今回は4とする

g=今回は60秒とする

次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。

分レコード
a=1,440
b=1+(60-1)/60 = 1.98・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=今回は3日とする
見積もり式を次に示します。

X(分)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(3+1)*1.1
={1,260+741*1}*6,336
=2,001*6,336
=12,678,336(バイト)=約13メガバイト

時レコード
a=24
b=1+(60-1)/3,600 = 1.01・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=今回は3日とする
見積もり式を次に示します。

X(時)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4)/(65,250-681)+1}}*24/1*(3+1)*1.1
={1,260+741*1}*105.6
=2,001*105.6
=211,305.6(バイト)=約0.2メガバイト

日レコード
a=7
b=1+(60-1)/86,400 = 1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=今回は1週とする
見積もり式を次に示します。

X(日)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4)/(65,250-681)+1}}*7/1*(1+1)*1.1
={1,260+741*1}*15.4
=2,001*15.4
=30,815.4(バイト)=約0.03メガバイト

週レコード
a=1
b=1+(60-1)/604,800 = 1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=今回は1週とする
見積もり式を次に示します。

X(週)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={1,260+741*1}*2.2
=2,001*2.2
=4,402.2(バイト)=約0.005メガバイト

月レコード
a=1
b=1+(60-1)/2.592,000 = 1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=今回は1か月とする
見積もり式を次に示します。

X(月)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={1,260+741*1}*2.2
=2,001*2.2
=4,402.2(バイト)=約0.005メガバイト

年レコード
a= 1
b=1+(60-1)/31.622,400 = 1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=10(固定)
見積もり式を次に示します。

X(年)={(313+2)*4+(681+60)*{(313+2)*4/(65,250-681)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={1,260+741*1}*12.1
=2,001*12.1
=24,212.1(バイト)=約0.03メガバイト

以上から,PI_TLOGの見積もりは次のようになります。

X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=13.27メガバイト
=約14メガバイト

次にPD_DDレコードの見積もりについて説明します。

a=1,440

b=60/60 =1

c=7日とする

d=681バイト

e=1,362バイト

f=今回は12とする

g=今回は60秒とする

見積もり式を次に示します。

X={(1,362+2)*12+(681+60)*{(1,362+2)*12/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(7+1)*1.1
={16,368+741*1}}*12,672
=17,109*12,672
=216,805,248(バイト)=約207メガバイト

したがって,必要なディスク占有量はPI_TLOG+PD_DD=221メガバイトとなります。

●ファイル数

PI_TLOG,およびPD_DDを収集する場合を例に挙げて説明します。「(a) 見積もり式」のファイル数の見積もり式の,可変値を調べます。

l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2

m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2

A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする

A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする

A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする

A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする

A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)=今回は1月とする

B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)=今回は10日とする

Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)
)
=20+2*{
[3(PI_TLOG分)+2]+
[3(PI_TLOG分)+2]+
[1(PI_TLOG分)+2]+
[1(PI_TLOG分)+2]+
[1(PI_TLOG分)+2]+
[11*2]+
[10(PD_DD分)+2]
}
=20+2*{5+5+3+3+3+22+12}=126

●ディレクトリ数

PI_TLOG,およびPD_DDを収集する場合を例に挙げて説明します。

l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2

m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=2

A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が"分"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする

A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする

A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする

A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が"週"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする

A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)=今回は1月とする

Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は10日とする

Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。

N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10)=85

●Storeサービスがオープンするファイル数

PI_TLOG,およびPD_DDを収集する場合を例に挙げて説明します。

l:PIレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=1

m:PDレコードタイプのレコードで収集しているレコードの数=1

Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*1+1)=34