JP1/Performance Management - Remote Monitor for Microsoft(R) SQL Server
ここでは,クラスタシステムでPerformance Managementを運用するための,セットアップについて説明します。
セットアップ手順には,実行系ノードの手順と,待機系ノードの手順があります。実行系ノード,待機系ノードの順にセットアップしてください。
は実行系ノードで行う項目を,
は待機系ノードで行う項目を示します。また,
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
- 注意
- 環境変数JPC_HOSTNAMEは,Performance Managementで使用しています。このため,JPC_HOSTNAMEを環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
- <この項の構成>
- (1) PFM - RMの登録
- (2) 共有ディスクのオンライン
- (3) PFM - RMの論理ホストのセットアップ
- (4) 接続先PFM - Managerの設定
- (5) インスタンス環境の設定
- (6) 監視対象の設定
- (7) ストアドプロシージャの登録
- (8) 他Performance Managementプログラムの論理ホストのセットアップ
- (9) ネットワークの設定
- (10) ログのファイルサイズ変更
- (11) パフォーマンスデータの格納先の変更
- (12) 動作ログ出力の設定
- (13) 論理ホスト環境定義ファイルのエクスポート
- (14) 論理ホスト環境定義ファイルの待機系ノードへのコピー
- (15) 共有ディスクのオフライン
- (16) 論理ホスト環境定義ファイルのインポート
- (17) クラスタソフトへのPFM - RMの登録
- (18) クラスタソフトからの起動・停止の確認
- (19) クラスタシステムでの環境設定
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RMを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する必要があります。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する必要があるのは次の場合です。
- Performance Managementシステムに新しくPFM - RM for Microsoft SQL Serverを追加する場合
- すでに登録しているPFM - RM for Microsoft SQL Serverのデータモデルのバージョンを更新する場合
登録はPFM - Manager上およびPFM - Web Console上で実施します。手順は非クラスタシステムの場合と同じです。
手順については,「2.1.4(1) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録」を参照してください。
共有ディスクがオンラインになっていることを確認します。共有ディスクがオンラインになっていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャの操作などで,共有ディスクをオンラインにしてください。
jpcconf ha setupコマンドを実行して論理ホスト環境を作成します。コマンドを実行すると,共有ディスクに必要なデータがコピーされ,論理ホスト用の定義を設定されて,論理ホスト環境が作成されます。
- 注意
- コマンドを実行する前に,Performance Managementシステム全体で,Performance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
手順を次に示します。
- jpcconf ha setupコマンドを実行して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの論理ホスト環境を作成する。
次のようにコマンドを実行します。
論理ホスト名は,-lhostで指定します。ここでは,論理ホスト名をjp1-halSQLとしています。DNS運用をしている場合はドメイン名を省略した論理ホスト名を指定してください。
jpcconf ha setup -key RMSQL -lhost jp1-halSQL -d S:\jp1
共有ディスクのディレクトリ名は,-dの環境ディレクトリ名に指定します。例えば-d S:\jp1と指定するとS:\jp1\jp1pcが作成されて,論理ホスト環境のファイルが作成されます。
- jpcconf ha listコマンドを実行して,論理ホストの設定を確認する。
次のようにコマンドを実行します。
作成した論理ホスト環境が正しいことを確認してください。
jpcconf ha list all
jpcconf mgrhost defineコマンドを実行して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverを管理するPFM - Managerを設定します。
- jpcconf mgrhost defineコマンドを実行して,接続先PFM - Managerを設定する。
次のようにコマンドを実行します。
接続先PFM - Managerのホスト名は,-hostオプションで指定します。接続先PFM - Managerが論理ホスト運用されている場合は,-hostオプションに接続先PFM - Managerの論理ホスト名を指定します。ここでは,PFM - Managerの論理ホスト名をjp1-halとしています。
jpcconf mgrhost define -host jp1-hal -lhost jp1-halSQL
また,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの論理ホスト名は,-lhostで指定します。ここでは,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの論理ホスト名をjp1-halSQLとしています。
jpcconf inst setupコマンドを実行して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンス環境を設定します。
設定手順は,非クラスタシステムの場合と同じです。ただし,クラスタシステムの場合,jpcconf inst setupコマンドの実行時に,「-lhost」で論理ホスト名を指定する必要があります。
クラスタシステムの場合のjpcconf inst setupコマンドの指定方法を次に示します。
jpcconf inst setup -key RMSQL -lhost 論理ホスト名 -inst インスタンス名なお,エージェントログの出力先フォルダ(LOG_PATHの値)には,共有ディスク上のパスを指定してください。
このほかの設定内容,および手順については,「2.1.4(2) インスタンス環境の設定」を参照してください。
jpcconf targetコマンドを実行して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象ホストの情報を設定します。
設定手順は,非クラスタシステムの場合と同じです。ただし,クラスタシステムの場合,jpcconf targetコマンドの実行時に,「-lhost」で論理ホスト名を指定する必要があります。
クラスタシステムの場合のjpcconf targetコマンドの指定方法を次に示します。
jpcconf target setup -key RMSQL -inst インスタンス名 -target 監視対象名 -lhost 論理ホスト名設定内容,および手順については,「2.1.4(2)(b) 監視対象を設定する」を参照してください。
また,Windows認証を使用する場合の設定については,「2.1.4(2)(c) Windows認証を使用する場合の設定」を,Microsoft SQL Serverのログインの権限については,「2.1.4(2)(d) Microsoft SQL Serverのログインの権限」を参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL ServerがMicrosoft SQL Serverからデータベースの名称とサイズの一覧を取得するためのストアドプロシージャを登録します。
設定手順は非クラスタシステムの場合と同じです。詳細は,「2.1.4(3) ストアドプロシージャの登録」を参照してください。
(8) 他Performance Managementプログラムの論理ホストのセットアップ
PFM - RM for Microsoft SQL Serverのほかに,同じ論理ホストにセットアップするPFM - ManagerやPFM - RMがある場合は,この段階でセットアップしてください。
セットアップ手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章,または各PFM - RMマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,変更する場合にだけ必要な設定です。
ネットワークの設定では次の二つの項目を設定できます。
- IPアドレスを設定する
複数のLANに接続されたネットワーク環境でPerformance Managementを運用するときに使用するIPアドレスを指定したい場合には,jpchostsファイルの内容を直接編集します。
このとき,編集したjpchostsファイルは,実行系ノードから待機系ノードにコピーしてください。
IPアドレスの設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- ポート番号を設定する
ファイアウォール経由でPerformance Managementのプログラム間の通信をする場合には,jpcconf portコマンドを使用してポート番号を設定します。
ポート番号の設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章,およびクラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2個使用されます。このファイルサイズを変更したい場合にだけ,必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
PFM - RMで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先,またはインポート先のフォルダを変更したい場合にだけ必要な設定です。
設定方法については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverの論理ホスト環境が作成できたら,環境定義をファイルにエクスポートします。エクスポートでは,その論理ホストにセットアップされているPerformance Managementのプログラムの定義情報を一括してファイル出力します。同じ論理ホストにほかのPerformance Managementのプログラムをセットアップする場合は,セットアップが一とおり済んだあとにエクスポートしてください。
論理ホスト環境定義をエクスポートする手順を次に示します。
- jpcconf ha exportコマンドを実行して,論理ホスト環境定義をエクスポートする。
これまでの手順で作成した論理ホスト環境の定義情報を,エクスポートファイルに出力します。エクスポートファイル名は任意です。
例えば,lhostexp.txtファイルに論理ホスト環境定義をエクスポートする場合,次のようにコマンドを実行します。
jpcconf ha export -f lhostexp.txt
(14) 論理ホスト環境定義ファイルの待機系ノードへのコピー
「(13) 論理ホスト環境定義ファイルのエクスポート」でエクスポートした論理ホスト環境定義ファイルを,実行系ノードから待機系ノードにコピーします。
クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャの操作などで,共有ディスクをオフラインにして,作業を終了します。なお,その共有ディスクを続けて使用する場合は,オフラインにする必要はありません。
実行系ノードからコピーしたエクスポートファイルを,待機系ノードにインポートします。
実行系ノードで作成した論理ホストのPerformance Managementのプログラムを,待機系ノードで実行するための設定には,jpcconf ha importコマンドを使用します。一つの論理ホストに複数のPerformance Managementのプログラムがセットアップされている場合は,一括してインポートされます。
なお,このコマンドを実行するときには,共有ディスクをオンラインにしておく必要はありません。
- jpcconf ha import(jpchasetup import)コマンドを実行して,論理ホスト環境定義をインポートする。
次のようにコマンドを実行します。
コマンドを実行すると,待機系ノードの環境を,エクスポートファイルの内容と同じ環境になるように設定変更します。これによって,論理ホストのPFM - RM for Microsoft SQL Serverを起動するための設定が実施されます。
jpcconf ha import -f lhostexp.txt
また,セットアップ時にjpcconf portコマンドで固定のポート番号を設定している場合も,同様に設定されます。
- サービスのログインを設定する。
Windows認証を使用している場合,監視対象のMicrosoft SQL Serverへの接続に,待機系ノードのPFM - RM for Microsoft SQL Serverサービスのログインアカウントを実行系ノードのPFM - RM for Microsoft SQL Serverサービスのログインアカウントと同じように変更します。
- jpcconf ha listコマンドを実行して,論理ホスト設定を確認する。
次のようにコマンドを実行します。
実行系ノードでjpcconf ha listを実行した時と同じ内容が表示されることを確認してください。
jpcconf ha list all
Performance Managementのプログラムを論理ホスト環境で運用する場合は,クラスタソフトに登録して,クラスタソフトからの制御でPerformance Managementのプログラムを起動したり停止したりするように環境設定します。
クラスタソフトへPFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する方法は,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverをクラスタソフトに登録するときの設定内容を,Windows MSCSに登録する項目を例として説明します。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverの場合,次の表のサービスをクラスタに登録します。
表3-3 クラスタソフトに登録するPFM - RM for Microsoft SQL Serverのサービス
項番 名前 サービス名 依存関係 1 PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名 [LHOST] JP1PCAGT_QS_インスタンス名 [LHOST] IPアドレスリソース
物理ディスクリソース2 PFM - RM for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名 [LHOST] JP1PCAGT_QA_インスタンス名 [LHOST] 項番1のクラスタリソース 3 PFM - Action Handler [LHOST] JP1PCMGR_PH [LHOST] IPアドレスリソース
物理ディスクリソース[LHOST]の部分は,論理ホスト名に置き換えてください。インスタンス名がSQL1,論理ホスト名がjp1-halSQLの場合,サービスの名前は「PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server SQL1 [jp1-halSQL]」,サービス名は「JP1PCAGT_QS_SQL1 [jp1-halSQL]」のようになります。
MSCSの場合は,これらのサービスをMSCSのリソースとして登録します。各リソースの設定は次のようにします。下記の[ ]は,MSCSの設定項目です。
- [リソースの種類]は「汎用サービス」として登録する。
- [名前],[依存関係],および[サービス名]を表3-3のとおりに設定する。
なお,名前はサービスを表示するときの名称で,サービス名はMSCSから制御するサービスを指定するときの名称です。
- [起動パラメータ]および[レジストリ複製]は設定しない。
- プロパティの[詳細設定]タブは,Performance Managementのプログラムの障害時にフェールオーバーするかしないかの運用に合わせて設定する。
例えば,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの障害時に,フェールオーバーするように設定するには,次のように設定します。
[再開する]:チェックする
[グループに適用する]:チェックする
再起動試行回数の[しきい値]:3※
- 注※
- 再起動試行回数の[しきい値]は3回を目安に設定してください。
- 注意
- クラスタに登録するサービスは,クラスタから起動および停止を制御しますので,OS起動時に自動起動しないよう[スタートアップの種類]を[手動]に設定してください。
なお,jpcconf ha setupコマンドでセットアップした直後のサービスは[手動]に設定されています。また,次のコマンドで強制停止しないでください。
jpcspm stop all -lhost 論理ホスト名 -kill immediate
クラスタソフトからの操作で,Performance Managementのプログラムの起動および停止を各ノードで実行し,正常に動作することを確認してください。
Performance Managementのプログラムのセットアップ終了後,PFM - Web Consoleから,運用に合わせて監視対象の稼働状況についてのレポートを表示できるようにしたり,監視対象で問題が発生したときにユーザーに通知できるようにしたりするために,Performance Managementのプログラムの環境を設定します。
Performance Managementのプログラムの環境設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。
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