2.2.1 インストールとセットアップの前に(UNIXの場合)

PFM - RM for Oracleをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。

<この項の構成>
(1) 前提OS
(2) ネットワークの環境設定
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
(4) 前提プログラム
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
(6) 注意事項

(1) 前提OS

PFM - RM for Oracleが動作するOSを次に示します。

(2) ネットワークの環境設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

(a) IPアドレスの設定

PFM - RMのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してください。IPアドレスが解決できない環境では,PFM - RMは起動できません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名を使用できます。

Windowsシステムではhostnameコマンド,UNIXシステムではuname -nコマンドを実行して確認したホスト名で,IPアドレスを解決できるように環境を設定してください。

監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

監視ホスト名には,実ホスト名またはエイリアス名を使用します。

監視ホスト名の設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,システム構築の変更について説明している章を参照してください。

IPアドレス設定時の注意
  • 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
  • Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。このため,すべての監視ホストには,固定のIPアドレスを設定してください。

(b) ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

表2-13 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(UNIXの場合)

機能サービス名パラメーターポート番号備考
サービス構成情報管理機能Name Serverjp1pcnsvr22285PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。
NNM連携機能NNM Object Managerjp1pcovsvr22292PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャとオブジェクトマネージャの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
サービス状態管理機能Status Serverjp1pcstatsvr22350PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
監視コンソール通信機能View Serverjp1pcvsvr22286PFM - ManagerのView Serverサービスで使用されているポート番号です。
PFM - Managerがインストールされているホストで設定されています。
Webサービス機能Web Service20358PFM - Web ConsoleのWeb Serviceサービスで使用されているポート番号です。
Webコンテナ機能Web Console20359
20360
PFM - Web ConsoleのWeb Consoleサービスで使用されているポート番号です。

(3) インストールに必要なOSユーザー権限について

PFM - RM for Oracleをインストールするときは,必ず,スーパーユーザー権限を持つアカウントで実行してください。

(4) 前提プログラム

ここでは,PFM - RM for Oracleをインストールする場合に必要な前提プログラムについて説明します。

なお,PFM - RM for OracleをインストールしたホストをPFM - RMホストと呼びます。

プログラム構成には,大きく分けて次の二つの場合があります。システム環境に応じて,プログラム構成を検討してください。

PFM - ManagerホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合
PFM - Managerと同一ホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合のプログラム構成です。このプログラム構成の場合,PFM - RM for Oracleと同じホストにOracle Clientをインストールする必要があります。
この場合のプログラム構成を次の図に示します。

図2-5 プログラムの構成(PFM - Managerと同一ホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合(UNIXの場合))

[図データ]
PFM - Managerホストとは異なるホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合
PFM - Managerとは異なるホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合のプログラム構成です。
このプログラム構成の場合,PFM - RM for Oracleと同じホストにPFM - Base,およびOracle Clientをインストールする必要があります。PFM - Base,およびOracle Clientと同じホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合のプログラム構成を次の図に示します。

図2-6 プログラムの構成(PFM - Base,およびOracle Clientと同一ホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合(UNIXの場合))

[図データ]

(a) 監視対象プログラム

PFM - RM for Oracleの監視対象プログラムを次に示します。

仮想化OS上で監視対象プログラムを監視する場合,監視対象プログラムが仮想化OS上で保障している機能だけが監視対象となります。

(b) Performance Managementプログラム

PFM - RMホストには,PFM - RMとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - RMの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - RMをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。

ただし,PFM - ManagerとPFM - RMを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。

また,PFM - RM for Oracleを使ってOracleの稼働監視を行うためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。

(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて

クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「3. クラスタシステムでの運用」を参照してください。

(6) 注意事項

ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。

(a) 環境変数に関する注意事項

Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項

Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,PFM - Agent,およびPFM - RMをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。

(c) バージョンアップの注意事項

古いバージョンのPFM - RMからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。

なお,バージョンアップの詳細については,「付録H 移行手順と移行時の注意事項」を参照してください。

(d) その他の注意事項