フィールドの値
ここでは,各フィールドに格納される値について説明します。
データソース
各フィールドには,Performance Managementや監視対象プログラムから取得した値や,これらの値をある計算式に基づいて計算した値が格納されます。各フィールドの値の取得先または計算方法は,フィールドの表の「データソース」列で示します。
PFM - RM for Oracleの「データソース」列の文字列は,Oracleから取得したパフォーマンスデータを加工してフィールドの値を設定している場合,そのフィールドに設定される値の計算方法を示します。例を次に示します。
- 大文字で書かれている場合
大文字で書かれているものは,OracleのOCI(Oracle Call Interface)を使用してOracle DatabaseにアクセスするときのOracle Databaseのテーブル名です。例えば,Activity Summary(PD_PDAS)レコードのCursor Open Hits(CURSOR_OPEN_HITS)フィールドには,OracleのOCIを使用して収集される値が格納されます。
テーブルの詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
- 小文字で書かれている場合
小文字で書かれているものは,Oracle Databaseのテーブルに格納されているパフォーマンスデータを取得するためのキー文字列を表します。
例えば,System Stat Summary(PD)レコードCalls/Tran(CALLS_PER_TRANSACTION)フィールドには,V$SYSSTATテーブルのName列に格納されているuser callsから取得した値を,同じくV$SYSSTATテーブルのName列に格納されているuser commitsから取得した値で割った値が格納されます。
- 「RM Collector」と書かれている場合
そのフィールドに格納される値の取得先が,RM Collectorサービスであることを示します。
- 「init.oraパラメーター名」と書かれている場合
Oracleの初期化パラメーター・ファイルinit.oraに設定されている「パラメーター名」の値が使用されることを示します。
- 「-」と書かれている場合
パフォーマンスデータを加工してフィールドの値を設定していないことを示します。
デルタ
累積値として収集するデータに対し,変化量でデータを表すことを「デルタ」と呼びます。例えば,1回目に収集されたパフォーマンスデータが「3」,2回目に収集されたパフォーマンスデータが「4」とすると,累積値の場合は「7」,変化量の場合は「1」が格納されます。各フィールドの値がデルタ値かどうかは,フィールドの表の「デルタ」列で示します。なお,デルタの値は,前回のデータからの相対値のため,マイナス値になる場合があります。
PFM - RM for Oracleで収集されるパフォーマンスデータは,次の表のように異なります。
表5-6 PFM - RM for Oracleで収集されるパフォーマンスデータ
レコードタイプ | デルタ | データ種別 | [デルタ値で表示]のチェック※ | レコードの値 |
---|
PIレコードタイプ | Yes | リアルタイムデータ | あり | 変化量が表示される。 |
なし | 変化量が表示される。 |
| - | 変化量が表示される。 |
No | リアルタイムデータ | あり | 収集時点の値が表示される。 |
なし | 収集時点の値が表示される。 |
| - | 収集時点の値が表示される。 |
PDレコードタイプ | Yes | リアルタイムデータ | あり | 変化量が表示される。 |
なし | 累積値が表示される。 |
| - | 累積値が表示される。 |
No | リアルタイムデータ | あり | 収集時点の値が表示される。 |
なし | 収集時点の値が表示される。 |
| - | 収集時点の値が表示される。 |
- (凡例)
- -:該当しない
- 注※
- 次に示すPFM - Web Consoleのダイアログボックスの項目でチェックされていることを示します。
- レポートウィザードの[編集 > 表示設定(リアルタイムレポート)]画面の[デルタ値で表示]
- レポートウィンドウの[Properties]タブの[表示設定(リアルタイムレポート)]の[デルタ値で表示]
パフォーマンスデータが収集される際の注意事項を次に示します。
- PIレコードタイプのレコードが保存されるためには,2回以上パフォーマンスデータが収集されている必要があります。
PIレコードタイプのレコードには,PFM - Web Consoleで設定した収集間隔ごとにパフォーマンスデータが収集されます。しかし,パフォーマンスデータのStoreデータベースへの格納は,PFM - Web Consoleでパフォーマンスデータの収集の設定をした時点では実行されません。
PIレコードタイプの履歴データには,前回の収集データとの差分を必要とするデータ(デルタ値)が含まれているため,2回分のデータが必要になります。このため,履歴データがStoreデータベースに格納されるまでには,設定した時間の最大2倍の時間が掛かります。
例えば,PFM - Web Consoleでパフォーマンスデータの収集間隔を,18:32に300秒(5分)で設定した場合,最初のデータ収集は18:35に開始されます。次のデータ収集は18:40に開始されます。履歴のデータは,18:35と18:40に収集されたデータを基に作成され,18:40に(設定時18:32から8分後)履歴データとしてStoreデータベースに格納されます。
- リアルタイムレポートには,最初にデータが収集されたときから値が表示されます。ただし,前回のデータを必要とするレポートの場合,初回の値は0で表示されます。2回目以降のデータ収集は,レポートによって動作が異なります。
- 次の場合,2回目のデータ収集以降は,収集データの値が表示されます。
- PIレコードタイプのリアルタイムレポートの設定で,[デルタ値で表示]がチェックされていない場合
- PDレコードタイプのリアルタイムレポートの設定で,[デルタ値で表示]がチェックされている場合
- 次の場合,2回目のデータ収集では,1回目のデータと2回目のデータの差分が表示されます。3回目以降のデータ収集では,収集データの値が表示されます。
- PIレコードタイプのリアルタイムレポートの設定で,[デルタ値で表示]がチェックされている場合
- PFM - RM for Oracle起動中に,監視対象のOracleの再起動,またはOracle起動中のリソースの再割り当てなどが行なわれると,収集データの値が「マイナス値」となる場合があります。しかし,2回目以降のデータに関しては,データの差分として,0以上の値となります。