2.1.4 PFM - RM for Oracleのセットアップ手順(Windowsの場合)
ここでは,PFM - RM for Oracleを運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
- <この項の構成>
- (1) PFM - RM for Oracleの登録
- (2) PFM - RM for Oracleで使用するOracleのアカウントの作成
- (3) インスタンス環境の設定
- (4) ネットワークの設定
- (5) ログのファイルサイズ変更
- (6) パフォーマンスデータの格納先の変更
- (7) PFM - RM for Oracleの接続先PFM - Managerの設定
- (8) 動作ログ出力の設定
(1) PFM - RM for Oracleの登録
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RMを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Oracleを登録する必要があります。
PFM - RM for Oracleを登録する必要があるのは次の場合です。
- Performance Managementシステムに新しくPFM - RM for Oracleを追加する場合
ただし,登録済みのPFM - RM for Oracleが存在していて,そのバージョンと同じバージョンのPFM - RM for Oracleを新規で追加する場合は,新たに登録する必要はありません。
- すでに登録されているPFM - RM for Oracleのデータモデルのバージョンを更新する場合
PFM - RM for Oracleのデータモデルのバージョンについては,「付録J バージョン互換」を参照してください。
PFM - RMの登録の流れを次に示します。
図2-4 PFM - RMの登録の流れ
![[図データ]](figure/zuo02004.gif)
- 注意
- PFM - RMの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。
- すでにPFM - RM for Oracleの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - RM for Oracleを追加した場合,PFM - RMの登録は必要ありません。
- バージョンが異なるPFM - RM for Oracleを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
- PFM - Managerと同じホストにPFM - RMをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
- PFM - RM for Oracleの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]画面および[アラーム階層]画面に「RM Oracle」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]画面で,すでに独自に「RM Oracle」という名前のフォルダまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。
(a) PFM - RM for Oracleのセットアップファイルをコピーする
PFM - RM for Oracleをインストールしたホスト(PFM - RMホスト)にあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
- PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
- PFM - RMのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
表2-2 コピーするセットアップファイル
PFM - RMの セットアップファイル | コピー先 |
---|
PFMプログラム名 | OS | コピー先フォルダ |
---|
インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt1w.EXE | PFM - Manager | Windows | PFM - Managerのインストール先フォルダ¥setup |
インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt1u.Z | UNIX | /opt/jp1pc/setup/ |
インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt1w.EXE | PFM - Web Console | Windows | PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ¥setup |
インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt1u.Z | UNIX | /opt/jp1pc/setup/ |
(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - ManagerでPFM - RM for Oracleをセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcconf agent setup -key RMOracle
- コマンド実行時の注意事項
- コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。
PFM - ManagerホストにあるPFM - RMのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。
(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - Web ConsoleでPFM - RM for Oracleをセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcwagtsetup
PFM - Web ConsoleホストにあるPFM - RMのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。
(2) PFM - RM for Oracleで使用するOracleのアカウントの作成
PFM - RM for OracleでOracle Databaseを監視し,パフォーマンス情報を収集するためには,次のどちらかの設定が必要になります。
- PFM - RM for OracleからOracle Databaseの監視に使用するアカウントをsysアカウントに設定する
- 特定のシステム権限を持つOracleのアカウントを作成して,そのアカウントをPFM - RM for OracleからOracle Databaseの監視に使用するアカウントに設定する
PFM - RM for Oracleがパフォーマンス情報を収集するためにOracle Databaseに対して実行する操作と,操作を実行するために必要なOracleのアカウントのシステム権限を次の表に示します。
表2-3 Oracle Databaseに対して実行する操作と必要なシステム権限
PFM - RM for OracleがOracle Databaseに対して実行する操作 | 操作に必要なシステム権限 |
---|
- 静的データディクショナリー・ビューの検索
- 動的パフォーマンス・ビューの検索
- リスナー制御ユーティリティの実行
- 選択したSQLの実行計画の取得
- PFM - RM for Oracle独自のストアドパッケージの実行
| - CREATE SESSION
- CREATE TABLE
- CREATE PROCEDURE
- SELECT ANY DICTIONARY
- SELECT ANY TABLE
- INSERT ANY TABLE
- DELETE ANY TABLE
- UPDATE ANY TABLE
- CREATE ANY INDEX
- ALTER ANY INDEX
- UNLIMITED TABLESPACE
|
sysアカウントは,表2-3のシステム権限を持ちます。Oracle Databaseの監視にsysアカウントを使用しない場合,表2-3のシステム権限を持つOracleのアカウントを使用してください。
表2-3のシステム権限を持つOracleのアカウントは,PFM - RM for Oracleが提供しているmk_rmus.sqlスクリプトを実行して作成できます。
mk_rmus.sqlスクリプトを使用しないでOracle Databaseを監視するOracleのアカウントを用意したい場合は,操作に応じた権限を付与してください。操作に応じた権限を付与することにより,Oracleのアカウントに付与する権限を,必要最小限に限定することができます。なお,ロールとして権限を付与している場合は,明示的(GRANT "権限" ...)に権限を与えてください。各操作で必要となる権限については,「付録I 権限に関する注意事項」を参照してください。
mk_rmus.sqlスクリプトを実行してOracleのアカウントを作成するために必要な情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。
表2-4 Oracleのアカウント作成に必要な情報
項目 | 説明 |
---|
Enter username | 作成するアカウント名を指定する。 指定できる値は,CREATE USER文のuserパラメーターに指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。デフォルト値はRMAGT1。
- 注意
- PFM - RM for Oracleのインスタンスが使用するアカウントに,既存のデータベースアカウントを指定した場合,スクリプトの処理がエラーとなる。
- 必ず,事前にデータベースに存在するアカウント名を確認し,PFM - RM for Oracleのインスタンス専用のアカウントを指定すること。
|
Enter password | 作成するアカウントのパスワードを指定する。 指定できる値は,CREATE USER文のIDENTIFIED句のBY passwordパラメーターに指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。入力は必須。 |
Enter default tablespace | 作成するアカウントが使用するデフォルト表領域を指定する。
- 指定できる値は,CREATE USER文のDEFAULT TABLESPACE句に指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。入力は必須。
- 注意
- デフォルト表領域としてSYSTEM表領域,INDEX表領域を指定しないこと。
- デフォルト表領域には,PFM - RM for Oracle用パッケージを登録しても問題のない表領域を指定するか,または,PFM - RM for Oracle用の表領域を作成し,デフォルト表領域に指定すること。
|
Enter default temporary tablespace | 作成するアカウントが使用するデフォルト一時表領域を指定する。 指定できる値は,CREATE USER文のTEMPORARY TABLESPACE句に指定できる値,かつ30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列。入力は必須。
- 注意
- デフォルト一時表領域としてSYSTEM表領域,INDEX表領域,USERS表領域を指定しないこと。
- デフォルト一時表領域には,デフォルト一時表領域として使用しても問題のない表領域を指定するか,または,PFM - RM for Oracle用の表領域を作成し,デフォルト一時表領域に指定すること。
|
- 注
- 各項目の入力値は,必ず,30バイト以内の7ビットアスキーの半角英数文字列で指定してください。31バイト以上の文字列が入力された場合や7ビットアスキー半角英数文字以外の文字を指定した場合,スクリプトが予期しない動作をするおそれがあります。
- 各パラメーターの入力値には,「スキーマ・オブジェクトの名称規則」の「非引用識別子」に含まれる値を指定してください。「非引用識別子」以外の値を指定した場合,スクリプトが予期しない動作をするおそれがあります。「スキーマ・オブジェクトの名称規則」および「非引用識別子」についてはOracleのマニュアルを参照してください。
- mk_rmus.sqlで作成したアカウントの詳細を確認するには,監視対象のOracle Databaseの静的ディクショナリ・ビュー DBA_USERSを参照してください。
静的ディクショナリ・ビュー DBA_USERSでアカウント「R4O」の表領域を参照する例を示します。次のSQL文を実行し,実行結果から誤った表領域でアカウントを作成していることがわかった場合は,アカウントを削除し,mk_rmus.sqlで再作成してください。
- (例)
- Windows上のOracleでアカウント「R4O」の詳細を参照する場合
- コマンドプロンプトからSQL*Plusにsysアカウントで接続する。
sqlplus "sysアカウント@監視対象のデータベースのネットサービス名/sysアカウントのパスワード [AS SYSDBA]"
- SQL*Plusで次のようなSQL文を実行する。
SQL>select DEFAULT_TABLESPACE,TEMPORARY_TABLESPACE from DBA_USERS where USERNAME='R4O';
- 実行結果で表示される,「DEFAULT_TABLESPACE」列(デフォルト表領域),「TEMPORARY_TABLESPACE」列(デフォルト一時表領域)などを確認する。
- 注意
- Oracleのバージョンによって,SQL*Plusにsysアカウントで接続する方法が異なります。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
- 監視対象のOracle Databaseに対して,SYSDBA接続を実施します。
CREATE USER文の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
また,Oracleのアカウント作成に必要な表領域などのリソースをあらかじめ用意してから,作業を実施してください。
Oracleのアカウント作成は,次の手順で実行します。
- Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境を設定する。
Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。
- PFM - RM for Oracleが提供しているmk_rmus.sqlがある,次のフォルダに移動する。
インストール先フォルダ¥agt1¥agent¥sql
- 監視先のOracle Databaseに対して,mk_rmus.sqlスクリプトを実行する。
- (例)
- sqlplus Oracleのアカウント@監視対象のデータベースのネットサービス名/Oracleのアカウントのパスワード @mk_rmus.sql
- 注意
- sqlplusは,ORACLE Corporationが提供しているコマンドです。
- mk_rmus.sqlスクリプトを実行するOracleのアカウントには,あらかじめCREATE USERシステム権限,CREATE SESSIONシステム権限,およびGRANT ANY PRIVILEGEシステム権限が付与されている必要があります。
- SYSアカウントを使用してmk_rmus.sqlスクリプトを実行する場合,AS SYSDBAオプションを指定しないとエラーになることがあります。
- 監視対象のOracle Databaseに対して,SYSDBA接続を実施します。
mk_rmus.sqlスクリプトの実行例を示します。
(例)
sqlplus "Oracleのアカウント@監視対象のデータベースのネットサービス名/Oracleのアカウントのパスワード [AS SYSDBA]" @mk_rmus.sql
- mk_rmus.sqlスクリプトを実行すると,スクリプトの処理で実行結果をスプールファイルに出力します。ただし,mk_rmus.sqlスクリプトを実行時に,カレントフォルダを手順2で示すフォルダに変更していない場合,スプールファイルの作成に失敗します。
- Oracleのアカウント作成に必要なパラメーターを設定する。
表2-4に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,Oracleのアカウントが作成されます。
- 注意
(3) インスタンス環境の設定
PFM - RM for Oracleでは,インスタンス環境および監視対象の設定が必要です。インスタンス環境の設定と監視対象の設定は1対1の関係です。
PFM - RM for Oracleでは,一つのインスタンス環境に定義できる監視対象は一つだけです。複数のインスタンス環境および監視対象を設定する場合は,次の手順を繰り返し実施します。
- インスタンス情報の設定
- 監視対象の設定
- Oracle Databaseへのオブジェクト登録
- Oracle Databaseの設定
例えば,三つのOracleのインスタンスを監視したい場合は,これらの設定を三つそれぞれについて実施します。
それぞれの手順について説明します。
(a) インスタンス情報を設定する
PFM - RM for Oracleで監視するOracleのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - RMホストで実施します。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。Oracleのインスタンス情報の詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
表2-6 PFM - RM for Oracleのインスタンス情報
項目 | 説明 | 設定できる値 | デフォルト値 |
---|
oracle_sid | 監視対象となるOracleシステム識別子(環境変数ORACLE_SIDと同じ値)。 | 255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
| jpcconf inst setupコマンドの-instオプションで指定した値 |
oracle_home※1 | PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのOracleホームのフォルダ(環境変数ORACLE_HOMEと同じ値)。※2 | 255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
| - |
oracle_version | PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのバージョン番号。 | - Oracle 10gの場合:10
- Oracle 11gの場合:11
| 10 |
oracle_user※3 | Oracleを監視するアカウント。 指定できるアカウント,および必要な権限については,「(2) PFM - RM for Oracleで使用するOracleのアカウントの作成」を参照のこと。 | 255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
| sys |
oracle_passwd※3,※4 | oracle_userで指定したアカウントのパスワード。 | 255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
| - |
net_service_name※1,※5 | 監視対象のデータベースのネットサービス名。 監視対象のデータベースのネットサービス名については,Oracleのマニュアルを参照のこと。 | 255バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
| インスタンス名(oracle_sidの値) |
retry_time | Oracle接続時に認証エラーが出力された場合に,再接続を試みる秒数。 | 0~600(単位:秒)。 | 0 |
log_path | エージェントログの出力先フォルダ(絶対パス)。 | 245バイト以内の半角文字列。 ただし,次の文字は指定できない。
- タブ
- 次の記号
「/」「:」「,」「;」「*」「?」「"」「<」「>」「|」
- 注意
- デフォルト以外のフォルダを設定する場合,インストール先フォルダ配下となるパスは指定できない。
- ほかのインスタンス出力先として指定している値は指定できない。
| インストール先フォルダ¥agt1¥agent¥インスタンス名¥log |
log_size | エージェントログの1ファイルの最大サイズ。※6 | 1~32(単位:メガバイト)。 ただし,推奨は16以上。 | 16 |
timeout※7 | クエリー時のOracleアクセスのタイムアウト時間。 | 0,10~3600(単位:秒)。 0を指定した場合はタイムアウト監視を行わない。1~9を指定した場合は,実行時,10に変更する。 タイムアウトについては,「2.6.5 レコード収集でのOracleアクセスのキャンセル機能」を参照のこと。 | 0 |
sql_option※8 | 「Y」を指定した場合,PI_PIDB,PD_PDTSレコードで,次の項目※8の情報収集を行わず,0またはnumeric_10で指定した値を設定する。 | {Y|N} | N |
numeric_10※9 | sql_optionが「Y」の場合,情報収集しない項目に設定する値を指定する。sql_optionが「N」の場合,指定を無視する。 | 0~99999。 ただし,設定するフィールドのデータ型の最大値(shortの場合32767,ushortの場合65535)を超える値を指定した場合,データ型の最大値が設定される。※10 | 0 |
startup_always | PFM - RM for Oracle起動時に監視対象のOracleが起動処理中であった場合などに,PFM - RM for OracleがOracle接続エラーで停止することがある。 「Y」を指定した場合,接続エラーが発生しても起動処理を継続する。「N」を指定した場合,この動作を有効にしない。 | {Y|N} | Y |
localtemp_option※11 | PD_PDDB, PI_PIDB,PD_PDDF,PI_PIDF,PD_PDTF, PD_PDTS,PD_PCTSレコードのローカル管理一時表領域の空き容量の情報の表示を切り替えるオプション。 「Y」を指定した場合,使用されていないサイズを表示する。「N」を指定した場合,未割り当てのサイズを表示する。 | {Y|N} | N |
- (凡例)
- -:なし
- 注※1
- 監視対象プログラムを監視する場合,Oracle Client 32-bitのインストールと環境設定が必要です。また,jpcconf inst setupコマンドを実行する際,各項目について次のように設定してください。
- 「oracle_home」
Oracle Client 32-bitのOracleホームを設定してください。
- 「net_service_name」
Oracle Client 32-bitで設定したネットサービス名を指定してください。
- Oracle Client 32-bitで設定するネットサービス名には,監視するOracleインスタンスに接続するネットサービス名を指定してください。
- Oracle Client 32-bitのインストールと環境構築が完了していない状態で,インスタンス情報の「oracle_home」に,Oracle Client 32-bitがインストールされていないOracle DatabaseまたはOracle Client 64-bitのORACLE_HOMEを指定して,PFM - Agent for Oracleを起動すると,KAVL18020-Eのメッセージが表示されます。
- 注※2
- PFM - RM for OracleがOracle Databaseのクライアントライブラリを使用する(Oracle DatabaseにOracle Client 32bit がインストールされている)場合には,Oracle DatabaseのOracleホームを指定してください。
- 注※3
- PFM - RM for Oracleは,Oracleのパスワード認証で動作します。
- 注※4
- oracle_passwdにパスワードの有効期限が設定されている場合,有効期限に達するとOracleとの接続エラーが起こり,パフォーマンス情報を収集できません。Oracleとの接続エラーを起こさないようにするために,パスワードの有効期限が切れる前に,次のどちらかを設定してください。
- パスワードの有効期限を解除します。
- パスワードの更新後,jpcconf inst setupコマンドを実行し,oracle_passwdを更新します。
- なお,mk_rmus.sqlで作成したOracleのアカウントには,Oracleが提供しているDEFAULTのプロファイルが適用されます。
- 注※5
- PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントのネットワークサービス(tnsnames.oraなど)を設定している必要があります。
- また監視対象となるOracleのネットワークサービス定義(listener.oraなど)を設定し,リスナーを起動しておく必要があります。
- Oracle RAC構成のOracle Databaseインスタンスを監視するときは,各ノードのOracle Databaseインスタンスを監視するよう設定してください。設定方法については,Oracleのマニュアルを参照してください。
- また,tnsnames.oraファイルは次に示すフォルダに格納してください。
oracle_homeで指定したフォルダ¥network¥admin
- これ以外のフォルダに格納したときは,PFM - RM for OracleがOracle接続エラーとなります。
- 注※6
- エージェントログは,1インスタンスにつき最大4ファイルが採取されます。log_sizeの値は,次の条件を満たすことを確認して指定してください(log_pathがデフォルトの場合を含む)。
log_pathに指定したドライブの空き容量(メガバイト) > log_sizeの値×4 |
- ハードディスクに十分な空き容量がない場合,エージェントログが出力エラーとなります。エージェントログについては「7.3 ログ情報」を参照してください。
- 注※7
- タイムアウト値は,高負荷時(ピーク時)に収集するレコードの収集時間に応じて設定してください。
- 注※8
- PFM - RM for OracleではOracleの各セグメント関連の情報を取得するため,Oracleの静的ディクショナリー・ビュー DBA_SEGMENTSの検索をします。Oracleに大量のセグメント(数十万件以上のセグメント)が存在する場合,情報収集で非常に時間が掛かるときがあります。そのため,大量のセグメントが存在し,次の表に示す情報の収集が不要な場合,sql_optionを「Y」と設定して運用してください。
表2-7 レコード名とnumeric_10で指定した値(インスタンス情報の設定)
レコード名 | PFM - View名 | numeric_10で指定した値 |
---|
PD_PDTS | Segments | 有効 |
Extents | 有効 |
PI_PIDB | DB Files % | 有効 |
Log Files % | 有効 |
NextAlloc Fails | 有効 |
Tablespaces | 有効 |
Rollback Segments | 有効 |
Rollback Segments Trans | 有効 |
Blocks | 有効 |
Segments | 有効 |
Extents | 有効 |
Free Mbytes | 有効 |
Overextended | 有効 |
High Max Extent | 有効 |
Datafiles | 有効 |
Mbytes | 有効 |
Free Extents | 有効 |
Free% | 有効 |
Free Change | 有効 |
Write% | 有効 |
Write/sec | 有効 |
Redo Files | 有効 |
Links | 有効 |
Links Logged On | 有効 |
Links In Tran | 有効 |
Links Open Cursors | 有効 |
Used Change | 有効 |
Used Mbytes | 有効 |
Rollback Segments Hit% | 有効 |
Sort Segments | 有効 |
Sorting Users | 有効 |
Physical Blocks Read | デルタ項目のため,常に0設定。 |
Physical Blocks Written | デルタ項目のため,常に0設定。 |
Physical Reads | デルタ項目のため,常に0設定。 |
Physical Writes | デルタ項目のため,常に0設定。 |
- 注※9
- PFM - Web Consoleなどで表示した場合に,注※8の各フィールドに設定される値がOracle Databaseからの収集値なのか,または固定値なのかを判別するために指定する項目です。
- 注※10
- 各レコードのフィールドの形式が,「float」または「double」型の場合,データは浮動小数点数となるため,指定値によってまるめられる場合があります。
- (例)
- numeric_10の指定を32767と指定した場合,32760と表示される場合があります。
- 注※11
- localtemp_optionに「Y」を指定した場合,ローカル管理一時表領域の空き容量やエクステントに関しての情報を動的パフォーマンスビューのv$temp_extent_poolを使用して取得します。取得する情報の空き容量は,収集時に使用していた領域のサイズから未使用サイズを算出します。
- localtemp_optionに「N」を指定した場合,ローカル管理一時表領域の空き容量やエクステントに関しての情報を動的パフォーマンスビューのv$temp_space_headerを使用して取得します。取得する情報の空き容量は,未割り当てのサイズとなります。一度割り当てられたサイズは,一時表領域の再構築や再作成などをするまで解放されないため,解放されるまで空き容量は増加しません。
- v$temp_extent_poolビューを検索した場合,Oracleのインスタンスが休止状態となります。Oracle Databaseの性能に影響することがありますので,十分に検討してから設定してください。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
- 注意
- インスタンス環境を設定していない場合,PFM - RM for Oracleのサービスを起動できません。
- jpcconf inst setupコマンドを使用してインスタンス環境を構築する際,Oracle上に存在しないインスタンス名を指定した場合でもコマンドは正常に終了します。しかし,その後レコードの収集を開始すると,共通メッセージログに「KAVL18401-W」のメッセージが出力され,監視対象のOracleに接続できません。この場合,正しいインスタンス名を確認の上,再度jpcconf inst setupコマンドを実行してください。
- 複数のPFM - RM for Oracleで同じOracleインスタンスを監視しないでください。また,PFM - RM for OracleとPFM - Agent for Oracleで同じOracleインスタンスを監視しないでください。
インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。
- サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcconf inst setupコマンドを実行する。
例えば,PFM - RM for Oracleのインスタンス名SDCのインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。
jpcconf inst setup -key RMOracle -inst SDC
なお,インスタンス名に「sql」という名称は使用できません。
jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
- PFM - RM for Oracleのインスタンス情報を設定する。
表2-6に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したインスタンス情報を変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.6.3 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
- インスタンス環境のフォルダ構成
次のフォルダ下にインスタンス環境が構築されます。
物理ホストの場合:インストール先フォルダ¥agt1
論理ホストの場合:環境フォルダ※¥jp1pc¥agt1
- 注※
- 環境フォルダとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のフォルダです。
構築されるインスタンス環境のフォルダ構成を次に示します。
表2-8 インスタンス環境のフォルダ構成
フォルダ名・ファイル名 | 説明 |
---|
agent | インスタンス名 | jpcagt.ini | Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイル |
jpcagt.ini.model※ | Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル |
status.dat | 内部処理用中間ファイル |
tstatuses.dat | 仮想Agentステータス情報 |
targetlist.ini | 監視対象一覧 |
grouplist.ini | グループ一覧 |
GARULES.DAT | グループ化ルールの記述一覧 |
targets | リモートエージェント格納フォルダ |
groups | グループエージェント格納フォルダ |
log | ログファイル格納フォルダ |
store | インスタンス名 | jpcsto.ini | Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイル |
jpcsto.ini.model※ | Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル |
*.DB | パフォーマンスデータファイル |
*.IDX | パフォーマンスデータファイルのインデクスファイル |
*.LCK | パフォーマンスデータファイルのロックファイル |
status.dat | 内部処理用中間ファイル |
*.DAT | データモデル定義ファイル |
dump | エクスポート先フォルダ |
import | 標準のデータベースインポート先フォルダ |
backup | バックアップ先フォルダ |
log | ログファイル格納フォルダ |
partial | 標準のデータベース部分バックアップ先フォルダ |
STPD | PDレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先フォルダ |
STPI | PIレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先フォルダ |
- 注※
- インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。
- インスタンス環境のサービスID
インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。
- Remote Monitor Collectorサービスの場合
1Aインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]
- Remote Monitor Storeサービスの場合
1Sインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]
- Group Agentサービスの場合
1Aインスタンス番号 インスタンス名[All@ホスト名]
PFM - RM for Oracleの場合,インスタンス名にはjpcconf inst setupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。
例えば,ホスト名が「host1」で,インスタンス名に「SDC」を指定した場合,サービスIDは次のようになります。
- Remote Monitor Collectorサービスの場合
1A1SDC[host1]
- Remote Monitor Storeサービスの場合
1S1SDC[host1]
- Group Agentサービスの場合
1A1SDC[All@host1]
サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。
- インスタンス環境のWindowsのサービス名
インスタンス環境のWindowsのサービス名は次のようになります。
- Remote Monitor Collectorサービスの場合
PFM - RM for Oracle インスタンス名[論理ホスト名]
- Remote Monitor Storeサービスの場合
PFM - RM Store for Oracle インスタンス名[論理ホスト名]
例えば,論理ホスト名が「lhost」で,インスタンス名に「SDC」を指定した場合,サービス名は次のようになります。
- Remote Monitor Collectorサービスの場合
PFM - RM for Oracle SDC[lhost]
- Remote Monitor Storeサービスの場合
PFM - RM Store for Oracle SDC[lhost]
Windowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。また,論理ホストで運用する場合のWindowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。
(b) 監視対象を設定する
監視対象の設定では,「(a) インスタンス情報を設定する」で設定したインスタンスに監視対象ホストの情報を設定します。複数のホストを監視対象として設定する場合は,次の手順を繰り返し実施します。
監視対象の設定は,PFM - RMホストで実施します。
設定する情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。
表2-9 PFM - RM for Oracleの監視対象の設定
項目 | 説明 | 設定できる値 | デフォルト値 | jpcconf target setupコマンドによる再更新の可/不可 |
---|
Target Host | 監視対象となるOracleが稼働しているホスト名。 論理ホストの場合は,論理ホスト名。 | 1~32バイトの半角英数字およびハイフン(-)だけ使用できる。ただし,「-」から始まる名前は指定できない。 インスタンス内でユニーク※1である必要がある。 | -※2 | 可 |
- (凡例)
- -:なし
- 注※1
- 「All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。
- 注※2
- 指定を省略した場合は,PFM - RMホストのホスト名が仮定されます。
- 注意
- PFM - RM for Oracleを起動するためには,監視対象の設定が必要です。
監視対象を設定しないでPFM - RM for Oracleを起動した場合,共通メッセージログに「KAVL18639-E」のメッセージが出力され,PFM - RM for Oracleは停止します。
- PFM - RM for Oracleは,インスタンス環境で指定したoracle_sidで,監視対象のOracleインスタンスを特定します。
Target Hostで指定したホスト名はヘルスチェックだけに使用され,Oracleインスタンスへの接続には使用されません。
Target Hostに不正なホスト名を指定した場合,パフォーマンスデータの収集状況と,ヘルスチェック結果は一致しないことがあります。
- 監視対象の設定で指定した値が不正な場合でも,監視対象の生成コマンドは正常に終了します。
- 監視対象となるOracleインスタンスのホストにファイアウォールが設定されている場合,PFM - RM for Oracleが使用するOracleクライアントからの接続が拒否されないように設定してください。Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。また,Oracleの環境設定後は,Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境かどうか確認してください。
監視対象の環境を構築するには,jpcconf target setupコマンドを使用します。監視対象の環境の構築手順を次に示します。
- サービスキー,インスタンス名および監視対象名を指定して,jpcconf target setupコマンドを実行する。
jpcconf target setup -key RMOracle -inst インスタンス名 -target 監視対象名
- PFM - RM for Oracleの監視対象の情報を設定する。
表2-9に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力値とする場合は,リターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,インストール先フォルダ¥agt1以下に監視対象の環境が構築されます。構築時に入力した監視対象の情報を変更したい場合は,再度jpcconf target setupコマンドを実行し,監視対象の環境を更新してください。監視対象の環境の更新については,「2.6.2 監視対象の更新の設定」を参照してください。
構築される監視対象の環境のフォルダ構成を次に示します。
表2-10 監視対象の環境のフォルダ構成
フォルダ名・ファイル名 | 説明 |
---|
agent | インスタンス名 | targets | 監視対象名.ini | 監視対象設定ファイル |
監視対象名.ini.model | 監視対象設定ファイルのモデル |
(c) Oracle Databaseへオブジェクトを登録する
PFM - RM for OracleでOracle Databaseを監視するためには,監視先のOracle Databaseに対して,PFM - RM for Oracleが提供するオブジェクトを登録する必要があります。ここでは,PFM - RM for Oracleが提供しているSQLスクリプトを次の手順で実行します。なお,この手順は,Oracle Databaseのインスタンスを監視するアカウントごとに,1回だけ必要です。
- Oracleのsqlplusコマンドが実行できる環境を設定する。
Oracleの環境設定については,Oracleのマニュアルを参照してください。
- PFM - RM for Oracleが提供しているsp_rist.sqlがある,次のフォルダに移動する。
インストール先フォルダ¥agt1¥agent¥sql
- 監視先のOracle Databaseに対して,sp_rist.sqlスクリプトを実行する。
sp_rist.sqlスクリプトによって,PFM - RM for OracleがOracleを監視する時に必要なオブジェクト(監視用のプロシージャや作業用のテーブル)をOracleに登録します。
(例)
sqlplus Oracleのアカウント@監視対象のデータベースのネットサービス名/Oracleのアカウントのパスワード @sp_rist.sql
- sqlplusは,ORACLE Corporationが提供しているコマンドです。
- Oracleのアカウントには,oracle_userの値を指定してください。ここで実行したOracleのアカウントでデータベースにオブジェクトが作成されます。また,アンセットアップの際には,同じOracleのアカウントで実行する必要があります。
- OracleのアカウントにSYSユーザーを使用する場合,AS SYSDBAオプションを指定しないで,sp_rist.sqlスクリプトを実行するとエラーになる場合があります。その場合は,AS SYSDBAオプションを指定して実行してください。
このコマンドの実行で,次の表に示すテーブルおよびパッケージが作成されます。
表2-11 作成されるテーブルおよびパッケージ
テーブル | パッケージ |
---|
LSC_14_PLAN_TABLE※ | LSC_14_PDAS,LSC_14_73_PDDB,LSC_14_PDDB2,LSC_14_PDI,LSC_14_73_PIDB,LSC_14_PIDB2,LSC_14_PIDB3 |
- 注※
- 5メガバイト以上の表領域を確保しておく必要があります。LSC_14_PLAN_TABLEは,SQL TEXT(PD_PDSQ)レコードを収集した場合に使用されます。
(d) Oracle Databaseを設定する
PFM - RM for Oracleが提供するレコードで,次の表に示すパフォーマンスデータを収集するためには,Oracle Databaseの初期化パラメーター「TIMED_STATISTICS」の値を「TRUE」に変更する必要があります。
表2-12 TIMED_STATISTICS=TRUEを設定しないと収集できない項目
レコード | フィールド |
---|
Data File Interval(PI_PIDF) | Write Time(WRITE_TIME) |
Session Detail(PD_PDS) | Avg Wait(AVERAGE_WAIT) |
Avg Wait String(AVERAGE_WAIT_STRING) |
Time Waited(TIME_WAITED) |
Time Waited String(TIME_WAITED_STRING) |
Session Statistics Summary(PD_PDS2) | Statement CPU(STATEMENT_CPU) |
- 注意
- 初期化パラメーターファイルを変更した場合は,データベースインスタンスの再起動が必要です。
- サーバ・パラメーターファイルの値を変更した場合,初期化パラメーターファイルによる変更よりも優先されることがあります。
- 初期化パラメーターのTIMED_STATISTICSをTRUEに設定すると,時間の統計に関するオーバーヘッドが発生し,Oracle Databaseの性能に影響することがありますので,十分に検討してから設定してください。詳細については,Oracleのマニュアルを参照してください。
(4) ネットワークの設定![[図データ]](figure/zu12001.gif)
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。
ネットワークの設定には次の二つの項目があります。
- IPアドレスを設定する
Performance Managementを複数のLANに接続されたネットワークで使用するときに設定します。複数のIPアドレスを設定するには,jpchostsファイルにホスト名とIPアドレスを定義します。設定したjpchostsファイルはPerformance Managementシステム全体で統一させてください。
詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- ポート番号を設定する
Performance Managementが使用するポート番号を設定できます。運用での混乱を避けるため,ポート番号とサービス名は,Performance Managementシステム全体で統一させてください。
ポート番号の設定の詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(5) ログのファイルサイズ変更![[図データ]](figure/zu12001.gif)
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合に必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(6) パフォーマンスデータの格納先の変更![[図データ]](figure/zu12001.gif)
PFM - RM for Oracleで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先またはエクスポート先のフォルダを変更したい場合に必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトでは次の場所に保存されます。
- 保存先:インストール先フォルダ¥agt1¥store¥インスタンス名¥
- バックアップ先:インストール先フォルダ¥agt1¥store¥インスタンス名¥backup¥
- 部分バックアップ先:インストール先フォルダ¥agt1¥store¥インスタンス名¥partial
- エクスポート先:インストール先フォルダ¥agt1¥store¥インスタンス名¥dump¥
- インポート先:インストール先フォルダ¥agt1¥store¥インスタンス名¥import
- 注意
- 論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「インストール先フォルダ」を「環境フォルダ¥jp1pc」に読み替えてください。
詳細については,「2.6.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(7) PFM - RM for Oracleの接続先PFM - Managerの設定
PFM - RMがインストールされているホストで,そのPFM - RMを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。
- 注意
- 同一ホスト上に,複数のPFM - RMがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,一つだけです。PFM - RMごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
- PFM - RMとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
手順を次に示します。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
- 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。
例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。
jpcconf mgrhost define -host host01
(8) 動作ログ出力の設定![[図データ]](figure/zu12001.gif)
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録K 動作ログの出力」を参照してください。