ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - RM for Oracleのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
システム全体のディスク占有量の見積もり値をOSごとに記載します。
(a) Windowsの場合
PFM - RM for Oracleのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
上記を踏まえ,Windowsの場合の,システム全体のディスク占有量の見積もり値を次の表に示します。
表A-5 システム全体のディスク占有量(Windowsの場合)
PFM - RM for Oracleの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) |
---|---|
Windows Server 2003,Windows Server 2008 | |
インストール時※1 | 10 |
初期状態での運用※2 | 110 |
運用時 | a + b |
(b) UNIXの場合
PFM - RM for Oracleのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
上記を踏まえ,UNIXの場合の,システム全体のディスク占有量の見積もり値を次の表に示します。
表A-6 システム全体のディスク占有量(UNIXの場合)
PFM - RM for Oracleの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) |
---|---|
Linux | |
インストール時※1 | 20 |
初期状態での運用※2 | 120 |
運用時 | a + b |
(2) Storeデータベースのディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに集約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
表A-7 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 集約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 10(固定値) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-8 デフォルトの保存期間と保存レコード数
レコードタイプ | データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|---|
PI | 分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 | |
日単位 | 54週 | 378 | |
週単位 | 54週 | 54 | |
月単位 | 12か月 | 12 | |
年単位 | 10年 | (収集年数)*1 | |
PD | - | 7日 | 10,080 |
表A-9 レコードのインスタンス数の算出方法
項番 | レコード | インスタンス数取得SQL文,または算出方法 |
---|---|---|
1 | PI | インスタンス数は1です |
2 | PI_PIDB | インスタンス数は1です |
3 | PI_PIDF | 下記の2種のSQL文から求められる結果の加算値です
|
4 | PI_PIIO | SELECT count(*) FROM v$sess_io a, v$session b, v$process c WHERE a.sid=b.sid AND b.paddr=c.addr |
5 | PI_PIPQ | SELECT count(*) FROM v$pq_slave |
6 | PI_PITS | SELECT count(*) FROM sys.dba_tablespaces |
7 | PI_PMDB | インスタンス数は1です |
8 | PI_PMDF | 下記の2種のSQL文から求められる結果の加算値です
|
9 | PI_PMTS | SELECT count(*) FROM sys.dba_tablespaces |
10 | PD | インスタンス数は1です |
11 | PD_PCI | インスタンス数は1です |
12 | PD_PDAS | インスタンス数は1です |
13 | PD_PDDB | インスタンス数は1です |
14 | PD_PDDF | 下記のすべてのSQL文から求められる結果の合算値です
|
15 | PD_PDI | インスタンス数は1です |
16 | PD_PDIA | インスタンス数は1です |
17 | PD_PDLW | SELECT count(*) FROM dba_waiters a, v$session b, v$session c WHERE a.holding_session=b.sid AND a.waiting_session=c.sid |
18 | PD_PDOC | SELECT count(*) FROM v$open_cursor a, v$session b WHERE a.sid=b.sid |
19 | PD_PDP | SELECT count(*) FROM v$parameter |
20 | PD_PDS | SELECT count(*) FROM v$session a, v$process b WHERE a.paddr=b.addr |
21 | PD_PDS2 | SELECT count(*) FROM (SELECT DISTINCT sid FROM v$sesstat a, v$statname b WHERE a.statistic#=b.statistic#) |
22 | PD_PDSG | SELECT count(*) FROM v$sgastat |
23 | PD_PDTF | SELECT count(*) FROM sys.dba_tablespaces |
24 | PD_PDTS | SELECT count(*) FROM sys.dba_tablespaces |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)
)
l:PIレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードで収集しているレコードの数
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
l:PIレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードで収集しているレコードの数
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
l:PIレコードで収集しているレコードの数
m:PDレコードで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - RM for OracleのStoreデータベースの見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_PITSとPD_PDTSを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_ PITSレコードの見積もりについて説明します。「(a) 見積もり式」のディスク占有量の見積もり式の,a~gの値を調べます。
d=678
e=291
f=今回は3とする
g=今回は60秒とする
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
X(分)={(291+2)*4+(678+60)*{((291+2)*4)/(65,250-678)+1}}*1,440/1*
(3+1)*1.1
={1,172+738*1}*6,336
=1,910*6,336
=12,101,760(バイト)=約12メガバイト
X(時)={(291+2)*4+(678+60)*{((291+2)*4)/(65,250-678)+1}}*24/1*
(3+1)*1.1
={1,172+738*1}*105.6
=1,910*105.6
=201,696(バイト)=約0.2メガバイト
X(日)={(291+2)*4+(678+60)*{((291+2)*4)/(65,250-678)+1}}*7/1*
(1+1)*1.1
={1,172+738*1}*15.4
=1,910*15.4
=29,414(バイト)=約0.03メガバイト
X(週)={(291+2)*4+(678+60)*{((291+2)*4)/(65,250-678)+1}}*1/1*
(1+1)*1.1
={1,172+738*1}*2.2
=1,910*2.2
=4,202(バイト)=約0.005メガバイト
X(月)={(291+2)*4+(678+60)*{((291+2)*4)/(65,250-678)+1}}*1/1*
(1+1)*1.1
={1,172+738*1}*2.2
=1,910*2.2
=4,202(バイト)=約0.005メガバイト
X(年)={(291+2)*4+(678+60)*{((291+2)*4)/(65,250-678)+1}}*1/1*
(10+1)*1.1
={1,172+738*1}*12.1
=1,910*12.1
=23,111(バイト)=約0.03メガバイト
以上から,PI_PITSの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=12.27メガバイト
=約13メガバイト
次にPD_PDTSレコードの見積もりについて説明します。
a=1,440
b=60/60 =1
c=7日とする
d=678バイト
e=117バイト
f=今回は10とする
g=今回は60秒とする
見積もり式を次に示します。
X={(117+2)*12+(678+60)*{((117+2)*12)/(65,250-678)+1}}*1,440/1*(7+1)*
1.1
={1,428+738*1}}*12,672
=2,166*12,672
=27,447,552(バイト)=約27メガバイト
したがって,必要なディスク占有量はPI_PITS+PD_PDTS=40メガバイトとなります。
●ファイル数
PI,PI_PITS,PD,およびPD_PDTSを収集する場合を例に挙げて説明します。「(a) 見積もり式」のファイル数の見積もり式の,可変値を調べます。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
A11~A1l:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする
A21~A2l:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)=今回は3日とする
A31~A3l:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする
A41~A4l:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)=今回は1週とする
A51~A5l:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)=今回は1月とする
B1~Bm:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)=今回は10日とする
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1l+l)+
(A21+A22+...+A2l+l)+
(A31+A32+...+A3l+l)+
(A41+A42+...+A4l+l)+
(A51+A52+...+A5l+l)+
(11*l)+
(B1+B2+...+Bm+m)+
)
=20+2*{
[3(PI分)+3(PI_PITS分)+2]+
[3(PI分)+3(PI_PITS分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_PITS分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_PITS分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_PITS分)+2]+
[11*2]+
[10(PD分)+10(PD_PDTS分)+2]
}
=20+2*{8+8+4+4+4+22+22}=164
●ディレクトリ数
PI,PI_PITS,PD,およびPD_PDTSを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が"分"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする(考え方:PIが2日,PI_PITSが3日の場合は3日となります)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は3日とする
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が"週"のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)=今回は1週とする
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの集約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)=今回は1月とする
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)=今回は10日とする(考え方:PD_PDTSが8日,PDが10日の場合は10日となります)
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10)=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI,PI_PITS,PD,およびPD_PDTSを収集する場合を例に挙げて説明します。
l:PIレコードで収集しているレコードの数=2
m:PDレコードで収集しているレコードの数=2
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*2+2)=48