1.3.4 データ更新処理パフォーマンス
Oracle Databaseのデータ更新処理パフォーマンスの低下を防ぐために,Oracleを監視します。データ更新処理のパフォーマンス低下を防ぐためのOracle監視には,次のような項目が考えられます。
- バッファ・キャッシュ使用率
- データベースのデータやロールバック・ブロックの競合
- フリー・リストの競合
- <この項の構成>
- (1) データ更新処理パフォーマンスに関連する主なフィールド
- (2) 監視方法
(1) データ更新処理パフォーマンスに関連する主なフィールド
データ更新処理パフォーマンスに関連するレコードとフィールドを次の表に示します。
表1-2 データ更新処理パフォーマンスに関連するレコードとフィールド
使用レコード | 使用フィールド | 値の見方(例) |
---|
PI | Cache Hit % | バッファ・キャッシュ使用率。 |
Buffer Busy Wait % | バッファビジー待機率。 |
Free List Wait Events | 空きリストの待機イベント。 |
(2) 監視方法
- バッファ・キャッシュ使用率の監視
- バッファ・キャッシュ使用率は,監視テンプレートで提供している「Buffer Cache Usageアラーム」を使用することで監視することができます。
- データベースのデータやロールバック・ブロックの競合の監視
- データベースのデータやロールバック・ブロックの競合は,監視テンプレートで提供している「Buffer Cache Waitsアラーム」を使用することで監視することができます。データベースのデータやロールバック・ブロックの競合は,「バッファ・キャッシュ使用率」と合わせて監視すると効果的です。
- Buffer Cache Usageがしきい値以下,かつBuffer Cache Waitsがしきい値以上の場合,バッファ・キャッシュが不足していることが考えられます。バッファ・キャッシュが不足するとディスクI/Oが発生し,データ更新処理パフォーマンスの低下を招くおそれがあります。DB_CACHE_SIZEを増やすなどして対応します。
- フリー・リストの競合の監視
- フリー・リストの割合は,監視テンプレートで提供している「Free List Waitsアラーム」を使用することで監視できます。
- Free List Waitsがしきい値以上の場合,セグメントのフリー・リストが不足していることが考えられます。フリー・リストが不足すると,データ更新処理パフォーマンスの低下を招くおそれがあります。STORAGE句にFREE LISTSオプションを付けて表を再構築するなどして対応します。