2.1.1 インストールとセットアップの前に(Windowsの場合)
PFM - RM for Oracleをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。
- <この項の構成>
- (1) 前提OS
- (2) ネットワークの環境設定
- (3) インストールに必要なOSユーザー権限について
- (4) 前提プログラム
- (5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
- (6) 注意事項
(1) 前提OS
PFM - RM for Oracleが動作するOSを次に示します。
- Windows Server 2003
- Windows Server 2008
(2) ネットワークの環境設定
Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。
(a) IPアドレスの設定
PFM - RMのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してください。IPアドレスが解決できない環境では,PFM - RMは起動できません。
監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名を使用できます。
Windowsシステムではhostnameコマンド,UNIXシステムではuname -nコマンドを実行して確認したホスト名で,IPアドレスを解決できるように環境を設定してください。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。
- Performance Managementのホスト情報設定ファイル(jpchostsファイル)
- hostsファイル
- DNS(Domain Name System)
監視ホスト名には,実ホスト名またはエイリアス名を使用します。
- 実ホスト名を使用する場合
Windows環境では,hostnameコマンドの実行結果で確認できるホスト名でIPアドレスを解決できるように設定してください。
なお,Performance Managementは,DNS環境でも運用できますが,FQDN(Fully Qualified Domain Name)形式のホスト名には対応していません。このため,監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。
- エイリアス名を使用する場合
設定しているエイリアス名でIPアドレスを解決できるように環境設定をしてください。
監視ホスト名の設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,システム構築の変更について説明している章を参照してください。
- IPアドレス設定時の注意
- 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。このため,すべての監視ホストには,固定のIPアドレスを設定してください。
(b) ポート番号の設定
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
表2-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(Windowsの場合)
機能 | サービス名 | パラメーター | ポート番号 | 備考 |
---|
サービス構成情報管理機能 | Name Server | jp1pcnsvr | 22285 | PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。 |
NNM連携機能 | NNM Object Manager | jp1pcovsvr | 22292 | PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャとオブジェクトマネージャの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 |
サービス状態管理機能 | Status Server | jp1pcstatsvr | 22350 | PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。 PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 |
監視コンソール通信機能 | View Server | jp1pcvsvr | 22286 | PFM - ManagerのView Serverサービスで使用されているポート番号です。 PFM - Managerがインストールされているホストで設定されています。 |
Webサービス機能 | Web Service | - | 20358 | PFM - Web ConsoleのWeb Serviceサービスで使用されているポート番号です。 |
Webコンテナ機能 | Web Console | - | 20359 20360 | PFM - Web ConsoleのWeb Consoleサービスで使用されているポート番号です。 |
これらのPFM - RMが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
PFM - RM for Oracleをインストールするときは,必ず,Administrator権限を持つアカウントで実行してください。
(4) 前提プログラム
ここでは,PFM - RM for Oracleをインストールする場合に必要な前提プログラムについて説明します。
なお,PFM - RM for OracleをインストールしたホストをPFM - RMホストと呼びます。
プログラム構成には,大きく分けて次の二つの場合があります。システム環境に応じて,プログラム構成を検討してください。
- PFM - ManagerホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合
- PFM - Managerと同一ホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合のプログラム構成です。このプログラム構成の場合,PFM - RM for Oracleと同じホストにOracle Clientをインストールする必要があります。
- この場合のプログラム構成を次の図に示します。
図2-1 プログラムの構成(PFM - Managerと同一ホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合(Windowsの場合))
![[図データ]](figure/zuo02006.gif)
- PFM - Managerホストとは異なるホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合
- PFM - Managerとは異なるホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合のプログラム構成です。
- このプログラム構成の場合,PFM - RM for Oracleと同じホストにPFM - Base,およびOracle Clientをインストールする必要があります。この場合のプログラム構成を次の図に示します。
図2-2 プログラムの構成(PFM - Base,およびOracle Clientと同一ホストにPFM - RM for Oracleをインストールする場合(Windowsの場合))
![[図データ]](figure/zuo02001.gif)
(a) 監視対象プログラム
PFM - RM for Oracleの監視対象プログラムを次に示します。
- Oracle Database Standard Edition
- Oracle Database Standard Edition One
- Oracle Database Enterprise Edition
仮想化OS上で監視対象プログラムを監視する場合,監視対象プログラムが仮想化OS上で保障している機能だけが監視対象となります。
(b) Performance Managementプログラム
PFM - RMホストには,PFM - RMとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - RMの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - RMをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。
ただし,PFM - ManagerとPFM - RMを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。
また,PFM - RM for Oracleを使ってOracleの稼働監視を行うためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「3. クラスタシステムでの運用」を参照してください。
(6) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。
(a) 環境変数に関する注意事項
Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - RMをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
- PFM - ManagerとPFM - RMを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - RMの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Managerをインストールしてから PFM - RMをインストールしてください。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - RMがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - RMの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - RMがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - RMの順でインストールしてください。
- PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - RMをインストールすると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,PFM - RMの接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
- PFM - RMがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールすると,PFM - RMの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。
- PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - RMをインストールする場合は,ブラウザーの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
- Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
- ポイント
- システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - RMはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
(c) バージョンアップの注意事項
古いバージョンのPFM - RMからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
なお,バージョンアップの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。
- Performance Managementのプログラムをインストールするときは,ローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止しておいてください。なお,停止するサービスは物理ホスト上および論理ホスト上のすべてのサービスです。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
- すでにPerformance ManagementプログラムがインストールされているホストにPFM - RMをインストールする場合,PFM - RMのインストールパスは,すでにインストールされているPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムのインストールパスと同じになります。インストールパスを変更したい場合は,インストール済みのPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムをすべて削除し,インストールし直す必要があります。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - RMがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - RMの順でインストールしてください。また,PFM - ManagerとPFM - RMがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - RMの順でインストールしてください。
- バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースが自動的にバージョンアップされるため,一時的にStoreデータベースのディスク占有量が2倍になります。バージョンアップインストールを行う前に,Storeデータベースの格納先のディスクに十分な空き容量があるかどうか確認してください。
(d) その他の注意事項
- 監視対象プログラムを監視する場合,Oracle Client 32-bitのインストールと環境設定が必要です。
- インストール先フォルダには,次の文字を含むパスは指定しないでください。
「(」,「)」
これらの文字が含まれていた場合,インストールには成功しますが,PFM - RM for Oracleの起動に失敗することがあります。
- 論理ホスト環境の共有ディスクのフォルダ名に,次の文字を含むパスは指定しないでください。
「(」,「)」
これらの文字が含まれていた場合,PFM - RM for Oracleの起動に失敗することがあります。
- Performance Managementのプログラムが一つもインストールされていない環境に新規インストールする場合は,インストール先フォルダにファイルやフォルダがないことを確認してください。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままインストールした場合,システムの再起動を促すメッセージが表示されることがあります。この場合は,メッセージに従ってシステムを再起動し,インストールを完了させてください。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままの状態,ディスク容量が不足している状態,またはフォルダ権限がない状態でインストールした場合,ファイルの展開に失敗することがあります。Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラムが起動している場合はすべて停止してからインストールし直してください。ディスク容量不足やフォルダ権限不足が問題である場合は,問題を解決したあとでインストールし直してください。