8.2.1 セットアップやサービスの起動について

セットアップやサービスの起動に関するトラブルの対処方法を次に示します。

<この項の構成>
(1) Performance Managementのプログラムのサービスが起動しない
(2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる
(3) Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない
(4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとMaster StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスが停止する
(5) PFM - RMのRemote Monitor Collectorサービスが起動しない
(6) Windowsのセキュリティイベントログに「失敗の監査」(イベントID:4625または4776)が記録される

(1) Performance Managementのプログラムのサービスが起動しない

考えられる要因とその対処方法を次に示します。

(2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる

jpcspm startコマンドを実行してから,または[サービス]アイコンでサービスを開始してから,実際にサービスが起動するまで時間が掛かることがあります。次の要因で時間が掛かっている場合,2回目の起動時からはサービスの起動までに掛かる時間が短縮されます。

(3) Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない

Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,このサービスが使用していたポート番号で,ほかのプログラムがサービスを開始した場合,通信が正しく実行されないことがあります。この現象を回避するために,次の設定をして運用してください。

(4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとMaster StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスが停止する

Storeデータベースが使用しているディスクに十分な空き容量がない場合,Storeデータベースへのデータの格納が中断されます。この場合,「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあと,Master StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスが停止します。

このメッセージが表示された場合,次のどちらかの方法で対処してください。

これらの対処を実施したあともMaster StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスが起動されない場合,Storeデータベースに回復できない論理矛盾が発生しています。この場合,バックアップデータからStoreデータベースをリストアしたあと,Master StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスを起動してください。利用できるバックアップデータが存在しない場合は,Storeデータベースを初期化したあと,Master StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスを起動してください。Storeデータベースを初期化するには,Storeデータベースの格納先ディレクトリにある次のファイルをすべて削除してください。

Storeデータベースの格納先ディレクトリについては,「2.6.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

(5) PFM - RMのRemote Monitor Collectorサービスが起動しない

PFM - RMホストがWindowsの場合,PFM - RMの起動時にRemote Monitor Collectorサービスの起動に失敗して,Windowsの再起動時,Windowsイベントログに,次のどちらかのメッセージが出力されることがあります。

この現象は,Windowsのサービスコントロールマネージャのタイムアウトによって発生するため,PFM - Managerへの通信負荷が高く,PFM - Managerからの応答に時間が掛かるときに発生しやすくなります。次の条件にすべて該当する場合に発生します。

この現象を回避するためには,次のどちらかの設定をして運用してください。

(6) Windowsのセキュリティイベントログに「失敗の監査」(イベントID:4625または4776)が記録される

監視対象ホストがWindowsの場合,Windowsのセキュリティイベントログに「失敗の監査」(イベントID:4625または4776)が記録されることがあります。

PFM - RM for Platformは,監視対象の設定時にユーザー名およびパスワードを指定したユーザーで監視対象ホストにWMI接続しますが,WMIは,プロセスの実行ユーザー(インスタンス環境の設定時にユーザー名およびパスワードを指定したユーザー)でも監視対象ホストに接続を試みるために発生する現象です。Windowsのセキュリティイベントログに「失敗の監査」(イベントID:4625または4776)が表示されても,性能情報が収集できていれば,問題はありません。

この現象を回避するためには,次の設定をして運用してください。

  1. PFM - RMホストと監視対象ホストに,ユーザー名とパスワードが同じユーザーを作成する。
  2. 1.で作成したユーザーのユーザー名およびパスワードを,インスタンス環境の設定項目のRMHost_UserおよびRMHost_Password,監視対象の設定項目のUserおよびPasswordに,次のとおり指定する。
    • インスタンス環境の設定項目のRMHost_User:ユーザー名
    • インスタンス環境の設定項目のRMHost_Password:パスワード
    • 監視対象の設定項目のUser:ユーザー名
    • 監視対象の設定項目のPassword:パスワード
    各設定項目の指定方法については,「2.1.4 セットアップ手順(Windowsの場合)」を参照してください。