ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - RM for Platformのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
PFM - RM for Platformのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
システム全体のディスク占有量の見積もりを次の表に示します。
表A-5 システム全体のディスク占有量
PFM - RM for Platformの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) | |
---|---|---|
Windows Server 2003, Windows Server 2008 | Linux | |
インストール時※ | 3 | 5 |
運用時 | a + b |
(2) Storeデータベースのディスク占有量
PFM - RM for PlatformのStoreデータベースのディスク占有量の見積もり式と見積もり例について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,監視対象ごとのデータベースのディスク占有量と,グループエージェントのデータベースのディスク占有量の総和となります。
一つの監視対象のデータベースのディスク占有量,またはグループエージェントのデータベースのディスク占有量は,レコードごとのディスク占有量の総和となります。
PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
Storeデータベースのディスク占有量の見積もり式を次に示します。
Z=Y0+Y1+...+Yn
Z=Y*(n+1)
一つの監視対象またはグループAgentのデータベースのディスク占有量Yの見積もり式を次に示します。
Y=X1+X2+...+Xn
レコードごとのディスク占有量の見積もり式を次に示します。
X=W1+W2+...+Wn
要約区分ごとのディスク占有量Wの見積もり式を次に示します。
W={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※}*a/b*(c+1)*1.1
変数a,変数b,および変数cに設定する値を次の表に示します。
表A-6 変数a,変数b,および変数cに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | 変数 | ||
---|---|---|---|---|
a | b | c | ||
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※ | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※ | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※ | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※ | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※ | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※ | 保存期間(単位:年) |
履歴データの保存期間を次の表に示します。
表A-7 履歴データの保存期間
レコードタイプ | データの種類 | 保存期間 |
---|---|---|
PD | - | 7日 |
PI | 分単位 | 1日 |
時単位 | 7日 | |
日単位 | 54週 | |
週単位 | 54週 | |
月単位 | 1年 | |
年単位 | 制限なし |
レコードのインスタンス数の算出方法を次の表に示します。
表A-8 レコードのインスタンス数の算出方法
レコード | インスタンス数の算出方法 | 確認要否 |
---|---|---|
PD | 単数インスタンスレコードのため1です。 | - |
PD_APP2 | アプリケーション監視で登録した数です。 | ○ |
PD_APPC | 各アプリケーション監視で登録したプロセスの数です。 | ○ |
PD_APPD | 各アプリケーション監視で登録したプロセスの数です。 | ○ |
PD_APS | 監視対象ホスト上のプロセス数です。 | ○ |
PD_ASVC | 監視対象ホスト上のサービス数です。 | ○ |
PI | 単数インスタンスレコードのため1です。 | - |
PI_CPU | 監視対象ホスト上のプロセッサ数+1(_Total)です。 | ○ |
PI_LDSK | 監視対象ホスト上の論理ディスク数+1(_Total)です。 | ○ |
PI_NET | 監視対象ホスト上のネットワークインターフェース数+1(_Total)です。 | ○ |
PI_PDSK | 監視対象ホストに割り当てられている物理ディスク数+1(_Total)です。 | ○ |
レコードのインスタンス数の確認方法について説明します。
表A-9 レコードのインスタンス数の確認方法(監視対象ホストがWindowsの場合)
レコード | 確認方法 | 説明 |
---|---|---|
PD_APP2 | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でリモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択し,[Remote Monitor Configuration]-[Application monitoring setting]ツリーを確認します。 | Application monitoring settingに登録されている数(最大:64)を確認してください。 ただし,MonitoringXX FieldがNone以外でかつMonitoringXX Conditionを指定している組み合わせがない場合,そのアプリケーションは対象外です。 |
PD_APPC | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でリモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択し,[Remote Monitor Configuration]-[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成されたアプリケーション名のツリーを確認します。 | 各アプリケーションに登録しているMonitoringXX FieldがNone以外でかつMonitoringXX Conditionを指定しているプロセスの総数(最大:64*15=960)を確認してください。 |
PD_APPD | ||
PD_APS | タスクマネージャーの[プロセス]タブを確認します。 | 「全ユーザーのプロセスを表示する」をチェックした状態で,表示されているプロセス数を確認してください。 |
PD_ASVC | Windowsの[スタート]メニューから表示される[管理ツール]-[サービス]ウィンドウを確認します。 | 登録されているサービス数を確認してください。 |
PI_CPU | Windowsの[スタート]メニューから表示される[管理ツール]-[パフォーマンス]ウィンドウを確認します。 | 次に示すパフォーマンスオブジェクトのインスタンスに表示されている数(_Total含む)を確認してください。
|
PI_LDSK | 次に示すパフォーマンスオブジェクトのインスタンスに表示されている数(_Total含む)を確認してください。
| |
PI_NET | 次に示すパフォーマンスオブジェクトのインスタンスに表示されている数+1(_Total)を確認してください。
| |
PI_PDSK | 次に示すパフォーマンスオブジェクトのインスタンスに表示されている数(_Total含む)を確認してください。
|
表A-10 レコードのインスタンス数の確認方法(監視対象ホストがUNIXの場合)
レコード | 確認方法 | 説明 |
---|---|---|
PD_APP2 | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でリモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択し,[Remote Monitor Configuration]-[Application monitoring setting]ツリーを確認します。 | Application monitoring settingに登録されている数(最大:64)を確認してください。 ただし,MonitoringXX FieldがNone以外でかつMonitoringXX Conditionを指定している組み合わせがない場合,そのアプリケーションは対象外です。 |
PD_APPC | PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でリモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択し,[Remote Monitor Configuration]-[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成されたアプリケーション名のツリーを確認します。 | 各アプリケーションに登録しているMonitoringXX FieldがNone以外でかつMonitoringXX Conditionを指定しているプロセスの総数(最大:64*15=960)を確認してください。 |
PD_APPD | ||
PD_APS | 次のコマンドを実行して確認します。
| コマンドによって返される値(プロセス数)を確認してください。 |
PI_CPU | 次のコマンドを実行して確認します。
| コマンドによって返される値(CPU数+1)を確認してください。 |
PI_LDSK | 次のコマンドを実行して確認します。
| コマンドによって返される値(ファイルシステム数+1)を確認してください。 |
PI_NET | 次のコマンドを実行して確認します。
| コマンドによって返される値(インターフェース数+1)を確認してください。 |
PI_PDSK | 次のコマンドを実行して確認します。
| コマンドによって返される値(ディスクデバイス数+1)を確認してください。 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)
)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*m+n)
(b) 見積もり例
PFM - RM for PlatformのStoreデータベースの見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_CPUとPDを収集する場合を例に挙げて説明します。
PI_CPUレコードの見積もりについて説明します。ディスク占有量の見積もり式の変数d~gに入る値を次に示します。変数d~gの意味については「(a) 見積もり式」を参照してください。
d=1,034(バイト)
e=544(バイト)
f=4
g=300(秒)
次に,分レコードや時レコードなど,それぞれの変数a~cに入る値と見積もり式について説明します。変数a~cの意味については「(a) 見積もり式」を参照してください。
a=1,440
b=1+(300-1)/60=5.98(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(分)={(544+2)*4+(1,034+60)*{((544+2)*4)/(65,250-1,034)+1}}*1,440/5*(3+1)*1.1
={2,184+1,094*1}*1,267.2
=3,278*1,267.2
=4,153,881(バイト)=約4(メガバイト)
a=24
b=1+(300-1)/3,600=1.08(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(時)={(544+2)*4+(1,034+60)*{((544+2)*4)/(65,250-1,034)+1}}*24/1*(3+1)*1.1
={2,184+1,094*1}*105.6
=3,278*105.6
=346,156(バイト)=約0.4(メガバイト)
a=7
b=1+(300-1)/86,400=1.00(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(日)={(544+2)*4+(1,034+60)*{((544+2)*4)/(65,250-1,034)+1}}*7/1*(1+1)*1.1
={2,184+1,094*1}*15.4
=3,278*15.4
=50,481(バイト)=約0.05(メガバイト)
a=1
b=1+(300-1)/604,800=1.00(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(週)={(544+2)*4+(1,034+60)*{((544+2)*4)/(65,250-1,034)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={2,184+1,094*1}*2.2
=3,278*2.2
=7,211(バイト)=約0.01(メガバイト)
a=1
b=1+(300-1)/2,592,000=1.00(小数点以下切り捨て)
c=1(月)
X(月)={(544+2)*4+(1,034+60)*{((544+2)*4)/(65,250-1,034)+1}}*1/1*(1+1)*1.1
={2,184+1,094*1}*2.2
=3,278*2.2
=7,211(バイト)=約0.01(メガバイト)
a=1
b=1+(300-1)/31,622,400=1.00(小数点以下切り捨て)
c=10(年)
X(年)={(544+2)*4+(1,034+60)*{((544+2)*4)/(65,250-1,034)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
={2,184+1,094*1}*12.1
=3,278*12.1
=39,663(バイト)=約0.04(メガバイト)
以上から,PI_CPUの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=4.51(メガバイト)
=約5(メガバイト)
次にPDレコードの見積もりについて説明します。ディスク占有量の見積もり式の変数d~gに入る値を次に示します。変数d~gの意味については「(a) 見積もり式」を参照してください。
a=1,440
b=300/60=5
c=7(日)
d=2,050(バイト)
e=0(バイト)
f=1
g=300(秒)
見積もり式を次に示します。
X={(0+2)*1+(2,050+60)*{((0+2)*1)/(65,250-2,050)+1}}*1,440/5*(7+1)*1.1
={2,112*1}*2,534.4
=2,112*2,534.4
=5,352,653(バイト)=約6(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量は,PI_CPU+PD=11(メガバイト)となります。
●ファイル数
PIとPDを収集する場合を例に挙げて説明します。ファイル数の見積もり式の変数に入る値を次に示します。変数の意味については「(a) 見積もり式」を参照してください。
m=1
n=1
A11~A1m=3(日)
A21~A2m=3(日)
A31~A3m=1(週)
A41~A4m=1(週)
A51~A5m=1(月)
B1~Bn=10(日)
見積もり式を次に示します。
N=20+2*{
[3(PI分)+1]+
[3(PI分)+1]+
[1(PI分)+1]+
[1(PI分)+1]+
[1(PI分)+1]+
[11*1]+
[10(PD分)+1]
}
=20+2*{4+4+2+2+2+11+11}=92
●ディレクトリ数
PIとPDを収集する場合を例に挙げて説明します。ディレクトリ数の見積もり式の変数に入る値を次に示します。変数の意味については「(a) 見積もり式」を参照してください。
A1max=3(日)
A2max=3(日)
A3max=1(週)
A4max=1(週)
A5max=1(月)
Bmax=10(日)
見積もり式を次に示します。
N=25+2*(3+3+1+1+1+11+10)=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PIとPDを収集する場合を例に挙げて説明します。Storeサービスがオープンするファイル数の見積もり式の変数mとnに入る値を次に示します。変数の意味については「(a) 見積もり式」を参照してください。
m=1
n=1
見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*1+1)=34
(c) クラスタ運用時のディスク占有量
クラスタ運用時のディスク占有量の見積もりは,クラスタシステムで運用しない場合のディスク占有量の見積もりと同じです。詳細については「(a) 見積もり式」を参照してください。