8.3.5 ブックマーク定義情報のバックアップとリストア
ここでは,次の場合に分けて,ブックマーク定義情報のバックアップおよびリストアについて説明します。
- ブックマーク定義情報がデフォルトの格納先ディレクトリにある場合
- ブックマーク定義情報の格納先ディレクトリを変更したい場合
- 接続先PFM - Managerを変更し,変更前に作成したブックマークを引き継ぎたい場合
- PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをクラスタ構成に移行し,移行前のブックマークを引き継ぎたい場合
- 注意
- ブックマーク定義情報をバックアップまたはリストアする場合,必ずPFM - Web Consoleのサービスを停止したあと,ディレクトリを手動でコピーし,任意の場所に保存してください。ただし,ブックマーク定義情報にはディレクトリ構成も含まれているため,ファイルやディレクトリの一部だけでなく,ブックマーク定義情報を格納しているディレクトリ全体を,一括バックアップおよび一括リストアする必要があります。
- <この項の構成>
- (1) ブックマーク定義情報がデフォルトの格納先ディレクトリにある場合
- (2) ブックマーク定義情報の格納先ディレクトリを変更したい場合
- (3) 接続先PFM - Managerを変更し,変更前に作成したブックマークを引き継ぎたい場合
- (4) PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをクラスタ構成に移行し,移行前のブックマークを引き継ぎたい場合
(1) ブックマーク定義情報がデフォルトの格納先ディレクトリにある場合
ブックマークやブックマークフォルダの定義情報は,デフォルトで次の場所にあります。
インストール先フォルダ※¥bookmarks¥ (Windowsの場合)
/opt/jp1pcwebcon※/bookmarks/ (UNIXの場合)
- 注※
- PFM - Web Consoleをクラスタシステムで論理ホスト運用している場合,環境ディレクトリになります。「環境ディレクトリ」とは,Performance Managementで論理ホスト環境をセットアップするときに,共有ディスク上に作成するディレクトリです。
ここでは,ブックマーク定義情報を格納しているディレクトリ全体を,バックアップおよびリストアする方法を説明します。
なお,ここではPFM - Web Consoleの接続先PFM - Managerのホスト名がhostAである場合を例に説明します。
●Windowsの場合
ブックマークの格納先フォルダ(デフォルトの場合)
インストール先フォルダ¥bookmarks¥hostA¥0¥
- バックアップ方法
- 「0」フォルダ全体を任意の場所にコピーするなどしてバックアップしてください。
- リストア方法
- インストール先フォルダ¥bookmarks¥hostA配下に「0」フォルダ全体をコピーするなどしてリストアしてください。
●UNIXの場合
ブックマークの格納先ディレクトリ
/opt/jp1pcwebcon/bookmarks/hostA/0/
- バックアップ方法
- 「0」ディレクトリ全体を任意の場所にコピーするなどしてバックアップしてください。
- リストア方法
- /opt/jp1pcwebcon/bookmarks/hostA配下に「0」ディレクトリ全体をコピーするなどしてリストアしてください。
(2) ブックマーク定義情報の格納先ディレクトリを変更したい場合
このような場合,まず,格納先ディレクトリを変更し,次に,変更後の格納先ディレクトリに変更前の定義情報を引き継ぐ必要があります。
(a) ブックマーク定義情報の格納先フォルダの設定
ブックマーク定義情報を格納するフォルダは,初期設定ファイル(config.xml)のbookmarkRepositoryに設定できます。
初期設定ファイル(config.xml)にブックマーク定義情報の格納先フォルダを設定する手順を次に示します。論理ホスト運用している場合は,実行系ノードと待機系ノードで,同じ格納先フォルダを設定する必要があります。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
初期設定ファイル(config.xml)は,次の場所にあります。
インストール先フォルダ¥conf¥config.xml
- ブックマーク定義情報を格納するフォルダを設定する。
初期設定ファイル(config.xml)の<vsa>タグ内にある<format>タグ直後の<bookmark>タグに,格納先フォルダを設定します。
設定した格納先フォルダは,PFM - Web Consoleサービスの起動時に,自動的に作成されます。
非クラスタシステムで運用している場合
例えば,「c:¥common¥bookmarks」を格納先フォルダにしたいときは,次のように設定します。
</format>
<bookmark>
<!-- The directory where bookmark repository is stored. Default : <install directory>¥bookmarks -->
<param name="bookmarkRepository" value="c:¥common¥bookmarks"/>
</bookmark>
</vsa>
論理ホスト運用している場合
ブックマーク定義情報の格納先には共有ディスク上のフォルダを指定します。
例えば,「環境ディレクトリ¥jp1pcWebCon¥common¥bookmarks」を格納先フォルダにしたいとき,次のように設定します。
</format>
<bookmark>
<!-- The directory where bookmark repository is stored. Default : <install directory>¥bookmarks -->
<param name="bookmarkRepository" value="環境ディレクトリ¥jp1pcWebCon¥common¥bookmarks"/>
</bookmark>
</vsa>
- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- PFM - Web Consoleサービスを再起動する。
初期設定ファイル(config.xml)は,PFM - Web Consoleサービスの起動時に読み込まれます。初期設定ファイルで変更した設定内容を有効にするために,PFM - Web Consoleサービスを再起動してください。ただし,待機系ノードは,フェールオーバー時に再起動されるため,ここでの再起動は不要です。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,上記で説明した以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
- クラスタシステムで運用している場合,PFM - Web Consoleサービスは,クラスタソフトから再起動してください。
(b) 格納先ディレクトリへのブックマーク定義情報の引き継ぎ
新しい格納先ディレクトリに,変更前のブックマーク定義情報を引き継ぐ手順について説明します。ここでは,PFM - Web Consoleの接続先PFM - Managerのホスト名がhostBである場合を例に説明します。
●Windowsの場合
ブックマーク格納先フォルダが次の条件である場合を例に説明します。
- 旧ブックマーク格納先フォルダ
インストール先フォルダ¥bookmarks¥hostB¥0¥
- 新ブックマーク格納先フォルダ
C:¥user1¥bookmarks¥
ブックマークを引き継ぐには,次の手順に従って作業してください。
- PFM - Web Consoleサービスを停止する。
サービスの停止方法については,「1.3.2 監視コンソールサーバのサービスを停止する」を参照してください。
- 旧ブックマーク格納先フォルダから「hostB」フォルダをバックアップする。
フォルダは任意の場所にコピーするなどしてバックアップしてください。
- 初期設定ファイル(config.xml)に定義しているブックマーク格納先フォルダを,新ブックマーク格納先フォルダに変更する。
- 新ブックマーク格納先フォルダを作成する。
- 作成したフォルダ配下に,手順2でバックアップしたフォルダをコピーする。
コピー後には,C:¥user1¥bookmarksフォルダ配下に「hostB」フォルダが存在する状態となります。
- PFM - Web Consoleサービスを起動する。
サービスの起動方法については,「1.2.2 監視コンソールサーバでサービスを起動する」を参照してください。
●UNIXの場合
ブックマーク格納先ディレクトリが次の条件である場合を例に説明します。
- 旧ブックマーク格納先ディレクトリ
/opt/jp1pcwebcon/bookmarks/hostB/0/
- 新ブックマーク格納先ディレクトリ
/opt/user1/bookmarks/
ブックマークを引き継ぐには,次の手順に従って作業してください。
- PFM - Web Consoleサービスを停止する。
サービスの停止方法については,「1.3.2 監視コンソールサーバのサービスを停止する」を参照してください。
- 旧ブックマーク格納先ディレクトリから「hostB」ディレクトリをバックアップする。
ディレクトリは任意の場所にコピーするなどしてバックアップしてください。
- 初期設定ファイル(config.xml)に定義しているブックマーク格納先ディレクトリを,新ブックマーク格納先ディレクトリに変更する。
- 新ブックマーク格納先ディレクトリを作成する。
- 作成したディレクトリ配下に,手順2でバックアップしたディレクトリをコピーする。
コピー後には,/opt/user1/bookmarksディレクトリ配下に「hostB」ディレクトリが存在する状態となります。
- PFM - Web Consoleサービスを起動する。
サービスの起動方法については,「1.2.2 監視コンソールサーバでサービスを起動する」を参照してください。
(3) 接続先PFM - Managerを変更し,変更前に作成したブックマークを引き継ぎたい場合
ブックマークの運用中に接続先PFM - Managerを変更して,変更前に作成したブックマークを引き継ぐことはできません。新しい接続先PFM - Managerで,再度ブックマークを作成してください。
(4) PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをクラスタ構成に移行し,移行前のブックマークを引き継ぎたい場合
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを物理ホスト運用から論理ホスト運用に移行して,物理ホスト運用時のブックマークを引き継ぎたい場合,「(3) 接続先PFM - Managerを変更し,変更前に作成したブックマークを引き継ぎたい場合」とは異なり,ブックマークを引き継ぐことができます。これは,物理ホスト運用時のPFM - Managerと接続していたPFM - AgentおよびPFM - RMの情報が,論理ホスト運用するPFM - Managerに引き継がれるためです。
●Windowsの場合
ホスト名などの環境が次の条件である場合を例に説明します。
- 物理ホスト運用時
- ・PFM - Managerホスト名:hostE
- ・PFM - Web Consoleの接続先PFM - Managerのホスト名:hostE
- ・PFM - Web Consoleのブックマーク格納先フォルダ:
インストール先フォルダ¥jp1pcwebcon¥bookmarks¥0¥
- 論理ホスト運用時
- ・PFM - Managerの論理ホスト名:lhostE
- ・PFM - Web Consoleの接続先PFM - Managerのホスト名:lhostE
- ・PFM - Web Consoleのブックマーク格納先フォルダ:
環境ディレクトリ¥jp1pcwebcon¥bookmarks¥
ブックマークを引き継ぐには,次の手順に従って作業してください。
- PFM - Web Consoleサービスを停止する。※
- 物理ホスト運用時のブックマーク格納先フォルダから「0」フォルダをバックアップする。
フォルダは任意の場所にコピーするなどしてバックアップしてください。
- 初期設定ファイル(config.xml)に定義しているブックマーク格納先フォルダを,論理ホスト運用時のブックマーク格納先フォルダに変更する。
- 論理ホスト運用時のブックマーク格納先フォルダを作成する。
- 論理ホスト運用時のブックマーク格納先フォルダの配下に「lhostE」フォルダを作成する。
- 作成した「lhostE」フォルダの配下に,手順2でバックアップした「0」フォルダをコピーする。
コピー後には,環境ディレクトリ¥jp1pcwebcon¥bookmarks¥lhostEフォルダ配下に「0」フォルダが存在する状態となります。
- PFM - Web Consoleサービスを起動する。※
- 注※
- サービスの停止および起動方法については,「9.6.1 クラスタシステムでのPerformance Managementの起動と停止」を参照してください。
●UNIXの場合
ホスト名などの環境が次の条件である場合を例に説明します。
- 物理ホスト運用時
- ・PFM - Managerホスト名:hostE
- ・PFM - Web Consoleの接続先PFM - Managerのホスト名:hostE
- ・PFM - Web Consoleのブックマーク格納先ディレクトリ:
/opt/jp1pcwebcon/bookmarks/hostE/0/
- 論理ホスト運用時
- ・PFM - Managerの論理ホスト名:lhostE
- ・PFM - Web Consoleの接続先PFM - Managerのホスト名:lhostE
- ・PFM - Web Consoleのブックマーク格納先ディレクトリ:
環境ディレクトリ/jp1pcwebcon/bookmarks/
ブックマークを引き継ぐには,次の手順に従って作業してください。
- PFM - Web Consoleサービスを停止する。※
- 物理ホスト運用時のブックマーク格納先フォルダから「0」ディレクトリをバックアップする。
ディレクトリは任意の場所にコピーするなどしてバックアップしてください。
- 初期設定ファイル(config.xml)に定義しているブックマーク格納先ディレクトリを,論理ホスト運用時のブックマーク格納先ディレクトリに変更する。
- 論理ホスト運用時のブックマーク格納先ディレクトリを作成する。
- 論理ホスト運用時のブックマーク格納先ディレクトリの配下に「lhostE」ディレクトリを作成する。
- 作成した「lhostE」ディレクトリの配下に,手順2でバックアップした「0」ディレクトリをコピーする。
コピー後には,環境ディレクトリ/jp1pcwebcon/bookmarks/lhostEディレクトリ配下に「0」ディレクトリが存在する状態となります。
- PFM - Web Consoleサービスを起動する。※
- 注※
- サービスの停止および起動方法については,「9.6.1 クラスタシステムでのPerformance Managementの起動と停止」を参照してください。
- 注意
- ブックマーク定義情報の格納先フォルダをデフォルトのディレクトリから変更していない場合,アンインストール時に格納先フォルダも定義情報ファイルも自動で削除されます。格納先フォルダを変更している場合は,自動的に削除されないため,必要に応じて手動で削除してください。
- ブックマークの定義情報ファイルは,複数のファイルで構成されます。このため,定義情報ファイルを作成,更新,または削除している最中に異常が発生し,処理が続けられなくなると,定義情報ファイルの整合性を失ってしまう場合があります。この場合,破損した情報を修復または廃棄してください。