Agent CollectorおよびRemote Monitor Collectorサービスが収集するパフォーマンスデータの記録方法を変更できます。パフォーマンスデータの記録方法として設定されている内容には,次のものがあります。
パフォーマンスデータの記録方法は,レコードごとに設定されています。ただし,レコードによっては変更できない場合もあります。詳細については,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの付録に記載されているプロパティの説明を参照してください。
なお,パフォーマンスデータの記録方法を変更するには,次の二つの方法があります。
それぞれについて説明します。
(1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの記録方法を変更する
監視コンソールでパフォーマンスデータの記録方法を変更する場合は,PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面で行います。
手順を次に示します。
表4-1 変更する項目と選択するノード
変更する項目 | 選択するノード | |
---|---|---|
Remote Monitor Collectorサービス | リモートエージェントまたはグループエージェント | |
記録の対象とするかどうか | × | ○ |
データの収集間隔 | ○ | × |
収集を開始する際のオフセット値 | ○ | × |
レコードをStoreデータベースに格納するときの条件式 | ○ | × |
図4-1 ノードのプロパティ階層の表示例
表4-2 ノードとレコードタイプの対応
ノード | レコードタイプ |
---|---|
Detail Records | PDレコードタイプ |
Interval Records | PIレコードタイプ |
Log Records | PLレコードタイプ |
図4-2 記録方法の設定例
表4-3 各プロパティの説明および設定値と変更できるノード
プロパティ名 | 説明および設定値 | 変更できるノード |
---|---|---|
Description | 選択したレコードの説明が表示されます。 | - |
Log | 収集したレコードをStoreデータベースに記録するかどうかを指定します。
|
|
Collection Interval※2 | レコードの収集間隔を0~2147483647の整数で指定します。単位は秒です。 「0」を指定した場合,レコードは収集されません。 |
|
Collection Offset※2※3 | レコードの収集を開始するオフセット値を0~32767の整数で指定します。単位は秒です。 例えば,「0」を指定した場合は,収集対象のレコードを同じタイミングに収集します。「20」を指定した場合は,「0」を指定しているレコードの収集開始から20秒遅れてレコードの収集が開始されます。 |
|
Sync Collection With※2 | 収集を同期するレコードが表示されます。 | - |
LOGIF | 記録対象のレコードに対し,データベースに記録するための条件式を指定できます。ここで設定した条件に従って,レコードが記録されます。ここで設定した条件はStoreデータベースに格納するデータに対して適用されるため,Agent CollectorおよびRemote Monitor Collectorサービスによるデータの収集には影響しません。 テキストボックスをクリックすると,[ログ収集条件設定]画面が別ウィンドウで表示されます。[ログ収集条件設定]画面では,対象となるフィールド,演算子,判断基準となる値などを指定し,条件式を作成します。設定内容を[OK]ボタンで確定すると,LOGIFのテキストボックスに作成した条件式が設定されます。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の[ログ収集条件設定]画面についての説明を参照してください。 |
|
収集時刻 | 保存されるパフォーマンスデータの時刻 |
---|---|
12:01:00 12:01:30 12:02:00 12:02:30 | 12:01:00 12:01:00 12:02:00 12:02:00 |
収集時刻 | 保存されるパフォーマンスデータの時刻 |
---|---|
12:00:00 12:01:30 12:03:00 12:04:30 | 12:00:00 12:01:00 12:03:00 12:04:00 |
各レコードに設定できる値およびデフォルト値は,レコードによって異なります。設定できる値,設定範囲およびデフォルト値については,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの,レコードについて説明している章を参照してください。
(2) コマンドでパフォーマンスデータの記録方法を変更する
データベースへのパフォーマンスデータの記録方法は,次の流れで変更します。
それぞれの操作について説明します。
(a) jpcasrec outputコマンドで記録方法の定義内容を出力する
PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcasrec outputコマンドを実行します。jpcasrec outputコマンドは,エージェントに接続して取得したStoreデータベースへの記録方法に関する定義情報をXML形式のファイルに出力します。
手順を次に示します。
jpcmkkey -user administrator
jpcasrec output -o asrec.xml TA1host1
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "asrec_params.dtd">
<pr-cli-parameters ver="0100">
<agent-store-db-record-definition>
<service id="TA1host1">
<record id="PD_DEV">
<!-- Description : Devices Detail -->
<log>Yes</log>
<collection-interval>60</collection-interval>
<collection-offset>0</collection-offset>
<logif> </logif>
</record>
<record id="PD_GEND">
<!-- Description : Generic Data Detail -->
<log>No</log>
<collection-interval>60</collection-interval>
<collection-offset>0</collection-offset>
<logif> </logif>
</record>
:
:
:
</service>
</agent-store-db-record-definition>
</pr-cli-parameters>
(b) jpcasrec outputコマンドで出力した定義内容を変更する
jpcasrec outputコマンドで出力したXMLファイルの,記録方法に関する定義内容を変更します。XMLファイルの内容は,テキストエディターやXMLエディターなどで編集できます。
ファイルの書式および各タグの設定内容について次に示します。必要に応じて編集してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "asrec_params.dtd">
<pr-cli-parameters ver="0100">
<agent-store-db-record-definition>
<service id="サービスID">
<record id="レコードID">
<!-- Description : Content Index Detail -->
<log>データベースに記録するかどうか</log>
<collection-interval>収集間隔</collection-interval>
<collection-offset>収集開始のオフセット値</collection-offset>
<logif>
<and>
<or>
<expression>フィールド 条件 "値"</expression>
<expression>フィールド 条件 "値"</expression>
</or>
<expression>フィールド 条件 "値"</expression>
:
</and>
</logif>
</record>
:
</service>
</agent-store-db-record-definition>
</pr-cli-parameters>
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "asrec_params.dtd">
<pr-cli-parameters ver="0100">
4行目以降に定義するタグについて次の表に示します。各タグの定義は,表の記載順に指定してください。
表4-4 XML定義内容
タグ名 | 必須 | 説明および設定値 |
---|---|---|
<agent-store-db-record-definition>・・・</agent-store-db-record-definition> | ○ | Storeデータベース記録方法定義情報のルートのタグです。 |
<service id="サービスID">・・・</service> | ○ | PFM - AgentまたはPFM - RMを特定するサービスIDを指定します。 Agent CollectorおよびRemote Monitor CollectorサービスのサービスIDは,2文字目が「A」のものです。 サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所を参照してください。 <service>タグは,<record>タグを含みます。 <service>タグは,複数指定できます。 |
<record id="レコードID">・・・</record> | ○ | 記録方法の設定を変更するレコードIDを指定します。 <record>タグは,<log>タグ,<collection-interval>タグ,<collection-offset>タグ,および<logif>タグを含みます。詳細については,「表4-5 レコードごとの記録方法(<record>タグ)」を参照してください。 <record>タグは,複数指定できます。 |
<record>タグ(レコードごとの記録方法)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。<record>タグは,複数指定できます。なお,<record>タグに含まれるタグの定義は,表の記載順に指定してください。
表4-5 レコードごとの記録方法(<record>タグ)
タグ名 | 必須 | 設定値 |
---|---|---|
<log>・・・</log> | - | 収集したパフォーマンスデータをStoreデータベースに記録するかどうかを指定します。 次の値のどちらかを半角英文字で指定します。
|
<collection-interval>・・・</collection-interval> | - | パフォーマンスデータの収集間隔を0~2147483647の整数で指定します。単位は秒です。 「0」を指定した場合,パフォーマンスデータは収集されません。 <collection-interval>タグは,一つの<record>タグ内に一つだけ指定できます。 |
<collection-offset>・・・</collection-offset> | - | パフォーマンスデータの収集を開始するオフセット値を0~32767の整数で指定します。単位は秒です。 「0」を指定した場合,収集対象のパフォーマンスデータを同時に収集します。 <collection-offset>タグは,一つの<record>タグ内に一つだけ指定できます。 |
<logif>・・・</logif> | - | 記録対象のパフォーマンスデータに対し,データベースに記録するための条件式を指定できます。 詳細については,「表4-6 データベースに記録するための条件式(<logif>タグ)」を参照してください。 <logif>タグは,一つの<record>タグ内に一つだけ指定できます。 |
<logif>タグ(データベースに記録するための条件式)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。
表4-6 データベースに記録するための条件式(<logif>タグ)
タグ名 | 必須 | 設定値 |
---|---|---|
<and>・・・</and> | - | <expression>タグ(論理式)を複数指定した場合,そのうち二つをAND演算する場合に指定します。 この場合,AND演算する<expression>タグを<and>タグで囲みます。 条件式は二項演算とし,二項演算のネストを許可します。 <expression>タグが複数指定されている場合,<and>タグは複数指定できます。 |
<or>・・・</or> | - | <expression>タグ(論理式)を複数指定した場合,そのうち二つをOR演算する場合に指定します。 この場合,OR演算する<expression>タグを<and>タグで囲みます。 条件式は二項演算とし,二項演算のネストを許可します。 <expression>タグが複数指定されている場合,<or>タグは複数指定できます。 |
<expression>・・・</expression> | - | データベースに記録するための判断条件を指定します。 指定形式は,次のとおりです。 「フィールド 条件 "値"」を空白文字で区切らないで指定します。
|
(c) jpcasrec updateコマンドで記録方法の定義内容を更新する
PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcasrec updateコマンドを実行します。jpcasrec updateコマンドは,Storeデータベースの記録方法に関する定義情報を,XML形式のファイルに指定した内容に更新します。
手順を次に示します。
jpcasrec update asrec.xml