14.2.6 レポートの定義について

Performance Managementのレポートの定義に関するトラブルの対処方法を次に示します。

<この項の構成>
(1) 履歴レポートに表示されない時間帯がある
(2) 大量のレポートを表示するとView Serverサービスのメモリー不足が発生する

(1) 履歴レポートに表示されない時間帯がある

PFM - AgentまたはPFM - RMがインストールされたマシンの現在時刻を,現在時刻よりも未来の時刻に変更した場合,変更前の時刻から変更後の時刻までの履歴情報は保存されません。

(2) 大量のレポートを表示するとView Serverサービスのメモリー不足が発生する

(a) Windowsの場合

PFM - Web Consoleで大量のレポートデータを取得する際に,View Serverサービスでメモリー不足が発生し,KAVJS5001-Iメッセージが出力されるときがあります。

View Serverサービスは,デフォルトで使用するメモリーの上限値を256メガバイトに固定して動作します。そのためシステムのメモリー空き状況に関係なく,処理するデータ量によってメモリー不足が発生します(なお,この現象が発生するとView ServerサービスによってKAVE00104-Eメッセージが出力されることがあります)。

この現象は,レポートキャッシュファイル化機能を使って,メモリー使用量を抑えることで回避できます。レポートキャッシュファイル化機能は,初期設定ファイル(config.xml)の<vsa> - <reportCacheFileMode>タグ内のuseReportCacheFileにtrueを指定することで有効にできます。初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,初期設定ファイル(config.xml)について説明している個所を参照してください。

また,次の場合,View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を拡張してください。

View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を変更することで,より多くのレポートデータを処理できます。手順を次に示します。

  1. PFM - Managerを停止する。
  2. インストール先ディレクトリ¥mgr¥viewsvr直下に,jvmopt.iniという名称で空ファイルを作成する。
  3. jvmopt.iniをテキストエディターで開いて,次の2行を追加する。

    -Xmx<View Serverサービスの使用するメモリーの上限値>
    -Djava.rmi.dgc.leaseValue=172800000

  4. jvmopt.iniを上書き保存する。
  5. PFM - Managerを再起動する。
使用例
View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を384メガバイトにした場合の例を次に示します。

-Xmx384M
-Djava.rmi.dgc.leaseValue=172800000

注1
-Xmxオプションで指定した数値が,View Serverサービスが使用する最大のメモリー使用量となります。
注2
-Xmxオプションは,View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を指定するもので,指定した値のメモリーを常に使用するわけではありません。
注3
View Serverサービスが使用するメモリーの上限値として指定できるのは,384メガバイトまでです。
注4
PFM - Managerを論理ホスト環境で運用している場合は,実行系/待機系両方のインストール先ディレクトリ上にあるjvmopt.iniファイルを変更してください。

(b) UNIXの場合

PFM - Web Consoleで大量のレポートデータを取得する際に,View Serverサービスでメモリー不足が発生し,KAVJS5001-Iメッセージが出力されるときがあります。

View Serverサービスはデフォルトで使用するメモリーの上限値を256メガバイトに固定して動作します。そのため,システムのメモリー空き状況に関係なく,処理するデータによってメモリー不足が発生します(なお,この現象が発生するとView ServerサービスによってKAVE00104-Eメッセージが出力されることがあります)。

この現象は,レポートキャッシュファイル化機能を使って,メモリー使用量を抑えることで回避できます。レポートキャッシュファイル化機能は,初期設定ファイル(config.xml)の<vsa> - <reportCacheFileMode>タグ内のuseReportCacheFileにtrueを指定することで有効にできます。初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,初期設定ファイル(config.xml)について説明している個所を参照してください。

また,次の場合,View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を拡張してください。

View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を変更することで,より多くのレポートデータを処理できます。手順を次に示します。

  1. PFM - Managerを停止する。
  2. /opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrをテキストエディターで開いて,次の行を検索する。

    -Xmx<View Serverサービスの使用するメモリーの上限値> ¥

  3. /opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrを上書き保存する。
  4. PFM - Managerを再起動する。
使用例
View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を384メガバイトにした場合の例を次に示します。

-Xmx384m ¥

注1
-Xmxオプションで指定した数値が,View Serverサービスが使用する最大のメモリー使用量となります。
注2
-Xmxオプションは,View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を指定するもので,指定した値のメモリーを常に使用するわけではありません。
注3
上書きインストールを実行すると,/opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrのファイルが上書きされます。View Serverサービスが使用するメモリーの上限値を拡張して運用していた場合は,上書きインストール前に上記ファイルのバックアップを取り,上書きインストール後に,再度設定してください。
注4
View Serverサービスが使用するメモリーの上限値として指定できるのは,384メガバイトまでです。
注5
PFM - Managerを論理ホスト環境で運用している場合は,実行系/待機系両方の/opt/jp1pc/mgr/viewsvr/jpcvsvrファイルを変更してください。