4.1.3 パフォーマンスデータの保存条件を変更する(Storeバージョン1.0の場合)

データベースに記録するパフォーマンスデータの保存条件として,レコードの保存期間またはレコード数の上限の設定を変更できます。パフォーマンスデータの保存条件は,レコードの種類によって異なります。

各レコードタイプと設定できる保存条件の対応を次の表に示します。

表4-13 レコードタイプと設定できる保存条件

レコードタイプ設定できる保存条件
PIレコードタイプレコードの保存期間
PDレコードタイプレコード数の上限
PLレコードタイプ

パフォーマンスデータの保存条件を変更するには,次の二つの方法があります。

それぞれについて説明します。

<この項の構成>
(1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する
(2) コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

(1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する場合は,PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面で行います。

手順を次に示します。

  1. 監視コンソールのWebブラウザからPFM - Web Consoleにログインする。
    管理ユーザー権限を持つユーザーアカウントでログインします。[サービス階層]画面での操作には,管理ユーザー権限が必要です。
    PFM - Web Consoleの[メイン]画面が表示されます。
  2. [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[サービス階層]タブを選択する。
    [サービス階層]画面が表示されます。
  3. [サービス階層]画面のナビゲーションフレームで,「Machines」フォルダの下位の階層を展開する。
    Performance Managementのサービスがインストールされているホストの名前が付いたフォルダが表示されます。また,ホスト名が付いたフォルダを展開すると,そのホストにインストールされているサービスが表示されます。各サービスの名前は,サービスIDで表示されます。サービスIDの形式は,プロダクト名表示機能が有効か無効かによって異なります。プロダクト名表示機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,Performance Managementの機能について説明している章を参照してください。
  4. パフォーマンスデータの保存条件を変更するホストの名前が付いたフォルダの下位の階層を展開し,Agent Storeサービスを選択する。
    プロダクト名表示機能が有効の場合,Agent Storeサービスは,「ホスト名<サービスキー>(Store)」で表示されるサービスです。
    プロダクト名表示機能が無効の場合,Agent Storeサービスは,先頭文字が「P」以外で2文字目が「S」であるサービスを選択します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。
    サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所,および各PFM - Agentマニュアルに記載されている識別子一覧を参照してください。
    選択したAgent Storeサービスにチェックマークが表示されます。
  5. メソッドフレームの[プロパティ]メソッドを選択する。
    Agent Storeサービスのプロパティ画面に遷移し,プロパティが階層表示されます。
  6. 「Retention」ノードを選択する。
    インフォメーションフレームの下部に「Retention」ノードのプロパティが表示されます。

    図4-4 保存条件の設定例

    [図データ]

    プロパティの設定内容を変更します。各プロパティの説明および設定値を次の表に示します。

    表4-14 各プロパティの説明および設定値

    レコードタイププロパティ名設定値
    PIレコードタイプProduct Interval - Minute Drawer分ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    プルダウンメニューから次の項目を選択できます。
    • Minute
    • Hour
    • Day
    • 2 Days
    • 3 Days
    • 4 Days
    • 5 Days
    • 6 Days
    • Week
    • Month
    • Year
    Product Interval - Hour Drawer時間ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    プルダウンメニューから次の項目を選択できます。
    • Hour
    • Day
    • 2 Days
    • 3 Days
    • 4 Days
    • 5 Days
    • 6 Days
    • Week
    • Month
    • Year
    Product Interval - Day Drawer日ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    プルダウンメニューから次の項目を選択できます。
    • Day
    • 2 Days
    • 3 Days
    • 4 Days
    • 5 Days
    • 6 Days
    • Week
    • Month
    • Year
    Product Interval - Week Drawer週ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    プルダウンメニューから次の項目を選択できます。
    • Week
    • Month
    • Year
    Product Interval - Month Drawer月ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    プルダウンメニューから次の項目を選択できます。
    • Month
    • Year
    Product Interval - Year Drawer年ごとのパフォーマンスデータの保存期間です。「Year」が固定で設定されています。
    PDレコードタイプProduct Detail - PDレコードタイプのレコードIDPDレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
    単数インスタンスの場合
    保存レコード数の上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
    複数インスタンスの場合
    保存レコード行数の総計としての上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
    PLレコードタイプProduct Log - PLレコードタイプのレコードIDPLレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
    単数インスタンスの場合
    保存レコード数の上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
    複数インスタンスの場合
    保存レコード行数の総計としての上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
  7. [完了]または[適用]ボタンをクリックする。
    設定が有効になります。

(2) コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

データベースに記録するパフォーマンスデータの保存条件は,次の流れで変更します。

  1. jpcaspsv outputコマンドで,現在の保存条件に関する定義内容をXML形式のファイルに出力する
  2. 出力したXML形式のファイルを基に,保存条件に関する定義内容を変更する
  3. jpcaspsv updateコマンドで,保存条件の定義内容を,変更したXML形式のファイルの内容に更新する

それぞれの操作について説明します。

(a) jpcaspsv outputコマンドで保存条件の定義内容を出力する

PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv outputコマンドを実行します。jpcaspsv outputコマンドは,エージェントに接続して取得したStoreデータベースの保存条件に関する定義情報をXML形式のファイルに出力します。

手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。
    次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。
    • Windowsの場合
      Administrators権限
    • UNIXの場合
      rootユーザー権限
  2. jpcaspsv outputコマンドを実行する。
    例えば,サービスIDが「TS1host1」というPFM - AgentのStoreデータベースの保存条件に関する定義情報を「aspsv.xml」というパラメーターファイルに出力する場合は,次のように指定します。

    jpcaspsv output -o aspsv.xml TS1host1

    コマンドを実行すると,指定した出力ファイル(XML形式のファイル)に保存条件に関する定義内容が出力されます。
    出力例を次に示します。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd">
    <pr-cli-parameters ver="0110">
    <agent-store-db-preserve-definition>
    <service id="TS1host1">
    <product-interval>
    <minute-drawer>Day</minute-drawer>
    <hour-drawer>Week</hour-drawer>
    <day-drawer>Year</day-drawer>
    <week-drawer>Year</week-drawer>
    <month-drawer>Year</month-drawer>
    <!-- year-drawer : Year -->
    </product-interval>
    <product-detail>
    <detail-record id="PD" max-rec="10000"/>
    <detail-record id="PD_PDI" max-rec="100000"/>
    <detail-record id="PD_PEND" max-rec="10000"/>
    <detail-record id="PD_PAGF" max-rec="10000"/>
    <detail-record id="PD_GEND" max-rec="10000"/>
    <detail-record id="PD_SVC" max-rec="10000"/>
    <detail-record id="PD_DEV" max-rec="10000"/>
    <detail-record id="PD_ELOG" max-rec="10000"/>
    </product-detail>
    </service>
    </agent-store-db-preserve-definition>
    </pr-cli-parameters>

(b) jpcaspsv outputコマンドで出力した定義内容を変更する

jpcaspsv outputコマンドで出力したXMLファイルの,記録方法に関する定義内容を変更します。XMLファイルの内容は,テキストエディターやXMLエディターなどで編集できます。

ファイルの書式および各タグの設定内容について次に示します。必要に応じて編集してください。

4行目以降に定義するタグについて次の表に示します。各タグの定義は,表の記載順に指定してください。

表4-15 XML定義内容

タグ名必須説明および設定値
<agent-store-db-preserve-definition>・・・</agent-store-db-preserve-definition>Storeデータベース保存条件定義情報のルートのタグです。
<service id="サービスID">・・・</service>PFM - Agentを特定するサービスIDを指定します。
先頭文字が「P」以外で,2文字目が「S」であるサービスを指定します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。
サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所を参照してください。
<service>タグは,<product-interval>タグ,<product-detail>タグ,および<product-log>タグを含みます。
<service>タグは,複数指定できます。
<product-interval>・・・</product-interval>PIレコードタイプのレコードの保存期間を指定するタグです。
<minute-drawer>タグ,<hour-drawer>タグ,<day-drawer>タグ,<week-drawer>タグ,および<month-drawer>タグを含みます。詳細については,「表4-16 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<product-interval>タグ)」を参照してください。
<product-interval>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。
<product-detail>・・・</product-detail>PDレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。
<detail-record>タグを含みます。
<product-detail>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。
詳細については,「表4-17 PDレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-detail>タグ)」を参照してください。
<product-log>・・・</product-log>PLレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。
<log-record>タグを含みます。詳細については,「表4-18 PLレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-log>タグ)」を参照してください。
<product-log>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。
(凡例)
○:省略できない
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

<product-interval>タグ(PIレコードタイプのレコードの保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。<product-interval>タグに含まれるタグの定義は,表の記載順に指定してください。

表4-16 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<product-interval>タグ)

タグ名必須設定値
<minute-drawer>・・・</minute-drawer>分ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
  • Minute:1分
  • Hour:1時間
  • Day:1日
  • n Days:n日(n = 2~6)
  • Week:1週間
  • Month:1か月
  • Year:1年
<minute-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
<hour-drawer>・・・</hour-drawer>時間ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
  • Hour:1時間
  • Day:1日
  • n Days:n日(n = 2~6)
  • Week:1週間
  • Month:1か月
  • Year:1年
<hour-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
<day-drawer>・・・</day-drawer>日ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
  • Day:1日
  • n Days:n日(n = 2~6)
  • Week:1週間
  • Month:1か月
  • Year:1年
<day-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
<week-drawer>・・・</week-drawer>週ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
  • Week:1週間
  • Month:1か月
  • Year:1年
<week-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
<month-drawer>・・・</month-drawer>月ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
次の値のどれかを半角英文字で指定します。
  • Month:1か月
  • Year:1年
<month-drawer>タグは,<product-interval>タグ内に一つだけ指定できます。
(凡例)
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

<product-detail>タグ(PDレコードタイプの保存レコード数の上限値)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。

表4-17 PDレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-detail>タグ)

タグ名必須設定値
<detail-record id="レコードID" max-rec="レコード数の上限"/>PDレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
単数インスタンスの場合
保存レコード数の上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
複数インスタンスの場合
保存レコード行数の総計としての上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
<detail-record>タグは,一つのPDレコードに対して一つだけ指定できます。
(凡例)
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

<product-log>タグ(PLレコードタイプの保存レコード数の上限値)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。

表4-18 PLレコードタイプの保存レコード数の上限値(<product-log>タグ)

タグ名必須設定値
<log-record id="レコードID" max-rec="レコード数の上限"/>PLレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコード数の上限値を指定します。
単数インスタンスの場合
保存レコード数の上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
複数インスタンスの場合
保存レコード行数の総計としての上限値を0~2147483647​の整数で指定します。
<log-record>タグは,一つのPLレコードに対して一つだけ指定できます。
(凡例)
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

(c) jpcaspsv updateコマンドで保存条件の定義内容を更新する

PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv updateコマンドを実行します。jpcaspsv updateコマンドは,Storeデータベースの保存条件に関する定義情報を,XML形式のファイルに指定した内容に更新します。

手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。
    次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。
    • Windowsの場合
      Administrators権限
    • UNIXの場合
      rootユーザー権限
  2. jpcaspsv updateコマンドを実行する。
    例えば,「aspsv.xml」というファイルに記述した保存条件の内容に定義情報を更新する場合は,次のように指定します。

    jpcaspsv update aspsv.xml