サーバの稼働状況,エージェントの稼働状況,およびエージェントのアラームの状況について,稼働数,停止数,正常数,異常数などの集計結果を確認できます。また,異常状態および警告状態のアラームイベントおよびエージェントイベントを確認できます。集計結果ならびに,異常状態および警告状態のイベントの表示をサマリ表示と呼びます。
(1) 前提条件
サマリ表示を利用するには,次に示す前提条件があります。
ヘルスチェック機能の詳細については,「13.2 ヘルスチェック機能による監視エージェントや監視エージェントが稼働するホストの稼働状態の確認」を参照してください。
(2) サマリ表示の集計対象となるエージェント
サマリ表示の集計対象となるエージェントを,画面種別ごとに次の表に示します。
表3-5 サマリ表示の集計対象となるエージェント
エージェント種別 | 画面種別 | ||
---|---|---|---|
[サーバの稼働状況]画面 | [エージェントの稼働状況]画面 | [エージェントのアラーム監視状況]画面 | |
PFM - Agent | ○ | ○ | ○ |
リモートエージェント | ○ | ○ | ○ |
グループエージェント | × | × | ○ |
Remote Monitor Collectorサービス | ○ | ○ | × |
また,次に示すエージェントについてはサマリ表示の集計対象外です。
jpctool service deleteコマンドの結果を,エージェント階層の表示形式の「Products」で表示されるツリーに反映させるには,jpctool service deleteコマンド実行後,jpctool service syncコマンドを実行してください。また,「User Agents」で表示されるツリーに反映させる場合は,メソッドフレームの[エージェント階層の編集]メソッドを使用して手動で削除してください。
(3) サマリ表示の手順
サマリ表示で稼働状況を確認する手順を次に示します。
図3-9 [システム稼働状況サマリ監視]画面の表示例
[サーバの稼働状況]画面,[エージェントの稼働状況]画面,および[エージェントのアラーム監視状況]画面の表示項目について説明します。
[サーバの稼働状況]画面および[エージェントの稼働状況]画面の表示項目について説明します。
表3-6 [サーバの稼働状況]画面および[エージェントの稼働状況]画面の表示項目
表示項目 | 意味 |
---|---|
円グラフ | ナビゲーションフレームで選択したフォルダ以下のサーバまたはエージェントについて,稼働状況が円グラフで表示されます。円グラフの色の意味は次のとおりです。
|
表 | ナビゲーションフレームで選択したフォルダ以下のサーバまたはエージェントについて,フォルダ単位で稼働状況が表で表示されます。表の項目の意味は次のとおりです。
表示する数は初期設定ファイル(config.xml)で指定できます。config.xmlの説明については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。 |
[ユーザツリーの視点]チェックボックス | エージェント階層で「User Agents」を選択した場合に,[エージェントの稼働状況]画面に表示されます。このチェックボックスを選択すると,ログインユーザーがエージェント階層に任意で作成したフォルダ単位で稼働状況が表示されます。 |
[プロダクト種別の視点]チェックボックス | エージェント階層で「User Agents」を選択した場合に,[エージェントの稼働状況]画面に表示されます。このチェックボックスを選択すると,PFM - AgentまたはPFM - RMの製品ごとにグルーピングされたフォルダ単位で稼働状況が表示されます。 |
図3-10 [停止ホスト一覧]画面
[エージェントのアラーム監視状況]画面の表示項目について説明します。
表3-7 [エージェントのアラーム監視状況]画面の表示項目
表示項目 | 意味 |
---|---|
円グラフ | ナビゲーションフレームで選択したフォルダ以下のエージェントについて,アラームの監視状況が円グラフで表示されます。円グラフの色は,アラームの状態※を示します。色の意味は次のとおりです。
|
表 | ナビゲーションフレームで選択したフォルダ以下のエージェントについて,フォルダ単位でアラームの監視状況が表で表示されます。表の項目の意味は次のとおりです。
表示する数は初期設定ファイル(config.xml)のmaxDisplayAlarmで指定できます。config.xmlの説明については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。 |
[イベント]画面では,異常状態および警告状態のアラームイベントおよびエージェントイベントを確認できます。発行されたアラームイベントおよびエージェントイベントを表示する[イベントモニター]画面とは異なり,すでに発行されているアラームイベントおよびエージェントイベントのうち,現在未解決の異常状態または警告状態になっているものが表示されます。また,正常状態に戻る場合のアラームイベントは表示されません。それぞれのイベントの表示内容の詳細については,「7. イベントの表示」またはマニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の[イベントモニター]画面の説明を参照してください。
エージェントのアラーム監視状況の対象となるのは,[常にアラームを通知する]にチェックがないアラームです。詳細については,「6.9.3 アラームの評価に関する注意事項」を参照してください。
(4) 稼働状況の分類
[サーバの稼働状況]画面および[エージェントの稼働状況]画面に表示される,それぞれの稼働状況の意味を説明します。
(a) [サーバの稼働状況]画面に表示される稼働状況
[サーバの稼働状況]画面で表示される稼働状況は,そのサーバを監視するエージェントに対するヘルスチェック結果を基に判定されます。ヘルスチェック結果は,「稼働」,「停止」および「不明」の3種類の稼働状況に分類されます。
また,[サーバの稼働状況]画面では,一つのサーバに対して一つの稼働状況が表示されます。一つのサーバを複数のエージェントで監視している場合,各エージェントに対するヘルスチェック結果が異なることがあります。このようなときは,各エージェントのヘルスチェック結果のうち,「(5) サマリ表示の集計単位および集計範囲」に基づく範囲の中で,判定優先順位が最も高いものが,そのサーバの稼働状況として[サーバの稼働状況]画面に表示されます。
エージェントに対するヘルスチェック結果と稼働状況の判定の分類,およびそれぞれの判定優先順位を次の表に示します。
表3-8 ヘルスチェック結果と稼働状態の判定および判定優先順位の対応
エージェント種別 | ヘルスチェック結果 | 稼働状況の判定 | 判定優先順位 |
---|---|---|---|
| Host Not Available(ホスト停止) | 停止 | 1 |
Not Supported(非対応) | 稼働 | 2 | |
Running(動作中) | 3 | ||
Incomplete(縮退稼働) | 4 | ||
Stopped(サービス停止) | 5 | ||
Unconfirmed(状態不明) | 6 | ||
リモートエージェント | Host Not Available(ホスト停止) | 停止 | 7 |
Running(動作中) | 稼働 | 8 | |
Incomplete(縮退稼働) | 9 | ||
Unconfirmed(状態不明) | 不明 | 10 | |
Not Supported(非対応) | 11 |
次に,一つのサーバを監視するPFM - Agentとリモートエージェントのヘルスチェック結果が異なる場合の例を示します。
それぞれのヘルスチェック結果として,以下の状態を仮定します。
この場合,稼働状況の判定は次のようになります。
(b) [エージェントの稼働状況]画面に表示される稼働状況
[エージェントの稼働状況]画面で表示される稼働状況は,エージェントに対するヘルスチェック結果を基に判定されます。ヘルスチェック結果は,「稼働」,「停止」および「不明」の3種類の稼働状態に分類されます。
エージェントに対するヘルスチェック結果と稼働状況の判定の分類を次の表に示します。
表3-9 ヘルスチェック結果と稼働状況の判定の分類
エージェント種別 | ヘルスチェック結果 | 稼働状況の判定 |
---|---|---|
| Running(動作中) | 稼働 |
Incomplete(縮退稼働) | 停止 | |
Stopped(サービス停止) | ||
Host Not Available(ホスト停止) | ||
Not Supported(非対応) | 不明 | |
Unconfirmed(状態不明) |
(5) サマリ表示の集計単位および集計範囲
サマリ表示の集計単位および集計範囲について次の表で説明します。
表3-10 サマリ表示の集計単位および集計範囲
エージェント階層のフォルダの選択個所 | 円グラフ/表 | 集計単位 | 集計範囲 |
---|---|---|---|
任意のフォルダ | 円グラフ | 選択したフォルダ | 選択したフォルダ配下のすべてのエージェント |
表 | 選択したフォルダの直下のフォルダ (選択したフォルダ自身は「その他」として集計されます) | 選択したフォルダ直下のフォルダ配下のすべてのエージェント (選択したフォルダ直下のエージェントは「その他」として集計されます) |
サマリ表示の集計単位および集計範囲について図3-11および図3-12で説明します。
図3-11 サマリ表示の集計単位および集計範囲(ルートを選択した場合)
図3-12 サマリ表示の集計単位および集計範囲(任意のフォルダを選択した場合)
(6) サマリ表示の印刷
サマリ表示を印刷する場合は,[システム稼働状況サマリ監視]画面で[停止]をクリックしたあとに表示される[印刷画面]をクリックします。[システム稼働状況サマリ監視印刷]画面の例を次の図に示します。
図3-13 [システム稼働状況サマリ監視印刷]画面