1.2.1 監視マネージャーおよび監視エージェントでサービスを起動する
監視マネージャーおよび監視エージェントで,各サービスを起動させる方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) サービスを手動で起動する
- (2) サービスを自動で起動する
(1) サービスを手動で起動する
監視マネージャーおよび監視エージェントで,サービスを手動で起動させるには,jpcspm startコマンドを使用します。
jpcspm startコマンドは,ログインしているホスト上のサービスだけを起動させることができます。リモートホストのPerformance Managementプログラムのサービスは起動できません。なお,ヘルスチェック機能が有効の場合は,PFM - Managerを起動するとヘルスチェックエージェントも起動されます。
手動でサービスを起動させる手順を次に示します。
- サービスを起動させるホストにログインする。
PFM - Managerのサービスを起動させる場合は,監視マネージャーにログインします。PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Baseのサービスを起動させる場合は,監視エージェントにログインします。
- jpcspm startコマンドを実行する。
起動させたいサービスを示すサービスキーを指定して,jpcspm startコマンドを実行します。jpcspm startコマンドで指定できるサービスキーを次に示します。
- jp1pc:ホスト上のすべてのPFM - Manager,PFM - Base,PFM - Agent,およびPFM - RMのサービス
- Managerまたはmgr:ホスト上のPFM - Managerサービス
- AHまたはact:ホスト上のAction Handlerサービス
ホスト上の特定のPFM - AgentまたはPFM - RMサービスを起動させる場合のサービスキーは,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所を参照してください。
例えば,ローカルホスト上のすべてのPFM - Manager,PFM - Base,PFM - Agent,およびPFM - RMのサービスを起動させる場合は,次のように指定します。
jpcspm start -key jp1pc
また,インスタンス環境で運用しているPFM - AgentまたはPFM - RMをインスタンスごとに起動させる場合は,インスタンス名を指定します。
例えば,PFM - Agent for Oracleで,インスタンス名がoracleAというPFM - Agent for Oracleのサービスを起動させる場合は,次のように指定します。
jpcspm start -key Oracle -inst oracleA
(2) サービスを自動で起動する
システムの起動時にサービスを自動で起動させる方法を,OSごとに説明します。
(a) Windowsの場合
インストール時のデフォルトで,システムの起動時にサービスが自動で起動されるように設定されています。したがって,システムの起動後は特に必要な操作はありません。
注意
- サービスを自動で起動させると,Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスの起動に時間が掛かり,Agent CollectorまたはRemote Monitor Collectorサービスの起動に失敗することがあります。
- OSの再起動時にPerformance Managementプログラムのサービスの起動に時間が掛かると,サービスコントロールマネージャによって次のメッセージが出力されることがあります。
イベントID:7022
種類:エラー
説明:「<サービス名>サービスは起動時に停止しました。」
この場合,共通メッセージログを参照し,サービスの起動メッセージが出力されているか確認してください。サービスの起動メッセージが出力されていれば,サービスは正常に起動しています。
この現象は,サービスを自動で起動させないで,jpcspm startコマンドを使用して手動でサービスを起動すると回避できます。
- Performance Managementのサービスは,通常はシステムアカウントで動作します。変更するとサービスが正常に動作しないことがあります。マニュアルで設定変更を推奨しているサービス以外は,サービスのアカウント設定を変更しないでください。
なお,PFM - Base,PFM - Manager,およびPFM - Web Consoleのサービスは,すべてシステムアカウントで動作します。
PFM - Agentに関しては,各PFM - Agentマニュアルを参照してください。
- OS起動時は,処理負荷などの影響でOSの自動起動処理自体がタイムアウトし,Performance Managementの起動に失敗する場合があります。そのため,OS自動起動設定ではなくjpcspm startコマンドで起動してください。
(b) UNIXの場合
システムの起動時にサービスを自動で起動させるには,Performance Managementシステム用のサービス自動起動スクリプトファイルを使用します。AIXの場合は,AIX用の自動起動スクリプトファイルも使用します。
補足
- このスクリプトファイルを使って起動できるのは,物理ホストのサービスだけです。論理ホストのサービスは起動できません。
- 特定のサービスだけを自動起動するようにしたい場合は,次の行を編集してください。
- <編集前>
- nohup /opt/jp1pc/tools/jpcstart all -nochk 2> /dev/null 1> /dev/null &
- <編集後>
- nohup /opt/jp1pc/tools/jpcstart act -nochk 2> /dev/null 1> /dev/null
- nohup /opt/jp1pc/tools/jpcstart <サービスキー> -nochk 2> /dev/null 1> /dev/null &
- 注 1行目はAction Handlerの起動が必要な場合だけ追加してください。1行目の末尾には&を付けないでください。2行目の<サービスキー>には自動起動するサービスのサービスキー名を指定してください。
- PFM - Managerサービスを自動起動に含める場合は,次の行を編集してください。
- <編集前>
- nohup /opt/jp1pc/tools/jpcstart all -nochk 2> /dev/null 1> /dev/null &
- <編集後>
- nohup /opt/jp1pc/tools/jpcstart mgr -nochk 2> /dev/null 1> /dev/null
- nohup /opt/jp1pc/tools/jpcstart act -nochk 2> /dev/null 1> /dev/null
- nohup /opt/jp1pc/tools/jpcstart <サービスキー> -nochk 2> /dev/null 1> /dev/null &
- 注 1行目および2行目の末尾には&を付けないでください。3行目の<サービスキー>には自動起動するサービスのサービスキー名を指定してください。
- Performance Managementは起動時に,その環境で設定されているLANG環境変数で動作します。また,LC_ALL環境変数が設定されており,LANG環境変数の値と異なる場合は,LC_ALL環境変数を解除するか,LANG環境変数と同一の値に変更してください。Performance Managementに関連するLANG環境変数を設定する場合は,次の例を参考に編集してください。
- 設定例
- ## Set Environment-variables
- PATH=/sbin:/bin:/usr/bin:/opt/jp1pc/bin
- SHLIB_PATH=/opt/hitachi/common/lib
- LD_LIBRARY_PATH=/opt/hitachi/common/lib
- LIBPATH=/opt/hitachi/common/lib
- HCCLIBCNF=/opt/jp1/hcclibcnf
- LANG=設定したいLANG環境変数※1
- export PATH SHLIB_PATH LD_LIBRARY_PATH LIBPATH HCCLIBCNF LANG※1
- unset LC_ALL※2
-
- 注※1 スクリプトファイルに追加した記述です。Performance Managementで使用できるLANG環境変数については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」および,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- 注※2 LC_ALL環境変数を解除した場合の記述例です。
サービスの自動起動の設定手順を次に示します。
- サービスの自動起動の設定を行うホストにログインする。
PFM - Managerのサービスに対する操作の場合は,監視マネージャーにログインします。PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Baseのサービスに対する操作の場合は,監視エージェントにログインします。
- 次のコマンドを実行して,/opt/jp1pcディレクトリに移動する。
cd /opt/jp1pc
- Performance Managementシステム用のサービス自動起動スクリプトファイルを設定する。
サービス自動起動スクリプトの.modelファイルおよびサービス自動起動スクリプトファイルの名称を次に示します。
- サービス自動起動スクリプトの.modelファイル名:jpc_start.model
- サービス自動起動スクリプトファイル名:jpc_start
サービス自動起動スクリプトの.modelファイルをサービス自動起動スクリプトファイルにコピーし,実行権限を付加します。次のように指定してコマンドを実行します。
cp -p jpc_start.model jpc_start
chmod 555 jpc_start
- AIX用の自動起動スクリプトファイルを登録する(AIXの場合だけ)。
手順3で設定したPerformance Managementシステム用のサービス自動起動スクリプトファイルを実行させるために,Performance Managementでは,AIX用の自動起動スクリプトファイルを提供しています。この自動起動スクリプトファイルをAIXの設定ファイルに登録してください。
自動起動スクリプトファイルおよび設定ファイルの名称を次に示します。
- 自動起動スクリプトファイル名:/etc/rc.jp1_pc
- 設定ファイル名:/etc/inittab
登録手順を次に示します。
1. mkitabコマンドを使用して,/etc/rc.jp1_pcファイルを/etc/inittab設定ファイルに登録する。
mkitab "jp1pc:2:wait:/etc/rc.jp1_pc >/dev/console 2>&1"
2. lsitabコマンドを使用して,/etc/inittab設定ファイルに/etc/rc.jp1_pcファイルが登録されていることを確認する。
lsitab jp1pc
jp1pc:2:wait:/etc/rc.jp1_pc >/dev/console 2>&1
mkitabコマンドでファイルを登録すると,/etc/inittab設定ファイルの最下行に登録されます。/etc/inittab設定ファイルに,アクション実行で連携するプログラムがすでに登録されている場合,その行よりもあとになるように,/etc/inittab設定ファイルを編集してください。
また,/etc/inittab設定ファイルに登録された行は,アンインストール時に削除されません。
アンインストール時は,次の手順で登録を解除してください。
1. rmitabコマンドを使用して,/etc/rc.jp1_pcファイルの/etc/inittab設定ファイルへの登録を解除する。
rmitab jp1pc
2. lsitabコマンドを使用して,/etc/inittab設定ファイルに/etc/rc.jp1_pcファイルが登録されていないことを確認する。
lsitab jp1pc