クラスタシステムでPerformance Managementを運用する場合,次のような注意事項があります。
(1) フェールオーバー発生の検知に関する注意事項
Performance Management自身で,PFM - Manager,PFM - Agent,またはPFM - RMのノードでフェールオーバーが発生したことを検知するのは困難です。フェールオーバーの発生を検知するには,クラスタソフトの管理ツールや,クラスタソフトが発行するSNMPトラップ,ログファイルのメッセージ監視などによる方法を検討してください。ログファイルのメッセージ監視の詳細については,「13.5 システム統合監視製品と連携した障害検知」を参照してください。
(2) Performance Managementの起動と停止に関する注意事項
クラスタソフトに登録した論理ホストのPerformance Managementは,クラスタソフトからの操作で起動や停止をしてください。クラスタソフトの操作以外でjpcspm startコマンドやjpcspm stopコマンドなどを直接実行してPerformance Managementを起動や停止をした場合,クラスタソフトが管理するPerformance Managementの状態と実際のPerformance Managementの状態が異なり,誤って障害と判定されるなどの問題が発生します。
(3) Status Serverサービスの設定に関する注意事項
Status Serverサービスは,一つのホストに一つだけ起動されます。このため,物理ホスト上のStatus Serverサービスで,物理ホストおよび論理ホストのサービスの状態が管理されます。Status Serverサービスは,フェールオーバーしないように設定するか,常に起動するように設定してください。
(4) コマンド実行に関する注意事項
論理ホスト運用している場合,次に示すPFM - Web Consoleのコマンドは,実行系ノードでだけ実行できます。
なお,jpcwrasコマンドおよびjpcwagtsetupコマンドは,実行系ノードおよび待機系ノードで実行できます。この二つのコマンドは,コマンドを実行した物理ホストに対して動作します。
(5) ネットワークに関する注意事項
物理ホスト名(Windowsシステムでは,hostnameコマンド実行時に,UNIXシステムでは,uname -nコマンド実行時に表示されるホスト名)に対応した物理IPアドレスでの通信ができない場合,物理ホストのPerformance Managementは動作できません。
(6) JP1認証モードを使用する場合の注意事項
PFM - Managerをクラスタシステムで運用している環境でJP1認証モードを使用する場合,JP1/Baseもクラスタシステムで運用する必要があります。また,JP1/Baseのバージョンも08-00以降である必要があります。