JP1/Performance Management 設計・構築ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


付録C.2 ディスク占有量

ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。

Performance Managementのディスク占有量の見積もりについて説明します。

<この項の構成>
(1) システム全体のディスク占有量
(2) Storeデータベースのディスク占有量(ヘルスチェックエージェント)
(3) Storeデータベースに対するjpctool db backupコマンド・jpctool db dumpコマンド実行時に必要なディスク占有量

(1) システム全体のディスク占有量

システム全体のディスク占有量を,OSごとに示します。なお,ここで示すPFM - Managerのディスク占有量は,Master StoreサービスのStoreデータベースのディスク占有量を含みます。

(a) Windowsの場合

表C-3 システム全体のディスク占有量(Windowsの場合)

プログラム 状態 ディスク占有量(単位:メガバイト)
Windows Server 2003 Windows Server 2008
PFM - Manager インストール時 205 210
標準※1※2 510+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W 510+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W
PFM - Web Console インストール時 325 140※3+365
標準※4 325+160+(e*f*g) 140※3+365+160+(e*f*g)
PFM - Base インストール時 30 35
標準 130+2*d 130+2*d

(凡例)
a:接続するPFM - AgentまたはPFM - RM数(インスタンスを起動している場合は,インスタンス数も加える)
b:PAレコードの保存数(初期状態は1,000)※5
c:ユーザーが作成するレポート数
d:共通メッセージログファイルの上限値(メガバイト)
e:config.xmlのlogFileNumberの値
f:config.xmlのlogFileSizeの値
g:jpcrdef,jpcasrec,jpcaspsv,jpcprocdefコマンドで利用するサブコマンド数とjpcrpt,jpcmkkeyコマンド(最大数:13)
W:ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースで使用するディスク占有量

注※1
Master StoreサービスのStoreデータベースをjpctool db backupコマンドでバックアップする場合,バックアップ後のデータを格納するためのディスク容量が必要になります。表に示したディスク占有量には含まれていないため,バックアップする場合はこのディスク容量を加算してください。なお,デフォルトでは次のフォルダにバックアップされます。
インストール先フォルダ\jp1pc\mgr\store\backup\

注※2
  • Storeバージョン2.0の場合
    ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースをjpctool db backupコマンドでフルバックアップ,部分バックアップする場合,また,jpctool db importコマンドでインポートする場合,それぞれの操作後のデータを格納するためのディスク容量が必要になります。表に示したディスク占有量には含まれていないため,バックアップする場合はこのディスク容量を加算してください。なお,デフォルトでは次のフォルダにデータが格納されます。
    フルバックアップのとき:インストール先フォルダ\jp1pc\agt0\store\backup\
    部分バックアップのとき:インストール先フォルダ\jp1pc\agt0\store\partial\
    インポートのとき:インストール先フォルダ\jp1pc\agt0\store\import\
  • Storeバージョン1.0の場合
    ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースをjpctool db backupコマンドでバックアップする場合,バックアップ後のデータを格納するためのディスク容量が必要になります。表に示したディスク占有量には含まれていないため,バックアップする場合はこのディスク容量を加算してください。なお,デフォルトでは次のフォルダにバックアップされます。
    インストール先フォルダ\jp1pc\agt0\store\backup\

注※3
システムドライブのディスク占有量。例えば,システムドライブがC:,通常のドライブがD:の環境で,D:ドライブにPFM - Web Consoleをインストールした場合でも,C:ドライブが140メガバイト使用されます。

注※4
レポートキャッシュファイル化機能が有効な場合,表中の値とは別にレポートキャッシュファイルのディスク占有量を見積もる必要があります。
レポートキャッシュファイルのディスク占有量の詳細については,「付録C.6 レポートキャッシュファイルを使用する場合のディスク占有量」を参照してください。

注※5
a*b*0.015 < 2000(メガバイト)を満たす値をbに設定してください。

(b) UNIXの場合

表C-4 システム全体のディスク占有量(UNIXの場合)

プログラム 状態 ディスク占有量(単位:メガバイト)
HP-UX Solaris AIX Linux
(Linux Server 6)
Linux
(Linux 5まで,IPF除く)
Linux
(IPF)
PFM - Manager インストール時 500*2 260*2 470*2 260*2 260*2
標準※1※2 800+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W 560+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W 770+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W 590+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W 560+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W
PFM - Web Console インストール時 925 715 640 510 550
初期状態での運用※3 925+160+(e*f*g) 715+160+(e*f*g) 640+160+(e*f*g) 510+160+(e*f*g) 550+160+(e*f*g)
PFM - Base インストール時 240*2 50*2 220*2 70*2 70*2 80*2
標準 330+2*d

Solaris (SPARC):
150+2*d

Solaris (x86・x64):
150+2*d
320+2*d 210+2*d 170+2*d 180+2*d

(凡例)
a:接続するPFM - AgentまたはPFM - RM数(インスタンスを起動している場合は,インスタンス数も加える)
b:PAレコードの保存数(初期状態は1,000)※4
c:ユーザーが作成するレポート数
d:共通メッセージログファイルの上限値(メガバイト)
e:config.xmlのlogFileNumberの値
f:config.xmlのlogFileSizeの値
g:jpcrdef,jpcasrec,jpcaspsv,jpcprocdefコマンドで利用するサブコマンド数とjpcrpt,jpcmkkeyコマンド(最大13)
W:ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースで使用するディスク占有量
−:未サポート

注※1
Master StoreサービスのStoreデータベースをjpctool db backupコマンドでバックアップする場合,バックアップ後のデータを格納するためのディスク容量が必要になります。表に示したディスク占有量には含まれていないため,バックアップする場合はこのディスク容量を加算してください。なお,デフォルトでは次のフォルダにバックアップされます。
/opt/jp1pc/mgr/store/backup/

注※2
  • Storeバージョン2.0の場合
    ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースをjpctool db backupコマンドでフルバックアップ,部分バックアップする場合,また,jpctool db importコマンドでインポートする場合,それぞれの操作後のデータを格納するためのディスク容量が必要になります。表に示したディスク占有量には含まれていないため,バックアップする場合はこのディスク容量を加算してください。なお,デフォルトでは次のフォルダにデータが格納されます。
    フルバックアップのとき:/opt/jp1pc/agt0/store/backup/
    部分バックアップのとき:/opt/jp1pc/agt0/store/partial/
    インポートのとき:/opt/jp1pc/agt0/store/import/
  • Storeバージョン1.0の場合
    ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースをjpctool db backupコマンドでバックアップする場合,バックアップ後のデータを格納するためのディスク容量が必要になります。表に示したディスク占有量には含まれていないため,バックアップする場合はこのディスク容量を加算してください。なお,デフォルトでは次のフォルダにバックアップされます。
    /opt/jp1pc/agt0/store/backup/

注※3
レポートキャッシュファイル化機能が有効な場合,表中の値とは別にレポートキャッシュファイルのディスク占有量を見積もる必要があります。
レポートキャッシュファイルのディスク占有量の詳細については,「付録C.6 レポートキャッシュファイルを使用する場合のディスク占有量」を参照してください。

注※4
a*b*0.015 < 2000(メガバイト)を満たす値をbに設定してください。

(c) PFM - Managerのディスク占有量の見積もり例

●見積もり例1

前提条件
  • 稼働OS:Windows Server 2003
  • ヘルスチェック機能:有効
  • ヘルスチェックエージェントのStoreバージョン:2.0

変数の値
表C-3に示した変数a〜dおよびWが次の値とします。なお,変数Wの値の算出方法については,「付録C.4 PFM - Agent 08-00以降をStoreデータベース(Storeバージョン2.0)で使用する場合のディスク占有量」を参照してください。
a=100
b=1,000
c=100
d=2
W=100

ディスク占有量の算出式
510+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W
 =510+0.1*100+0.015*100*1000+0.01*100+2*2+100
 =510+10+1500+1+4+100
 =2125(メガバイト)

●見積もり例2

前提条件
  • 稼働OS:Windows Server 2003
  • ヘルスチェック機能:有効
  • ヘルスチェックエージェントのStoreバージョン:1.0

変数の値
表C-3に示した変数a〜dおよびWが次の値とします。なお,変数Wの値の算出方法については,「(2) Storeデータベースのディスク占有量(ヘルスチェックエージェント)」を参照してください。
a=100
b=1,000
c=100
d=2
W=50

ディスク占有量の算出式
510+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W
 =510+0.1*100+0.015*100*1000+0.01*100+2*2+50
 =510+10+1500+1+4+50
 =2075(メガバイト)

●見積もり例3

前提条件
  • 稼働OS:Windows Server 2003
  • ヘルスチェック機能:無効

変数の値
表C-3に示した変数a〜dおよびWが次の値とします。なお,ヘルスチェック機能が無効のため,ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースは使用されません。このため,変数Wの値は0になります。
a=100
b=1,000
c=100
d=2
W=0

ディスク占有量の算出式
510+0.1*a+0.015*a*b+0.01*c+2*d+W
 =510+0.1*100+0.015*100*1000+0.01*100+2*2+0
 =510+10+1500+1+4+0
 =2025(メガバイト)

(2) Storeデータベースのディスク占有量(ヘルスチェックエージェント)

ヘルスチェック機能を使用する場合は,ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースについてもディスク占有量を考慮する必要があります。ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースのディスク容量はStoreバージョンによって異なります。ヘルスチェックエージェントでは,Storeバージョンのデフォルト値は2.0です。Storeバージョンが2.0の場合のディスク容量の見積もりについては「付録C.4 PFM - Agent 08-00以降をStoreデータベース(Storeバージョン2.0)で使用する場合のディスク占有量」を参照してください。ここでは,Storeバージョンが1.0の場合のディスク占有量を示します。

(a) 見積もり式(Storeバージョン1.0)

Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。

表C-5 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量

レコードタイプ ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト)
PIレコードタイプ (X1+.....+Xa+3,500*a)
PDレコードタイプ (Y1+.....+Yb+700*b)

(凡例)
X:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量

Xの算出式を次に示します。
X={e*f+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}※1}*g*1.5
Y:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量

Yの算出式を次に示します。
Y={e*h+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}※1*(h/f)※2}*1.5
a:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
b:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
d:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※3
e:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※3
f:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※5
g:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数(インスタンス数は考慮しません)※4
h:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数の上限値

注※1
{(e*f)/(65,250-d)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。

注※2
(h/f)の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。

注※3
各レコードの固定部・可変部のサイズについては,「付録H.1 データモデル」のレコードサイズを参照してください。

注※4
PIレコードタイプのレコードの場合,収集したデータがある一定の区分(時,日,週,月,および年単位)に自動的に要約されるので,分,時,日,週,月,および年の部分の保存レコード数を考慮して計算する必要があります。デフォルトの保存期間と保存レコード数を次の表に示します。
データの種類 保存期間 保存レコード数
(収集間隔が1分の場合)
分単位 1日 1,440
時単位 7日 168
日単位 1年 366
週単位 1年 52
月単位 1年 12
年単位 制限なし (収集年数)*1

注※5
各レコードのインスタンス数について次の表に示します。

表C-6 各レコードのインスタンス数

レコードID コマンド 備考
PI_HAVL jpctool service list -id "?A*" -host "*" このコマンドによって表示されるホスト名の数
PD_HC jpctool service list -id "?A*" -host "*" このコマンドによって表示されるAgent CollectorおよびRemote Monitor Collectorサービスの数
PD_HOST jpctool service list -id "?A*" -host "*" このコマンドによって表示されるホスト名の数

(b) 見積もり例

見積もり例1
PIレコードタイプのHost Availability(PI_HAVL)について,PI_HAVL以外のPIレコードタイプを保存設定していない場合。表C-5に示した変数a〜gが次の値とします。
a=1
d=681
e=292
f=25
g=2,039

(fの求め方)
表C-6からレコードのインスタンス数を求めることができます。今回はf=25とします。

(gの求め方)
PI_HAVLの収集間隔を5分,年単位の収集年数を1年として,保存期間の設定が表C-5の注※4のとおりである場合。
288+168+366+52+12+1=887レコード
g=887

Xの算出式
X={e*f+(d+1,900)*{e*f/(65,250-d)+1}}*g*1.5
X={292*25+(681+1,900)*{292*25/(65,250-681)+1}}*887*1.5
 ={7,300+(2,581)*{7,300/64,569+1}}*1330.5
 ={7,300+2,581*1}*1330.5
 =9,881*1330.5
 =13,146,671(バイト)
 =約12.5(メガバイト)

見積もり例2
PDレコードタイプのHealth Check Detail(PD_HC)について,PD_HC以外のPDレコードタイプを保存設定していない場合。
b=1
d=716
e=988
f=25
h=15,000

(fの求め方)
表C-6のレコードに対応するパフォーマンスオブジェクトのインスタンス数を参照してください。今回はf=3とします。

(hの求め方)
保存期間の設定のデフォルトは10,000レコードです。
今回は保存期間の設定を15,000レコードと設定します。

Yの算出式
Y={e*h+(d+1,900)*{(e*f)/(65,250-d)+1}*(h/f)}*1.5 
Y={988*15,000+(716+1,900)*{(988*25)/(65,250-716)+1}*(15,000/25)}*1.5
  ={988*15,000+2,616*{24,700/64,534+1}*600}*1.5
  ={14,820,000+2,616*1*744}*1.5
  ={14,820,000+1,202,304}*1.5
  =16,022,304*1.5
  =24,033,456(バイト)
  =約23(メガバイト)

(3) Storeデータベースに対するjpctool db backupコマンド・jpctool db dumpコマンド実行時に必要なディスク占有量

PFM - ManagerのMaster StoreサービスおよびヘルスチェックエージェントのStoreデータベースでの作業に必要なディスク占有量については,「付録C.5 Storeデータベースに対するjpctool db backupコマンド・jpctool db dumpコマンド実行時に必要なディスク占有量」を参照してください。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2012, Hitachi, Ltd.
(C)opyright 2000-2009, by Object Refinery Limited and Contributors.