JP1/Performance Management 設計・構築ガイド
ネットワーク構成を変更したときの,Performance Managementの設定を変更する手順を説明します。
なお,コマンドについては,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。また,PFM - ManagerとPFM - Web Console間,またはPFM - ManagerとPFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォールを通過させるための設定および注意事項については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,付録に記載されているポート番号一覧を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) PFM - Managerホスト,およびPFM - AgentまたはPFM - RMホストでの作業手順
- (2) PFM - Web Consoleホストでの作業手順
(1) PFM - Managerホスト,およびPFM - AgentまたはPFM - RMホストでの作業手順
PFM - Managerホスト,およびPFM - AgentまたはPFM - RMホストでのネットワークの設定変更手順を説明します。
(a) IPアドレスを設定する
複数のLANに接続されたネットワーク環境でPerformance Managementを運用するときに使用するIPアドレスを指定したい場合は,IPアドレスを設定します。
IPアドレスを設定したい場合は,jpchostsファイルの内容を直接編集します。
- 注意
- jpchostsファイルを設定した場合,jpchostsファイルに定義したホスト名については,hostsファイルやDNSの定義を参照しません。したがって,ホスト名から取得されるIPアドレスを,jpchostsファイルに定義しておく必要があります。
手順を次に示します。
- テキストエディターなどで,jpchostsファイルを開く。
jpchostsファイルは,インストール先フォルダに格納されています。
- jpchostsファイルを編集する。
例えば,ホスト名がhostAでIPアドレスが20.108.41.1であるホストと,ホスト名がhostBでIPアドレスが20.108.41.2と20.108.41.3であるホストのIPアドレスを次のように設定します。
IPアドレスが20.108.41.1であるホストに,エイリアス名aliasAを付与する場合,次のように設定します。
hostA 20.108.41.1 hostB 20.108.41.2, 20.108.41.3
aliasA 20.108.41.1
- 一つのホストに複数のIPアドレスを設定している場合は,先に指定したIPアドレスが優先されます。
- 次の条件に当てはまる場合,IPアドレス設定は無効です。
・ホスト名の長さが33バイト以上の場合
・ホスト名がlocalhostの場合
・10進ドット表記のIPアドレス(例:172.16.233.12)をホスト名として使用している場合
・「-」で始まるホスト名の場合
・次の文字または空白を含むホスト名の場合
\ / : , ; * ? “ > < | . =
- IPアドレスは10進ドット表記(例:172.16.233.12)で指定してください。
- 一つのホストに対して指定できるIPアドレスの数は16個です。
- 該当ホストのPerformance Managementを停止後,注意2に従い,jpchostsファイルをコピーする。
- 停止した該当ホストのPerformance Managementを再起動する。
Performance Managementを再起動すると,設定したjpchostsファイルの情報が有効になります。
- 注意1
- jpchostsファイルでのホスト名解決は,1番目に設定しているIPアドレスが使用できなくなった場合,それ以降2番目のIPアドレスを使用し続けるというものではありません。次回以降の通信でも,まず1番目のIPアドレスから順に通信を試みます。
- 注意2
- jpchostsへのPFM - Managerホストの設定追加の要否
- PFM - ManagerホストがNIC一枚の場合
PFM - Managerのjpchosts:設定の必要はありません。
PFM - Managerに接続しているPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchosts:設定の必要はありません。
- PFM - ManagerホストがNIC二枚以上の場合
PFM - Managerのjpchosts:PFM - Managerで使用したいIPアドレスを指定します。
PFM - Managerに接続しているPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchosts:PFM - Managerで使用したいIPアドレスを指定します。
- jpchostsへのPFM - AgentまたはPFM - RMホストの設定追加の要否
- 存在するPFM - AgentまたはPFM - RMホストごとに確認します。
- PFM - AgentまたはPFM - RMホストがNIC一枚の場合
PFM - Managerのjpchosts:設定の必要はありません。
確認対象のPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchosts:設定の必要はありません。
その他のPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchosts:設定の必要はありません。
- PFM - AgentまたはPFM - RMホストがNIC二枚以上の場合
PFM - Managerのjpchosts:PFM - AgentまたはPFM - RMで使用したいIPアドレスを指定します。
確認対象のPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchosts:PFM - AgentまたはPFM - RMで使用したいIPアドレスを指定します。
その他のPFM - AgentまたはPFM - RMのjpchosts:設定の必要はありません。
注 確認対象のPFM - AgentまたはPFM - RMとほかのPFM - AgentまたはPFM - RMホスト間でjpctool db backupコマンド,jpctool db clearコマンド,jpctool db dumpコマンド,またはjpctool service listコマンドなどを使用して通信する場合は,確認対象のPFM - AgentまたはPFM - RMの設定を追加する必要があります。
- 補足
- PFM - Managerホスト,およびPFM - AgentまたはPFM - RMホスト間で名前解決されていればネットワークの設定について問題はありません。ただし,運用時に混乱のないように,jpchostsファイルの定義を設定対象となるホストで統一することをお勧めします。
(b) ポート番号を設定する
PFM - ManagerとPFM - Web Console間,またはPFM - ManagerとPFM - AgentまたはPFM - RM間のファイアウォールを通過させたい場合など,Performance Managementシステムで使用するポート番号を固定して運用したい場合は,各サービスに対して固定のポート番号を設定してください。
各サービスに対して固定のポート番号を設定する場合や,一度設定したポート番号を変更する場合は,jpcconf port defineコマンドを使用します。PFM - Web Console側のポート番号は,初期設定ファイル(config.xml)で設定します。PFM - Web Consoleホストでconfig.xmlファイルを変更する手順については,「5.4.6 PFM - Web Consoleの設定変更」を参照してください。
ここでは,jpcconf port defineコマンドの実行手順を対話形式の場合と非対話形式の場合に分けて説明します。jpcconf port defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
また,ポート番号の設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,ファイアウォールの通過方向について説明している個所を参照してください。
- 補足
- Name Serverサービスに設定するポート番号については,Performance Managementシステム内の全ホストで同じ番号にする必要があります。
- また,Status Serverサービスに設定するポート番号についても,Performance Managementシステム内の全ホストで同じ番号にする必要があります。
- 他のJP1/PFMサービスについても運用での混乱を避けるため,Performance Managementシステム全体でポート番号とサービス名の対応を統一してください。
●対話形式で実行する場合
- jpcconf port defineコマンドを実行する。
例えば,すべてのサービスに対してポート番号を固定値に設定する場合,次のようにコマンドを実行します。
jpcconf port define -key all- 個々のサービスに対してポート番号を設定する。
jpcconf port defineコマンドを実行すると,現在設定されているポート番号またはデフォルトのポート番号が表示されます。
例えば,Name Serverサービスに対する,現在のポート番号が22285の場合,次のように表示されます。
ポート番号をどのように設定したいかによって,操作が異なります。設定内容と操作を次の表に示します。システム内でポート番号が重複しないかぎり,jpcconf port defineコマンドで表示されるポート番号をそのまま使用してください。
Component[Name Server] ServiceID[PN1001] Port[22285] :
設定内容 操作 表示されている番号を,サービス固定のポート番号としてそのまま使用する場合 リターンキーを押す。 ポート番号を,表示されている番号から変更する場合 1024〜65535の範囲内でポート番号を入力する。
ただし,現在システムで使用されているポート番号は指定できない。ポート番号を固定しない場合 「0」を入力する。
ただし,次のサービスは,ポート番号を固定しないように設定することはできない。「0」を入力した場合は,デフォルト値が設定される。
- Name Serverサービス
- View Serverサービス(PFM - Web ConsoleとView Serverサービス間)
- NNM Object Managerサービス
- Status Serverサービス
- 注意
- ポート番号設定時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合,サービスを停止してからjpcconf port defineコマンドを実行してください。ポート番号の設定が終わったあと,手動でサービスを起動してください。
- jpcconf port defineコマンドの実行中に,Ctrl+Cキーで中断すると,ポート番号は正しく設定されません。jpcconf port defineコマンドを再実行して,ポート番号を設定し直してください。
- 再度,jpcconf port listコマンドを実行して,ポート番号が正しく設定されたかどうかを確認する。
例えば,すべてのサービスのポート番号を表示する場合,次のようにコマンドを実行します。
Services欄またはPort欄に<error>と表示された場合は,正しく設定されていません。ポート番号を設定し直してください。エラーとなった場合,次の要因が考えられます。
jpcconf port list -key all
- ポート番号がservicesファイルに登録されていない。
- servicesファイルに同じポート番号が重複して登録されている。
●非対話形式で実行する場合
- jpcconf port defineコマンドで,定義ファイルのテンプレートを作成する。
例えば,すべてのサービスに対してポート番号を固定値に設定する場合,次のようにコマンドを実行します。
対象となるすべてのサービスのラベルおよび値が記載された定義ファイルが出力されます。ラベルの値は,すでにポート番号が設定されているサービスの場合は設定済みのポート番号になり,ポート番号が設定されていないサービスの場合は0になります。
jpcconf port define -key all -template 定義ファイル名
- 手順1で作成した定義ファイルのテンプレートを編集する。
設定したいポート番号に合わせてテンプレートの設定値を編集します。
定義ファイルの記述形式については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
定義ファイルの記述例を次に示します。
[Common Definitions] Definition File Version=0001 [Common] Name Server=22285 Status Server=22350 OpenView=22292 [Manager] Master Manager=auto Master Store=auto Correlator=auto : [Windows] Collector=0 Store=0 : [Oracle] [[oracle1]] Collector=0 Store=0- jpcconf port defineコマンドで,編集した定義ファイルを読み込ませる。
次のようにコマンドを実行します。-inputオプションには,手順2で編集した定義ファイルを指定します。
jpcconf port define -key all -input 定義ファイル名 -noquery(c) PFM - Web Consoleとの通信に使用するホスト名またはIPアドレスを設定する
PFM - ManagerとPFM - Web Consoleとの間は,TCP/IPを用いて通信します。これは,PFM - ManagerとPFM - Web Consoleが別ホストに存在する場合だけではなく,同一ホスト上に存在する場合も同様です。このため,Performance Managementを運用する場合は,PFM - ManagerホストとPFM - Web Consoleホストの双方で常に通信可能なホスト名またはIPアドレスを設定する必要があります※。設定を実施していない場合,PFM - Managerホスト名またはPFM - Web Consoleホスト名から,最初に解決されるIPアドレスが使用されます。
- 注※
- PFM - Managerに接続するPFM - Web Consoleが複数存在する場合は,すべてのPFM - Web Consoleホストから通信できるホスト名またはIPアドレスを指定する必要があります。
例えば,次のような構成や運用を取る場合は,PFM - ManagerホストとPFM - Web Consoleホストの双方で常に通信可能なホスト名またはIPアドレスを設定する必要があります。
- PFM - ManagerホストとPFM - Web Consoleホスト間でIPアドレス変換(NAT)を使用している場合
- PFM - Managerホストが業務用LANおよび監視用LANの二つのネットワークに接続され,Performance Managementは監視用LANでホスト間通信を行う場合
- ホストのメンテナンス作業の際に,一時的にNICからLANケーブルを抜く場合(この際,NICに割り当てられたIPアドレスが無効になることがあるため)
ホスト名またはIPアドレスの設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,PFM - ManagerとPFM - Web Consoleの通信で使用するホスト名の設定について説明している個所を参照してください。
(2) PFM - Web Consoleホストでの作業手順
PFM - Web Consoleホストでネットワークの設定を変更するには,初期設定ファイル(config.xml)を変更します。
config.xmlファイルを変更する手順については,「5.4.6 PFM - Web Consoleの設定変更」を参照してください。
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