2.3.2 drmfscat(ファイルシステムのバックアップ情報を表示する)

書式

drmfscat { マウントポイントディレクトリ名 | マウントポイントディレクトリ一括定義ファイル名 }
        [ -target ディレクトリ名 | -f 一括定義ファイル名 ]
        [ -device デバイスファイル名 ][ -l ][ -v ]
        [ -backup_id バックアップID ][ -hostname ホスト名 ]
        [ -comment バックアップコメント]

説明

ファイルシステムに対して実行されたバックアップ情報を表示します。複数のファイルシステムのバックアップ情報も表示できます。表示する項目を次の表に示します。

表2-9 drmfscatコマンドの表示項目

表示項目意味
INSTANCEマウントポイントディレクトリ名
BACKUP-COMMENTバックアップコメント
BACKUP-IDバックアップID
BACKUP-MODEバックアップモード
(COLD,ONLINEまたはVSS)
INSTANCEマウントポイントディレクトリ名
ORIGINAL-IDdrmfsbackupコマンドで取得した本来のバックアップID
START-TIMEスナップショットバックアップ開始時刻
END-TIMEスナップショットバックアップ終了時刻
HOSTNAMEスナップショットバックアップを実行したサーバ名
Tオブジェクトタイプ
(ファイルを表す「F」が表示されます)
FILEファイル名
FSマウントポイントディレクトリ名
FSTYPEファイルシステムタイプ
(NTFS,vxfs,vxcfs,ufs,hfs のどれか)
DG
Windowsの場合
ディスクグループ名(論理ボリュームマネージャー導入環境の場合)または「-」(ベーシックディスク構成の場合)
Solarisの場合
ディスクグループ名(論理ボリュームマネージャー導入環境の場合)
-」(論理ボリュームマネージャーを導入していない環境の場合)
LVM-DEVICE
Windowsの場合
論理デバイスファイル名(論理ボリュームマネージャー導入環境の場合)または「GUID」(論理ボリュームマネージャーを導入していない環境の場合)
Solarisの場合
論理デバイスファイル名(論理ボリュームマネージャー導入環境の場合)
Slice<#>」 #:ディスクスライス番号(論理ボリュームマネージャーを導入していない環境の場合)
DEVICE※1物理デバイスファイル名(RAWデバイスファイル名)またはHarddisk<n>(n:整数)
COPY-GROUPコピーグループ名
(RAID Managerボリュームグループ名,デバイス名)
PORT#サーバホスト側のポート名称
TID#サーバホスト側のターゲットID
LUN#サーバホスト側の論理ユニット番号
MU#ペア識別子
LDEV#RAID装置内での論理デバイス番号
P/S主ボリュームか副ボリュームかを識別する文字
P:ペアボリュームの主ボリュームを示す場合
S:ペアボリュームの副ボリュームを示す場合
SERIAL#RAID装置のシリアル番号
VIRTUAL-SERVERNAME※2仮想サーバ名(環境変数DRM_HOSTNAMEの値)
DB-PATH※2バックアップカタログ格納ディレクトリ名
CATALOG-UPDATE-TIME※2バックアップカタログ作成時刻
BACKUP-COMMENTバックアップコメント
注※1
-deviceオプションを指定してコマンドを実行した場合,Tの次に表示されます。
注※2
-vオプションを指定してコマンドを実行した場合,表示されます。

表示できない項目がある場合,その項目欄には「-」が表示されます。すべての項目が表示できない場合,エラーメッセージが表示されます。

各項目は,空白文字で区切られて表示されます。

引数

マウントポイントディレクトリ名

OSがWindowsの場合,バックアップ情報を表示したいファイルシステムのドライブ文字またはドライブ文字から始まる絶対パスを指定します。パスの末尾に「¥」がないときでも,「¥」が指定されているものとみなされます。例えば,「D:」と「D:¥」は同じドライブとみなされます。また,「D:¥MOUNTDIR」と「D:¥MOUNTDIR¥」は同じディレクトリとみなされます。

OSがSolarisの場合,バックアップ情報を表示したいファイルシステムのマウントポイントディレクトリ名を絶対パスで指定します。パスの末尾に「/」がないときでも,「/」が指定されているものとみなされます。例えば「/mnt」と「/mnt/」は同じディレクトリとみなされます。

マウントポイントディレクトリ一括定義ファイル名

バックアップ情報を表示したいファイルシステムのマウントポイントディレクトリの一覧を記述した定義ファイルのファイル名を指定します。マウントポイントディレクトリ一括定義ファイル名を指定する場合,ファイル名だけを指定してください。マウントポイントディレクトリ一括定義ファイルの格納先と記述例を次に示します。

ファイルの格納先(Windowsの場合)

<Protection Managerのインストール先>¥conf¥fs

ファイルの記述例(Windowsの場合)

D:
E:
F:¥MNT

ファイルの格納先(Solarisの場合)

/opt/drm/conf/fs

ファイルの記述例(Solarisの場合)

/mntpt1
/mntpt2
/fs/mntpt2

-target ディレクトリ名

マウントポイントディレクトリ名で指定したバックアップ情報をファイルシステム単位に表示する場合に指定します。ディレクトリ名は,マウントポイントディレクトリ名,ドライブ文字,またはボリュームマウントポイント名を表します。ディレクトリ名は,マウントポイントディレクトリ名で指定したバックアップカタログに存在する必要があります。バックアップカタログにないディレクトリ名を指定した場合,そのディレクトリのバックアップ情報は表示されません。

ディレクトリ名は,絶対パスで指定してください。複数のファイルやディレクトリの情報を表示するときは,ディレクトリ名をコンマで区切って指定します。指定する個々のディレクトリ名は,drmfsbackupコマンドで実行したパスと完全に一致させてください。ディレクトリ名のパスが完全に一致しない場合,正しいバックアップ情報が表示されません。

このオプションおよび-fオプションの両方を省略した場合は,マウントポイントディレクトリ名で指定したファイルシステムの情報を表示します。

-f 一括定義ファイル名

マウントポイントディレクトリ名で指定したファイルシステム内のファイルまたはディレクトリ単位にバックアップ情報を表示する場合に指定します。情報を表示するマウントポイントディレクトリ名,ドライブ文字,またはボリュームマウントポイント名の絶対パスの一覧を記述した一括定義ファイルをあらかじめ作成しておきます。一括定義ファイル名を指定することで,情報を表示するマウントポイントディレクトリ名,ドライブ文字,またはボリュームマウントポイント名を一度に指定できます。一括定義ファイル名は絶対パスで指定します。指定する個々のファイル名またはディレクトリ名は,drmfsbackupコマンドで実行したパスと完全に一致させてください。ファイル名またはディレクトリ名のパスが完全に一致しない場合,正しいバックアップ情報が表示されません。

このオプションおよび-targetオプションの両方を省略した場合は,マウントポイントディレクトリ名で指定したファイルシステム情報を表示します。

-device デバイスファイル名

特定のデバイスファイル名に関連するファイルシステム情報,物理ディスク情報,論理ボリューム構成情報だけを表示する場合に指定します。

-l

表示形式をロング形式にする場合に指定します。

-v

表示対象のバックアップカタログに関する情報を表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

-backup_id バックアップID

特定のバックアップIDのバックアップ情報だけを表示する場合に指定します。バックアップIDとは,バックアップデータを一意に識別するためのIDで,バックアップ時に,バックアップカタログに登録されます。

-hostname ホスト名

特定のホストに関連するバックアップ情報だけを表示する場合に指定します。

-comment バックアップコメント

特定のバックアップコメントの情報だけを表示する場合に指定します。

バックアップコメントは大文字と小文字を区別します。

バックアップコメントはワイルドカード(*)が指定できます。前方一致(XYZ*のように,先頭は検索したい文字で,末尾に任意の文字を指定する)だけ指定できます。ワイルドカード,記号,または半角スペースを指定する場合はバックアップコメントを引用符(")で囲んで指定します。記号を引用符(")で囲まない場合は,特殊記号と認識しバックアップコメントの文字列として正しく解釈できません。「-comment "*"」と指定した場合は,すべてのバックアップカタログを表示します。すべてのバックアップカタログを表示した場合,バックアップコメントが登録されていないバックアップカタログには,「-」を表示します。

「-comment ""」のように,-commentオプションのあとに引用符二つを指定した場合は,バックアップデータはありません,というメッセージを表示します。

注意事項

-targetオプション,または-fオプションによって空白を含んだファイル名またはディレクトリ名をコマンドラインのオプションとして指定する場合,指定されるパス名は,引用符(")で囲む必要があります。

ただし,一括定義ファイル内で対象のファイル名またはディレクトリ名を記述する場合は,指定するパス名を引用符(")で囲む必要はありません。

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

使用例(Windowsの場合)

使用例(Solarisの場合)