書式
Oracleのパラメーターを登録,表示,または変更する場合
drmorainit [ -v ] Oracleインスタンス名
ASMインスタンスのパラメーターを登録,表示,または変更する場合
drmorainit [ -v ] –asm ASMインスタンス名
説明
Oracleデータベースをバックアップするために必要なOracleのパラメーターをインスタンス単位に対話形式で登録,表示,または変更します。またASMインスタンスのパラメーターをインスタンス単位に対話形式で登録,表示,または変更します。登録されるOracleログインユーザーには,SYSDBA権限が必要です。またOracle Database 11gの場合,登録されるASMインスタンス接続ユーザーには,SYSASM権限が必要です。
Oracleのバージョンについては,Oracleインスタンスの起動状態に影響を受けないでバージョン情報を出力します。
コマンドを実行する前に,システムで使用するOracleユーザーがOracleへログインする時の認証方法を確認する必要があります。Oracleへの認証方法は,初期化パラメーターファイルのパラメーター「remote_login_passwordfile」の設定に依存します。このパラメーターで設定できる値は,NONE,SHARED,EXCLUSIVEの三つです。NONEはOS認証,SHARED,EXCLUSIVEはパスワードファイル認証となります。このコマンドは,認証に応じた正しいユーザー名とパスワードを入力しない場合,エラーメッセージを出力し,エラーになります。
また,コマンドを実行する前には,環境変数LD_LIBRARY_PATHにOracleが提供するライブラリパスを設定しておいてください。ライブラリパスを設定しなかった場合,コマンド実行時にエラーになります。
コマンドの書式と概要を次の表に示します。
表2-37 コマンドの書式と概要
コマンドの書式 | 概要 |
---|---|
drmorainit Oracleインスタンス名 | Oracleインスタンスパラメーター情報を登録する。 登録済みのOracleインスタンス名を指定した場合,登録パラメーターの変更ができる。 |
drmorainit –v Oracleインスタンス名 | Oracleインスタンスの登録パラメーターを表示する。関連づけられたASMインスタンスの登録パラメーターを表示する。 ASMインスタンスの登録がされていない場合はASMインスタンスのパラメーター情報の表示は省略する。 |
drmorainit –asm ASMインスタンス名 | ASMインスタンスのパラメーター情報を登録または変更する。 登録済みのASMインスタンス名を指定した場合,登録パラメーターの変更ができる。 |
drmorainit –v –asm ASMインスタンス名 | ASMインスタンスの登録パラメーターを表示する。 |
このコマンドで登録するパラメーターを次の表に示します。
表2-38 登録するパラメーター
登録するパラメーター | 入力する内容 | 必須 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
RAC環境判定 | Y,Nまたはy,n | 必須 | - |
Oracleデータベース名 | Oracleデータベース名(初期化パラメーターのDB_NAMEの値) | 必須 | - |
ASMインスタンス情報の登録選択 | Y,Nまたはy,n | 必須 | - |
ASMインスタンス名※1 | ORACLE_SID | 必須 | - |
ASMインスタンス接続ユーザー名 | ASMインスタンス接続ユーザー名 | 必須 | - |
ASMインスタンス接続パスワード | ASMインスタンス接続パスワード | 必須 | - |
ASMネットサービス名 | ASMネットサービス名 | 必須 | - |
ASMホームディレクトリ | ASMホームディレクトリ名 | 必須 | - |
Oracleログインユーザー名※2 | Oracleユーザー名 | 必須 | - |
Oracleログインパスワード※2 | Oracleユーザーのパスワード(2回) | 必須 | - |
Oracleネットサービス名※2 | Oracleネットサービス名 | 必須 | - |
Oracleホームディレクトリ | Oracleホームディレクトリ名 | 必須 | - |
初期化パラメーターファイル※3 | 初期化パラメーターファイル名 | 任意 | なし(SPFILEを使用しているものとして動作する) |
バックアップファイル格納ディレクトリ | バックアップファイル格納ディレクトリ名 | 任意 | /var/opt/drm/backup/oracle |
ログ格納ディレクトリ | ログ格納ディレクトリ名 | 任意 | /var/opt/drm/backup/oracle/log |
登録済みのOracleインスタンスまたはASMインスタンスを変更する場合での,コマンドの書式と変更できるパラメーターを次の表に示します。
表2-39 コマンドの書式と変更できるパラメーター
コマンドの書式 | 変更できるパラメーター | 変更内容 |
---|---|---|
drmorainit Oracleインスタンス名 ※1 | RAC環境判定 | RAC構成であるかどうかの判定 |
Oracleデータベース名 | Oracleデータベース名 | |
ASMインスタンス情報の 登録選択 | ASMインスタンス情報の登録を行うかどうかの判定 | |
ASMインスタンス名 | Oracleインスタンスが使用するASMインスタンス名 | |
ASMインスタンス 接続ユーザー名 | Oracleインスタンスが使用するASMインスタンスの接続ユーザ ー名 | |
ASMインスタンス 接続パスワード | Oracleインスタンスが使用するASMインスタンスの接続 パスワード | |
ASMネットサービス名 | Oracleインスタンスが使用するASMインスタンスのネットサービス名 | |
ASMホームディレクトリ | Oracleインスタンスが使用するASMのホームディレクトリ | |
Oracleログインユーザー名 | Oracleログインユーザー名 | |
Oracleログインパスワード | Oracleログインパスワード | |
Oracleネットサービス名 | Oracleネットサービス名 | |
Oracleホームディレクトリ | Oracleホームディレクトリ | |
初期化パラメーターファイル※2 | 初期化パラメーターファイル | |
バックアップファイル格納ディレクトリ | バックアップファイル 格納ディレクトリ | |
ログ格納ディレクトリ | ログ格納ディレクトリ | |
drmorainit –asm ASMインスタンス名 ※3 | ASMインスタンス 接続ユーザー名 | ASMインスタンス接続ユーザー名 |
ASMインスタンス 接続パスワード | ASMインスタンス 接続パスワード | |
ASMネットサービス名 | ASMネットサービス名 | |
ASMホームディレクトリ | ASMホームディレクトリ |
-vオプションによる登録済みのOracleインスタンスまたはASMインスタンスのパラメーター情報の表示項目を次の表に示します。
表2-40 表示項目一覧
表示項目 | Oracle インスタンス | ASMインスタンス |
---|---|---|
RAC環境判定 | ○※1 | × |
データベース名 | ○※2 | × |
ASMインスタンス名 | ○※3 | ○ |
ASMインスタンス接続ユーザー名 | ○※3 | ○ |
ASMインスタンス接続パスワード | × | × |
ASMネットサービス名 | ○※3 | ○ |
ASMホームディレクトリ | ○※3 | ○ |
Oracleバージョン | ○※4 | × |
Oracleアーカイブログモード | ○※5 | × |
Oracleインスタンス名 | ○ | × |
Oracleログインユーザー名 | ○ | × |
Oracleログインパスワード | × | × |
Oracleネットサービス名 | ○ | × |
Oracleホームディレクトリ | ○ | × |
初期化パラメーターファイル | ○※6 | × |
バックアップファイル格納ディレクトリ | ○ | × |
ログ格納ディレクトリ | ○ | × |
このコマンドで指定したパラメーターは,次の場所に格納されます。
/opt/drm/conf/oracle/<インスタンス名>.dat
このコマンドは,[Ctrl]+[C]で中断できます。このときに入力していた値は構成定義ファイルには反映されません。
バックアップ対象のOracleデータベース,ASMを次のように変更した場合,このコマンドを再度実行してOracleデータベース,ASMに関連する情報を更新する必要があります。
バックアップ対象となるOracleのバージョンが変更された場合は,このコマンドは有効になりません。Protection Manager for Oracleを再インストールして,対象となるOracleのバージョンを再登録する必要があります。
同一のOracleインスタンスに対して,このコマンドを2回以上実行すると,コマンド排他処理が働き,あとから実行したコマンドがエラー終了します。
引数
-v
登録したパラメーターを表示する場合に指定します。ただし,パスワードは表示できません。
Oracleインスタンス名
バックアップ対象のOracleインスタンスの名称を指定します。
-asm
ASMインスタンスのパラメーターの登録,表示,または変更をします。
ASMインスタンス名
バックアップ対象のOracleインスタンスが使用しているASMインスタンスの名称を指定します。
注意事項
#rm /opt/drm/conf/oracle/インスタンス名.dat
インスタンス名は,drmorainitコマンドの引数で指定した値です。戻り値
0:正常終了した場合
0以外:エラーが発生した場合
使用例
PROMPT> drmorainit 「OraIns」
KAVX0729-I 登録対象のインスタンスがRAC環境かどうかを入力してください。
RAC環境の場合は「Y」か「y」を入力してください。
そうでなければ,「N」か「n」を入力してください: y
KAVX0730-I Oracleデータベース名を入力してください:oraclerac
KAVX0731-I ASM情報を登録するかどうかを入力してください。
ASM情報を登録する場合は「Y」か「y」を入力してください。
そうでなければ,「N」か「n」を入力してください: y
KAVX0730-I ASMインスタンス名を入力してください: +ASM
KAVX0730-I ASMログインユーザーを入力してください: asmuser
KAVX0730-I ASMログインユーザーパスワードを入力してください: ********
KAVX0732-I ASMログインユーザーパスワードをもう一度入力してください: ********
KAVX0730-I ASMネットサービス名を入力してください: +ASM1.service.com
KAVX0730-I ASMホームディレクトリを入力してください: /disk1/asm_home
KAVX0733-I ASM情報を更新しました。
KAVX0704-I Oracleログインユーザーを入力してください。 : oracle1
KAVX0705-I Oracleログインユーザーパスワードを入力してください。 : ********
KAVX0706-I Oracleログインユーザーパスワードをもう一度入力してください。 : ********
KAVX0714-I Oracleネットサービス名を入力してください。 : oracle1.service.com
KAVX0707-I Oracleのホームディレクトリを入力してください。 : /disk1/ora_home
KAVX0708-I 初期化パラメーターファイル名を入力してください。 : /disk2/u01/app/dbs/init.ora
KAVX0726-I バックアップファイル格納ディレクトリを入力してください。 : /var/opt/drm/backup/oracle
KAVX0727-I ログ格納ディレクトリを入力してください。 : /var/opt/drm/backup/oracle/log
KAVX0710-I Oracle情報を更新しました。
KAVX0733-I ASM情報を更新しました。
PROMPT>
ssPROMPT> drmorainit –v OraIns
RAC環境判定 : RAC
Oracleデータベース名 : oraclerac
ASMインスタンス名 : +ASM
ASMログインユーザー : asmuser
ASMネットサービス名 : +ASM1.service.com
ASMホームディレクトリ : /disk1/asm_home
Oracleバージョン情報 : 11.1.0.6.0
Oracleアーカイブ・ログ・モード : ARCHIVELOG
Oracleインスタンス名 : OraIns
Oracleログインユーザー : oracle1
Oracleネットサービス名 : oracle1.service.com
Oracleホームディレクトリ : /disk1/ora_home
Oracle初期化ファイル名 : /disk2/u01/app/dbs/init.ora
バックアップファイル格納ディレクトリ: /var/opt/drm/backup/oracle
ログ格納ディレクトリ : /var/opt/drm/backup/oracle/log
PROMPT>
PROMPT> drmorainit OraIns
KAVX0735-I RAC環境は以下の値が設定されています。
現在の値 = y
KAVX0734-I RAC環境の場合は「Y」か「y」を入力してください。
そうでなければ,「N」か「n」を入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I Oracle データベース名は以下の値が設定されています。
現在の値 = oraclerac
KAVX0736-I Oracleデータベース名を入力してください。(Enter:現在の値を入力): oraclerac1
KAVX0735-I ASM情報は以下の値が設定されています。
現在の値 = y
KAVX0737-I ASM情報を変更するかどうかを入力してください。
ASM情報を変更する場合は「Y」か「y」を入力してください。
そうでなければ,「N」か「n」を入力してください: y
KAVX0735-I ASMインスタンス名は以下の値が設定されています。
現在の値 = +ASM
KAVX0736-I ASMインスタンス名を入力してください。(Enter:現在の値を入力): +asm
KAVX0735-I ASMログインユーザーは以下の値が設定されています。
現在の値 = asmuser
KAVX0736-I ASMログインユーザーを入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0736-I ASMログインパスワードを入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I ASMネットサービス名には以下の値が設定されています。
現在の値 = +ASM1.service.com
KAVX0736-I ASMネットサービス名を入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I ASMホームディレクトリは以下の値が設定されています。
現在の値 = /disk1/asm_home
KAVX0736-I ASMホームディレクトリを入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I Oracleログインユーザーは以下の値が設定されています。
現在の値 = oracle1
KAVX0736-I Oracleログインユーザーを入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0736-I Oracleログインパスワードを入力してください。(Enter:現在の値を入力): *******
KAVX0706-I Oracleログインユーザーパスワードをもう一度入力してください:*******
KAVX0735-I Oracleネットサービス名は以下の値が設定されています。
現在の値 = Oracle1.service.com
KAVX0736-I Oracleネットサービス名を入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I Oracleホームディレクトリは以下の値が設定されています。
現在の値 = /disk1/ora_home
KAVX0736-I Oracleホームディレクトリを入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I 初期化パラメーターファイル名は以下の値が設定されています。
現在の値 = /disk2/u01/app/dbs/init.ora
KAVX0736-I 初期化パラメーターファイル名を入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I バックアップファイル格納ディレクトリは以下の値が設定されています。
現在の値 = /var/opt/drm/backup/oracle
KAVX0736-I バックアップファイル格納ディレクトリを入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0735-I ログ格納ディレクトリは以下の値が設定されています。
現在の値 = /var/opt/drm/backup/oracle/log
KAVX0736-I ログ格納ディレクトリを入力してください。(Enter:現在の値を入力):
KAVX0710-I Oracle情報を更新しました。
KAVX0733-I ASM情報を更新しました。
PROMPT>
ROMPT> drmorainit OraIns
KAVX0729-I 登録対象のインスタンスがRAC環境かどうかを入力してください。
RAC環境の場合は「Y」か「y」を入力してください。
そうでなければ,「N」か「n」を入力してください: y
KAVX0730-I Oracleデータベース名を入力してください: oraclerac
KAVX0731-I ASM情報を登録するかどうかを入力してください。
ASM情報を登録する場合は「Y」か「y」を入力してください。
そうでなければ,「N」か「n」を入力してください: n
KAVX0704-I Oracleログインユーザーを入力してください: Oracle1
KAVX0705-I Oracleログインユーザーパスワードを入力してください: ********
KAVX0706-I Oracleログインユーザーパスワードをもう一度入力してください: ********
KAVX0714-I Oracleネットサービス名を入力してください: oracle1.service.com
KAVX0707-I Oracleのホームディレクトリを入力してください: /disk1/ora_home
KAVX0708-I 初期化パラメーターファイル名を入力してください: /disk2/u01/app/dbs/init.ora
KAVX0726-I バックアップファイル格納ディレクトリを入力してください: /var/opt/drm/backup/oracle
KAVX0727-I ログ格納ディレクトリを入力してください: /var/opt/drm/backup/Oracle/log
KAVX0710-I Oracle情報を更新しました。
PROMPT>
PROMPT> drmorainit -v OraIns
RAC環境判定 : RAC
Oracleデータベース名 : oraclerac
Oracleバージョン情報 : 11.1.0.6.0
Oracleアーカイブ・ログ・モード : ARCHIVELOG
Oracleインスタンス名 : OraIns
Oracleログインユーザー : oracle1
Oracleネットサービス名 : oracle1.service.com
Oracleホームディレクトリ : /disk1/ora_home
Oracle初期化ファイル名 : /disk2/u01/app/dbs/init.ora
バックアップファイル格納ディレクトリ : /var/opt/drm/backup/oracle
ログ格納ディレクトリ : /var/opt/drm/backup/oracle/log
PROMPT>
PROMPT> drmorainit –asm +ASM
KAVX0730-I ASMログインユーザーを入力してください: asmuser
KAVX0730-I ASMログインユーザーパスワードを入力してください: ********
KAVX0732-I ASMログインユーザーパスワードをもう一度入力してください: ********
KAVX0730-I ASMネットサービス名を入力してください: +ASM1.service.com
KAVX0730-I ASMホームディレクトリを入力してください: /disk1/asm_home
KAVX0733-I ASM情報を更新しました。
PROMPT>
PROMPT> drmorainit –v –asm +ASM
ASMインスタンス名 : +ASM
ASMログインユーザー : asmuser
ASMネットサービス名 : +ASM1.service.com
ASMホームディレクトリ : /disk1/asm_home
PROMPT>