2.9.2 drmoracat(Oracleデータベースのバックアップ情報を表示する)

書式

drmoracat Oracleインスタンス名 [ -target 表領域名 | -f 一括定義ファイル名 ]
                        [ -archive ][ -control ][ -online_redo ]
                        [ -device デバイスファイル名 ][ -l ][ -v ]
                        [ -backup_id バックアップID ][ -hostname ホスト名 ]
                        [ -comment バックアップコメント]
                        [ -asm ][ -rac ]

説明

コマンドを実行したサーバ上のOracleデータベースのバックアップ情報を表示します。表示する項目を次の表に示します。

表2-35 drmoracatコマンドの表示項目

表示項目意味
INSTANCEOracleインスタンス名
DATABASE-NAMEOracleデータベース名
ASM-INSTANCEASMインスタンス名
BACKUP-COMMENTバックアップコメント
BACKUP-IDバックアップID
BACKUP-MODEバックアップモード
(COLD,ONLINE,ONLINE(ALL),COLD(RAC), ONLINE(RAC),ONLINE(ALL)(RAC),COLD(LOCAL),またはONLINE(LOCAL))
INSTANCEOracleインスタンス名
ORIGINAL-IDdrmorabackupコマンドで取得した本来のバックアップID
START-TIMEスナップショットバックアップ開始時刻
END-TIMEスナップショットバックアップ終了時刻
HOSTNAMEスナップショットバックアップを実行したサーバ名
Tオブジェクトタイプを示します。
T:表領域
O:オンラインREDOログファイル
A:アーカイブ済みREDOログファイル
C:制御ファイル
I:初期化パラメーターファイル
OBJECTOracleオブジェクト名を示します。
表領域名:表領域名の場合
INIT:初期化パラメーターファイルの場合
ONLRDO<n>※1:オンラインREDOログファイルの場合
ARCLOG<n>※1:アーカイブ済みREDOログファイルの場合
CNTL<n>※1:制御ファイルの場合
FILEデータベースオブジェクト構成ファイル名を示します。
バックアップ対象オブジェクト「OBJECT」が制御ファイル「CNTL<n>」または初期化パラメーターファイル「INIT」で,バックアップファイル格納ディレクトリにファイルをバックアップした場合はバックアップによって生成された次のファイル名が表示されます。
RAWの場合:物理デバイス名を絶対パスで表示
ASMの場合:ASMファイル名を絶対パスで表示
FSマウントポイントディレクトリ名(RAWデバイスまたはASMの場合「-」と表示)
FSTYPEファイルシステムタイプ(vxfs,ufs,hfs,vxcfs,-※2 のどれか)
DGディスクグループ名(ASMの場合「ディスクグループ名/ASM」,RAWデバイスの場合「-」と表示)
LVM-DEVICE論理デバイスファイル名(RAWデバイスの場合「-」と表示)
DEVICE※3物理デバイスファイル名(RAWデバイスファイル名)
COPY-GROUPコピーグループ名を次の形式で示します。
RAID Managerボリュームグループ名,デバイス名
PORT#サーバホスト側のポート名称
TID#サーバホスト側のターゲットID
LUN#サーバホスト側の論理ユニット番号
MU#ペア識別子
LDEV#RAID装置内での論理デバイス番号
P/S主ボリュームか副ボリュームかを識別する文字
P:ペアボリュームの主ボリュームを示す場合
S:ペアボリュームの副ボリュームを示す場合
-:その他
SERIAL#RAID装置のシリアル番号
VIRTUAL-SERVERNAME※4仮想サーバ名(環境変数DRM_HOSTNAMEの値)
DB-PATH※4バックアップカタログ格納ディレクトリ名
CATALOG-UPDATE-TIME※4バックアップカタログ作成時刻
注※1
nは整数を示します。
注※2
RAWデバイスまたはASMの場合,「-」が表示されます。
注※3
-deviceオプションを指定してコマンドを実行した場合,OBJECTの次に表示されます。
注※4
-vオプションを指定してコマンドを実行した場合,表示されます。

表示できない項目がある場合,その項目欄には「-」が表示されます。すべての項目が表示できない場合,エラーメッセージが表示されます。

各項目は,空白文字で区切られて表示されます。

引数

Oracleインスタンス名

バックアップ情報を表示するデータベースのOracleインスタンスの名称を指定します。このオプションには,drmorainitコマンドで登録したOracleインスタンス名を指定します。

-target 表領域名

特定の表領域のバックアップ情報を表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

複数の表領域の情報を表示する場合は,表領域をコンマで区切って指定します。

このオプションおよび-fオプションの両方を省略した場合は,Oracleインスタンス名で指定したOracleインスタンス全体の表領域の情報を表示します。

-f 一括定義ファイル名

特定の表領域のバックアップ情報を表示する場合に指定します。-targetオプションと異なり,情報を表示する表領域の一覧を記述した定義ファイルをあらかじめ作成しておき,そのファイルの名称を指定することによって,情報表示する表領域を指定します。一括定義ファイル名は絶対パスで指定します。

このオプションおよび-targetオプションの両方を省略した場合は,Oracleインスタンス名で指定したOracleインスタンス全体の表領域の情報を表示します。

-archive

アーカイブ済みREDOログファイルに関連する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

-control

データベースインスタンスの制御ファイルに関連する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

-online_redo

オンラインREDOログファイルに関連する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

-device デバイスファイル

指定したOracleインスタンスに関連する特定のデバイスファイルに関する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

-l

表示形式をロング形式にする場合に指定します。

-v

表示対象のバックアップカタログに関する情報を表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

-backup_id バックアップID

特定のバックアップIDのバックアップ情報を表示する場合に指定します。バックアップIDとは,バックアップデータを一意に識別するためのIDで,バックアップ時に,バックアップカタログに登録されます。

-hostname ホスト名

特定のホストに関連するバックアップ情報だけを表示する場合に指定します。

-comment バックアップコメント

特定のバックアップコメントの情報だけを表示する場合に指定します。

バックアップコメントは大文字と小文字を区別します。

バックアップコメントはワイルドカード(*)が指定できます。前方一致(XYZ*のように,先頭は検索したい文字で,末尾に任意の文字を指定する)だけ指定できます。ワイルドカード,記号,または半角スペースを指定する場合はバックアップコメントを引用符(")で囲んで指定します。記号を引用符(")で囲まない場合は,特殊記号と認識しバックアップコメントの文字列として正しく解釈できません。「-comment "*"」と指定した場合は,すべてのバックアップカタログを表示します。すべてのバックアップカタログを表示した場合,バックアップコメントが登録されていないバックアップカタログには,「-」を表示します。

-comment ""」のように,-commentオプションのあとに引用符二つを指定した場合は,バックアップデータはありません,というメッセージを表示します。

-asm

ASMインスタンス名の情報「ASM-INSTANCE」を表示する場合に指定します。管理するASMインスタンスがない場合は「-」を表示します。

-rac

OracleインスタンスのOracleデータベース名情報「DATABASE-NAME」を表示する場合に指定します。drmorainitでOracleデータベース名を登録していない場合は「-」を表示します。

注意事項

-fオプション,または-targetオプションによって空白を含んだファイル名またはディレクトリ名をコマンドラインのオプションとして指定する場合,指定されるパス名は,引用符(")で囲む必要があります。

ただし,一括定義ファイル内で対象のファイル名またはディレクトリ名を記述する場合は,指定するパス名を引用符(")で囲む必要はありません。

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

使用例