2.9.3 drmoradisplay(Oracleデータベースの情報を表示,または更新する)

書式

Oracleデータベースの情報を表示する場合

drmoradisplay [ Oracleインスタンス名 ]
             [ -target 表領域名 | -f 一括定義ファイル名 ]
             [ -archive ][ -control ][ -online_redo ]
             [ -device デバイスファイル名 ][ -l ][ -v ][ -cf ]
             [ -asm ][ -rac ]

ディクショナリマップファイルの情報を最新の状態に更新する場合

drmoradisplay [ Oracleインスタンス名 ] -refresh [ -coremap ]

説明

次の三つの機能があります。

  1. コマンドを実行したサーバ上のOracleデータベースのリソース情報を表示します。
  2. コマンドを実行したシステム上の任意のOracleインスタンスについて,リソース情報を表示します。
  3. ディクショナリマップファイルのOracleデータベースの情報を更新します。バックアップする前に実行してください。

1.および2.で表示する項目を次の表に示します。

表2-36 drmoradisplayコマンドの表示項目

表示項目意味
INSTANCEOracleインスタンス名
DATABASE-NAMEOracleデータベース名
ASM-INSTANCEASMインスタンス名
Tオブジェクトタイプを示します。
T:表領域
O:オンラインREDOログファイル
A:アーカイブ済みREDOログファイル
C:制御ファイル
I:初期化パラメーターファイル
OBJECTOracleオブジェクト名を示します。
表領域名:表領域名
INIT:初期化パラメーターファイル
ONLRDOn※1:オンラインREDOログファイル
ARCLOGn※1:アーカイブ済みREDOログファイル
CNTLn※1:制御ファイル
FILEデータベースオブジェクト構成ファイル名
(RAWデバイスの場合,物理デバイス名をフルパスで表示。ASMの場合,ASMファイル名を表示)
FSマウントポイントディレクトリ名(RAWデバイスまたはASMの場合「-」と表示)
FSTYPEファイルシステムタイプ(vxfs,ufs,hfs,vxcfs,-のどれか)
RAWデバイスまたはASMの場合「-」で表示
DGディスクグループ名(ASMの場合「ディスクグループ名/ASM」,RAWデバイスの場合「-」と表示)
LVM-DEVICE論理デバイスファイル名(ASMの場合「-」と表示)
DEVICE※2物理デバイスファイル名(RAWデバイスファイル名)
COPY-GROUPコピーグループ名を次の形式で示します。
RAID Managerボリュームグループ名,デバイス名
PORT#サーバホスト側のポート名称
TID#サーバホスト側のターゲットID
LUN#サーバホスト側の論理ユニット番号
MU#ペア識別子
LDEV#RAID装置内での論理デバイス番号
P/S主ボリュームか副ボリュームかを識別する文字
P:ペアボリュームの主ボリュームを示す場合
S:ペアボリュームの副ボリュームを示す場合
-:ペアボリュームを構成していないボリュームを示す場合
SERIAL#RAID装置内でのシリアル番号
COPY-FUNCコピー種別
コピー種別:コピー種別の名称はDKCソフトウェア製品(ストレージサブシステム装置)のモデルおよびマイクロコードのバージョンによって変わります。
-:ペアボリュームを構成していないボリュームを示す場合(この表示を使用して動作するようなプログラムを作成しないでください)
GEN-NAME世代識別名
drmoradisplayコマンドに-refreshオプションを指定して取得するリソース情報を基に自動生成します。
local_n:ローカルのペアボリュームの場合(nは0から999までの世代番号)
remote_n:リモートのペアボリュームの場合(nは0から999までの世代番号)
-:ペアボリュームを構成していないボリュームを示す場合
VIRTUAL-SERVERNAME※3仮想サーバ名(環境変数DRM_HOSTNAMEの値)
DB-PATH※3ディクショナリマップファイル格納ディレクトリ名
CORE-MAPFILE-UPDATE-TIME※3コアマップファイル更新時刻
APP.-MAPFILE-UPDATE-TIME※3アプリケーションマップファイル更新時刻
注※1
nは整数を示します。
注※2
-deviceオプションを指定してコマンドを実行した場合,OBJECTの次に表示されます。
注※3
-vオプションを指定してコマンドを実行した場合,表示されます。

表示できない項目がある場合,その項目欄には「-」が表示されます。すべての項目が表示できない場合,エラーメッセージが表示されます。

各項目は,空白文字で区切られて表示されます。

引数

Oracleインスタンス名

情報を表示または更新するOracleデータベースのOracleインスタンスの名称を指定します。このオプションには,drmorainitコマンドで登録したOracleインスタンス名を指定します。Oracleインスタンス名を省略した場合,drmorainitコマンドで登録してあるすべてのOracleインスタンスの情報を表示または更新します。

-target 表領域

指定したOracleインスタンスの特定の表領域に関する情報を表示する場合に指定します。複数の表領域を表示する場合は,表領域名をコンマで区切って指定します。

-f 一括定義ファイル

指定したOracleインスタンスの特定の表領域に関する情報を表示する場合に指定します。-targetオプションと異なり,表示する表領域の一覧を記述した一括定義ファイルをあらかじめ作成しておき,そのファイルの名称を指定することで,情報を表示する表領域を一度に指定できます。一括定義ファイル名は絶対パスで指定します。

-archive

指定したOracleインスタンスのアーカイブ済みREDOログファイルに関する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

Oracleインスタンス名を省略した場合,すべてのOracleインスタンスのアーカイブ済みREDOログファイルに関する情報を表示します。

-control

指定したOracleインスタンスの制御ファイルに関する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

Oracleインスタンス名を省略した場合,すべてのOracleインスタンスの制御ファイルに関する情報を表示します。

-online_redo

指定したOracleインスタンスのオンラインREDOログファイルに関する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

Oracleインスタンス名を省略した場合,すべてのOracleインスタンスのオンラインREDOログファイルに関する情報を表示します。

-device デバイスファイル名

Oracleインスタンス名で指定したOracleインスタンスに関連する特定のデバイスファイル名に関する情報だけを表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

Oracleインスタンス名を省略した場合,すべてのOracleインスタンスのオンラインREDOログファイルに関する情報を表示します。

-l

Oracleデータベースの情報をロング形式で表示する場合に指定します。

-v

表示対象のディクショナリマップファイルに関する情報を表示する場合に指定します。次の情報を表示します。

-cf

ローカルコピーであるかリモートコピーであるかの種別を表示する場合に指定します。このオプションを指定した場合は,リモートの情報も表示されます。

-asm

このオプションを指定した場合,ASMインスタンス名を表示します。管理するASMインスタンスがない場合は「-」が表示されます。

-rac

OracleインスタンスのOracleデータベース名「DATABASE-NAME」を表示します。drmorainitでOracleデータベースを登録していない場合は「-」を表示します。

このオプションは,-refreshと同時に指定できません。

-refresh

指定したOracleインスタンスの情報だけを最新の状態に更新します。このオプションにOracleインスタンス名だけを指定した場合は次のように動作します。

Oracleインスタンス名を省略した場合,すべてのOracleインスタンスに関するディクショナリマップファイルの情報を最新の状態に更新します。このとき,コアマップファイルは更新時にいったん情報が削除されてから,更新されます。ディクショナリマップファイルにsnapshotのディスク情報を設定する場合も,このオプションを指定します。

このオプションは,Oracleインスタンス名および-coremap以外のオプションとは同時に指定できません。

次の場合は,ディクショナリマップファイルを再構成してください。

ディクショナリマップファイルを再構成しなかった場合,drmorabackupコマンドの実行時に,サーバとディクショナリマップファイルの内容に不整合が検出されて,コマンドがエラー終了します。

-coremap

コアマップファイルを更新する場合に指定します。このオプションは,必ず-refreshと同時に指定します。また,Oracleインスタンス名と一緒に指定した場合だけ有効となります。

ディクショナリマップファイルの更新に失敗すると,コアマップファイルの情報は削除された状態になります。

注意事項

-fオプション,または-targetオプションによって空白を含んだファイル名またはディレクトリ名をコマンドラインのオプションとして指定する場合,指定されるパス名は,引用符(")で囲む必要があります。

ただし,一括定義ファイル内で対象のファイル名またはディレクトリ名を記述する場合は,指定するパス名を引用符(")で囲む必要はありません。

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

使用例