1.5.3 EX_DRM_TAPE_BACKUP(副ボリュームのデータなどをテープにバックアップする)

書式(Windowsの場合)

EX_DRM_TAPE_BACKUP オペレーションID
                 [ -exopt [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 ]
                   [ -raw ][ -force ] [ -bup_env 構成定義ファイル名 ] ]

次の書式でもコマンドを実行できます。

EX_DRM_TAPE_BACKUP オペレーションID
                 [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 ][ -raw ]

書式(Solarisの場合)

EX_DRM_TAPE_BACKUP オペレーションID
                 [ -exopt
                   [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 | -raw ]
                   [ -force ] [ -bup_env 構成定義ファイル名 ] ]

説明

drmmountコマンド,drmmediabackupコマンドおよびdrmumountコマンドを実行し,バックアップサーバ上の特定のマウントポイントに副ボリュームをマウントし,バックアップしたデータをテープへバックアップします。テープへのバックアップが完了すると,マウントされた副ボリュームは自動的にアンマウントされます。なお,バックアップ対象がOracleデータベースの場合はOracle制御ファイル,バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合はSQL Serverメタファイルもテープにバックアップします。

drmmountコマンドが正常に終了した場合,drmmediabackupコマンドの実行結果に関係なく,drmumountコマンドが実行されます。

前提条件

次の前提条件があります。

なお,複数のEX_DRM_TAPE_BACKUPを同時に実行する場合は,コマンドリトライ時間に注意する必要があります。設定値の詳細については,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド」の,コマンド実行時の注意事項を参照してください。

引数

オペレーションID

処理の対象となるリソースを表す固有の文字列を指定します。指定したオペレーションIDに対応したオペレーション定義ファイルの情報が,拡張コマンドの実行に使用されます。

-exopt

このオプションは,拡張された機能を使用するために指定します。ほかのオプションを指定するときは,このオプションも指定する必要があります。ただし,Windowsの場合は,-forceオプションと-bup_envオプションを指定しないときには,このオプションを省略できます。

-mount_ptマウントポイントディレクトリ名

副ボリュームをマウントするマウントポイントディレクトリの名称を指定します。副ボリュームは,指定したマウントポイントにマウントされ,副ボリュームのデータがテープへバックアップされます。Solaris環境で拡張コマンドを実行する場合は,このオプションと-rawオプションを同時に指定することはできません。

Windowsの場合
マウントポイントディレクトリ名はドライブ文字またはドライブ文字から始まる絶対パスで指定します。
マウントポイントディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。
  • 最大文字数:指定できるパスの長さは,RAID Managerのマウント,アンマウント機能の制限に準拠します。
    ディスクバックアップでバックアップ対象の出力ボリュームがマウントされているパスの長さとテープバックアップで副ボリュームをマウントするパスの長さは,上記パス長の制限以内にしてください。
  • 使用できる文字:Windowsでディレクトリ名に使用できる文字(ただし,空白,2バイト文字,半角かたかなは使用できません)
    マウントポイントディレクトリ名としてドライブを指定すると,指定したドライブを基点として未使用のドライブをアルファベット順に検索し,マウントします。
    マウントポイントディレクトリ名としてドライブ文字から始まる絶対パスを指定すると,マウント先は次のようになります。

<マウントポイントディレクトリ名に指定した絶対パス>¥<主ボリュームのドライブ文字>¥<主ボリュームの絶対パス>

(例)
主ボリュームが「C:¥p_mnt¥」にマウントされていて,-mount_ptオプションに指定したマウントポイントディレクトリ名が「D:¥s_mnt¥」の場合,副ボリュームでのマウント先は「D:¥s_mnt¥C¥p_mnt¥」となります。
パスの末尾に「¥」がない場合でも,「¥」が指定されているものとみなされます。例えば,「D:」と「D:¥」は同じドライブとみなされます。また,「D:¥MOUNTDIR」と「D:¥MOUNTDIR¥」は同じディレクトリとみなされます。
Solarisの場合
マウントポイントディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。
  • 最大文字数:255バイト
  • 使用できる文字:各OSでディレクトリ名として使用できる文字
パスの末尾に「/」がない場合でも,「/」が指定されているものとみなされます。例えば「/mnt」と「/mnt/」は同じディレクトリとみなされます。
マウントポイントディレクトリ名として「/」を指定した場合,主ボリュームにマウントしていたマウントポイントで,副ボリュームにマウントします。
指定するディレクトリは,コマンドを実行する前に作成しておく必要があります。

このオプションを省略した場合,次のマウントポイントが使われます。

Windowsの場合
拡張コマンド実行時に使用されていないドライブ
Solarisの場合
/var/opt/drm/mnt

-raw

このオプションは,副ボリュームをRAWデバイスとしてバックアップする場合に指定します。RAWデバイスとしてバックアップする場合,副ボリュームはマウントされないで,論理ボリューム単位でバックアップされます。Solaris環境で拡張コマンドを実行する場合は,このオプションと-mount_ptオプションを同時に指定することはできません。

このオプションを省略した場合,副ボリュームはファイルシステムまたはデータベースとしてバックアップされます。ただし,Solaris環境で,対象となる副ボリュームにRAWボリュームのデータとファイルシステムまたはデータベースのデータが混在している場合にこのオプションを省略すると,RAWボリュームのデータはRAWデバイスとしてバックアップされ,ファイルシステムまたはデータベースのデータはファイルシステムまたはデータベースとしてバックアップされます。

-force

このオプションは,強制的にマウントを実行する場合に指定します。このオプションを指定すると,ファイルサーバまたはデータベースサーバでバックアップを実行したときに取得した主ボリュームのコピーグループ名がファイルサーバまたはデータベースサーバの情報と一致していれば,LDEV番号またはSERIAL番号が一致していない場合にも強制的にマウントされます。

このオプションを省略すると,ファイルサーバまたはデータベースサーバでバックアップを実行したときに取得した主ボリュームのコピーグループ名,LDEV番号およびSERIAL番号がファイルサーバまたはデータベースサーバの情報と一致していない場合には,マウントされないで拡張コマンドにエラーが発生します。

このオプションは,副ボリュームが障害などの理由で交換され,LDEV番号またはSERIAL番号が変更された場合など,主ボリュームのコピーグループ名だけをキーとして強制的に副ボリュームにマウントする必要があるときに指定してください。通常のバックアップでこのオプションを指定した場合,データが破壊されるおそれがあります。

-bup_env構成定義ファイル名

テープにバックアップ,または,テープからリストアをする場合に,ユーザーが作成した構成定義ファイルの起動パラメーターを指定したいときに指定します。

このオプションを省略した場合は,デフォルトの構成定義ファイルを使用します。このため,デフォルトの構成定義ファイルを作成しておく必要があります。

構成定義ファイルは,デフォルト構成定義ファイルと同じディレクトリの下に作成してください。詳細については,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド」の,構成定義ファイルの作成についての記述を参照してください。

構成定義ファイル名を指定するときの条件は次のとおりです。

Windowsの場合
最大文字数(ディレクトリ長とファイル名の合計):255バイト
使用できる文字:Windowsでファイル名として使用できる文字
Solarisの場合
最大文字数(ディレクトリ長とファイル名の合計):1023バイト
使用できる文字:各OSでファイル名として使用できる文字

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

エラーの発生条件

次の場合には,この拡張コマンドはエラーとなります。

使用例