2.5.4 drmtapebackup(副ボリュームからテープにバックアップする)

書式(Windowsの場合)

drmtapebackup バックアップID [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 ] [ -raw ]

書式(Solarisの場合)

バックアップIDを指定して副ボリュームからテープにバックアップする場合

drmtapebackup バックアップID [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 ]

副ボリュームをRAWデバイスとしてバックアップする場合

drmtapebackup バックアップID -raw

説明

副ボリュームのデータをテープへバックアップします。バックアップサーバ上の特定のマウントポイントディレクトリを副ボリュームにマウントし,バックアップIDで指定したバックアップ情報を基に,副ボリュームのデータをテープへバックアップします。テープへのバックアップが完了すると,マウントされた副ボリュームは自動的にアンマウントされます。

drmtapebackupコマンドでバックアップしたデータは,drmtaperestoreコマンドおよびdrmmediarestoreコマンドのどちらでもリストアできます。

注意事項
このコマンドおよびdrmtaperestoreコマンドは,Protection Manager 01-04以前のバージョンから継続して運用を変えない場合にだけ使用してください。そのほかの場合には,drmmediabackupdrmmediarestoreコマンド,または拡張コマンドを使用してください。

drmtapebackupコマンドを実行する前に,次のことを確認してください。

drmtapebackupコマンドの実行中に異常が発生した場合は,Protection Managerが提供するバックアップ管理製品のトレースログの内容を参照し,出力内容に従って対処してください。

NetBackupの場合
トレースログは,次のファイルに出力されます。
Windowsの場合
<Protection Managerのインストール先>¥log¥drm_nbu_backup.log
Solarisの場合
/var/opt/drm/log/drm_nbu_backup.log
Backup Execの場合
Protection Managerでは,Backup Execのトレースログを提供していません。異常が発生した場合は,Backup Execが提供するログを確認するか,GUIを起動して状況を確認し,対処してください。

引数

バックアップID

テープへバックアップするバックアップデータが記憶されている副ボリュームをバックアップIDとして指定します。バックアップIDとは,バックアップデータを一意に識別するためのIDで,バックアップ時に,バックアップカタログに登録されます。

バックアップIDを確認するには,バックアップ対象に応じて,次のどれかのコマンドを実行します。

-mount_pt マウントポイントディレクトリ名

副ボリュームをマウントするマウントポイントディレクトリの名称を指定します。副ボリュームは,指定したマウントポイントにマウントされ,バックアップ管理製品によって副ボリュームのデータがテープへバックアップされます。

Windowsの場合
マウントポイントディレクトリ名はドライブ文字を指定します。
マウントポイントディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。
  • 使用できる文字:Windowsでドライブ文字に使用できる文字
マウントポイントディレクトリ名としてドライブを指定すると,指定したドライブを基点として未使用のドライブをアルファベット順に検索し,マウントします。
マウントポイントディレクトリ名に指定したドライブ文字の末尾に「¥」がない場合でも,「¥」が指定されているものとみなされます。例えば,「D:」と「D:¥」は同じドライブとみなされます。
Solarisの場合
マウントポイントディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。
  • 最大文字数:255バイト
  • 使用できる文字:各OSでディレクトリ名として使用できる文字
パスの末尾に「/」がない場合でも,「/」が指定されているものとみなされます。例えば「/mnt」と「/mnt/」は同じディレクトリとみなされます。
マウントポイントディレクトリ名として「/」を指定した場合,主ボリュームにマウントしていたマウントポイントで,副ボリュームにマウントします。
指定するディレクトリは,コマンドを実行する前に作成しておく必要があります。

このオプションを省略した場合,次のマウントポイントが使われます。

Windowsの場合
drmtapebackupコマンド実行時に使用されていないドライブ
Solarisの場合
/var/opt/drm/mnt

-raw

このオプションは,副ボリュームをRAWデバイスとしてバックアップする場合に指定します。RAWデバイスとしてバックアップする場合,副ボリュームはマウントされないで,論理ボリューム単位でバックアップされます。

このオプションはWindowsではNetBackupの場合だけ使用できます。

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

使用例(Windowsの場合)

バックアップID「0000000002」のバックアップデータを,Dドライブにマウントし,テープにバックアップする。

PROMPT> drmtapebackup 0000000002 -mount_pt D:

使用例(Solarisの場合)

バックアップID「0000000002」のバックアップデータを,ディレクトリ「/tmp」にマウントし,テープにバックアップする。

PROMPT> drmtapebackup 0000000002 -mount_pt /tmp