2.5.1 drmmediabackup(副ボリュームからテープにバックアップする)

書式

drmmediabackup バックアップID
   [ -raw ] [ -bkdir バックアップファイルディレクトリ ]
   [ -bup_env 構成定義ファイル名 ]

説明

副ボリュームのデータをテープへバックアップします。バックアップIDで指定したバックアップ情報を基に,副ボリュームのデータをテープへバックアップします。このコマンドを実行する前にdrmmountコマンドを実行し,バックアップサーバ上の特定のマウントポイントディレクトリで副ボリュームにマウントする必要があります。また,このコマンドを実行したあとにdrmumountコマンドを実行し,マウントした副ボリュームをアンマウントする必要があります。

drmmediabackupコマンドでバックアップしたデータは,drmmediarestoreコマンドでリストアできます。

drmmediabackupコマンドを実行する前に,次のことを確認してください。

drmmediabackupコマンドの実行中に異常が発生した場合は,Protection Managerが提供するバックアップ管理製品のトレースログの内容を参照し,出力内容に従って対処してください。

NetBackupの場合
トレースログは,次のファイルに出力されます。
Windowsの場合
<Protection Managerのインストール先>¥log¥drm_nbu_backup.log
Solarisの場合
/var/opt/drm/log/drm_nbu_backup.log
Backup Execの場合
Protection Managerでは,Backup Execのトレースログを提供していません。異常が発生した場合は,Backup Execが提供するログを確認するか,GUIを起動して状況を確認し,対処してください。

なお,複数のdrmmediabackupコマンドを同時に実行する場合は,コマンドリトライ時間に注意する必要があります。設定値の詳細については,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド」の,コマンド実行時の注意事項を参照してください。

引数

バックアップID

テープへバックアップするバックアップデータが記憶されている副ボリュームをバックアップIDとして指定します。バックアップIDとは,バックアップデータを一意に識別するためのIDで,バックアップ時に,バックアップカタログに登録されます。

バックアップIDを確認するには,バックアップ対象に応じて,次のどれかのコマンドを実行します。

drmmediabackupコマンドを使用する場合は,事前にdrmmountコマンドで,バックアップIDを指定してマウントしておいてください。drmmountコマンドで,コピーグループ名を指定してマウントしたときは,drmmediabackupコマンドを使用できません。

-raw

このオプションは,副ボリュームをRAWデバイスとしてバックアップする場合に指定します。RAWデバイスとしてバックアップする場合,論理ボリューム単位でバックアップされます。

このオプションはWindowsではNetBackupの場合にだけ使用できます。

-bkdir バックアップファイルディレクトリ

バックアップ対象がSQL ServerデータベースまたはOracleデータベースの場合に,バックアップファイルディレクトリを変更したいときに指定します。

このオプションを省略した場合,このコマンドを実行したときにバックアップカタログに登録されているディレクトリをバックアップします。

バックアップファイルディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。

Windowsの場合
最大文字数:255バイト
使用できる文字:Windowsでディレクトリ名に使用できる文字。空白を含む場合はバックアップファイルディレクトリを引用符("")で囲んで指定します。
バックアップファイルディレクトリ名としてドライブは指定できません。バックアップファイルディレクトリの最後に「¥」は指定できません。
Solarisの場合
最大文字数:1023バイト
使用できる文字:各OSでディレクトリ名として使用できる文字(空白は使用できません)
バックアップファイルディレクトリ名として「/」は指定できません。バックアップファイルディレクトリの最後に「/」は指定できません。

このオプションは,テープへバックアップする副ボリュームのデータが,ディレクトリ付きでバックアップされているときに指定できます。ディレクトリ付きのバックアップとは,次のオプションを指定してバックアップした状態のことです。

それぞれのオプションの詳細については「2.7.1 drmsqlbackup(SQL Serverデータベースを副ボリュームにバックアップする)」または「2.9.1 drmorabackup(Oracleデータベースを副ボリュームにバックアップする)」を参照してください。

なお,バックアップファイルディレクトリ長に,使用するバックアップソフト(NetBackup,Backup Execなど)が受け付ける最大バックアップパス長以上を指定しないでください。

-bup_env 構成定義ファイル名

テープにバックアップ,または,テープからリストアをする場合に,ユーザーが作成した構成定義ファイルの起動パラメーターを指定したいときに指定します。

このオプションを省略した場合は,デフォルトの構成定義ファイルを使用します。このため,デフォルトの構成定義ファイルを作成しておく必要があります。

構成定義ファイルは,デフォルト構成定義ファイルと同じディレクトリの下に作成してください。詳細については,「Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド」の,構成定義ファイルの作成についての記述を参照してください。

構成定義ファイル名を指定するときの条件は次のとおりです。

Windowsの場合
最大文字数(ディレクトリ長とファイル名の合計):255バイト
使用できる文字:Windowsでファイル名として使用できる文字
Solarisの場合
最大文字数(ディレクトリ長とファイル名の合計):1023バイト
使用できる文字:各OSでファイル名として使用できる文字

注意事項

drmmediabackupコマンドを実行するホストに,NetBackupのマスターサーバ,メディアサーバまたはクライアントサーバの三つすべてが構成されている場合以外は,drmtapecatコマンドの実行時にBACKUP-MEDIAの項目に「-」が表示されます。NetBackupのイメージカタログを参照して,メディアラベル名を確認してください。

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

使用例(Windowsの場合)

バックアップID「0000000002」のバックアップデータを,Dドライブにマウントし,テープにバックアップする。

PROMPT> drmmount 0000000002 -mount_pt D:
PROMPT> drmmediabackup 0000000002
PROMPT> drmumount 0000000002

使用例(Solarisの場合)

バックアップID「0000000002」のバックアップデータを,ディレクトリ「/tmp」にマウントし,テープにバックアップする。

PROMPT> drmmount 0000000002 -mount_pt /tmp
PROMPT> drmmediabackup 0000000002
PROMPT> drmumount 0000000002