2.9.4 drmorainit(Oracleのパラメーターを登録する)

書式

Oracleのパラメーターを登録,表示,または変更する場合

drmorainit [ -v ] Oracleインスタンス名

ASMインスタンスのパラメーターを登録,表示,または変更する場合

drmorainit [ -v ] –asm ASMインスタンス名

説明

Oracleデータベースをバックアップするために必要なOracleのパラメーターをインスタンス単位に対話形式で登録,表示,または変更します。またASMインスタンスのパラメーターをインスタンス単位に対話形式で登録,表示,または変更します。登録されるOracleログインユーザーには,SYSDBA権限が必要です。またOracle Database 11gの場合,登録されるASMインスタンス接続ユーザーには,SYSASM権限が必要です。

Oracleのバージョンについては,Oracleインスタンスの起動状態に影響を受けないでバージョン情報を出力します。

コマンドを実行する前に,システムで使用するOracleユーザーがOracleへログインする時の認証方法を確認する必要があります。Oracleへの認証方法は,初期化パラメーターファイルのパラメーター「remote_login_passwordfile」の設定に依存します。このパラメーターで設定できる値は,NONESHAREDEXCLUSIVEの三つです。NONEはOS認証,SHARED,EXCLUSIVEはパスワードファイル認証となります。このコマンドは,認証に応じた正しいユーザー名とパスワードを入力しない場合,エラーメッセージを出力し,エラーになります。

また,コマンドを実行する前には,環境変数LD_LIBRARY_PATHにOracleが提供するライブラリパスを設定しておいてください。ライブラリパスを設定しなかった場合,コマンド実行時にエラーになります。

コマンドの書式と概要を次の表に示します。

表2-37 コマンドの書式と概要

コマンドの書式概要
drmorainit Oracleインスタンス名Oracleインスタンスパラメーター情報を登録する。
登録済みのOracleインスタンス名を指定した場合,登録パラメーターの変更ができる。
drmorainit –v Oracleインスタンス名Oracleインスタンスの登録パラメーターを表示する。関連づけられたASMインスタンスの登録パラメーターを表示する。
ASMインスタンスの登録がされていない場合はASMインスタンスのパラメーター情報の表示は省略する。
drmorainit –asm ASMインスタンス名ASMインスタンスのパラメーター情報を登録または変更する。
登録済みのASMインスタンス名を指定した場合,登録パラメーターの変更ができる。
drmorainit –v –asm ASMインスタンス名ASMインスタンスの登録パラメーターを表示する。

このコマンドで登録するパラメーターを次の表に示します。

表2-38 登録するパラメーター

登録するパラメーター入力する内容必須デフォルト値
RAC環境判定Y,Nまたはy,n必須
Oracleデータベース名Oracleデータベース名(初期化パラメーターのDB_NAMEの値)必須
ASMインスタンス情報の登録選択Y,Nまたはy,n必須
ASMインスタンス名※1ORACLE_SID必須
ASMインスタンス接続ユーザー名ASMインスタンス接続ユーザー名必須
ASMインスタンス接続パスワードASMインスタンス接続パスワード必須
ASMネットサービス名ASMネットサービス名必須
ASMホームディレクトリASMホームディレクトリ名必須
Oracleログインユーザー名※2Oracleユーザー名必須
Oracleログインパスワード※2Oracleユーザーのパスワード(2回)必須
Oracleネットサービス名※2Oracleネットサービス名必須
OracleホームディレクトリOracleホームディレクトリ名必須
初期化パラメーターファイル※3初期化パラメーターファイル名任意なし(SPFILEを使用しているものとして動作する)
バックアップファイル格納ディレクトリバックアップファイル格納ディレクトリ名任意/var/opt/drm/backup/oracle
ログ格納ディレクトリログ格納ディレクトリ名任意/var/opt/drm/backup/oracle/log
(凡例)
-:該当なし
必須の項目を入力しなかった場合や警告メッセージが表示された場合は,3回まで再度入力が促されます。
注※1
ASMインスタンス名の登録直前に,ASMインスタンス名に関する登録を行うかどうかの選択をします。登録しないを選択した場合,次のパラメーターの登録はしません。
  • Oracleデータベース名
  • ASMインスタンス名
  • ASMインスタンス接続ユーザー名
  • ASMインスタンス接続パスワード
  • ASMネットサービス名
  • ASMホームディレクトリ
注※2
前後に入力した半角スペースは無視されます。
注※3
初期化パラメーターファイルは,Oracleデータベースが初期化パラメーターファイルを使用している場合だけ値を登録してください。

登録済みのOracleインスタンスまたはASMインスタンスを変更する場合での,コマンドの書式と変更できるパラメーターを次の表に示します。

表2-39 コマンドの書式と変更できるパラメーター

コマンドの書式変更できるパラメーター変更内容
drmorainit Oracleインスタンス名 ※1RAC環境判定RAC構成であるかどうかの判定
Oracleデータベース名Oracleデータベース名
ASMインスタンス情報の
登録選択
ASMインスタンス情報の登録を行うかどうかの判定
ASMインスタンス名Oracleインスタンスが使用するASMインスタンス名
ASMインスタンス
接続ユーザー名
Oracleインスタンスが使用するASMインスタンスの接続ユーザ
ー名
ASMインスタンス
接続パスワード
Oracleインスタンスが使用するASMインスタンスの接続
パスワード
ASMネットサービス名Oracleインスタンスが使用するASMインスタンスのネットサービス名
ASMホームディレクトリOracleインスタンスが使用するASMのホームディレクトリ
Oracleログインユーザー名Oracleログインユーザー名
OracleログインパスワードOracleログインパスワード
Oracleネットサービス名Oracleネットサービス名
OracleホームディレクトリOracleホームディレクトリ
初期化パラメーターファイル※2初期化パラメーターファイル
バックアップファイル格納ディレクトリバックアップファイル
格納ディレクトリ
ログ格納ディレクトリログ格納ディレクトリ
drmorainit –asm
ASMインスタンス名
※3
ASMインスタンス
接続ユーザー名
ASMインスタンス接続ユーザー名
ASMインスタンス
接続パスワード
ASMインスタンス
接続パスワード
ASMネットサービス名ASMネットサービス名
ASMホームディレクトリASMホームディレクトリ
注※1
Oracleインスタンス名は登録済みである必要があります。
注※2
初期化パラメーターファイルが登録済みの場合,登録されている初期化パラメーターファイル名が表示されます。サーバパラメーターファイルが登録済みの場合,登録されているサーバパラメーターファイル名は表示されません。
使用するファイルを変更する場合は,次のように入力します。
  • 初期化パラメーターファイルからサーバパラメーターファイルに変更する場合
    「SPFILE」を入力します。
  • サーバパラメーターファイルから初期化パラメーターファイルに変更する場合
    変更先の初期化パラメーターファイルをフルパスで入力します。
  • 初期化パラメーターファイルの場所,またはファイル名を変更する場合
    変更先の初期化パラメーターファイルをフルパスで入力します。
注※3
ASMインスタンス名は登録済みである必要があります。

-vオプションによる登録済みのOracleインスタンスまたはASMインスタンスのパラメーター情報の表示項目を次の表に示します。

表2-40 表示項目一覧

表示項目Oracle インスタンスASMインスタンス
RAC環境判定※1×
データベース名※2×
ASMインスタンス名※3
ASMインスタンス接続ユーザー名※3
ASMインスタンス接続パスワード××
ASMネットサービス名※3
ASMホームディレクトリ※3
Oracleバージョン※4×
Oracleアーカイブログモード※5×
Oracleインスタンス名×
Oracleログインユーザー名×
Oracleログインパスワード××
Oracleネットサービス名×
Oracleホームディレクトリ×
初期化パラメーターファイル※6×
バックアップファイル格納ディレクトリ×
ログ格納ディレクトリ×
(凡例)
○:表示する
×:表示しない
注※1
RAC構成の場合「RAC」,非RAC構成の場合「NON RAC」を表示します。
注※2
RAC構成の場合だけ表示します。
注※3
ASMインスタンスが未登録の場合は表示を省略します。
注※4
バージョン番号は「x.x.x.x.x」(xは整数)の形式で表示されます(例:11.1.0.7.0)。
注※5
Oracleインスタンスがアーカイブログモードの場合は「ARCHIVELOG」が表示されます。
Oracleインスタンスが非アーカイブログモードの場合は「NOARCHIVELOG」が表示されます。
Oracleインスタンスが停止中の場合は「-」(ハイフン)が表示されます。
注※6
SPFILEを使用する場合は,「SPFILE」と表示します。

このコマンドで指定したパラメーターは,次の場所に格納されます。

/opt/drm/conf/oracle/<インスタンス名>.dat

このコマンドは,[Ctrl]+[C]で中断できます。このときに入力していた値は構成定義ファイルには反映されません。

バックアップ対象のOracleデータベース,ASMを次のように変更した場合,このコマンドを再度実行してOracleデータベース,ASMに関連する情報を更新する必要があります。

バックアップ対象となるOracleのバージョンが変更された場合は,このコマンドは有効になりません。Protection Manager for Oracleを再インストールして,対象となるOracleのバージョンを再登録する必要があります。

同一のOracleインスタンスに対して,このコマンドを2回以上実行すると,コマンド排他処理が働き,あとから実行したコマンドがエラー終了します。

引数

-v

登録したパラメーターを表示する場合に指定します。ただし,パスワードは表示できません。

Oracleインスタンス名

バックアップ対象のOracleインスタンスの名称を指定します。

-asm

ASMインスタンスのパラメーターの登録,表示,または変更をします。

ASMインスタンス名

バックアップ対象のOracleインスタンスが使用しているASMインスタンスの名称を指定します。

注意事項

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

使用例