Hitachi Protection Manager Software コマンドリファレンス
コピーグループ名を指定してマウントする場合(Windowsの場合)
drmmount -copy_group コピーグループ名 [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 ]バックアップIDを指定してマウントする場合(Windowsの場合)
drmmount バックアップID [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 ][ -force ][ -conf]バックアップIDを指定してマウントする場合(Solarisの場合)
drmmount バックアップID [ -mount_pt マウントポイントディレクトリ名 | -raw ][ -force ]副ボリュームをマウントし,該当するコピーグループをロックします。次のような場合に使用します。
- バックアップ,リストアの対象となる副ボリュームをマウントする。
- バックアップする前に,システムキャッシュをクリアする。
- バックアップやリストアしたあとで,アンマウント状態になった副ボリュームをマウントする。
副ボリュームのマウントポイントは,コピーグループマウント定義ファイルがあればこれに従います。コピーグループマウント定義ファイルについては,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド」の,副ボリュームのマウント方法の設定を参照してください。
バックアップIDを指定すると,指定したバックアップIDに対応するコピーグループをロックします。drmmountでロックしたコピーグループはdrmumountコマンドでロックが解除されますので,drmmountコマンドで副ボリュームをマウントしたら,必ずdrmumountコマンドで副ボリュームをアンマウントしてください。
ファイルシステムとしてフォーマットされていない副ボリュームやミラー状態の副ボリュームはマウントできません。
drmmountコマンドは,ボリュームマネージャーによるディスクグループ構成のバックアップ対象およびリストア対象となっている副ボリュームをマウントできます。Windowsの場合,Veritas Volume Manager for Windows環境でのダイナミックディスク構成(ディスクグループと同等)の副ボリュームをマウントするためには,事前にコピーグループマウント定義ファイルの作成が必要となります。コピーグループマウント定義ファイルは,drmmountコマンドに-confオプションを指定して実行することで自動作成できます。
次のような場合,副ボリュームをマウントしないで,メッセージを出力してエラーになります。
- 副ボリュームが参照できないホスト上でこのコマンドを実行した場合
- バックアップを実行したときに取得した主ボリュームのコピーグループ名,LDEV番号およびDKCシリアル番号が,現在のバックアップサーバの情報と一致していない場合
- ペア(PAIR)状態の副ボリュームに,このコマンドを実行した場合
-copy_group コピーグループ名(Windowsの場合)
マウントするコピーグループの名称を指定します。OSがWindowsの場合,データをバックアップする前に,システムキャッシュをクリアする必要があります。このとき,バックアップサーバからコピーグループを指定して副ボリュームをマウントします。そのあと,drmumountコマンドでアンマウントすることでシステムキャッシュがクリアされます。
Veritas Volume Manager for Windows環境でのダイナミックディスク構成で,-copy_groupオプションを指定する場合は,事前にコピーグループマウント定義ファイルの作成が必要です。
コピーグループ名を確認するには,drmfscatコマンドまたはdrmfsdisplayコマンドを実行します。
-mount_pt マウントポイントディレクトリ名
副ボリュームをマウントするマウントポイントディレクトリの名称を絶対パスで指定します。
- Windowsの場合
- マウントポイントディレクトリ名をドライブ文字またはドライブ文字から始まる絶対パスで指定します。
- マウントポイントディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。
- 最大文字数:指定できるパスの長さは,RAID Managerのマウント,アンマウント機能の制限に準拠します。
- 使用できる文字:Windowsでディレクトリ名に使用できる文字(ただし,空白,2バイト文字,半角かたかなは使用できません)
- マウントポイントディレクトリ名としてドライブを指定すると,指定したドライブを基点として未使用のドライブをアルファベット順に検索し,マウントします。
- マウントポイントディレクトリ名としてドライブ文字から始まる絶対パスを指定すると,マウント先は次のようになります。
- コピーグループ名を指定してマウントする場合
マウントポイントディレクトリ名に指定した絶対パス- バックアップIDを指定してマウントする場合
<マウントポイントディレクトリ名に指定した絶対パス>\<主ボリュームのドライブ文字>\<主ボリュームでのマウントポイント>- パスの末尾に「\」がない場合でも,「\」が指定されているものとみなされます。例えば,「D:」と「D:\」は同じドライブとみなされます。また,「D:\MOUNTDIR」と「D:\MOUNTDIR\」は同じディレクトリとみなされます。
- Solarisの場合
- マウントポイントディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。
- 最大文字数:255バイト
- 使用できる文字:各OSでディレクトリ名として使用できる文字
- パスの末尾に「/」がない場合でも,「/」が指定されているものとみなされます。例えば「/mnt」と「/mnt/」は同じディレクトリとみなされます。
- マウントポイントディレクトリ名として「/」を指定した場合,主ボリュームにマウントしていたマウントポイントで,副ボリュームにマウントします。
- 指定するディレクトリは,コマンドを実行する前に作成しておく必要があります。
このオプションを省略した場合,次のマウントポイントが使われます。
- Windowsの場合
- drmmountコマンド実行時に使用されていないドライブ
- Solarisの場合
- /var/opt/drm/mnt/主ボリュームのマウントポイント
バックアップID
マウントする主ボリュームに関連したバックアップIDを指定します。指定したバックアップIDで識別されるバックアップで,複数のコピーグループが使用されていた場合,すべてのコピーグループの副ボリュームがマウントされます。
バックアップIDを確認するには,バックアップ対象に応じて,次のどれかのコマンドを実行します。
- バックアップ対象がファイルシステムの場合:drmfscatコマンド
- drmmountコマンド実行後にdrmmediarestoreコマンドでリストアを行う場合:drmtapecatコマンド
- バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合:drmsqlcatコマンド
- バックアップ対象がストレージグループの場合:drmexgcatコマンド
- バックアップ対象がOracleデータベースの場合:drmoracatコマンド
-raw(Solarisの場合)
このオプションは,マウントする副ボリュームをRAWデバイスとして処理する場合に指定します。drmmediabackupコマンドで-rawオプションを指定してバックアップする場合は,必ずこのオプションを指定してください。
drmmediabackupコマンドで-rawオプションを指定して生成したバックアップデータをマウントする場合は,このオプションを省略しても,RAWデバイスとして処理されます。
drmmediabackupコマンドで-rawオプションを指定しないで生成したバックアップデータをマウントする場合にこのオプションを指定すると,コマンドにエラーが発生し,メッセージが出力されます。
-force
強制的にマウントするときに指定します。指定したバックアップIDに対して,マウントボリュームのコピーグループ名が一致している場合は,LDEV番号またはDKCシリアル番号が一致していないときでも強制的にマウントします。
- 注意事項
- -forceオプションを指定すると,副ボリュームのLDEV番号およびDKCシリアル番号をチェックしないでマウントするので,データが破壊されるおそれがあります。
-conf(Windowsの場合)
マウントされた副ボリュームからコピーグループマウント定義情報を抽出して,コピーグループマウント定義ファイルを作成または更新します。コピーグループマウント定義ファイルの作成は,Veritas Volume Manager for Windows環境でのダイナミックディスク構成で,副ボリュームをマウントしてテープバックアップおよびリストアする運用をするために必要です。
このオプションはバックアップIDと同時に指定する必要があります。
作成されるコピーグループマウント定義ファイル名を次に示します。
<Protection Managerのインストール先>\conf\vm\CG_MP.conf
0:正常終了した場合
0以外:エラーが発生した場合
- バックアップID「0000000001」で識別される副ボリュームを,「D:」にマウントする。
PROMPT> drmmount 0000000001 -mount_pt D:このとき,バックアップID「0000000001」で複数の副ボリュームがバックアップされている場合,Dドライブを基点にして,使用していないドライブをアルファベット順に検索し,マウント処理が実行されます。- バックアップID「0000000001」で識別される副ボリュームを,「E:\SVOLMNT」にマウントする。
PROMPT> drmmount 0000000001 -mount_pt E:\SVOLMNTこのとき,バックアップされた主ボリュームのマウントポイントが次の構成の場合,P: P:\MNT Q:それぞれ次のパスにマウントされます。E:\SVOLMNT\P E:\SVOLMNT\P\MNT E:\SVOLMNT\Q
- バックアップID「0000000001」で識別される副ボリュームをマウントする。
PROMPT> drmmount 0000000001このとき,バックアップID「0000000001」で複数の副ボリュームがバックアップされている場合,次のマウントポイントに副ボリュームがマウントされます。/var/opt/drm/mnt/<主ボリュームのマウントポイント>主ボリュームのマウントポイントは,drmfscatコマンドで確認できます。- バックアップID「0000000001」で識別される副ボリュームを,-mount_ptオプションを指定してマウントする。
PROMPT> drmmount 0000000001 -mount_pt /mnt /mnt/主ボリュームのマウントポイント主ボリュームのマウントポイントは,drmfscatコマンドで確認できます。