Hitachi Protection Manager Software コマンドリファレンス
drmmediabackup バックアップID [ -raw ] [ -bkdir バックアップファイルディレクトリ ] [ -bup_env 構成定義ファイル名 ]副ボリュームのデータをテープへバックアップします。バックアップIDで指定したバックアップ情報を基に,副ボリュームのデータをテープへバックアップします。このコマンドを実行する前にdrmmountコマンドを実行し,バックアップサーバ上の特定のマウントポイントディレクトリで副ボリュームにマウントする必要があります。また,このコマンドを実行したあとにdrmumountコマンドを実行し,マウントした副ボリュームをアンマウントする必要があります。
drmmediabackupコマンドでバックアップしたデータは,drmmediarestoreコマンドでリストアできます。
drmmediabackupコマンドを実行する前に,次のことを確認してください。
- バックアップ管理製品と連携している。
- drmmountコマンドを実行し,バックアップ対象の副ボリュームをマウントしてある。
- テープバックアップ用の定義ファイルが作成してある。
- 副ボリュームはミラー状態ではない。
drmmediabackupコマンドの実行中に異常が発生した場合は,Protection Managerが提供するバックアップ管理製品のトレースログの内容を参照し,出力内容に従って対処してください。
- NetBackupの場合
- トレースログは,次のファイルに出力されます。
- Windowsの場合
- <Protection Managerのインストール先>\log\drm_nbu_backup.log
- Solarisの場合
- /var/opt/drm/log/drm_nbu_backup.log
- Backup Execの場合
- Protection Managerでは,Backup Execのトレースログを提供していません。異常が発生した場合は,Backup Execが提供するログを確認するか,GUIを起動して状況を確認し,対処してください。
なお,複数のdrmmediabackupコマンドを同時に実行する場合は,コマンドリトライ時間に注意する必要があります。設定値の詳細については,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド」の,コマンド実行時の注意事項を参照してください。
バックアップID
テープへバックアップするバックアップデータが記憶されている副ボリュームをバックアップIDとして指定します。バックアップIDとは,バックアップデータを一意に識別するためのIDで,バックアップ時に,バックアップカタログに登録されます。
バックアップIDを確認するには,バックアップ対象に応じて,次のどれかのコマンドを実行します。
- バックアップ対象がファイルシステムの場合:drmfscatコマンド
- バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合:drmsqlcatコマンド
- バックアップ対象がストレージグループの場合:drmexgcatコマンド
- バックアップ対象がOracleデータベースの場合:drmoracatコマンド
drmmediabackupコマンドを使用する場合は,事前にdrmmountコマンドで,バックアップIDを指定してマウントしておいてください。drmmountコマンドで,コピーグループ名を指定してマウントしたときは,drmmediabackupコマンドを使用できません。
-raw
このオプションは,副ボリュームをRAWデバイスとしてバックアップする場合に指定します。RAWデバイスとしてバックアップする場合,論理ボリューム単位でバックアップされます。
このオプションはWindowsではNetBackupの場合にだけ使用できます。
-bkdir バックアップファイルディレクトリ
バックアップ対象がSQL ServerデータベースまたはOracleデータベースの場合に,バックアップファイルディレクトリを変更したいときに指定します。
このオプションを省略した場合,このコマンドを実行したときにバックアップカタログに登録されているディレクトリをバックアップします。
バックアップファイルディレクトリ名を指定するときの条件は次のとおりです。
- Windowsの場合
- 最大文字数:255バイト
- 使用できる文字:Windowsでディレクトリ名に使用できる文字。空白を含む場合はバックアップファイルディレクトリを引用符("")で囲んで指定します。
- バックアップファイルディレクトリ名としてドライブは指定できません。バックアップファイルディレクトリの最後に「\」は指定できません。
- Solarisの場合
- 最大文字数:1023バイト
- 使用できる文字:各OSでディレクトリ名として使用できる文字(空白は使用できません)
- バックアップファイルディレクトリ名として「/」は指定できません。バックアップファイルディレクトリの最後に「/」は指定できません。
このオプションは,テープへバックアップする副ボリュームのデータが,ディレクトリ付きでバックアップされているときに指定できます。ディレクトリ付きのバックアップとは,次のオプションを指定してバックアップした状態のことです。
- バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合:-template以外のオプションを指定して,drmsqlbackupを実行したとき
- バックアップ対象がOracleデータベースの場合:-mode coldオプション,または-mode online -allオプションを指定して,drmorabackupを実行したとき
それぞれのオプションの詳細については「2.7.1 drmsqlbackup(SQL Serverデータベースを副ボリュームにバックアップする)」または「2.9.1 drmorabackup(Oracleデータベースを副ボリュームにバックアップする)」を参照してください。
なお,バックアップファイルディレクトリ長に,使用するバックアップソフト(NetBackup,Backup Execなど)が受け付ける最大バックアップパス長以上を指定しないでください。
-bup_env 構成定義ファイル名
テープにバックアップ,または,テープからリストアをする場合に,ユーザーが作成した構成定義ファイルの起動パラメーターを指定したいときに指定します。
このオプションを省略した場合は,デフォルトの構成定義ファイルを使用します。このため,デフォルトの構成定義ファイルを作成しておく必要があります。
構成定義ファイルは,デフォルト構成定義ファイルと同じディレクトリの下に作成してください。詳細については,「Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド」の,構成定義ファイルの作成についての記述を参照してください。
構成定義ファイル名を指定するときの条件は次のとおりです。
- Windowsの場合
- 最大文字数(ディレクトリ長とファイル名の合計):255バイト
- 使用できる文字:Windowsでファイル名として使用できる文字
- Solarisの場合
- 最大文字数(ディレクトリ長とファイル名の合計):1023バイト
- 使用できる文字:各OSでファイル名として使用できる文字
drmmediabackupコマンドを実行するホストに,NetBackupのマスターサーバ,メディアサーバまたはクライアントサーバの三つすべてが構成されている場合以外は,drmtapecatコマンドの実行時にBACKUP-MEDIAの項目に「-」が表示されます。NetBackupのイメージカタログを参照して,メディアラベル名を確認してください。
0:正常終了した場合
0以外:エラーが発生した場合
バックアップID「0000000002」のバックアップデータを,Dドライブにマウントし,テープにバックアップする。
PROMPT> drmmount 0000000002 -mount_pt D: PROMPT> drmmediabackup 0000000002 PROMPT> drmumount 0000000002バックアップID「0000000002」のバックアップデータを,ディレクトリ「/tmp」にマウントし,テープにバックアップする。
PROMPT> drmmount 0000000002 -mount_pt /tmp PROMPT> drmmediabackup 0000000002 PROMPT> drmumount 0000000002