2.16.6 Solarisのボリュームマネージャーについての前提条件と注意事項
Protection Managerは,Solaris環境でボリュームマネージャーが存在しない構成をサポートしています。サポートに関する前提条件と注意事項を説明します。
- この項の構成
- (1) ディスクラベルについて
- (2) ディスクスライスについて
- (3) 物理ディスクのデバイスファイル名について
- (4) 物理ディスクのデバイスファイルをシンボリックリンクにした場合
- (5) ASMを使用する場合
- (6) Veritas Cluster Volume Managerを使用する場合
- (7) 主ボリュームと副ボリュームが同一ホスト上で管理されている構成について
(1) ディスクラベルについて
- OSにディスクのスライスを正しく認識させるために,ディスクラベルを付与する必要があります。Protection ManagerはVTOCラベルをサポートしています。
(2) ディスクスライスについて
- Protection Managerのバックアップコマンドは,drmfsdisplayコマンドまたはdrmoradisplayコマンドに-refreshオプションを指定して実行し,ディクショナリマップファイル更新時に情報収集の対象となったボリュームを構成するすべてのスライスがバックアップ対象として指定されないとエラー終了します。ディクショナリマップファイル更新時に情報収集の対象となるスライスの対象情報を次に示します。
表2-2 情報収集の対象となるスライスの対象情報
スライス番号 | 説明 | ディクショナリマップファイル更新時の動作 |
---|
0 | ルートパーティションを表します。 条件付きで情報収集の対象となります。 | このスライスをマウントした場合にだけ情報収集の対象とします。 |
1 | スワップ領域を表します。 情報収集の対象外です。 | スワップ領域は一般的なデータを配置するスライスではないため,情報収集の対象外とします。 このスライスをマウントした場合,対象ディスクのすべてのスライスを情報収集の対象外とします。 |
2 | ディスク全体を表します。 条件付きで情報収集の対象となります。 | このスライスをマウントしており,ほかに対象となるスライスが存在しない場合に情報収集の対象とします。 このスライスを対象とした場合には,ほかのスライスは情報収集の対象外とします。 このスライスとほかのスライスが同時にマウントされている場合,対象ディスクのすべてのスライスは情報収集の対象外とします。 |
3~7 | 必要に応じて定義できる領域を表します。 条件付きで情報収集の対象となります。 | これらのスライスは,存在すればすべて情報収集の対象とします。 ただし,次の場合は対象外です。
- スライス番号2にマウントポイントが存在する。
- スライス番号1にマウントポイントが存在する。
|
(3) 物理ディスクのデバイスファイル名について
- クラスタ環境では全ノードで同一のデバイスファイルにする必要があります。
(4) 物理ディスクのデバイスファイルをシンボリックリンクにした場合
- キャラクタデバイスファイルとブロックデバイスファイルが対となるようにシンボリックリンクを作成してください。
- 物理ディスクに対応するすべてのスライス(0~7)のデバイスファイルへのシンボリックリンクを作成する必要があります。
- 階層的なシンボリックリンクになっている場合,「/dev」配下のいちばん上位にあたるデバイスファイルが情報収集の対象となります。
(5) ASMを使用する場合
- ディクショナリマップファイルの更新には,drmoradisplayコマンドを使用してください。
drmfsdisplayコマンドでディクショナリマップファイルを更新した場合,drmoradisplayコマンドでASMの情報が表示されません。
- 一つのボリュームのスライスをそれぞれ異なるASMディスクグループに登録した場合,drmoradisplay -refreshがエラー終了します。
(6) Veritas Cluster Volume Managerを使用する場合
- バックアップおよびリストアは,マスターノードで実行する必要があります。実行ノードがマスターノードかスレーブノードか確認する方法についてはVeritas Cluster Volume Managerのマニュアルを参照してください。
(7) 主ボリュームと副ボリュームが同一ホスト上で管理されている構成について
- バックアップ対象がボリュームマネージャーの管理下にない場合だけ,主ボリュームと副ボリュームが同一ホストで管理されている構成をサポートします。