4.11.2 テープバックアップ用構成定義ファイルの作成

使用するバックアップ管理製品に応じて,サンプルとして提供されているテープバックアップ用構成定義ファイルの名称を次のように変更してください。

サンプルのテープバックアップ用構成定義ファイルは,次の場所に格納されています。

この項の構成
(1) 定義するパラメーター
(2) 定義ファイルの作成例
(3) ユーザー任意の構成定義ファイルについて

(1) 定義するパラメーター

テープバックアップ用構成定義ファイルに記述するパラメーターは,次に示す表の順序に従います。

表4-41 テープバックアップ用構成定義ファイルで定義するパラメーター(NetBackupの場合)

パラメーター説明
INST_PATHNetBackupをインストールしたパスを絶対パスで記述します(1,024バイト以内)。
NBU_MASTER_SERVERWindowsの場合:
バックアップ先を問い合わせるNetBackupのマスターサーバ名を記述します(255バイト以内)。OSによって名前解決されているホスト名,またはIPアドレス(IPv4)を指定します。このパラメーターを省略した場合,NetBackupのマスターサーバ名としてコマンドを実行したホストのホスト名を適用します。このパラメーターは,NetBackup6.5以降を使用する場合に指定できます。
INCLUDE_EXECWindowsの場合:
includeコマンドの実行可否を記述します(8バイト以内)。このパラメーターは大文字・小文字を区別しません。
  • YES」を指定する場合
    NetBackupのbpplincludeコマンド,またはbpclincludeコマンドを実行して,Protection Managerがポリシー(クラス)にバックアップ対象パスを登録します。drmmediabackupコマンドを実行したあとに,Protection Managerがポリシー(クラス)に登録したバックアップ対象パスを削除します。また,バックアップ先メディア情報をバックアップカタログに登録します。
  • YES」以外の文字列を指定する場合
    Protection Managerがポリシー(クラス)にバックアップ対象パスを登録しません。そのため,ユーザーがNetBackupを操作してポリシー(クラス)にバックアップ対象パスを登録する必要があります。
このパラメーターを省略した場合,「YES」が指定された場合と同じ動作になります。このパラメーターはNetBackup6.5以降を使用する場合に指定できます。
MOUNT_POINTWindowsの場合:
バックアップ対象のマウントポイントを絶対パスで記述します(255バイト以内)。
バックアップ対象のマウントポイントの記述が見つからない場合は,「default」と記述したCLASSまたはPOLICY,およびSCHEDULEで指定した値が使用されます。
Protection Managerがテープバックアップ時に自動的にマウントする順番と同じ順番で,テープバックアップ用構成定義ファイルにマウントポイントを記述してください。Protection Managerは次の規則でマウントします。
  • テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを引数で指定する場合
    指定したドライブから,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。
  • テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを指定しない場合
    すべての空きドライブの中から,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。
上記の規則のうち,実際のテープバックアップおよびリストア時の運用方法に従って,Windowsのエクスプローラなどで空きドライブを確認し,空いているドライブをアルファベット順に記述してください。
  • バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合
    バックアップ対象となる,データベースが含まれるマウントポイント以外に,VDIメタファイルが格納されているボリュームを指定する必要があります。指定するには,VDIメタファイルが格納されているディレクトリを絶対パスで指定するか,「default」と記述します。
    VDIメタファイル格納ディレクトリは,MOUNT_POINTの最後(ただし「default」より前)に指定してください。
Solarisの場合:
バックアップ対象のマウントポイントを絶対パスで記述します(255バイト以内)。
バックアップ対象のマウントポイントの記述が見つからない場合は,「default」と記述したCLASSおよびSCHEDULEで指定した値が使用されます。
バックアップ対象がRAWボリュームの場合
バックアップ対象となる副ボリュームのスペシャルデバイスファイルを指定します。副ボリュームのスペシャルデバイスファイル名の例を次に示します。副ボリュームの「nnn」部分にはバックアップ世代番号を指定します。
  • Veritas Volume Managerの場合
    主ボリュームファイル名:/dev/vx/dsk/dg01/vol-1
    副ボリュームファイル名:
    ローカルコピーの場合:/dev/vx/dsk/SLnnndg01/vol-1
    リモートコピーの場合:/dev/vx/dsk/SRnnndg01/vol-1
  • Veritas Volume Manager管理外のディスクの場合
    副ボリュームファイル名:/dev/dsk/*s2
CLASSまたはPOLICYMOUNT_POINTで指定したパスに格納されているデータをバックアップするために使用するクラス名またはポリシー名を記述します(255バイト以内)。
Windowsの場合,POLICYまたはCLASSのどちらでも使用できます。ただし,同一のMOUNT_POINTに対してPOLICYCLASSの両方を指定してはいけません。
SCHEDULEMOUNT_POINTで指定したパスに格納されているデータをバックアップするために使用するスケジュール名を記述します(255バイト以内)。
PARALLEL_COUNTテープへのバックアップおよびテープからのリストアを並列で実行する場合に指定します。PARALLEL_COUNTで指定した数値でバックアッププロセスが並列実行されます。1~999の間で指定します。この範囲を超える値を指定したり,数字以外の文字を設定したりした場合,並列実行されないで,シーケンシャルに実行されます。バックアップを並列実行するためには,あらかじめNetBackupで並列実行する数だけCLASSまたはPOLICYを作成,設定しておいてください。

表4-42 テープバックアップ用定義ファイルで定義するパラメーター(Backup Execの場合)

パラメーター説明
INST_PATHBackup Execをインストールしたパスを絶対パスで記述します(1,024バイト以内)。
MOUNT_POINTバックアップ対象のマウントポイントを絶対パスで記述します(255バイト以内)。
バックアップ対象のマウントポイントの記述が見つからない場合は,「default」と記述したSCRIPT_FILEで指定した値が使用されます。
Windowsの場合:
テープバックアップ時にマウントするマウントポイントを指定します。Protection Managerがテープバックアップ時に自動的にマウントする順番と同じ順番で,テープバックアップ用構成定義ファイルにマウントポイントを記述してください。Protection Managerは次の規則でマウントします。
  • テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを引数で指定する場合
    指定したドライブから,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。
  • テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを指定しない場合
    すべての空きドライブの中から,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。
上記の規則のうち,実際のテープバックアップおよびリストア時の運用方法に従って,Windowsのエクスプローラなどで空きドライブを確認し,空いているドライブをアルファベット順に記述してください。
  • バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合
    バックアップ対象となる,データベースが含まれるマウントポイント以外に,VDIメタファイルが格納されているボリュームを指定する必要があります。指定するには,VDIメタファイルが格納されているディレクトリを絶対パスで指定するか,「default」と記述します。
    VDIメタファイル格納ディレクトリは,MOUNT_POINTの最後(ただし「default」より前)に指定してください。
SCRIPT_FILEMOUNT_POINTで指定したパスに格納されているデータをバックアップするために使用するバックアップジョブスクリプトファイル名を記述します(1,024バイト以内)
注※
バックアップジョブスクリプトファイルの詳細は,Backup Execのマニュアルを参照してください。
バックアップジョブスクリプトファイルのサンプル(bjscript.txt)は,Backup Execのインストール用CD-ROMに収録されています。
Protection Managerで使用するBackup Execバックアップジョブスクリプトファイルの例を次に示します。

[General]
JOB_TYPE=Backup
JOB_NAME=tapebackup
[Backup_Options]
OVERWRITE_JOB=YES
[Media_Options]
MEDIA_NAME=DSK000001
MEDIA_SET=TAPEMEDIA_SET
APPEND=YES
APPEND_NO_OVERWRITE=YES
[Miscellaneous]
[Schedule]
RUN_IMMEDIATE=YES
[W2K]
[Selections]
PATH1=
SUBDIRS1=

INST_PATHNBU_MASTER_SERVERINCLUDE_EXECPARALLEL_COUNT以外のパラメーターは,マウントポイントごとに複数記述することができます。ただし,次の規則に従ってください。

注※
Protection ManagerとBackup Execを連携する場合,単一ドライブを使用した直列バックアップだけができます。複数テープドライブを使った並列バックアップおよび並列リストアはできません。

(2) 定義ファイルの作成例

(3) ユーザー任意の構成定義ファイルについて

drmmediabackupコマンドまたはdrmmediarestoreコマンドを,-bup_envオプションを指定して実行する場合(実行するコマンドごとに任意の構成定義ファイルを指定する場合),対象となる構成定義ファイルをあらかじめ作成しておいてください。

なお,drmmediabackupコマンドまたはdrmmediarestoreコマンドを,-bup_envオプションを省略して実行する場合,デフォルトの構成定義ファイルのパラメーターを使用してバックアップ管理製品を起動するので,デフォルトの構成定義ファイルは消さないで残しておいてください。

ユーザー任意の構成定義ファイル名を指定するときの条件は次のとおりです。

Windowsの場合
最大文字数:ディレクトリの文字数と合わせて255バイト
使用できる文字:Windowsでファイル名として使用できる文字
格納先:<Protection Managerのインストール先>¥conf¥tape¥
Solarisの場合
最大文字数:ディレクトリの文字数と合わせて1,023バイト
使用できる文字:各OSでファイル名として使用できる文字
格納先:/opt/drm/conf/tape/

任意の構成定義ファイルの作成例を示します。

曜日ごとに構成定義ファイルを変更する場合,次のように7種類の構成定義ファイルを作成し,各曜日のファイルに必要なパラメーターを定義しておきます。

NBU_MONDAY.dat

NBU_TUESDAY.dat

NBU_WEDNESDAY.dat

NBU_THURSDAY.dat

NBU_FRIDAY.dat

NBU_SATURDAY.dat

NBU_SUNDAY.dat