5.4.2 コマンド同時実行の可否

コマンドはパラレル実行(並行して実行)できません。あとから実行したコマンドは先に実行したコマンドが終了したあとに実行されます。クラスタ構成の場合に,仮想サーバが複数あるときも同様です。また,拡張コマンドの実行時に実行される基本コマンドも同様です。このため,コマンド実行時には,実行時間に注意が必要になります。

表5-15 コマンドの同時実行の可否(ファイルシステムのバックアップとリストアに使用するコマンド)

コマンド名機能の概要同時実行の可否
drmfsbackupファイルシステムをディスクにバックアップします。×
drmfscatファイルシステムのバックアップ情報を一覧で表示します。
drmfsdisplay
  • ファイルシステムの情報を一覧で表示します。
  • ディクショナリマップファイルを最新の状態に更新します。
drmfsrestoreファイルシステムをリストアします。×
(凡例)
○:ほかのコマンドを実行しているときでも,コマンドを実行できる。
×:同時実行不可(×)のコマンドとは,同時に実行できない。
注※
-refreshオプションを付けてコマンドを実行する場合は,同時実行不可(×)のコマンドとなります。そのほかのオプションを付けてコマンドを実行するときは,同時実行可(○)のコマンドとなります。

表5-16 コマンドの同時実行の可否(共通系コマンド)

コマンド名機能の概要同時実行の可否
drmappcatホスト上のカタログ情報を表示します。※1
drmcgctl
  • コピーグループをロックします。
  • ロックしたコピーグループのロックを解除します。
  • コピーグループの一覧を表示します。
×※2
drmclusinitクラスタソフトウェアのパラメーターを登録します。
drmdevctl副ボリュームのデバイスを隠ぺいおよび隠ぺい解除します。×
drmdbexportバックアップ情報をファイルへエクスポートします。×
drmdbimportファイルからバックアップ情報をインポートします。×
drmhostinfoホスト情報の一覧を表示します。
drmlicenseライセンス情報を表示,追加,または更新します。
drmresyncコピーグループを再同期して,バックアップデータを消去します。×
drmvssimportVSSインポートサーバを起動または停止します。
(凡例)
○:ほかのコマンドを実行しているときでも,コマンドを実行できる。
×:同時実行不可(×)のコマンドとは,同時に実行できない。
注※1
-deleteオプションを付けてコマンドを実行する場合は,同時実行不可(×)のコマンドとなります。そのほかのオプションを付けてコマンドを実行するときは,同時実行可(○)のコマンドとなります。
注※2
コピーグループの一覧を表示する場合は,ほかのコマンドと同時に実行できます。

表5-17 コマンドの同時実行の可否(テープ系コマンド)

コマンド名機能の概要同時実行の可否
drmmediabackupバックアップデータをテープへバックアップします。※1
drmmediarestoreテープに格納したバックアップデータをリストアします。※1
drmmountディスクボリュームをマウントします。×
drmtapebackupバックアップデータをテープへバックアップします。×
drmtapecatテープのバックアップ情報を一覧で表示します。※2
drmtapeinitバックアップ管理製品のパラメーターを登録します。
drmtaperestoreテープに格納したバックアップデータをリストアします。×
drmumountディスクボリュームをアンマウントします。×
(凡例)
○:ほかのコマンドを実行しているときでも,コマンドを実行できる。
×:同時実行不可(×)のコマンドとは,同時に実行できない。
注※1
同時実行できるのは,drmmediabackupコマンドとdrmmediarestoreコマンドです。バックアップ管理製品の実行中だけ,同時実行できます。
注※2
-deleteオプションを付けてコマンドを実行する場合は,同時実行不可(×)のコマンドとなります。そのほかのオプションを付けてコマンドを実行するときは,同時実行可(○)のコマンドとなります。

表5-18 コマンドの同時実行の可否(ユーティリティコマンド)

コマンド名機能の概要同時実行の可否
drmdbconvert旧バージョンのバックアップカタログを最新のProtection Managerで使えるようにします。×
drmdbsetupProtection Managerのデータベースを作成・削除します。×
(凡例)
×:同時実行不可(×)のコマンドとは,同時に実行できない。

表5-19 コマンドの同時実行の可否(バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合)

コマンド名機能の概要同時実行の可否
drmsqlbackupSQL Serverデータベースをディスクにバックアップします。×
drmsqlcatSQL Serverデータベースのバックアップ情報を一覧で表示します。
drmsqldisplay
  • SQL Serverデータベースの情報を一覧で表示します。
  • ディクショナリマップファイルを最新の状態に更新します。
※1
drmsqlinitSQL Serverのパラメーターを登録します。
drmsqllogbackupSQL Serverのトランザクションログをバックアップします。※2
drmsqlrecoverリストアしたSQL Serverデータベースをリカバリします。×
drmsqlrecovertoolリストアしたSQL ServerデータベースをGUIを使ってリカバリします。×
drmsqlrestoreSQL Serverデータベースをリストアします。×
(凡例)
○:ほかのコマンドを実行しているときでも,コマンドを実行できる。
×:同時実行不可(×)のコマンドとは,同時に実行できない。
注※1
-refreshオプションまたは-remoteオプションを付けてコマンドを実行する場合は,同時実行不可(×)のコマンドとなります。そのほかのオプションを付けてコマンドを実行するときは,同時実行可(○)のコマンドとなります。
注※2
次の条件をすべて満たす場合だけdrmresyncコマンドと同時に実行できます。
  • バージョン6.3以降のProtection Managerで対象インスタンスにdrmsqlbackupコマンドを実行している。
  • -no_catオプションを指定していない。
  • -vオプションを指定していない。
  • -lsnオプションを指定していない。
  • -dオプションを指定していない。
  • インスタンス名を指定している。

表5-20 コマンドの同時実行の可否(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)

コマンド名機能の概要同時実行の可否
drmexgbackupストレージグループをディスクにバックアップします。×
drmexgcatストレージグループのバックアップ情報を一覧で表示します。
drmexgdisplay
  • ストレージグループの情報を一覧で表示します。
  • ディクショナリマップファイルを最新の状態に更新します。
drmexgrestoreストレージグループをリストアします。×
drmexgverifyストレージグループとバックアップ情報の整合性を検証します。×
(凡例)
○:ほかのコマンドを実行しているときでも,コマンドを実行できる。
×:同時実行不可(×)のコマンドとは,同時に実行できない。
注※
-refreshオプションを付けてコマンドを実行する場合は,同時実行不可(×)のコマンドとなります。そのほかのオプションを付けてコマンドを実行するときは,同時実行可(○)のコマンドとなります。

表5-21 コマンドの同時実行の可否(バックアップ対象がOracleデータベースの場合)

コマンド名機能の概要同時実行の可否
drmorabackupOracleデータベースをディスクにバックアップします。×
drmoracatOracleデータベースのバックアップ情報を一覧で表示します。
drmoradisplay
  • Oracleデータベースの情報を一覧で表示します。
  • ディクショナリマップファイルを最新の状態に更新します。
drmorainitOracleのパラメーターを登録します。
drmoralogbackupアーカイブ済みREDOログファイルおよび制御ファイルを,ログ格納ディレクトリにバックアップします。×
drmorarestoreOracleデータベースをリストアします。×
(凡例)
○:ほかのコマンドを実行しているときでも,コマンドを実行できる。
×:同時実行不可(×)のコマンドとは,同時に実行できない。
注※
-refreshオプションを付けてコマンドを実行する場合は,同時実行不可(×)のコマンドとなります。そのほかのオプションを付けてコマンドを実行するときは,同時実行可(○)のコマンドとなります。