10.5.3 詳細トレースログ情報を調査する

標準出力ログ情報およびProtection Managerと連携するソフトウェアのトレースログファイルを調査してもトラブルが解消されない場合,Protection Managerの詳細トレースログ情報を調査します。

詳細トレースログ情報には,次の情報が出力されます。

トラブルが発生したログレコードには,異常を表すキーワード「ER」が出力されます。OSシステムコールの異常の場合には,キーワードのほかに戻り値も出力されます。メッセージには,エラーの要因が出力されます。

詳細トレースログの出力項目は次のとおりです。

表10-13 詳細トレースログで出力される項目

出力される項目出力される内容
番号ログのシーケンス番号が出力されます。
日付ログが出力された日付が「yyyy/mm/dd」の形式で出力されます。
時刻ログが出力された時刻が「hh:mm:ss.sss」の形式で出力されます。
アプリケーション名ログが出力される契機となったProtection Managerのコマンド名(drmxxx)が出力されます。
プロセスIDプロセスIDが表示されます。
スレッドIDスレッドIDが表示されます。
メッセージIDメッセージを識別するIDが表示されます。
種別メッセージの種別が出力されます。次の種別があります。
  • ER(異常)
  • WR(警告)
  • NT(通知)
  • IF(情報)
  • DB(デバッグ)
テキスト製品の保守情報およびメッセージ本文が出力されます。
「製品の保守情報:メッセージ本文」の形式で出力されます。

詳細トレースログに表示されるメッセージIDを次の表に示します。異常を確認した詳細トレースログ情報からメッセージIDをキーにし,どの製品に異常があるかを確認したあと,各製品のマニュアルを参照し,対処してください。

表10-14 メッセージの出力元(制御)とメッセージIDの対応

出力元(制御)出力の契機メッセージID
Volume ManagerVolume Managerの操作(一般)KAVX9000-I,KAVX9001-W,KAVX9002-E
Volume Managerの操作(クラスタ)KAVX9003-I,KAVX9004-W,KAVX9005-E
システム(Windowsの場合)システムに変更を加えるような操作KAVX9100-I,KAVX9101-W,KAVX9102-E
Windows APIを使用したシステム操作KAVX9103-I,KAVX9104-W,KAVX9105-E
Windows APIを使用したサービス操作KAVX9106-I,KAVX9107-W,KAVX9108-E
Windows APIを使用したデバイス操作KAVX9109-I,KAVX9110-W,KAVX9111-E
クラスタWindows APIを使用してクラスタを操作KAVX9203-I,KAVX9204-W,KAVX9205-E
Solarisクラスタソフトウェアの機能でクラスタを操作KAVX9200-I,KAVX9201-W,KAVX9202-E
データベースコマンドによる操作,命令KAVX9300-I,KAVX9301-W,KAVX9302-E
OCIによる操作,命令KAVX9303-I,KAVX9304-W,KAVX9305-E
ODBCによる操作,命令KAVX9306-I,KAVX9307-W,KAVX9308-E
COMコンポーネント
(Windowsの場合)
COM(MSSQL)インターフェースの使用KAVX9400-I,KAVX9401-W,KAVX9402-E
COM(ADO)インターフェースの使用KAVX9403-I,KAVX9404-W,KAVX9405-E
COM(CDOEXM)インターフェースの使用KAVX9406-I,KAVX9407-W,KAVX9408-E
COM(ADSI)インターフェースの使用KAVX9409-I,KAVX9410-W,KAVX9411-E
その他全般詳細トレース用KAVX9800-I,KAVX9801-W,KAVX9802-E
一般的な操作KAVX9803-I,KAVX9804-W,KAVX9805-E
一般的なファイル操作KAVX9806-I,KAVX9807-W,KAVX9808-E
外部製品クラスタソフトウェアKAVX9900-I
RAID ManagerKAVX9901-I
バックアップ管理製品KAVX9902-I

詳細トレースログ情報のログファイルの調査は,次の手順で行ってください。

詳細トレースログ情報を調査するには:

  1. テキストエディタを使用して,異常が発生した時刻付近で「ER」というキーワードを検索します。
    バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合,drmsqlbackupコマンドを実行して生成した詳細トレースログ情報は,時系列に記録されない場合があるので,注意してください。
  2. 異常が発生した処理を確認します。
    どのような処理(システムコール)で異常が発生したかを確認してください。
  3. 要因を表すメッセージの内容に従って対処します。
    詳細トレースログ情報を調査しても,トラブルの原因が解明できない場合やトラブルが解消されない場合は,採取した資料をまとめて,製品の購入先に連絡してください。