Protection Managerは主ボリュームに対して複数の副ボリュームを持ち,副ボリュームの世代管理ができます。
バックアップ先となる副ボリュームは,Protection Managerが自動的に選択する方法と,ユーザーが選択する方法があります。Protection Managerが自動的に選択する方法は,ストレージサブシステム内のボリューム複製機能を使用する場合だけ使用できます。ユーザーがバックアップ先となる副ボリュームを選択する場合は,「世代識別名」を使用します。世代識別名は次の形式で,Protection Managerが生成します。ユーザーはバックアップ時に,この世代識別名を指定します。
世代識別名=local_MU#またはremote_MU#
世代識別名のそれぞれの項目について説明します。
例えば,TrueCopyの副ボリュームにバックアップする場合,世代識別名は「remote_0」になります。
複数世代のバックアップの例を次の図に示します。この例では,世代1から世代3までを副ボリューム1から副ボリューム3にバックアップして,世代4以降は再び副ボリューム1からバックアップしていきます。
図1-4 複数世代のバックアップ
通常Protection Managerは,バックアップ先の副ボリュームを自動的に決定してバックアップしていきますが,Protection Managerのコマンドを使用することによって,特定の副ボリュームの内容を保持(ロック)し,そのほかの副ボリュームだけを利用してバックアップを継続することもできます。
特定のコピーグループをロックした場合の複数世代のバックアップを次の図に示します。この例では,世代1を取得後,世代1のコピーグループをロックし,世代1のバックアップ内容を保持します。そのため,世代4以降は,残りの副ボリューム(副ボリューム2と副ボリューム3)でバックアップされます。
図1-5 複数世代のバックアップ(コピーグループのロック)
複数世代の運用の場合,どの世代のリストアをしても,バックアップで使う副ボリュームの順番は変わりません。
Protection Managerで管理できる世代数は,ボリューム複製機能によって異なります。世代の数が異なるだけで,バックアップやリストアの動作は同じです。