Protection Managerでは,各種OSのクラスタソフトウェアに準拠したフェールオーバー型クラスタリングに対応しています。ファイルサーバやデータベースサーバをクラスタ構成にすることで,万が一,障害が起きたときにもシステムを止めることなく,バックアップ運用を継続できます。
Protection Managerでは,クラスタ構成による高可用性システムでも利用できるよう,自動的にクラスタを制御する機能を提供します。バックアップデータをリストアするためには,データベースをオフラインにする必要があります。しかし,DBMSを監視するクラスタリソースがオンラインの状態で,データベースをオフラインにすると,フェールオーバーが発生してしまいます。したがって,通常は手動でクラスタリソースを制御する必要があります。Protection Managerでは,コールドバックアップやリストアを実行するときに,DBMSを監視するクラスタリソースを自動的にオフラインにし,処理が終わると自動的にオンラインに戻します。
Protection Managerでは運用待機型のクラスタ構成(Active-Passive)と相互待機型のクラスタ構成(Active-Active)に対応しています。
クラスタ構成の詳細は,「2.3 運用待機型のクラスタ構成(Active-Passive)」または「2.4 相互待機型のクラスタ構成(Active-Active)」を参照してください。
MSCSを使用したクラスタ環境の場合,DBMSを監視するクラスタリソースがオフライン状態でのリストアと,クラスタリソースがオンライン状態でのリストアを選択できます。クラスタリソースがオフライン状態でのリストアでは,DBMSのサービスを共有するすべてのデータベースをオフラインにする必要がありますが,クラスタリソースがオンライン状態でのリストアでは,バックアップデータをリストアするデータベースだけをオフラインにして,バックアップデータをリストアできます。
クラスタリソースがオンライン状態でのリストアが選択できるかどうかは,ストレージサブシステムの種類やOSの機能によって異なります。
クラスタリソースがオンライン状態でのリストアを選択する方法は,「4.3.7 クラスタリソースがオンライン状態でのリストアの設定」を参照してください。