9.7.1 システム構成
この運用例で想定するシステム構成を次に示します。この構成例では,データベースサーバ2台,バックアップサーバ1台の運用環境で,RACを構成するデータベースサーバ2台でバックアップサーバを共用しています。
図9-9 RAC構成例(拡張コマンド)
![[図]](graphics/jc090302.gif)
次のとおり構成されています。
- データベースサーバA(サーバ名:DBServer_A)のOracleインスタンス「INSTANCE_1」が使用する主ボリュームはmkfsでフォーマットされており,DBServer_Aの/mnt1および/mnt2のディレクトリにマウントされている。
- データベースサーバB(サーバ名:DBServer_B)のOracleインスタンス「INSTANCE_2」が使用する主ボリュームはmkfsでフォーマットされており,DBServer_Bの/mnt1および/mnt3のディレクトリにマウントされている。
- Oracleインスタンス「INSTANCE_1」と「INSTANCE_2」でデータファイル(表領域),制御ファイル,およびサーバパラメーターファイルを共有している。Oracleデータベース名には「RAC_1」が登録されている。
- REDOログファイルとUNDO表領域は,Oracleインスタンスごとに個別に保有している。「INSTANCE_1」では/mnt2,「INSTANCE_2」では/mnt3に保有する。
- 主ボリュームと副ボリュームは,データベースサーバとバックアップサーバでRAID Manager構成定義ファイルにペアとして定義されている。
- 副ボリュームは通常マウントされていない。運用時だけ/mnt1,/mnt2,/mnt3のディレクトリにマウントされる。
- バックアップサーバ(サーバ名:BKServer)には,NetBackupが導入されており,テープライブラリ装置の構成が定義されている。
- バックアップ方式は,オンライン方式を採用する。
- BKServer上でFTPサービスが起動している。DBServer_AおよびDBServer_Bのファイル転送時に指定するユーザーを使用して,FTPサーバへのログインおよびファイルの転送ができるように設定されている。
前提条件を次に示します。
- 副ボリュームをテープ媒体へバックアップするまでは,対象副ボリュームとペアを構成している主ボリュームのバックアップ操作を新たに実行できない。
- FTPサーバにログオンする際に使用するユーザーIDおよびパスワードは次のように設定されている。
- FTPユーザーID:admin
- FTPユーザーパスワード:password
- バックアップ対象のOracleインスタンスは「常時スプリット運用」となっている。
- drmorainitコマンドがRACを構成するすべてのノード上で実行されており,Oracleインスタンス「INSTANCE_1」および「INSTANCE_2」がRACを構成するOracleインスタンスとして登録されている。
- 「(4) オペレーション定義ファイルの作成例(RAC構成の場合)」で説明したオペレーションID(Operataion_A,Operataion_B)を用いて運用する。このとき,拡張スクリプト用の定義ファイルとして,各サーバ上に次の表に示したファイルが格納されている。
サーバ名 | 格納されている拡張コマンド用定義ファイル名 |
---|
DBServer_A | _Operation_A.dat,host.dat |
DBServer_B | _Operation_B.dat,host.dat |
BKServer | _Operation_A.dat,_Operation_B.dat,host.dat |
各ファイルの内容を次に示す。
ファイル名:_Operation_A.dat
BACKUP_OBJECT=ORACLE
DB_SERVER_NAME=VServer_A
INSTANCE_NAME=INSTANCE_1
TARGET_NAME=
SET_DRM_HOSTNAME=0
ファイル名:_Operation_B.dat
BACKUP_OBJECT=ORACLE
DB_SERVER_NAME=VServer_B
INSTANCE_NAME=INSTANCE_2
TARGET_NAME=
SET_DRM_HOSTNAME=0
ファイル名: host.dat(データベースサーバ)
HOST_ROLE=DB
MAX_LOG_LINES=5000
ファイル名: host.dat(バックアップサーバ)
HOST_ROLE=BK
MAX_LOG_LINES=5000