8.1.2 データベースをリストアするときの注意事項
- この項の構成
- (1) テープからリストアするときの注意事項
- (2) ロールフォワードによる復元をするときの注意事項
- (3) メッセージ(KAVX1510-E)の対処
- (4) VSSバックアップで取得したデータをリストアするときの注意事項
- (5) インフォメーションストアがマウントできない場合の対処
(1) テープからリストアするときの注意事項
drmtaperestoreコマンド,drmmediarestoreコマンド,または拡張コマンドのEX_DRM_TAPE_RESTOREコマンドで,Exchange Serverのストレージグループをリストアする場合,副ボリューム上に残っているExchange Serverのトランザクションログファイルを削除する必要があります。バックアップサーバ上で,次の手順に従ってトランザクションログファイルを削除してください。なお,テープバックアップ管理製品にNetBackupを適用している場合に,-rawオプションを使用してテープバックアップをしたときは,次の手順を実行する必要はありません。
- drmtapecatコマンドに-o MSEXCHANGEオプションを指定して実行し,リストアするテープバックアップのバックアップID,およびストレージグループのトランザクションログファイルを格納したフォルダの絶対パスを確認します。
- リストア対象のバックアップIDでバックアップされている,すべてのストレージグループについて,トランザクションログファイルを格納したフォルダの絶対パスを確認する必要があります。
- drmmountコマンドを使用して,副ボリュームをマウントします。このときに使用するバックアップIDは,手順1で特定したバックアップIDを使用します。
- 手順1で特定したトランザクションログファイルの格納されているフォルダを確認し,フォルダに存在するファイルを確認します。なお,drmmountコマンドで副ボリュームをマウントしたときに,バックアップ時とは異なるドライブ文字が割り当てられることがあります。そのときは,手順1で確認したトランザクションログファイルのドライブ文字を,drmmountコマンドで割り当てられたドライブ文字に読み替えてください。
- 手順4で表示したフォルダに拡張子が.logのファイルがある場合は,それらをすべて削除します。
- 手順3と手順4を,バックアップされているストレージグループすべてに対して実行します。
- drmumountコマンドを使用して,副ボリュームをアンマウントします。このときに使用するバックアップIDは,手順1で使用したものと同一のIDです。
(2) ロールフォワードによる復元をするときの注意事項
ロールフォワードによる復元をするリストア(drmexgrestoreコマンドを-recoveryオプション指定で実行)で,トランザクションログが不足しているとKAVX1510-EまたはKAVX1703-Eのメッセージが出力されます。drmexgbackupコマンドの-transact_log_delオプションでトランザクションログを削除した場合,その時点よりも前に取得したバックアップによるロールフォワードは行えません。
(3) メッセージ(KAVX1510-E)の対処
ロールフォワードによる復元をするリストア(drmexgrestoreコマンドを-recoveryオプション指定で実行)で,復元するストレージグループに,1,008個を超えるトランザクションログファイルがある場合,drmexgrestoreコマンドを実行すると,ロールフォワードは完了しますが,インフォメーションストアがマウントされません。この場合は,KAVX1510-Eのメッセージが出力されます。このメッセージの詳細については,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software メッセージ」を参照してください。
(4) VSSバックアップで取得したデータをリストアするときの注意事項
- VSSバックアップで取得したデータをリストアしている間は,クラスタアドミニストレーター画面の物理ディスクリソースのプロパティを開かないでください。プロパティを開いた場合,リストアに失敗する場合があります。
- Exchange Server 2003のService Pack 1を適用していないときのトランザクションログと,適用しているときのトランザクションログが混在している場合,VSSバックアップで取得したデータのリストアに失敗することがあります。この場合,イベントIDが454のイベントログが出力されます。
この現象が発生したら,次の手順で回復をしてください。
- リストア対象の*.edb, *.stmファイルすべてに対して,次のコマンドを実行して表示される[Last Consistent]のいちばん左の数値を記録してください。
eseutil /mh <リストア対象のファイル名>
eseutilコマンドは,<Exchange Serverインストールフォルダ>¥binにあります。
- 記録した値の中で最小の値がLast Consistentログ番号となります。この値よりも小さい番号を持つトランザクションログを別フォルダに移動してください。
例えば,Last Consistentログ番号が1abである場合は,移動するトランザクションログファイルはE0x00001.log~E0x001aa.logになります。
- リストア対象となるストレージグループのすべてのインフォメーションストアをマウントします。
(5) インフォメーションストアがマウントできない場合の対処
04-40以前のバージョンでVSSバックアップで取得したデータをリストアする場合には,リストア対象となるインフォメーションストアがマウントされている必要があります。Exchange Server 2007以外でインフォメーションストアがマウントできない場合は,次の手順を実行してください。
- マウントできないインフォメーションストアのデータファイル(*.edb,*.stm)を別のフォルダに移動します。
- インフォメーションストアをマウントします。
インフォメーションストアをマウントできると,バックアップ時点のデータベースに戻すリストア(drmexgrestoreコマンドに-recoveryオプションを指定しないで実行)およびロールフォワードによって復元するリストア(drmexgrestoreコマンドに-recoveryオプションを指定して実行)が可能となります。
- 以上の手順を実行してもマウントできないインフォメーションストアが一つでもある場合,ストレージグループのトランザクションログファイル(*.log)またはチェックポイントファイル(*.chk)が壊れている可能性があります。
トランザクションログファイル(*.log),チェックポイントファイル(*.chk)およびストレージグループに存在するすべてのインフォメーションストアのデータファイル(*.edb,*.stm)を別のフォルダに移動してください。ファイルを移動してから,すべてのインフォメーションストアをマウントしてください。この場合,バックアップ時点のデータベースに戻すリストア(drmexgrestoreコマンドに-recoveryオプションを指定しないで実行)だけ可能となります。
Exchange Server 2007の場合は,上記の手順を実行しないでください。誤って実行してしまった場合は,インフォメーションストアをディスマウントし,ストレージグループのトランザクションログファイル(*.log),チェックポイントファイル(*.chk)およびインフォメーションストアのデータファイル(*.edb)を削除した状態でリストアを実行してください。