2.17.2 バックアップ対象となるSQL Serverデータベースの条件と注意事項

Protection Manager for SQLは,次のSQL Serverデータベース製品を対象にしています。

Protection Manager for SQLでバックアップ対象となるデータの種類を次の表に示します。バックアップコマンド(drmsqlbackupまたはEX_DRM_SQL_BACKUPコマンド)で指定するオプションによって,対象となるデータベースが異なります。

表2-3 Protection Manager for SQLでバックアップ対象となるデータの種類

対象データベース※1対象となる
ファイルの種類
バックアップファイル名バックアップファイル
格納先
masterデータファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
トランザクションログファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
メタファイル※2drmsqlinitコマンドで指定したVDIメタファイル格納ディレクトリに依存する※3
modelデータファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
トランザクションログファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
メタファイル※2drmsqlinitコマンドで指定したVDIメタファイル格納ディレクトリに依存する※3
msdbデータファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
トランザクションログファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
メタファイル※2drmsqlinitコマンドで指定したVDIメタファイル格納ディレクトリに依存する※3
ユーザーデータベースデータファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
トランザクションログファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
メタファイル※2drmsqlinitコマンドで指定したVDIメタファイル格納ディレクトリに依存する※3
ディストリビューションデータベースデータファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
トランザクションログファイルバックアップ元のファイル名と同じ副ボリューム
メタファイル※2drmsqlinitコマンドで指定したVDIメタファイル格納ディレクトリに依存する※3
注※1
-systemオプションを指定しない場合,バックアップの対象となるデータベースはユーザーデータベースだけです。
注※2
バックアップコマンド実行時に生成されます。
注※3
drmsqlinitコマンドでVDIメタファイル格納ディレクトリを登録した場合,登録したディレクトリにファイル名「<バックアップID>_<データベースID>.dmp」で格納されます。drmsqlinitコマンドでVDIメタファイル格納ディレクトリを登録しなかった場合,データベースファイルのSQL Serverでの管理番号(file_id)が最小値のファイルと同一ディレクトリにファイル名「META_<データベースID>.dmp」で格納されます。

Protection Manager for SQLでは物理ボリューム単位にバックアップやリストアをするため,SQL Serverデータベースのオブジェクト構成には次に示す前提条件があります。

SQL Server 2005またはSQL Server 2008を使用する場合には,次の注意事項があります。

この項の構成
(1) データベースを構成するファイルの配置
(2) 一つのボリュームに複数のデータベース構成ファイルが配置されている場合
(3) メタファイルの配置
(4) ダイナミックディスク構成の場合
(5) クラスタ構成の場合
(6) Veritas Cluster Server for Windows構成の場合

(1) データベースを構成するファイルの配置

Protection Managerでバックアップするデータベースのファイルは,バックアップしないファイルとは別のボリュームに配置してください。

Protection Managerでは,データベース構成ファイル(データファイル,トランザクションログファイル),およびメタファイルをバックアップ対象としています。メタファイルはバックアップコマンド実行時に生成されます。

バックアップ対象外のデータベース構成ファイルや一般のファイルに対しては,静止化処理をしません。このため,主ボリュームに静止化対象外のファイルがあると,ファイル書き込み中にペア分割が重なり,整合性が保てなくなることがあります。

主ボリュームには,静止化対象となるデータベース構成ファイル(データファイル(*.mdf*.ndf)およびトランザクションログファイル(*.ldf))だけを配置してください。

データベース構成ファイルの配置を次の図に示します。

図2-36 データベース構成ファイルの配置

[図]

(2) 一つのボリュームに複数のデータベース構成ファイルが配置されている場合

一つのボリュームに複数のデータベース構成ファイルが配置されている場合,すべてのデータベースをまとめてバックアップまたはリストアする必要があります。

この場合のバックアップおよびリストアの様子を次の図に示します。

図2-37 一つのボリュームに複数のデータベース構成ファイルが配置されている場合

[図]

(3) メタファイルの配置

メタファイルは,バックアップ時にSQL Serverが出力するファイルです。メタファイルにはデータベース構成情報が保存されているため,リストア時に使用されます。

drmsqlinitコマンドでVDIメタファイル格納ディレクトリを指定した場合,副ボリュームのバックアップデータをテープにバックアップするときには,メタファイルもテープにバックアップする必要があります(メタファイルをデータベースファイルと同じディレクトリに格納するときは不要です)。

テープバックアップ時には,データベースサーバのメタファイル格納ディレクトリに作成されたメタファイルを,バックアップサーバにFTPなどで転送する必要があります。このとき,バックアップサーバ上のメタファイル格納ディレクトリと同じドライブ文字を割り当て,同じ名称のディレクトリに転送してください。

データベースサーバ,およびバックアップサーバでのメタファイルの配置を次の図に示します。

図2-38 メタファイルの配置

[図]

データベースサーバがMicrosoft Cluster Serviceを使用したクラスタ構成の場合,ストレージサブシステム上のボリュームにメタファイルを格納すると,クラスタサーバがフェールオーバーしたときにも副ボリュームからリストアできます。

SQL Serverのクラスタリソースがフェールオーバーしても,同時にフェールオーバーして使用することができるように,SQL Serverのリソースグループに所属しているボリュームにメタファイルを格納することをお勧めします。

運用待機型のクラスタ構成(Active-Passive)の場合のメタファイルの配置を次の図に示します。

図2-39 メタファイルの配置(クラスタ構成の場合)

[図]

(4) ダイナミックディスク構成の場合

(5) クラスタ構成の場合

(6) Veritas Cluster Server for Windows構成の場合