2.16 Protection Managerが適用できるボリューム構成

Protection Managerのバックアップおよびリストア対象となるボリューム構成を次の表に示します。

表2-1 Protection Managerのバックアップおよびリストア対象となるボリューム構成

OS論理ボリュームマネージャーディスク管理方式バックアップおよびリストア対象となるボリューム構成の単位バックアップおよびリストア対象となるデータベースまたはファイルの格納先
WindowsLDMベーシックディスク※1物理ディスクディスクパーティション上のファイルシステム
Veritas Volume Manager for Windows※2ベーシックディスク物理ディスク論理ボリューム上のファイルシステム
ダイナミックディスクディスクグループ論理ボリューム上のファイルシステム
Solaris※3ボリュームマネージャなし物理ディスクディスクパーティション上のファイルシステム
RAWディスクパーティション
Veritas Volume Manager※4ディスクグループ論理ボリューム上のファイルシステム
RAW論理ボリューム
Veritas Cluster Volume Manager※5ディスクグループ論理ボリューム上のファイルシステム
RAW論理ボリューム
ASMディスクグループディスクグループ
(凡例)
-:該当しない。
注※1
GPTディスクに対応しています。
注※2
VSSは使用できません。
注※3
Protection Managerは,ボリュームマネージャーが存在しないRAWデバイスにも対応しています。
注※4
Maintenance Pack 1の適用が必要です。
注※5
Protection Managerは,RACインスタンスにも対応しています。

Windowsのダイナミックディスクを利用する場合,およびSolarisの場合,論理ボリュームマネージャーを使用して,一つ以上の物理ボリュームをグループ化し,一つ以上の論理ボリュームとして扱うことができます。ユーザーは,論理ボリュームを指定することで,物理ボリュームを意識しないでバックアップおよびリストアが実行できます。

物理ボリュームと論理ボリュームをグループ化した単位を,ディスクグループといいます。Solarisの場合,ディスクグループを最小単位としてバックアップおよびリストアを実行します。

Protection Managerでは,ダイナミックディスク構成の場合に,一つ以上のダイナミックディスクと,ダイナミックディスクに割り当てた一つ以上の論理ボリュームのグループをディスクセットと呼びます。図2-31の例では,物理ボリュームAの一部を論理ボリュームAに,物理ボリュームAの残りとBの一部を論理ボリュームBに,物理ボリュームBの残りとCの一部を論理ボリュームCに,物理ボリュームCの残りを論理ボリュームDに割り当てています。このとき,三つの物理ボリュームの内容を割り当てた四つの論理ボリュームのグループが,一つのディスクセット(ディスクセット1)となります。また,一つの物理ボリュームの内容をすべて一つの論理ボリュームに割り当てて,1対1の関係のディスクセットとすることもできます(ディスクセット2)。

Veritas Volume Manager for Windowsの環境では,ディスクグループを構成すると,ディスクグループは一つ以上のディスクセットとして認識されます。Veritas Volume Manager for Windowsの環境では,ディスクグループを最小単位としてバックアップおよびリストアを実行します。

ディスクセットの構成例,およびディスクグループとディスクセットの関係の例を次の図に示します。

図2-31 ディスクセットの構成例,およびディスクグループとディスクセットの関係の例

[図]

なお,このマニュアルでは特に区別する必要がない場合,これらを総称して「ディスクグループ」と表記しています。

Windowsの場合,ベーシックディスクとディスクグループを同時にバックアップすることもできます。

Windowsでダイナミックディスクを使用する場合,Protection Managerは次のどちらの構成もサポートしています。

Windowsでベーシックディスクを使用する場合,Protection Managerは一つの物理ディスクを一つの論理ボリューム(パーティション)とする構成だけをサポートしています。

注意事項
Windows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,Protection Managerを使用する前に,データベースサーバおよびバックアップサーバで「新しいボリュームの自動マウント」が無効になっている必要があります。
次の手順で現在の状態を確認し,「新しいボリュームの自動マウント」が有効になっていた場合は無効にしてください。
  1. コマンドプロンプトでdiskpartコマンドを起動します。
  2. automountと入力して,現在の状態を表示します。
  3. 「新しいボリュームの自動マウントが有効です。」と表示された場合,automount disableと入力して「新しいボリュームの自動マウント」を無効にします。
  4. exitと入力してdiskpartコマンドを終了します。
この節の構成
2.16.1 Protection Managerが適用できるディスクグループ構成例
2.16.2 ボリューム構成の注意事項
2.16.3 ボリューム構成を変更した場合の注意事項
2.16.4 Windowsでディスクグループを構成する場合の条件と注意事項
2.16.5 Windowsのディスクのパーティションスタイルについての注意事項
2.16.6 Solarisのボリュームマネージャーについての前提条件と注意事項