6.3.3 ファイルシステムをテープにバックアップする
ファイルシステムをテープへバックアップする例について説明します。この例では,ファイルサーバ「FSServer」をいったん副ボリュームにオンラインバックアップしたあと,副ボリュームからテープへバックアップします。マウントポイントとして,Windowsの場合は「E:」,Solarisの場合は「/mnt」を使用します。バックアップ対象を特定するオペレーションIDとして,「Operation_A」を使用します。
- この項の構成
- (1) コピーグループの再同期
- (2) ファイルシステムのバックアップ
- (3) VSSを使用したバックアップ
(1) コピーグループの再同期
常時スプリット運用の場合,コピーグループを再同期してから,データをバックアップします。
常時ペア運用の場合は,バックアップの前にコピーグループを再同期する必要はありません。テープバックアップが終了してから,コピーグループを再同期して,初期状態に戻します。
コピーグループを再同期するには:
- Windowsの場合,副ボリュームのキャッシュをクリアします。
バックアップする前に,バックアップサーバのシステムキャッシュをクリアします。
システムキャッシュをクリアするには,バックアップサーバでEX_DRM_CACHE_PURGEを実行し,副ボリュームをマウント/アンマウントします。ここでは,コピーグループ名を「VG01,vol01」とします。
BKServer > EX_DRM_CACHE_PURGE Operation_A -cg VG01,vol01
- コピーグループを再同期します。
SANRISE1000シリーズを使用する場合,SANRISE9500Vシリーズ,Hitachi AMS/WMSシリーズ,Hitachi AMS2000シリーズ,Hitachi TMS1000,またはHitachi SMSシリーズでShadowImageを使用する場合は,ファイルサーバでEX_DRM_RESYNCを実行し,コピーグループを再同期します。バックアップする前にコピーグループを再同期することで,バックアップを高速化できます。
FSServer > EX_DRM_RESYNC Operation_A -cg VG01,vol01 -copy_size 7
(2) ファイルシステムのバックアップ
ファイルシステムをバックアップするには:
- ファイルシステムを副ボリュームへバックアップします。
バックアップするには,EX_DRM_FS_BACKUPを実行します。引数として,オペレーションID「Operation_A」を指定します。
FSServer > EX_DRM_FS_BACKUP Operation_A
- 正しくバックアップされていることを確認します。
ファイルサーバでdrmfscatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。
- Windowsの場合
- FSServer > drmfscat E:
- INSTANCE: E:
- BACKUP-ID:0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: E: ORIGINAL-ID:0000000001
- START-TIME: 2003/08/01 19:00:00 END-TIME: 2003/08/01 19:03:00
- :
- :
- Solarisの場合
- FSServer > drmfscat /mnt1
- INSTANCE: /mnt1
- BACKUP-ID: 0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: /mnt1 ORIGINAL-ID: 0000000001
- START-TIME: 2003/08/01 19:00:00 END-TIME: 2003/08/01 19:03:00
- :
- :
この例では,手順1でのバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000001」で登録されています。
- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
副ボリュームからテープへバックアップするために,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報をバックアップサーバにコピーする必要があります。EX_DRM_DB_EXPORTを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイルへエクスポートします。一時ファイルは,ファイルサーバの拡張コマンド用一時ディレクトリに格納されます。
FSServer > EX_DRM_DB_EXPORT Operation_A
- 一時ファイルをバックアップサーバへ転送します。
一時ファイルを一括してファイルサーバからバックアップサーバへ転送します。転送するには,ファイルサーバでEX_DRM_FTP_PUTを実行します。ここでは,FTPサーバにログオンするために使用するユーザーIDを「admin」,パスワードを「password」とします。一時ファイルは,バックアップサーバの拡張コマンド用一時ディレクトリに格納されます。
FSServer > EX_DRM_FTP_PUT Operation_A -server BKServer -user admin -password password
- ファイルサーバから転送した一時ファイルをバックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。
ファイルサーバから転送した一時ファイルを,バックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,バックアップサーバでEX_DRM_DB_IMPORTを実行します。
BKServer > EX_DRM_DB_IMPORT Operation_A
- 正しくインポートされていることを確認します。
バックアップサーバでdrmfscatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報がバックアップサーバにインポートされていることを確認します。
- 副ボリュームのデータをテープへバックアップします。
バックアップするには,バックアップサーバでEX_DRM_TAPE_BACKUPを実行します。Windowsの場合は,テープバックアップ用のマウントポイントとしてEドライブ(ドライブ文字:E:)を指定します。Solarisの場合はマウントポイントとして「/mnt1」を指定します。
- Windowsの場合
- BKServer > EX_DRM_TAPE_BACKUP Operation_A -mount_pt E:
- Solarisの場合
- BKServer > EX_DRM_TAPE_BACKUP Operation_A -exopt -mount_pt /mnt1
この例では,バックアップを実行すると,このバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000002」で登録されます。
- 正しくテープへバックアップされていることを確認します。
バックアップサーバでdrmtapecatコマンドを実行して,副ボリュームからテープへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。
(3) VSSを使用したバックアップ
VSSを使用してファイルシステムをテープへバックアップする例について説明します。VSSを使用したバックアップでは,ディスクドライブがマウントされたままでバックアップの処理が行われます。この例では,ファイルサーバ「FSServer」をいったん副ボリュームにVSSを使用してバックアップしたあと,副ボリュームからテープへバックアップします。マウントポイントとして「E:」を使用します。オペレーションIDとして,「Operation_A」を使用します。
VSSを使用してバックアップをする場合には,バックアップサーバでProtection Managerサービスが稼働している必要があります。
VSSを使用してファイルシステムをバックアップするには:
- ファイルシステムを副ボリュームへバックアップします。
VSSを使用して,ファイルシステムを副ボリュームへバックアップします。バックアップするには,EX_DRM_FS_BACKUPを実行します。引数として,オペレーションID「Operation_A」を指定します。
FSServer > EX_DRM_FS_BACKUP Operation_A -mode vss
- 正しくバックアップされていることを確認します。
ファイルサーバでdrmfscatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。
FSServer > drmfscat E:
INSTANCE: E:
BACKUP-ID:0000000001 BACKUP-MODE: VSS INSTANCE: E: ORIGINAL-ID:0000000001
START-TIME: 2003/08/01 19:00:00 END-TIME: 2003/08/01 19:03:00
:
:
この例では,手順1でのバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000001」で登録されています。
- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
副ボリュームからテープへバックアップするために,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報をバックアップサーバにコピーする必要があります。EX_DRM_DB_EXPORTを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイルへエクスポートします。一時ファイルは,ファイルサーバの拡張コマンド用一時ディレクトリに格納されます。
FSServer > EX_DRM_DB_EXPORT Operation_A
- 一時ファイルをバックアップサーバへ転送します。
一時ファイルを一括してファイルサーバからバックアップサーバへ転送します。転送するには,ファイルサーバでEX_DRM_FTP_PUTを実行します。ここでは,FTPサーバにログオンするために使用するユーザーIDを「admin」,パスワードを「password」とします。一時ファイルは,バックアップサーバの拡張コマンド用一時ディレクトリに格納されます。
FSServer > EX_DRM_FTP_PUT Operation_A -server BKServer -user admin -password password
- ファイルサーバから転送した一時ファイルをバックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。
ファイルサーバから転送した一時ファイルを,バックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,バックアップサーバでEX_DRM_DB_IMPORTを実行します。
BKServer > EX_DRM_DB_IMPORT Operation_A
- 正しくインポートされていることを確認します。
バックアップサーバでdrmfscatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報がバックアップサーバにインポートされていることを確認します。
- 副ボリュームのデータをテープへバックアップします。
バックアップするには,バックアップサーバでEX_DRM_TAPE_BACKUPを実行します。ここでは,副ボリュームのドライブ文字を「E:」とします。
BKServer > EX_DRM_TAPE_BACKUP Operation_A -mount_pt E:
バックアップを実行すると,このバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000002」で登録されます。
- 正しくテープへバックアップされていることを確認します。
バックアップサーバでdrmtapecatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。
カタログに新しいバックアップID「0000000002」で登録されます。