オペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを使用するシステムの構成に合わせて作成します。作成したオペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを実行する各サーバの次のディレクトリに格納します。
<Protection Managerのインストール先>¥script¥conf¥
オペレーション定義ファイルを所定のディレクトリに格納したあとは,オペレーション定義ファイルチェックツールを実行して,オペレーション定義ファイルの内容のチェックと,拡張コマンド用一時ディレクトリの自動生成をします。
(1) オペレーション定義ファイルの配置
オペレーション定義ファイルは,処理の対象となるマウントポイント,ファイル,インスタンスまたはストレージグループに対して,同一のファイルを二つ作成します。一つのオペレーション定義ファイルをファイルサーバまたはデータベースサーバに配置し,もう一つをバックアップサーバに配置します。ファイルサーバまたはデータベースサーバがクラスタ構成の場合は,バックアップ対象となるクラスタリソース(マウントポイントまたはファイル)が定義されているすべてのサーバに,同一のオペレーション定義ファイルを配置します。
オペレーション定義ファイルの配置例を次の図に示します。
図4-14 オペレーション定義ファイルの配置例(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)
この例では,クラスタを構成するデータベースサーバA(サーバ名:DBServer_A)およびデータベースサーバB(サーバ名:DBServer_B)で,仮想サーバC(サーバ名:VServer_C)が動作しています。
データベースサーバAおよびデータベースサーバB上にはストレージグループ「STORAGE_1」が存在し,クラスタリソースとして仮想サーバCが定義されています。
この場合,データベースサーバA,データベースサーバBおよびバックアップサーバ(サーバ名:BKServer)には,「STORAGE_1」に関するオペレーション定義ファイルを配置します。
(2) オペレーション定義ファイルの形式
オペレーション定義ファイルは,処理の対象を一意に特定するオペレーションIDに対応して,次のような名称で作成します。
<Protection Managerのインストール先>¥script¥conf¥_<オペレーションID>.dat
オペレーション定義ファイルのサンプルは,次の場所にあります。
<Protection Managerのインストール先>¥script¥sample
オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数を次の表に示します。これらの項目の指定は省略できません。
表4-56 オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)
指定項目 | 指定内容 | 最大文字数 |
---|---|---|
BACKUP_OBJECT | バックアップ対象の種別を示す文字列を指定します。 「MSEXCHANGE」と指定します。 | 32 |
DB_SERVER_NAME | データベースサーバ名を指定します。 クラスタ構成の場合は,クラスタリソースに対応する仮想サーバ名を指定します。この仮想サーバ名は,Protection Managerの構成定義ファイル(init.conf)の「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリ>;<仮想サーバ名>」に定義されている必要があります。※1 | 63 |
INSTANCE_NAME | 「-」を指定します。 | 1 |
TARGET_NAME | バックアップするストレージグループ名を指定します。※2 コンマで区切って複数指定できます。空白を含む場合は引用符(")で囲んで記述します。値を省略すると,サーバに存在するすべてのストレージグループがバックアップの対象となります。 | 259※3 |
FTP_HOME_DIR | FTPサービスのルートディレクトリを指定します。この値はバックアップサーバのIISで指定したFTPサービスのホームディレクトリ名と一致している必要があります。 この値を省略することはできません。 | 128 |
FTP_SUB_DIR | FTPサービスのルートディレクトリの下に作成されるサブディレクトリ名を指定します。※4 ここで指定したサブディレクトリの下に一時ディレクトリが作成されます。拡張コマンドは,この一時ディレクトリにファイルをFTP転送します。この値を省略した場合「HPtM」というサブディレクトリが自動生成されます。 | 128 |
SET_DRM_HOSTNAME | データベースサーバの構成を指定します。クラスタ構成の場合は「1」,クラスタ構成でない場合は「0」を指定します。 | 1 |
(3) オペレーション定義ファイルの作成例
クラスタ構成の場合にオペレーション定義ファイルを作成する例について説明します。
この例の前提条件は次のとおりです。
表4-57 クラスタリソースの例(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)
クラスタグループ名 | 仮想サーバ | ストレージグループ名 |
---|---|---|
EXGCG_1 | VServer_C | STORAGE_1 |
この例では,次の表に示すオペレーションIDに対応するオペレーション定義ファイルを作成します。
表4-58 オペレーション定義ファイルを作成するオペレーションID(バックアップ対象がExchangeデータベースでクラスタ構成の場合)
オペレーションID | 仮想サーバ | 対象ストレージグループ |
---|---|---|
Operation_A | VServer_C | STORAGE_1 |
クラスタ構成の場合にオペレーション定義ファイルを作成するには:
BACKUP_OBJECT=MSEXCHANGE |
EX_DRM_EXG_DEF_CHECK <オペレーションID> -db
オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。EX_DRM_EXG_DEF_CHECK <オペレーションID> -bk
オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。