4.6.2 クラスタ情報の構成定義ファイルの作成(Veritas Cluster Serverを使用している場合)
Veritas Cluster Serverを使用している場合は,データベースサーバまたはファイルサーバでdrmclusinitコマンドを実行して,クラスタリソース情報を登録します。
登録するクラスタリソース情報の詳細は,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software コマンドリファレンス」のdrmclusinitコマンドの説明を参照してください。
クラスタリソース情報を登録する手順は,次のとおりです。
- データベースサーバまたはファイルサーバで,drmclusinitコマンドを,クラスタ名を引数に指定して,実行します。
ここでは,クラスタソフトウェアがVeritas Cluster Serverなので「VCS」をクラスタ名として指定します。
PROMPT> drmclusinit VCS
- 出力されるメッセージに従って,次の項目を登録します。
表4-29 クラスタソフトウェアのパラメーター
登録する項目 | 入力する内容 |
---|
仮想サーバ名(必須) | クラスタソフトウェアの管理する仮想サーバ名を入力します。 |
リソースグループ名(必須) | サービスグループ名を入力します。 |
バックアップ対象となるインスタンス名またはアプリケーション名(必須) | - ファイルシステムの場合
-(ハイフン)を入力します。
- SQL Serverの場合
SQLインスタンス名を入力します。
- Exchange Serverの場合
ストレージグループ名を入力します。
- Oracleの場合
インスタンス名を入力します。
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リソース種別(Windows必須,Solaris不要) | 「D」を入力します。 |
リソース名(Windows必須,Solaris不要) | ディスクリソース名を入力します。サービスリソースの入力は不要です。
- Veritas Volume Manager for Windows環境の場合の場合
「マウントポイント(論理ボリューム)」※1および「ディスクグループ」※2のクラスタリソース名を入力します。
|
ディスク名(リソース種別を指定した場合は必須) | リソース名に合わせて次の情報を入力します。
- 「マウントポイント」を指定した場合
マウントポイント(例:「D:」)を入力します。
- 「ディスクグループ」を指定した場合
ディスクグループ名(例:「DG01」)を入力します。
|
- 注※1
- リソースタイプが「MountV」のリソース
- 注※2
- リソースタイプが「VMDg」のリソース
- クラスタ情報の構成定義情報ファイル(VCS.dat)が作成されたことを確認してください。
クラスタ情報の構成定義情報ファイルは次の場所に作成されます。
<Protection Managerのインストール先>¥conf¥cluster¥VCS.dat
- 登録した内容を確認します。
登録した内容を確認するには,データベースサーバまたはファイルサーバで,drmclusinitコマンドに-vオプションを指定して実行します。
PROMPT> drmclusinit -v VCS
- WindowsとSolarisに共通する注意事項
- ・drmclusinitコマンドは,バックアップ実行前に実行してください。
- ・クラスタ構成を変更した場合は,drmclusinitコマンドでクラスタ情報を再設定してください。
- ・drmclusinitコマンドは,現用サーバおよび待機サーバの両方で実行してください。
- ・drmclusinitコマンドで登録するリソース情報は,クラスタソフトウェアに登録した内容と完全に一致している必要があります。
- Windowsの場合の注意事項
- ・drmclusinitコマンドで登録する仮想サーバ名は,次の条件を満たしている必要があります。
- ・指定された仮想サーバ名が,Veritas Cluster ServerのLanmanリソースのVirtualNameと一致していること。
- ・指定された仮想サーバ名が,Protection Manager構成定義ファイル(init.conf)に定義したDRM_DB_PATHパラメーターの仮想サーバ名と一致していること。
- ・マウントポイントリソース(MountVリソース)のマウントポイントとしてクラスタソフトウェアに登録するマウントポイントは,ディクショナリマップファイルに登録されているマウントポイントと同じ形式としてください。
- ・drmclusinitコマンドで登録するリソースは,Protection Managerのバックアップ対象となる物理ディスク上に作成されたマウントポイントリソース(MountVリソース),ディスクグループリソース(VMDgリソース)だけです。次のリソースについてはdrmclusinitコマンドでは登録しないでください。
- SQL ServerまたはExchange Serverのサービスリソース,Lanmanリソース(仮想サーバ),RegRepリソース(レジストリレプリケーションリソース)
- ディクショナリマップを共有ディスク上に配置し,同一サービスグループ内にクラスタリソースとして設定している場合,ディクショナリマップを格納しているマウントポイントリソース(MountVリソース),ディスクグループリソースまたは物理ディスクリソース(VMDgリソース)
- ・登録内容に次のような誤りがあると,Protection Managerは対象のクラスタリソースが識別できないため,正しくバックアップ,リストアを実行することができません。登録情報に誤りのないよう十分注意してください。
- ・仮想サーバ名と,バックアップ,リストア実行時の環境変数DRM_HOSTNAMEで指定した仮想サーバ名が一致しない。
- ・仮想サーバ名とリソースグループ名,リソース名の対応付けを誤って登録した。
- ・インスタンス名を誤って登録した。
- ・未登録のクラスタリソースがある。
- ・リソース名に対応するマウントポイントやディスクグループ名を誤って登録した。
- Solarisの場合の注意事項
- ・drmclusinitコマンドで登録する仮想サーバ名は,次の条件を満たしている必要があります。
- ・指定された仮想サーバ名が,Protection Manager構成定義ファイル(init.conf)に定義したDRM_DB_PATHパラメーターの仮想サーバ名と一致していること。
- ・登録内容に次のような誤りがあると,Protection Managerは対象のクラスタリソースが識別できないため,正しくバックアップ,リストアを実行することができません。登録情報に誤りのないよう十分注意してください。
- ・仮想サーバ名と,バックアップ,リストア実行時の環境変数DRM_HOSTNAMEで指定した仮想サーバ名が一致しない。
- ・仮想サーバ名とリソースグループ名の対応付けを誤って登録した。
- ・インスタンス名を誤って登録した。
クラスタソフトウェアのパラメーターの登録を誤った場合,パラメーターを削除するには,次の手順で行ってください。
- Windowsの場合
PROMPT> del <Protection Managerのインストール先>¥conf¥cluster¥DEFAULT.dat
PROMPT> del <Protection Managerのインストール先>¥conf¥cluster¥<クラスタソフトウェア名>.dat
- Solarisの場合
PROMPT> rm /opt/drm/conf/cluster/DEFAULT.dat
PROMPT> rm /opt/drm/conf/cluster/<クラスタソフトウェア名>.dat
クラスタソフトウェア名は,drmclusinitコマンドの引数で指定した値です。