9.3.3 Oracleデータベースをテープにバックアップする

Oracleデータベースをテープへオンラインバックアップする例について説明します。この例では,データベースサーバ「DBServer」のインスタンス「INSTANCE_1」をいったん副ボリュームにオンラインバックアップしたあと,副ボリュームからテープへバックアップします。バックアップ対象を特定するオペレーションIDとして,「Operation_A」を使用します。

この項の構成
(1) コピーグループの再同期
(2) Oracleデータベースのバックアップ

(1) コピーグループの再同期

常時スプリット運用の場合,コピーグループを再同期してから,データをバックアップします。

常時ペア運用の場合は,バックアップの前にコピーグループを再同期する必要はありません。テープバックアップが終了してから,コピーグループを再同期して,初期状態に戻します。

コピーグループを再同期するには:

  1. コピーグループを再同期します。
    SANRISE1000シリーズを使用する場合,SANRISE9500Vシリーズ,Hitachi AMS/WMSシリーズ,Hitachi AMS2000シリーズ,Hitachi TMS1000,またはHitachi SMSシリーズでShadowImageを使用する場合は,データベースサーバでEX_DRM_RESYNCを実行し,コピーグループを再同期します。バックアップする前にコピーグループを再同期することで,バックアップを高速化できます。

    DBServer > EX_DRM_RESYNC Operation_A -cg VG01,vol01 -copy_size 7

(2) Oracleデータベースのバックアップ

Oracleデータベースをバックアップするには:

  1. Oracleデータベースを副ボリュームへバックアップします。
    Oracleデータベースをオンラインバックアップします。バックアップするには,EX_DRM_ORA_BACKUPを実行します。引数として,オペレーションID「Operation_A」を指定します。
    なお,オンラインバックアップでは表領域がバックアップの対象となります。データベース全体をバックアップするときは,-allオプションを指定します。

    DBServer > EX_DRM_ORA_BACKUP Operation_A -mode online

  2. 正しくバックアップされていることを確認します。
    データベースサーバでdrmoracatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。

    DBServer> drmoracat INSTANCE_1
    INSTANCE: INSTANCE_1
    BACKUP-ID:0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: INSTANCE_1
    START-TIME: 2003/08/11 19:00:00 END-TIME: 2003/08/11 19:03:00
    :
    :

  3. バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
    副ボリュームからテープへバックアップするために,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報をバックアップサーバにコピーする必要があります。EX_DRM_DB_EXPORTを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイルへエクスポートします。一時ファイルは,データベースサーバの拡張コマンド用一時ディレクトリに格納されます。

    DBServer > EX_DRM_DB_EXPORT Operation_A

  4. バックアップ時に作成された制御ファイルを一時ディレクトリに退避します。
    制御ファイルと一時ファイルを一括してバックアップサーバへ転送するために,バックアップ時に作成された制御ファイルをデータベースサーバの拡張コマンド用一時ディレクトリに退避します。退避するには,EX_DRM_ORAFILE_PACKを実行します。

    DBServer > EX_DRM_ORAFILE_PACK Operation_A

  5. 制御ファイルと一時ファイルをバックアップサーバへ転送します。
    制御ファイルと一時ファイルを一括してデータベースサーバからバックアップサーバへ転送します。転送するには,データベースサーバでEX_DRM_FTP_PUTを実行します。ここでは,FTPサーバにログオンするために使用するユーザーIDを「admin」,パスワードを「password」とします。制御ファイルと一時ファイルは,バックアップサーバの拡張コマンド用一時ディレクトリに格納されます。

    DBServer > EX_DRM_FTP_PUT Operation_A -server BKServer -user admin -password password

  6. データベースサーバから転送した一時ファイルをバックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。
    データベースサーバから転送した一時ファイルを,バックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,バックアップサーバでEX_DRM_DB_IMPORTを実行します。

    BKServer > EX_DRM_DB_IMPORT Operation_A

  7. 正しくインポートされていることを確認します。
    バックアップサーバでdrmoracatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報がバックアップサーバにインポートされていることを確認します。
  8. データベースサーバから転送した制御ファイルをバックアップサーバへ展開します。
    EX_DRM_ORAFILE_EXTRACTを実行し,データベースサーバから転送した制御ファイルをバックアップサーバのバックアップファイル格納ディレクトリに展開します。

    BKServer > EX_DRM_ORAFILE_EXTRACT Operation_A

  9. 副ボリュームのデータをテープへバックアップします。
    バックアップするには,バックアップサーバでEX_DRM_TAPE_BACKUPを実行します。ここでは,テープバックアップ用のマウントポイントとして「/mnt」を指定します。

    BKServer > EX_DRM_TAPE_BACKUP Operation_A -exopt -mount_pt /mnt

    バックアップを実行すると,このバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000002」で登録されます。
  10. 正しくテープへバックアップされていることを確認します。
    バックアップサーバでdrmtapecatコマンドを実行して,主ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。