Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド
使用するバックアップ管理製品に応じて,サンプルとして提供されているテープバックアップ用構成定義ファイルの名称を次のように変更してください。
- NetBackupの場合:NBU.dat
- Backup Execの場合:BEWS.dat
サンプルのテープバックアップ用構成定義ファイルは,次の場所に格納されています。
- NetBackupの場合(Windows)
<Protection Managerのインストール先>\conf\tape\NBU_sample.dat- NetBackupの場合(Solaris)
/opt/drm/conf/tape/NBU_sample.dat- Backup Execの場合
<Protection Managerのインストール先>\conf\tape\BEWS_sample.dat
- この項の構成
- (1) 定義するパラメーター
- (2) 定義ファイルの作成例
- (3) ユーザー任意の構成定義ファイルについて
テープバックアップ用構成定義ファイルに記述するパラメーターは,次に示す表の順序に従います。
表4-41 テープバックアップ用構成定義ファイルで定義するパラメーター(NetBackupの場合)
パラメーター 説明 INST_PATH NetBackupをインストールしたパスを絶対パスで記述します(1,024バイト以内)。 NBU_MASTER_SERVER Windowsの場合:
バックアップ先を問い合わせるNetBackupのマスターサーバ名を記述します(255バイト以内)。OSによって名前解決されているホスト名,またはIPアドレス(IPv4)を指定します。このパラメーターを省略した場合,NetBackupのマスターサーバ名としてコマンドを実行したホストのホスト名を適用します。このパラメーターは,NetBackup6.5以降を使用する場合に指定できます。INCLUDE_EXEC Windowsの場合:
includeコマンドの実行可否を記述します(8バイト以内)。このパラメーターは大文字・小文字を区別しません。このパラメーターを省略した場合,「YES」が指定された場合と同じ動作になります。このパラメーターはNetBackup6.5以降を使用する場合に指定できます。
- 「YES」を指定する場合
NetBackupのbpplincludeコマンド,またはbpclincludeコマンドを実行して,Protection Managerがポリシー(クラス)にバックアップ対象パスを登録します。drmmediabackupコマンドを実行したあとに,Protection Managerがポリシー(クラス)に登録したバックアップ対象パスを削除します。また,バックアップ先メディア情報をバックアップカタログに登録します。- 「YES」以外の文字列を指定する場合
Protection Managerがポリシー(クラス)にバックアップ対象パスを登録しません。そのため,ユーザーがNetBackupを操作してポリシー(クラス)にバックアップ対象パスを登録する必要があります。MOUNT_POINT Windowsの場合:
バックアップ対象のマウントポイントを絶対パスで記述します(255バイト以内)。
バックアップ対象のマウントポイントの記述が見つからない場合は,「default」と記述したCLASSまたはPOLICY,およびSCHEDULEで指定した値が使用されます。
Protection Managerがテープバックアップ時に自動的にマウントする順番と同じ順番で,テープバックアップ用構成定義ファイルにマウントポイントを記述してください。Protection Managerは次の規則でマウントします。上記の規則のうち,実際のテープバックアップおよびリストア時の運用方法に従って,Windowsのエクスプローラなどで空きドライブを確認し,空いているドライブをアルファベット順に記述してください。
- テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを引数で指定する場合
指定したドライブから,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。- テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを指定しない場合
すべての空きドライブの中から,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。
- バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合
バックアップ対象となる,データベースが含まれるマウントポイント以外に,VDIメタファイルが格納されているボリュームを指定する必要があります。指定するには,VDIメタファイルが格納されているディレクトリを絶対パスで指定するか,「default」と記述します。
VDIメタファイル格納ディレクトリは,MOUNT_POINTの最後(ただし「default」より前)に指定してください。Solarisの場合:
バックアップ対象のマウントポイントを絶対パスで記述します(255バイト以内)。
バックアップ対象のマウントポイントの記述が見つからない場合は,「default」と記述したCLASSおよびSCHEDULEで指定した値が使用されます。
- バックアップ対象がRAWボリュームの場合
- バックアップ対象となる副ボリュームのスペシャルデバイスファイルを指定します。副ボリュームのスペシャルデバイスファイル名の例を次に示します。副ボリュームの「nnn」部分にはバックアップ世代番号を指定します。
- Veritas Volume Managerの場合
主ボリュームファイル名:/dev/vx/dsk/dg01/vol-1
副ボリュームファイル名:
ローカルコピーの場合:/dev/vx/dsk/SLnnndg01/vol-1
リモートコピーの場合:/dev/vx/dsk/SRnnndg01/vol-1- Veritas Volume Manager管理外のディスクの場合
副ボリュームファイル名:/dev/dsk/*s2CLASSまたはPOLICY MOUNT_POINTで指定したパスに格納されているデータをバックアップするために使用するクラス名またはポリシー名を記述します(255バイト以内)。
Windowsの場合,POLICYまたはCLASSのどちらでも使用できます。ただし,同一のMOUNT_POINTに対してPOLICYとCLASSの両方を指定してはいけません。SCHEDULE MOUNT_POINTで指定したパスに格納されているデータをバックアップするために使用するスケジュール名を記述します(255バイト以内)。 PARALLEL_COUNT テープへのバックアップおよびテープからのリストアを並列で実行する場合に指定します。PARALLEL_COUNTで指定した数値でバックアッププロセスが並列実行されます。1~999の間で指定します。この範囲を超える値を指定したり,数字以外の文字を設定したりした場合,並列実行されないで,シーケンシャルに実行されます。バックアップを並列実行するためには,あらかじめNetBackupで並列実行する数だけCLASSまたはPOLICYを作成,設定しておいてください。 表4-42 テープバックアップ用定義ファイルで定義するパラメーター(Backup Execの場合)
パラメーター 説明 INST_PATH Backup Execをインストールしたパスを絶対パスで記述します(1,024バイト以内)。 MOUNT_POINT バックアップ対象のマウントポイントを絶対パスで記述します(255バイト以内)。
バックアップ対象のマウントポイントの記述が見つからない場合は,「default」と記述したSCRIPT_FILEで指定した値が使用されます。
Windowsの場合:
テープバックアップ時にマウントするマウントポイントを指定します。Protection Managerがテープバックアップ時に自動的にマウントする順番と同じ順番で,テープバックアップ用構成定義ファイルにマウントポイントを記述してください。Protection Managerは次の規則でマウントします。上記の規則のうち,実際のテープバックアップおよびリストア時の運用方法に従って,Windowsのエクスプローラなどで空きドライブを確認し,空いているドライブをアルファベット順に記述してください。
- テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを引数で指定する場合
指定したドライブから,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。- テープバックアップおよびリストア時にマウントポイントを指定しない場合
すべての空きドライブの中から,アルファベット順に空いているドライブをマウントしていきます。
- バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合
バックアップ対象となる,データベースが含まれるマウントポイント以外に,VDIメタファイルが格納されているボリュームを指定する必要があります。指定するには,VDIメタファイルが格納されているディレクトリを絶対パスで指定するか,「default」と記述します。
VDIメタファイル格納ディレクトリは,MOUNT_POINTの最後(ただし「default」より前)に指定してください。SCRIPT_FILE MOUNT_POINTで指定したパスに格納されているデータをバックアップするために使用するバックアップジョブスクリプトファイル名を記述します(1,024バイト以内)※。
- 注※
- バックアップジョブスクリプトファイルの詳細は,Backup Execのマニュアルを参照してください。
- バックアップジョブスクリプトファイルのサンプル(bjscript.txt)は,Backup Execのインストール用CD-ROMに収録されています。
- Protection Managerで使用するBackup Execバックアップジョブスクリプトファイルの例を次に示します。
[General] JOB_TYPE=Backup JOB_NAME=tapebackup [Backup_Options] OVERWRITE_JOB=YES [Media_Options] MEDIA_NAME=DSK000001 MEDIA_SET=TAPEMEDIA_SET APPEND=YES APPEND_NO_OVERWRITE=YES [Miscellaneous] [Schedule] RUN_IMMEDIATE=YES [W2K] [Selections] PATH1= SUBDIRS1=INST_PATH,NBU_MASTER_SERVER,INCLUDE_EXEC,PARALLEL_COUNT以外のパラメーターは,マウントポイントごとに複数記述することができます。ただし,次の規則に従ってください。
- MOUNT_POINTの前の行は,必ず空行にする。
- 構成定義パラメーターは上記の表の順序で指定する。
- MOUNT_POINTに「default」(すべて小文字であること)と記述する場合,必ず最後に記述する。
- MOUNT_POINTに記述するパス名の最後には「\」を付けない。
- MOUNT_POINTに記述するパス名は大文字・小文字を区別する。
- PARALLEL_COUNTに並列実行バックアップジョブ数を指定する場合,NetBackupで並列実行用のCLASSまたはPOLICY定義を作成する※。
- NetBackupで作成したCLASSまたはPOLICY定義に合わせて,テープバックアップ用構成定義ファイルにCLASSまたはPOLICY単位にマウントポイントを指定する。
- コマンドを実行するホストにNetBackupのマスターサーバ,またはメディアサーバがインストールされていない場合,INCLUDE_EXECパラメーターにYESを指定してはならない。YESを指定した場合,バックアップ時にエラーメッセージが出力されエラー終了する。
- 構成定義ファイルの各パラメーターに最大値を超えた値を指定した場合,バックアップ時またはリストア時にエラーメッセージが出力されエラー終了する。
- 注※
- Protection ManagerとBackup Execを連携する場合,単一ドライブを使用した直列バックアップだけができます。複数テープドライブを使った並列バックアップおよび並列リストアはできません。
- WindowsでNetBackupを使用する場合(NBU.dat)
INST_PATH=C:\Program Files\VERITAS\NetBackup NBU_MASTER_SERVER=192.168.0.2 INCLUDE_EXEC=YES MOUNT_POINT=F: POLICY=backup2 SCHEDULE=schedule2 MOUNT_POINT=G: POLICY=backup1 SCHEDULE=schedule1 MOUNT_POINT=default POLICY=backup1 SCHEDULE=schedule3 PARALLEL_COUNT=2- SolarisでNetBackupを使用する場合(NBU.dat)
INST_PATH=/usr/openv/netbackup MOUNT_POINT=/disk03 CLASS=backup2 SCHEDULE=schedule2 MOUNT_POINT=default CLASS=backup1 SCHEDULE=schedule1 PARALLEL_COUNT=2- Backup Execを使用する場合(BEWS.dat)
INST_PATH=C:\Program Files\VERITAS\Backup Exec\NT MOUNT_POINT=E: SCRIPT_FILE=C:\BEWS\E_Drive.txt MOUNT_POINT=default SCRIPT_FILE=C:\BEWS\backup1.txt
drmmediabackupコマンドまたはdrmmediarestoreコマンドを,-bup_envオプションを指定して実行する場合(実行するコマンドごとに任意の構成定義ファイルを指定する場合),対象となる構成定義ファイルをあらかじめ作成しておいてください。
なお,drmmediabackupコマンドまたはdrmmediarestoreコマンドを,-bup_envオプションを省略して実行する場合,デフォルトの構成定義ファイルのパラメーターを使用してバックアップ管理製品を起動するので,デフォルトの構成定義ファイルは消さないで残しておいてください。
ユーザー任意の構成定義ファイル名を指定するときの条件は次のとおりです。
- Windowsの場合
- 最大文字数:ディレクトリの文字数と合わせて255バイト
- 使用できる文字:Windowsでファイル名として使用できる文字
- 格納先:<Protection Managerのインストール先>\conf\tape\
- Solarisの場合
- 最大文字数:ディレクトリの文字数と合わせて1,023バイト
- 使用できる文字:各OSでファイル名として使用できる文字
- 格納先:/opt/drm/conf/tape/
任意の構成定義ファイルの作成例を示します。
曜日ごとに構成定義ファイルを変更する場合,次のように7種類の構成定義ファイルを作成し,各曜日のファイルに必要なパラメーターを定義しておきます。
NBU_MONDAY.dat
NBU_TUESDAY.dat
NBU_WEDNESDAY.dat
NBU_THURSDAY.dat
NBU_FRIDAY.dat
NBU_SATURDAY.dat
NBU_SUNDAY.dat