Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド
バックアップ対象がファイルシステムまたはExchangeデータベースで,VSSを使用してオンラインバックアップする場合は,次の設定が必要になります。
- バックアップ対象がExchangeデータベースの場合,Protection Manager for ExchangeでVSSバックアップできるように,Protection ManagerおよびRAID Managerの環境設定を行います。ただし,バックアップする前にペア生成をする必要があります。ペア生成時には,paircreateコマンドを実行して-m noreadオプションを指定してください。
- ファイルサーバまたはデータベースサーバ,およびバックアップサーバにRM Shadow Copy Providerがインストールされている必要があります。RM Shadow Copy Providerのインストール方法はRAID Managerのマニュアルを参照してください。
RM Shadow Copy Providerをインストールするときは,事前にWindowsの「コンピュータの管理」(Windows Server 2003)または「サーバーマネージャ」(Windows Server 2008)のサービス画面を使用して,各Windowsサービスが次に示すデフォルト設定になっていることを確認してください。表4-33 RM Shadow Copy Providerに関連するWindowsサービスのデフォルト設定
これらのWindowsサービスがデフォルト設定になっていない状態でRM Shadow Copy Providerをインストールすると,RM Shadow Copy ProviderサービスがWindowsサービスとして登録されません。この場合,-modeオプションにVSSを指定して実行されたバックアップコマンドは,エラーメッセージを表示してエラー終了します。
サービス名 表示名 スタートアップの種類 RpcSs Remote Procedure Call (RPC) 自動 EventLog Event Log 自動 DcomLaunch DCOM Server Process Launcher 自動 SamSs Security Accounts Manager 自動 winmgmt Windows Management Instrumentation 自動 EventSystem COM+ Event System 手動 MSIServer Windows Installer 手動 VSS Volume Shadow Copy 手動 COMSysApp COM+ System Application 手動 MSDTC Distributed Transaction Coordinator 手動 - RAID Managerのマニュアルに記述されているraidvchksetコマンドの実行をする必要はありません。
- ファイルサーバまたはデータベースサーバで, VSS定義ファイルを編集します。VSS定義ファイル(vsscom.conf)は,次の場所にあります。パラメーターの追加や削除はしないでください。
<Protection Managerのインストール先>\conf
パラメーター 説明 設定できる値 BACKUP_SERVER バックアップサーバのホスト名またはIPアドレスを設定します。 半角1~256文字までの文字列 WRITER_TIMEOUT_RETRY_COUNT バックアップした場合にWriterタイムアウトが発生したとき,バックアップをリトライする回数を設定します。0を設定した場合はリトライしません。次のような場合にリトライ回数を増やしてください。 バックアップに時間が掛かる場合のディスク構成の詳細については,ファイルシステムの場合は「2.17.1 バックアップ対象となるファイルシステムの条件と注意事項」を,Exchangeデータベースの場合は「2.17.3 バックアップ対象となるExchangeデータベースの条件と注意事項」を参照してください。
- バックアップに時間が掛かる場合(一度に多くのディスクをバックアップする場合,またはSANRISE9500Vシリーズ,Hitachi AMS/WMSシリーズ,Hitachi AMS2000シリーズ,Hitachi TMS1000,Hitachi SMSシリーズでShadowImageを使用する場合)
- バックアップ時にエラーメッセージKAVX5004-Eが出力される場合
0~99999 WRITER_TIMEOUT_RETRY_INTERVAL Writerタイムアウトでリトライする場合のリトライ間隔を秒で設定します。通常は変更する必要はありません。 0~99999 EXG_VERIFY_RETRY_COUNT バックアップ結果のExchangeデータベース検証でエラーが発生した場合,バックアップをリトライする回数を設定します。0 の場合はリトライしません。通常は変更する必要はありません。バックアップ対象がファイルシステムの場合,この値を設定する必要はありません。 0~99999 EXG_VERIFY_RETRY_INTERVAL Exchangeデータベース検証エラーでリトライするときのリトライ間隔を秒で設定します。通常は変更する必要はありません。バックアップ対象がファイルシステムの場合,この値を設定する必要はありません。 0~99999 - バックアップ対象がExchangeデータベースの場合,バックアップサーバにExchange管理ツールをインストールします。Exchange Server 2003を使用している場合は,ESEUTILコマンドもインストールします。Exchange Server 2007を使用している場合は,ESEUTILコマンドをインストールする必要はありません。
- Exchange管理ツールのインストール
- バックアップサーバにExchange管理ツールをインストールします。
- このとき,インストールするMicrosoft Exchange Serverのバージョンは,データベースサーバと同じである必要があります。データベースサーバのExchange Serverにサービスパックを適用している場合,バックアップサーバ上のExchange Serverにも同一のサービスパックを適用してください。Exchange管理ツールのインストールの詳細については,Exchange Server 2003またはExchange Server 2007のマニュアルを参照してください。
- ESEUTILコマンドのインストール
- Exchange管理ツールをインストールしたあと,次のファイルをバックアップサーバの「<Exchange Serverのインストール先>\bin」から,バックアップサーバの「<Protection Managerのインストール先>\bin\util」へコピーします。
- ・ESE.dll
- ・ESEUTIL.exe
- ・EXCHMEM.dll
- ・EXOSAL.dll
- SANRISE H12000,Hitachi Universal Storage Platform H20000,またはHitachi Universal Storage Platform H24000でVSSを使用する場合,この節「4.9 VSSを使用するための設定」およびコマンドのメッセージで表示されるシステム環境変数名は,次のように読み替えてください。
VSHTCRMENVF -> VSXPRMENVF
VSHTCHORCMINST_LOCAL -> VSXPHORCMINST_LOCAL
VSHTCHORCMINST_REMOTE -> VSXPHORCMINST_REMOTE
VSHTCHOMRCF_MUN -> VSXPHOMRCF_MUN
- この節の構成
- 4.9.1 RM Shadow Copy Providerのバージョンが「01-02-03/03」以降の場合の設定
- 4.9.2 RM Shadow Copy Providerのバージョンが「01-02-03/03」より前の場合の設定