4.2.1 業務ルールの定義項目

業務ルールを定義する場合,業務ルールの処理内容(ルールスクリプト),業務ルールの名称,および業務ルールとデータ項目の関連を定義します。業務ルールとデータ項目との関連は,データ分析工程で抽出したデータ制約の種別によって定義内容が異なります。データ制約は「項目固有制約」と「項目関連制約」に分類されます。また,それぞれの処理内容によって「チェックルール」と「導出ルール」に分類されます。

項目固有制約
単独のデータ項目に対する業務ルールとして定義します。定義する場合は,SEWB+/REPOSITORYの[業務ルール新規作成]ダイアログの[データ項目]タブで,「適用データ項目」の「専用にする」をチェックし,「組み合わせるデータ項目」に,この業務ルールを適用するデータ項目を指定します。このとき指定できるデータ項目は一つだけです。
ドメイン制約項目共通制約
ドメインとしてグルーピングされ,辞書に登録されているデータ項目との間に継承関係を定義する場合,ドメインに対して業務ルールを定義します。この場合,定義方法は項目固有制約と同じです。
項目関連制約
複数のデータ項目に対する業務ルールとして定義します。定義する場合は,SEWB+/REPOSITORYの[業務ルール新規作成]ダイアログの[データ項目]で,「適用データ項目」の「専用にする」をチェックし,「組み合わせるデータ項目」に,この業務ルールを適用するデータ項目を指定します。このとき指定できるデータ項目は一つ以上です。
<この項の構成>
(1) 分類(処理のタイプ)
(2) 属性
(3) データ項目との関連
(4) ルールスクリプト

(1) 分類(処理のタイプ)

チェック(ルール)
適用するデータ項目の妥当性を判断する業務ルールとして定義します。定義する場合は,SEWB+/REPOSITORYの[業務ルール新規作成]ダイアログの[データ項目]で,「適用データ項目」の「組み合わせるデータ項目」の「適用条件」に「入力」を指定します。
導出(ルール)
データ項目の値を導き出す業務ルールとして定義します。定義する場合は,SEWB+/REPOSITORYの[業務ルール新規作成]ダイアログの[データ項目]で,「適用データ項目」の「組み合わせるデータ項目」の「適用条件」に次のように指定します。
  • 業務ルールによって導き出される値を格納するデータ項目:出力
  • 業務ルールを適用するそのほかのデータ項目:指定なし

(2) 属性

「業務ルール名」,「標準名称」,「フリガナ」,「コメント」および「フィールド1~3」のことです。「業務ルール名」,「標準名称」および「フリガナ」は業務ルールを識別しやすいように定義します。「コメント」は処理概要やソースプログラムへの展開条件,注意事項などを記述します。「フィールド1~3」は,プロジェクト独自の情報を定義するなど自由に使用できます。

(3) データ項目との関連

業務ルールとデータ項目とを関連づけるため適用データを専用にするか共用にするかや,適用条件,ルールスクリプトで使用するキーワードなどを定義します。

(a) 適用データの専用と共用

業務ルールが特定のデータ項目だけに対応するのか,複数のデータ項目に対応するのかを選択します。複数のデータ項目に対応する必要がある場合,ドメインに業務ルールを対応させて適用を継承させる,継承関係を利用することをお勧めします。

(b) キーワード

業務ルールに使用するデータ項目の仮の名称です。

(c) 適用条件

データ項目がどのような条件(処理の入力または出力)にあるときに,その業務ルールをAPに適用させるのかという情報を指定します。適用条件は,プログラム作成に必要な業務ルールをSEWB+/CONSTRUCTIONで抽出する場合にキーとなる情報です。したがって,SEWB+/CONSTRUCTIONでの利用も考慮した指定が必要になります。

(4) ルールスクリプト

ソースプログラムに展開する業務ルールの処理を,AP開発に使用するプログラミング言語別にコーディングします。