データ分析で求められたドメインと,ドメインによってグルーピングされたデータ項目は,継承関係で結び付けてデータ項目辞書に登録します。継承とは,データ項目間で共通する性質を持つデータ項目から,その定義情報を複数のデータ項目に引き継ぐことです。共通する性質を持つデータ項目が継承関係の上位データ項目,引き継ぐデータ項目が継承関係の下位データ項目になります。この継承の仕組みを利用して,ドメインを継承関係の上位データ項目に登録し,グルーピングされたデータ項目を下位データ項目に登録します。このようにドメインの分析結果に基づいてデータ項目を登録すれば,データ項目を効率良く体系的に登録および管理できるとともに,定義情報の標準化を図れます。
ドメインをデータ項目辞書に登録するには,まず最も共通的な値域を持つドメインを,継承関係の最上位のデータ項目として登録します。そのあと,そのデータ項目から定義情報を引き継いで,ドメインにグルーピングされたデータ項目または下位のドメインを登録します。
ドメインのデータ項目の定義情報は,継承関係の下位データ項目に引き継がれます。したがって,ドメインにグルーピングされたデータ項目には,それぞれのデータ項目固有の定義情報だけを定義し,登録すればよいことになります。
また,継承関係にあるデータ項目を変更する場合,上位のデータ項目を変更すると,継承関係にある下位のデータ項目には,変更が自動的に反映されます。ただし,それぞれのデータ項目固有の定義情報は影響を受けません。このため,変更時の変更波及の管理が容易になります。なお,継承関係にあるデータ項目間でも,ドメインの定義情報を引き継ぐかどうかを設定できます。