資源をエクスポートするときに,資源間に付けられている関連情報を一緒にエクスポートするかどうかを設定できます。
リポジトリ間でドキュメントを相互配布している場合,ドキュメントの関連情報をエクスポートするように設定できます。ただし,設定時には,次に示す「ドキュメント相互配布時の注意事項」などを考慮して設定してください。
リポジトリ間でドキュメントを相互配布する場合には,エクスポート運用の設定で「関連先となる開いた関連のみをエクスポートする」を選択してください。これは,インポート先で関連を削除したときに,インポートによって関連が復活するのを防ぐために必要です。
次に,相互配布の関係にあるリポジトリAとリポジトリBを示します。これらのリポジトリ間でのドキュメントの相互配布を例に,発生するおそれのある現象とその回避方法を説明します。
(a)の現象は,エクスポートする関連情報を,関連方向をキーにして区別することで回避できます。例えば,エクスポート時に,開いた関連の関連先になるデータ項目の関連情報だけをエクスポートするように設定しておくと,5.のエクスポート時にA1の関連はエクスポートされなくなります。
開いた関連情報をエクスポートすると,変更時の変更波及を調査するときに便利です。例えば,分散環境の複数リポジトリから参照目的で資源をインポートしていても,自分が所有する資源がそれらの関連先になっていれば,自分の資源を変更したときの相手資源への影響を調査できます。開いた関連情報をエクスポートしていないと,同じような状況のとき,リポジトリごとに調査しなければなりません。
リポジトリで複数の辞書を管理している場合,エクスポートする辞書フォルダのデータ項目が,エクスポート対象外の辞書のデータ項目と結合関係にあるとき,それらのデータ項目も一緒にエクスポートするかどうかを設定できます。設定時には,次に示す「辞書相互配布時の注意事項」などを考慮してください。
相互配布の関係にあるリポジトリAとリポジトリBを次に示します。これらのリポジトリ間での辞書の相互配布を例に,発生するおそれのある現象とその回避方法を説明します。
このようになることが事前にわかっている場合は,エクスポート時の設定で,ほかの辞書フォルダのデータ項目を一緒にエクスポートする設定を解除しておきます。ただし,このように設定すると,ほかの辞書フォルダにある構成項目がインポート先のリポジトリにない場合にエラーとなるので注意が必要です。
例えば,前述の運用例で,リポジトリBの辞書フォルダの結合項目B2は辞書フォルダAのA1を構成項目にしています。この場合に,リポジトリBが別のリポジトリであるリポジトリCに辞書フォルダBをエクスポートしようとすると,辞書フォルダCにはデータ項目A1がないのでエラーになります。
このような現象を回避するためには,分散環境のすべてのリポジトリのフォルダ構成を同じにしてください。または,参照されるデータ項目をドメインとして一つの辞書フォルダにまとめて共用してください。
ドメインを格納する辞書フォルダの詳細は「13.2.2 データ項目の分類方法」を参照してください。