2.5.1 辞書のレコード定義(最上位結合項目)とプログラムの関係

SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発の準備として,サーバアプリケーション,およびクライアントとサーバのインタフェースに使用するレコードの構造をデータ項目辞書またはレコード定義ファイルに用意します。なお,レコード定義ファイルは,SEWB+/RECORD DEFINERで作成します。詳細は,マニュアル「SEWB+/RECORD DEFINER ユーザーズガイド」を参照してください。

ここでは,レコードの構造をデータ項目辞書に用意する場合について説明します。

最初に,適切なレコードの構造をデータ項目辞書に用意するために,あらかじめ,辞書のレコード定義(最上位結合項目)とプログラムの関係を理解しておきましょう。辞書のレコード定義(最上位結合項目)がアプリケーション開発に利用され,プログラムに反映されるまでの流れを,図2-9に示します。

図2-9 辞書のレコード定義(最上位結合項目)がプログラムに反映されるまで

[図データ]

<この項の構成>
(1) レコード定義(最上位結合項目)の登録
(2) SEWB+/CONSTRUCTIONのデータ定義との関係
(3) ソースコードの生成

(1) レコード定義(最上位結合項目)の登録

データベースやファイル設計および業務設計から求められたC/S(クライアントサーバ)システムのインタフェース仕様などの情報を基に,辞書に登録するレコード構造を設計します。このレコード構造に従って,すでに辞書に登録してあるデータ項目を組み合わせて結合項目を構成します。この結合項目は,SEWB+/CONSTRUCTION,EUR Professional EditionおよびAPPGALLERY Enterpriseでレコードとして扱われるために「最上位結合項目」として定義します。

SEWB+/CONSTRUCTIONでは,データ定義を使って,実際にアプリケーションで使用するデータを定義するときに,辞書に用意されているレコード定義(最上位結合項目)を参照します。例えば,RDBの定義では,RDBの表の構造としてレコード定義(最上位結合項目)が参照され,データが定義されます。このため,辞書の作成者は,アプリケーション開発に使用するデータの種類を考慮しながら,辞書に用意するレコード構造を決めてください。

SEWB+/CONSTRUCTIONで定義できるデータ種別を次に示します。

データ定義や,データ種別の詳細は,マニュアル「SEWB+/CONSTRUCTION アプリケーション開発ガイド」を参照してください。

(2) SEWB+/CONSTRUCTIONのデータ定義との関係

実際にアプリケーションで使用するファイルやRDBの情報を,SEWB+/CONSTRUCTIONのデータ定義機能で定義します。図2-9のデータ定義の例では,辞書に登録された「商品レコード」を,実際に使用する「商品マスタファイル」のレコードとして定義しています。データ定義情報をリポジトリにチェックインすると,レコード定義(最上位結合項目)とデータ定義のドキュメントとの間に,自動的に関連(関連種別「辞書参照」)が付けられます。

(3) ソースコードの生成

辞書のレコード定義情報は,データ定義と関連づけられたあと,プログラム定義機能を経て,ソースプログラムが生成されるときに,レコードの記述として展開されます。また,クライアントとサーバ間のインタフェーステーブルを作成したい場合には,データ定義機能から,個別のCOPYメンバ(COBOL言語の場合)またはヘッダファイル(C言語の場合)を生成することもできます。生成時には,SEWB+/REPOSITORYのデータ項目の定義情報とともにレコード生成キーワードが参照されます。参照されるデータ項目の定義情報を表2-17に示します。

表2-17 プログラム生成時に参照されるデータ項目の定義情報

定義項目COBOL又はOOCOBOLC又はC++
名称データ項目名××
標準名称××
フリガナ××
属性分類×
けた数
小数部けた数
反復回数
付加情報フィールド1~20××
コメント××
言語別
詳細情報
名前
タイプ
タイプ修飾情報
(編集文字列)
取りうる値
初期値×
言語別フィールド××
(凡例)
○:生成時に参照される
△:生成するかどうかを指定できる
×:生成時に参照されない
-:定義できない
注※
言語別の名前を定義していない場合には,データ項目名が参照されます。