ここでは, CSV形式ファイルから辞書情報を入力する場合の入力規則について説明します。
ダイアログでの操作については,ヘルプを参照してください。また,CSV形式ファイル入力コマンドの指定方法については,「4.1.3 CSV形式ファイル入力コマンド(RPCsvin)の使い方」を参照してください。
データ項目辞書にCSV形式ファイルが入力される規則について説明します。
リポジトリ内の各データ項目は,SEWB+/REPOSITORYによって一意の値が割り当てられた「システム内部ID」で識別されます。したがって,データ項目名が同じでも,このシステム内部IDの値が異なれば,別のデータ項目として扱われます。このシステム内部IDは,データ項目自身を示すほか,継承関係にある上位データ項目や結合関係にある構成項目など,関連するデータ項目の識別にも使われます。
CSV形式ファイルを作成して入力するときや,既存のCSV形式ファイルにデータ項目を追加するときには,システム内部IDの代わりにユーザが仮のIDを決めて割り当てます。これを「仮システム内部ID」といい,先頭が「0x」で始まる16文字以内の16進文字列で記述します(システム内部IDの先頭には「&」が付き,これによって形式が区別されます)。仮システム内部IDは,CSV形式ファイルを入力すると自動的にシステム内部IDに変換されます。
図4-3 ユーザ作業の例とCSV形式ファイルの入出力の関係
CSV形式ファイルでのデータ項目の識別には,システム内部IDを使用するほかに,データ項目名を使用することもできます。ただし,この場合には,CSV形式ファイル,およびCSV形式ファイルを入力する辞書フォルダ内で,データ項目名を必ず一意に定義していることが前提になります。このため,データ項目名の継承フラグには「1」を指定してはなりません。データ項目名をデータ項目の識別に使用する場合,システム内部IDおよび仮システム内部IDは,ほかのデータ項目からの関連先としてだけ使用されます。
データ項目名によるデータ項目の識別は,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/S 辞書の登録方法」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で指定します。
入力時の指定によって,データ項目の登録および更新の方法を次の3通りから選択できます。これは,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/S 辞書の登録方法」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で指定します。
a. 新規に登録する
b. システム内部IDで更新する
c. データ項目名で更新する
新規に登録したい場合は,a.の方法で入力を実行します。b.またはc.の方法を選んだ場合,システム内部IDまたはデータ項目名によって,更新する対象のデータ項目が特定されます。一致するデータ項目が辞書に存在しない場合は新規データ項目として登録されます。
いったん,CSV形式ファイルに辞書フォルダをわたる結合項目をシステム内部IDを使用して出力したあと,再びそのCSV形式ファイル入力すると,出力時の関連情報を基にして結合項目の関連が復元されます。
したがって,結合先のデータ項目がCSV形式ファイルまたはリポジトリ内にないと,CSV形式ファイルを入力することができません。この場合には,CSV形式ファイルの内容を見直して,再度入力をしてください。
入力するデータ項目の定義情報の国語区分,言語区分およびフィールドを指定できます。CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/C 登録先国語別」,「/N 登録先言語別」,「/I 登録先フィールド別」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「入力する辞書情報」で指定します。指定した区分に対応する行の値だけが辞書に入力されます。
CSV形式ファイル中の定義情報を継承できる定義項目にはそれぞれ継承フラグが設けられています。したがって,項目ごとに上位データ項目から値を継承するかどうかを指定できます。標準フォーマットで継承フラグを省略した場合や,継承フラグを指定できないフォーマットで入力する場合には,継承関係の最上位以外にあるデータ項目の継承フラグに「継承する」が仮定されます。
ただし,環境構築ユティリティで継承モードに「必ず継承」または「継承禁止」を設定している場合は,継承モードが優先されます。
継承関係の下位のデータ項目を登録する場合,次の点に注意してください。
データ項目名を使用して更新登録する場合,ユーザが既存のデータ項目に定義していた継承の関連を更新しない指定ができます。CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/P 継承関連の更新有無」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で指定します。
例えば,ERwin/ERXからの辞書登録では通常,データ項目は継承関係の最上位のデータ項目として登録されます。しかし,ERwin/ERXから新規に辞書登録したあと,ユーザがデータ項目の継承関係を変更していても,この指定をすれば,この関係を保てます。
親データ項目や構成項目は,システム内部IDや仮システムIDで指定する代わりに,プリフィックスを付けたデータ項目名を指定して辞書に入力できます。
同一名称のデータ項目が,同じCSVファイルや辞書フォルダに複数ある場合,プリフィックスを付けたデータ項目名で親データ項目や構成項目を指定することはできません。その場合は,システム内部ID,または仮システムIDで指定してください。
ERwin/ERXの分析情報で既存のデータ項目を更新する場合,ERwin/ERXで変更された属性情報だけをデータ項目に反映できます。CSV形式ファイルコマンドの引数「/W 更新対象属性」で指定,または[CSV入力オプション]ダイアログの「CSVフォーマット種別」で「ERwin/ERX属性のみを更新する」を選びます。
ERwin/ERXの属性の更新だけを指定すれば,通常の変換規則で初期値やシステムで変換した値が設定される定義情報は変更されません。
ERwin/ERXのタイプ情報から変換されたデータ項目種別(単項目/結合項目)が,更新の対象になったデータ項目と異なる場合は,登録時にエラーとなります。
データ項目名でデータ項目を更新する場合,辞書フォルダの更新の対象範囲を次の三つから選択できます。
登録先の辞書フォルダをデータ項目の一括更新の対象にするには,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」に「only」を指定するか,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で「登録先辞書フォルダのみを更新対象にする」を選びます。
一意性チェック範囲の辞書フォルダを一括更新の対象にするには,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」で「scope」を指定するか,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で「一意性チェック範囲を更新対象にする」を選びます。環境構築ユティリティで登録した一意性チェック範囲の辞書が更新の対象になります。一意性チェック範囲は,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/H データ項目の一意性チェックの範囲」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「データ項目の一意性チェック範囲」のコンボボックスで指定します。
リポジトリのすべての辞書フォルダをデータ項目の一括更新の対象にするには,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」で「all」を指定するか,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で「全辞書フォルダを更新対象にする」を選びます。全辞書フォルダを更新対象にすれば,新規登録したあとに,データ項目の辞書フォルダを変更しても,定義情報を更新できます。
一意性チェック範囲の辞書フォルダまたはすべての辞書フォルダを対象とした場合,対象となる辞書フォルダに存在する,データ項目名が一致するデータ項目が更新されます。したがって,データ項目を新規登録したあとに,所属する辞書フォルダを変更しても,同じデータ項目の定義情報を更新できます。なお,CSV形式ファイルで定義されたデータ項目名がどの辞書フォルダにも存在しない場合には,指定した辞書フォルダに新規データ項目として登録されます。
業務ルール辞書にCSV形式ファイルが入力される規則について説明します。
リポジトリ内の各業務ルールは,SEWB+/REPOSITORYによって一意の値が割り当てられた「システム内部ID」で識別されます。したがって,業務ルール名が同じでも,このシステム内部IDの値が異なれば,別の業務ルールとして扱われます。
CSV形式ファイルを作成して入力するときや,既存のCSV形式ファイルに業務ルールを追加するときは,システム内部IDの代わりにユーザが仮のIDを割り当てます。これを「仮システム内部ID」といい,先頭が「0x」で始まる16文字以内の16進文字列で記述します(システム内部IDの先頭には,「&」が付き,これによって形式が区別されます)。仮システム内部IDは,CSV形式ファイルを入力すると自動的にシステム内部IDに変換されます。
CSV形式ファイルでの業務ルールの識別には,システム内部IDを使用するほかに,業務ルール名を使用することもできます。ただし,この場合には,CSV形式ファイル,およびCSV形式ファイルを入力する辞書フォルダ内で,業務ルール名を必ず一意に定義していることが前提になります。業務ルール名を識別に使用する場合,システム内部IDおよび仮システム内部IDは,無視されます。
業務ルール名による業務ルールの識別は,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/S 辞書の登録方法」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で指定します。
業務ルールに関連するデータ項目を指定するときは,データ項目辞書から出力されたCSV形式ファイル中のシステム内部ID,またはプリフィックスを付けたデータ項目名を使用します。システム内部IDを使用して業務ルールの識別をする場合には,ほかの辞書フォルダにあるデータ項目への関連も指定できます。
関連するデータ項目名と同一名称のデータ項目が複数登録されている場合,プリフィックスを付けたデータ項目名では指定できません。その場合は,システム内部IDで指定してください。
いったん,CSV形式ファイルに,辞書フォルダを渡って関連するデータ項目をシステム内部IDを指定して出力したあと,再びそのCSV形式ファイルを入力すると,出力時の関連情報を基にして関連が復元されます。したがって,関連するデータ項目がCSV形式ファイルまたはリポジトリ内にないと,CSV形式ファイルを入力できないため,注意が必要です。
入力時の指定によって,業務ルールの登録および更新の方法を次の3通りから選択できます。これは,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/S 辞書の登録方法」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で指定します。
a. 新規に登録する
b. システム内部IDで更新する
c. 業務ルール名で更新する
新規に登録したい場合は,a.の方法で入力を実行します。b.またはc.の方法を選んだ場合,システム内部IDまたは業務ルール名によって,更新する対象の業務ルールが特定されます。一致する業務ルールが辞書に存在しない場合は新規業務ルールとして登録されます。
業務ルール名で業務ルールを更新する場合,辞書フォルダの更新の対象範囲を次の三つから選択できます。
登録先の辞書フォルダを業務ルールの一括更新の対象にするには,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」に「only」を指定するか,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で「登録先辞書フォルダのみを更新対象にする」を選びます。
一意性チェック範囲の辞書フォルダを一括更新の対象にするには,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」で「scope」を指定するか,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で「一意性チェック範囲を更新対象にする」を選びます。環境構築ユティリティで登録した一意性チェック範囲の辞書が更新の対象になります。一意性チェック範囲は,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/J 業務ルールの一意性チェックの範囲」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「業務ルールの一意性チェック範囲」のコンボボックスで指定します。
リポジトリのすべての辞書フォルダを業務ルールの一括更新の対象にするには,CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」で「all」を指定するか,または[CSV入力オプション]ダイアログの「辞書への登録方法」で「全辞書フォルダを更新対象にする」を選びます。全辞書フォルダを更新対象にすれば,新規登録したあとに,業務ルールの辞書フォルダを変更しても,定義情報を更新できます。
一意性チェック範囲の辞書フォルダまたはすべての辞書フォルダを対象とした場合,対象となる辞書フォルダに存在する,業務ルール名が一致する業務ルールが更新されます。したがって,業務ルールを新規登録したあとに,所属する辞書フォルダを変更しても,同じ業務ルールの定義情報を更新できます。なお,CSV形式ファイルで定義された業務ルール名がどの辞書フォルダにも存在しない場合には,指定した辞書フォルダに新規業務ルールとして登録されます。
入力する業務ルールの定義情報の国語区分,言語区分およびフィールドを指定できます。CSV形式ファイル入力コマンドの引数「/C 登録先国語別」,「/N 登録先言語別」,「/I 登録先フィールド別」,または[CSV入力オプション]ダイアログの「入力する辞書情報」で指定します。指定した区分に対応する行の値だけが辞書に入力されます。