EUR Professional Editionと連携して効率良く,また,効果的に利用できる辞書のレコード定義(最上位結合項目)を用意するために,辞書のレコード定義(最上位結合項目)とレポート出力アプリケーションの関係について理解しておきましょう。辞書に登録したレコード定義の情報がどのようにレポート設計や,レポート出力アプリケーションに反映されていくのかを,図5-1に示します。SEWB+/REPOSITORYでは,図5-1の流れに沿ったサンプルを提供しています。このサンプルの使用方法については,サンプルディレクトリ中のReadme.txtを参照してください。サンプルは次に示すディレクトリに格納されています。
SEWB+ 基本開発環境の組み込み先パス名¥Repository¥sample¥EUR_Sample
SEWB+ 基本開発環境の組み込み先パス名は,デフォルトでは次のように設定されています。システムドライブとは,Windows 2000 Server,Windows Server 2003またはWindows Server 2003 x64が組み込まれているドライブです。
- Windows 2000 ServerまたはWindows Server 2003の場合
システムドライブ:¥Program Files¥HITACHI¥Sewb
- Windows Server 2003 x64の場合
システムドライブ:¥Program Files(x86)¥HITACHI¥Sewb
図5-1 辞書のレコード定義(最上位結合項目)がレポート出力アプリケーションに反映されるまで
![[図データ]](figure/zu050100.gif)
- 辞書登録(1.)
- 辞書の作成者が,レコード定義を用意します。
- アプリケーションの作成(2.~3.)
- アプリケーションの開発者が,辞書のレコード定義(最上位結合項目)を利用してレポート出力アプリケーションを作成します。
- テスト・実行(4.~5.)
- 作成したアプリケーションをテスト・実行して,データファイルの出力やレポートの印刷をします。
- レコード構造を登録する
レポート出力に使うレコードの構造(レコード定義)を辞書に登録します。このレコード定義は,EUR Professional Editionでレポートを設計するとき,およびSEWB+/CONSTRUCTIONでデータ定義をするときに共通に利用することを目的とします。レポート出力のための辞書のレコード定義(最上位結合項目)については,「2.5.2(2) レポート出力に使用するレコード定義(最上位結合項目)を登録する」を参照してください。また,辞書のレコード定義(最上位結合項目)を登録する際に考慮する生成規則については,「5.1.3 フィールドの生成規則」を参照してください。
- レポートを設計する
EUR Professional Editionのレポートエディタで,レポートに使用する辞書のレコード定義(最上位結合項目)を選択し,レポートを構成するデータのフィールド定義情報を生成します。生成された情報を基にレイアウトを編集し,レポートを設計していきます。完成したレイアウトなどのレポート設計情報は,レポートファイル※に保存します。設計手順については,「5.1.2 レポート設計の手順」を参照してください。
- 注※
- アプリケーションをWS上で実行するレポートの場合は,フォームシートファイルに保存します。レポートファイル(.agr)およびフォームシートファイル(.fms)については,EUR Professional Editionのヘルプを参照してください。
- SEWB+/CONSTRUCTIONを使ってデータファイルを出力するアプリケーションを作成する
アプリケーションでは,EUR Professional Editionを使ってレポートを印刷するときに使用するCSV形式やFIX形式※1のデータ※2を,日立COBOL2002の表計算プログラム入出力機能やテキストファイル機能などを使用して出力します。このアプリケーションで使用するデータファイルのデータ定義では,2.で利用したものと同じ辞書のレコード定義(最上位結合項目)を参照して,データを定義します。そして,プログラム定義からソースプログラムを生成し,使用するコンパイラでビルドして実行可能ファイルを作成します。
- 注※1
- FIX形式データを扱う場合には,作成したデータファイル出力アプリケーションの仕様に合わせて,レポートファイルのデータ幅を編集する必要があります。レポートエディタを使ったデータ幅の編集方法については,EUR Professional Editionのヘルプを参照してください。
- 注※2
- EUR Professional Editionでは,非表示形式(バイナリ)データを印刷時の入力データとして扱えません。このため,非表示形式データは表示形式に変換するように,データファイル出力アプリケーションを作成する必要があります。表示形式への変換方法については,各プログラミング言語のマニュアルを参照してください。
- データファイルを出力する
3.で作成したアプリケーションを実行すると,CSV形式またはFIX形式のデータファイルが出力されます。
- EUR Professional Editionを使ってレポートを印刷する
EUR Professional Editionをコマンドを使って起動するか,またはアプリケーションから呼び出して,レポートを印刷します。このとき,EUR Professional Editionが,2.で作成したレポートファイル(WSで実行する場合はフォームシートファイル)と4.で出力したデータファイルを読み込み,レポートとして印刷します。印刷方法については,EUR Professional Editionのヘルプを参照してください。