6.9.3 障害からの回復方法(システム構築時)

簡易セットアップツールでシステム構築を実行中に障害が発生し,システム構築に失敗した場合,簡易セットアップツールを再実行できるようにするために,簡易セットアップツールを実行する前の状態に戻す必要があります。

簡易セットアップツールを実行する前の状態に戻すには,簡易セットアップツールのアンセットアップ機能を使用してください。アンセットアップ機能を実行して失敗した場合は,「6.9.4 障害からの回復方法(システム削除時)」を参照して環境を回復してください。

ここでは,アンセットアップ機能を使用しないで,簡易セットアップツールを実行する前の状態に戻す方法について説明します。

<この項の構成>
(1) 簡易セットアップメッセージログの確認
(2) 障害回復手順(システム構築時)

(1) 簡易セットアップメッセージログの確認

最初に,次の手順で簡易セットアップメッセージログを確認します。

確認手順

  1. 次に示す簡易セットアップメッセージログを参照します。
    <BLC2のインストールディレクトリ>¥blc¥setup¥blc2easysetup¥log¥message[n].log
    注※
    [n]はファイルの面数を表します。
  2. エラーメッセージが出力された個所を探します。
  3. エラーメッセージが出力された時点よりも前のメッセージを順番にさかのぼり,次に示す5種類のメッセージのうち,最初に出現するものを確認します。
    最初に出現したメッセージの回復方法に従い,対処してください。各メッセージに対応する回復方法を次の表に示します。

    表6-6 簡易セットアップメッセージログで確認するメッセージ(システム構築に失敗した場合)

    メッセージID内容回復方法
    KDLC6068-IHitachi Business Logic - Container 2に関する構築を開始します。(2) 障害回復手順(システム構築時)」の手順5.→手順4.→手順3.→手順2.→手順6.~手順12.の順番に実行してください。
    KDLC6091-IuCosminexus Portal Frameworkに関する構築を開始します。(2) 障害回復手順(システム構築時)」の手順5.→手順4.→手順3.→手順6.~手順12.の順番に実行してください。
    KDLC6051-IuCosminexus Service Coordinator Interactive Workflowに関する構築を開始します。(2) 障害回復手順(システム構築時)」の手順5.→手順4.→手順6.~手順12.の順に実行してください。
    KDLC6031-ICosminexus Managerに関する構築を開始します。(2) 障害回復手順(システム構築時)」の手順5.~手順12.を実行してください。
    KDLC6023-IDBに関する構築を開始します。(2) 障害回復手順(システム構築時)」の手順8.→手順1.を実行してください。
    メッセージを探す範囲は,簡易セットアップツールを利用してシステムを構築したときのログの範囲になります。以前に簡易セットアップツールを利用してシステムを構築したことがあり,そのときのログ情報が残っていても,それらは対象外です。
    なお,該当するメッセージIDが見つからなかった場合,「(2) 障害回復手順(システム構築時)」を実行する必要はありません。

(2) 障害回復手順(システム構築時)

簡易セットアップメッセージログで確認した内容を基に,簡易セットアップツールを実行する前の状態に戻します。

回復手順

  1. <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥spool¥cscsfwlist.txtファイルをエディタで開き,文字列「BLC2」を削除します。
    ファイル内に「BLC2」がない,またはファイル自体がない場合,処理は不要です。
  2. 次のディレクトリを削除します。
    削除するディレクトリをデフォルトのディレクトリパスで示します。なお,すでに削除されている場合は,この手順は不要です。
    • BLCのサンプルアプリケーション展開先ディレクトリ
      <BLC2のインストールディレクトリ>¥blc¥simpleform¥deploy¥BLC2Sample
    • かんたん開発用作業ディレクトリ下のディレクトリ
      <BLC2のインストールディレクトリ>¥blc¥simpleform¥work¥form
      <BLC2のインストールディレクトリ>¥blc¥simpleform¥work¥WEB-INF
  3. 次に示すファイルを<Portal Frameworkのインストールディレクトリ>¥samples¥projects¥confディレクトリ下に上書きコピーします。
    • コピー元ファイル
      <Portal Frameworkのインストールディレクトリ>¥conf¥jetspeed-config.jcfg
    <Portal Frameworkのインストールディレクトリ>¥admin¥confディレクトリは,ディレクトリごと削除してください。
  4. コマンドプロンプトで「<CSCIWのインストールディレクトリ>¥bin」に移動し,次のコマンドを実行します。

    >ciwsetenv -sid BLC -del

  5. コマンドプロンプトで「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin」に移動し,次のコマンドを実行します。

    >cmx_stop_target -m localhost -u admin -p admin -verbose -mode ALL -s BLC2

    [簡易セットアップ - その他の設定]画面の[Management Server]タブにある[論理サーバ運用ポート番号]の値をデフォルト値から変更している場合は,-mオプションには「localhost:指定したポート番号」という形式で指定してください。
  6. コマンドプロンプトで「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin」に移動し,次のコマンドを実行します。

    >mngsvrctl stop

  7. コマンドプロンプトで「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin」に移動し,次のコマンドを実行します。

    >adminagentctl stop

  8. コマンドプロンプトで「<BLC2のインストールディレクトリ>¥blc¥setup¥blc2easysetup¥DB¥bats」に移動し,次のコマンドを実行します。

    >cddbdelete

  9. Cosminexusをアンインストールします。
  10. マシンを再起動します。
  11. Cosminexusのインストールディレクトリをディレクトリごとすべて削除します。
    必要に応じて,削除対象のファイルなどは退避してください。
  12. Cosminexusを再インストールします。
    これで障害回復は完了です。

なお,回復のために実行したコマンドが失敗した場合,コマンドで正しく指定しているかを確認し,誤りがなければ次の手順に進んでください。