ジョブ定義XMLファイルの記述方法を示す。

ジョブ定義XMLファイルは，W3C勧告「拡張可能なマーク付け言語（XML）1.0」REC-xml-980210のサブセットである。このマニュアルに特に記述がなければ，W3C勧告「拡張可能なマーク付け言語（XML）1.0」REC-xml-980210に従って記述する。

実体参照

ジョブ定義XMLファイルでは，次に示す文字を属性値に直接記述するのではなく，実体参照で記述しなければならない。また，要素の内容も，CDATAセクション（文字列「<![CDATA[と]]>」の囲み）を使用しない場合は，実体参照で記述しなければならない。

表9-1　直接記述できない文字と実体参照

文字	実態参照
＆	＆amp;
<	＆lt;
>	＆gt;
'（シングルクォート）	＆apos;
"（ダブルクォート）	＆quot;

注　ジョブ定義XMLファイルでは，ユーザが任意の実体参照を定義して記述することはできない。

例

文字列AB&CD<EF>GH'IJ"と記述した場合，ジョブ定義XMLファイルでは次のように記述する。

記述したい文字列

　AB＆CD<EF>GH'IJ"

ジョブ定義XMLファイルでの記述

　AB＆amp;CD＆lt;EF＆gt;GH＆apos;IJ＆quot;

ジョブ定義XMLファイルの文法および使用例について次に示す。

文法

ジョブ定義XMLファイルの文法を次に示す。

使用例

ジョブ定義XMLファイルの例

入力ファイルUSER1.INPUTをバックアップファイルUSER1.BACKUPに転送したあと，入力ファイルUSER1.INPUTを入力にソートし，ソート結果をCOBOLプログラムの入力として帳票出力するプログラムを実行する場合の流れとXML定義ファイルの例（項番は項目の説明の番号と対応している）を次に示す。

図9-1　帳票出力するプログラムを実行する場合の流れ

1. XML宣言を示す。
2. ジョブ定義XMLファイルのルート要素の開始を示す。
3. JOB要素の開始を示す。ジョブステップの終了コードが0でない場合にジョブは終了し，後続ステップの実行を実施しないように指定する。
4. DD要素を示す。実行するプログラムの検索パスを指定する。
5. STEP要素の開始を示す。ジョブステップBACKUPを開始する。
6. EXEC要素の開始を示す。ジョブステップBACKUPで，CDATAセクションで示したプログラム（ファイルUSER1.INPUTをファイルUSER1.BACKUPに転送する）を実行するように指定する。
7. CDATAセクションの内容を示す。
8. EXEC要素の終了を示す。
9. DD要素を示す。TYPE="FILE"は恒久ファイルを示す。転送元ファイルとして恒久ファイルUSER1.INPUTを指定する。
10. DD要素を示す。TYPE="FILE"は恒久ファイルを示す。転送先ファイルとして恒久ファイルUSER1.BACKUPを指定する。
11. STEP要素の終了を示す。
12. STEP要素の開始を示す。ジョブステップSORTを開始する。
13. EXEC要素の開始を示す。ジョブステップSORTで，CDATAセクションで示したソートプログラムSORT EE（exsort -pパラメータファイル）を実行するように指定する。
14. CDATAセクションの内容を示す。
15. EXEC要素の終了を示す。
16. DD要素を示す。TYPE="FILE"は恒久ファイルを示す。ソートプログラムの入力ファイル（パラメータファイルのfileオペランド値）を設定する。
17. DD要素を示す。TYPE="TEMP"は一時ファイルを示す。ソートプログラムの出力ファイルを指定する。DISP=",PASS"で，後続ステップに渡すことを示す。
18. DD要素の開始を示す。TYPE="DATA"はCDATAセクションで指定したデータを一時ファイルに割り当てプログラムの入力データとすることを示す。ソートパラメータをCDATAセクションで指定する。
19. CDATAセクションの内容を示す。
20. DD要素の終了を示す。
21. STEP要素の終了を示す。
22. STEP要素の開始を示す。ジョブステップCOBOLを開始する。
23. EXEC要素を示す。ジョブステップCOBOLで，ユーザアプリケーションプログラムの実行を指定する。ユーザアプリケーションプログラムはCOBOL言語プログラムであることをLANG="COBOL"で示す。
24. DD要素を示す。TYPE="TEMP"は一時ファイルを示す。ジョブステップSORTで割り当てられた一時ファイルをユーザアプリケーションプログラムの入力データとして設定する。
25. DD要素を示す。TYPE="SYSOUT"はSYSOUTデータファイルを割り当てることを示す。ユーザアプリケーションプログラムの出力データはSYSOUTデータファイルに出力する。
26. STEP要素の終了を示す。
27. JOB要素の終了を示す。
28. ルート要素の終了を示す。

カタログドプロシジャ実行のジョブ定義XMLファイルの例

カタログドプロシジャの使用例を次に示す（項番は項目の説明の番号と対応している）。

1. XML宣言を示す。
2. ジョブ定義XMLファイルのルート要素の開始を示す。
3. PROC要素の開始を示す。
4. STEP要素の開始を示す。
5. EXEC要素を示す。PARM属性の指定値を標準出力に出力するプログラムを指定する。
6. STEP要素の終了を示す。
7. PROC要素の終了を示す。
8. ルート要素の終了を示す。

カタログドプロシジャの呼び出しの使用例を次に示す（項番は項目の説明の番号と対応している）。

1. XML宣言を示す。
2. ジョブ定義XMLファイルのルート要素の開始を示す。
3. JOB要素の開始を示す。
4. STEP要素の開始を示す。ジョブステップSTEP1を開始する。
5. EXEC要素を示す。PARM属性の指定値を標準出力に出力するプログラムを指定する。
6. STEP要素の終了を示す。
7. STEP要素の開始を示す。ジョブステップSTEP2を開始する。
8. カタログドプロシジャSAMPLE2_PROC呼び出しのためのCALL要素を示す。
9. STEP要素の終了を示す。
10. STEP要素の開始を示す。ジョブステップSTEP3を開始する。
11. カタログドプロシジャSAMPLE2_PROC呼び出しのためのCALL要素の開始を示す。
12. 呼び出されるカタログドプロシジャのEXEC要素の属性を変更するREPLACE要素の開始を示す。
13. 変更対象のステップを示すためのREPLACESTEP要素の開始を示す。
14. EXEC要素のPARM属性値の変更を示す。
15. REPLACESTEP要素の終了を示す。
16. REPLACE要素の終了を示す。
17. CALL要素の終了を示す。
18. STEP要素の終了を示す。
19. JOB要素の終了を示す。
20. ルート要素の終了を示す。

カタログドプロシジャ実行のジョブ定義XMLファイルの実行例を次に示す。

入力ストリームからのプロシジャ呼び出し例

入力ストリームからのプロシジャ呼び出しのためのジョブ定義XMLファイルの例を次に示す（項番は項目の説明の番号と対応している）。

1. XML宣言を示す。
2. ジョブ定義XMLファイルのルート要素の開始を示す。
3. JOB要素の開始を示す。
4. PROC要素の開始を示す。
5. STEP要素の開始を示す。
6. EXEC要素を示す。PARM属性の指定値を標準出力に出力するプログラムを指定する。
7. STEP要素の終了を示す。
8. PROC要素の終了を示す。
9. STEP要素の開始を示す。ジョブステップSTEP1を開始する。
10. EXEC要素を示す。PARM属性の指定値を標準出力に出力するプログラムを指定する。
11. STEP要素の終了を示す。
12. STEP要素の開始を示す。ジョブステップSTEP2を開始する。
13. カタログドプロシジャSAMPLE3_PROC呼び出しのためのCALL要素を示す。
14. STEP要素の終了を示す。
15. STEP要素の開始を示す。ジョブステップSTEP3を開始する。
16. プロシジャSAMPLE3_PROC呼び出しのためのCALL要素の開始を示す。
17. 呼び出されるプロシジャのEXEC要素の属性を変更するREPLACE要素の開始を示す。
18. 変更対象のステップを示すためのREPLACESTEP要素の開始を示す。
19. EXEC要素のPARM属性値の変更を示す。
20. REPLACESTEP要素の終了を示す。
21. REPLACE要素の終了を示す。
22. CALL要素の終了を示す。
23. STEP要素の終了を示す。
24. JOB要素の終了を示す。
25. ルート要素の終了を示す。

入力ストリームからのプロシジャ呼び出しのためのジョブ定義XMLファイルの実行例を次に示す。