uCosminexus Batch Job Execution Server 使用の手引(Windows(R)用)

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3.1.4 スプール

バッチジョブ実行システムでのジョブの実行結果を管理する。

バッチジョブ実行システムでは,ジョブの実行結果やジョブログをスプールに残すことができる。

機能の特長を次に示す。

<この項の構成>
(1) スプールの制御

(1) スプールの制御

(a) スプールの構造

バッチジョブ実行システムでは,設定ファイルに指定したスプールディレクトリにジョブごとにディレクトリを作成し,ジョブ実行結果などのジョブごとの情報を出力する。

スプールのディレクトリの構造を次の図に示す。

図3-3 スプールのディレクトリの構造

[図データ]

(1)スプールディレクトリ
スプールのルートディレクトリ(ディレクトリ名は,設定ファイルのスプールディレクトリ指定パラメータSPOOL_DIRで指定)である。

(2)スプールジョブディレクトリ
ジョブ単位のディレクトリ(ディレクトリ名は,ジョブ識別子を使用する)である。
ディレクトリ名は次の2種類がある。
  • ジョブ識別子1
  • ジョブ識別子-ジョブ名2
注※1 ジョブ識別子だけのディレクトリ名称の場合は,実行中のジョブであり,スプールジョブディレクトリは隠しファイルとなっているため,参照や操作をしないこと。
注※2 ジョブ識別子とジョブ名を"-"で接続したディレクトリ名称の場合は,実行済みのジョブである。ジョブ実行中に隠しファイルとなっていたスプールジョブディレクトリは,ジョブ実行後に通常のファイル属性となる。
ジョブ実行結果およびDD要素のTYPE属性でSYSOUTを指定した出力情報は,いったんスプール内にSYSOUTデータファイルとして格納され,ジョブ終了時に印刷属性に従い処理される。スプールジョブディレクトリは,SYSOUTデータファイルとスプールジョブ管理ファイルから構成される。詳細については,「3.1.4(1)(b) スプールジョブの構造」を参照のこと。

(3)スプールジョブ管理ファイル
スプールジョブの構成や属性を管理するファイルである。
ファイル名:sysout.ini

(4)ジョブ識別子管理ファイル
このスプールのジョブ識別子を管理するファイルである。このファイルは隠しファイルであり,バッチジョブ実行システムが使用するため,参照や操作をしないこと。
ファイル名:bjex.jobid
(b) スプールジョブの構造

スプールジョブのディレクトリの構造を次の図に示す。

図3-4 スプールジョブのディレクトリの構造

[図データ]

(1)JOBLOG.sysout
ジョブ実行メッセージ。ジョブの動作状況を示すメッセージを格納する。

(2)XML.sysout
実行時のジョブ定義XMLファイル。入力となるジョブ定義XMLファイルを解析した結果である。

(3)SYSMSG.sysout
システムメッセージ。ジョブ定義XMLファイルの解析結果やファイルの割り当てに関する情報メッセージとして格納する。

(4)ステップ番号_ステップ名_STDERR.sysout
このステップで実行したプログラムの標準エラー出力。

(5)ステップ番号_ステップ名_STDOUT.sysout
このステップで実行したプログラムの標準出力。

(6)ステップ番号_ステップ名_SYSOUT DD通し番号_DD名.sysout
DD要素のTYPE属性にSYSOUTを指定したファイル。

(7)スプールジョブ管理ファイル(sysout.ini)
このスプールジョブの,ジョブに関する情報,スプールジョブに含まれるファイルの情報,および印刷のための属性を管理するためにジョブコントローラが作成するファイルである。印刷する場合は,スプールジョブ管理ファイルの転送が完了したときに,Prinfina MANAGER SPおよびPDEが印刷ジョブの受信を完了したと判断し,印刷処理を開始する。

スプールジョブディレクトリの項目の形式を次の表に示す。

表3-3 スプールジョブディレクトリの項目の形式

項目 形式
ステップ番号 ジョブステップの通し番号。
プロシジャで展開したジョブステップも含めた通し番号。
001〜255の値とする。ステップ番号は3桁の10進数とする。
ステップ名 ジョブステップ名。
STEP要素のNAME属性に指定した文字列が8文字以上の場合は,最初の8文字をSYSOUTデータファイル名のステップ名として使用する。
SYSOUT DD通し番号 ジョブステップ内に指定されたSYSOUT DDの連番。
ジョブステップごとに001〜255の値とする。DD通し番号は3桁の10進数とする。
DD名 ジョブ定義XMLファイルで指定したSYSOUTデータファイルのDD名。
(c) スプールジョブのデータの流れ

ジョブ終了時にスプールディレクトリに生成されたスプールジョブは,スプールジョブの属性に従って,スプールジョブ管理ファイルとSYSOUTデータファイルの転送先に転送される。転送後はスプールジョブは削除される。ただし,出力後保存属性のSYSOUT,または転送しない属性のSYSOUTが存在する場合は,スプールジョブは削除されないでスプールディレクトリに残る。

ジョブ実行中のスプールジョブディレクトリ名は"ジョブ識別子"であるが,ジョブ終了後は"ジョブ識別子-ジョブ名"に変更される。

スプールジョブのデータの流れを次の図と表に示す。

図3-5 スプールジョブのデータの流れ

[図データ]

表3-4 スプールジョブのデータの流れ

データ種別名称 生成契機 削除契機 格納場所 意味
スプールジョブ ジョブ実行終了 印刷後のスプールジョブ削除,または印刷後にいったん保存したが,長期保存が不要な場合のbjexrmjobコマンドによるスプールジョブ削除指示または手作業(delコマンド)での削除 スプールジョブディレクトリ 実行が終了したジョブの結果をジョブごとにまとめたデータ。
転送済みジョブ 印刷指示 プリントサーバ設定依存 プリントサーバ プリントサーバに転送された,印刷待ちのジョブのデータ。
(d) スプールに関する注意事項

スプールディレクトリおよびスプールジョブディレクトリ配下にある管理ファイルはバッチジョブ実行システムが使用するファイルであるため,手作業による変更はしないこと。