インスタンス文書を作成するときに,参照するタクソノミー文書が複数必要な場合があります。この場合,複数のタクソノミー文書の集まりを,論理的な一つのタクソノミー文書(DTS)として読み込めます。DTSの読み込み範囲は,XBRLのバージョンによって異なります。この節では,デフォルトのDTSの読み込み範囲,読み込み範囲の変更方法について説明します。
また,uCosminexus Business Reporting Processorでは,効率良くXBRL文書を処理するために,次のことができます。この節では,これらの機能の詳細と,機能を使用する場合の設定方法についても説明します。
- DTSのメモリキャッシュ
- 一度読み込んだDTSをメモリにキャッシュする機能です。DTSのメモリキャッシュは,同じDTSを基に複数のインスタンス文書を作成する場合などに利用できます。
- リンクベースの遅延読み込み
- DTSに定義されているリンクベースを最初にすべて読み込むのではなく,必要なときに使用するリンクベースだけを読み込む機能です。リンクベースの遅延読み込みは,検証済みで信頼できるタクソノミー文書を参照する場合などに利用できます。
- XBRL2.1の場合にリンクベースの遅延読み込みをすると,ユーザーアプリケーションがXBRL DOMを操作する順番によって,読み込まれるリンクベースが異なる場合があります。この場合の対処については,「2.5.5 DTSの拡張読み込み(XBRL2.1の場合)」を参照してください。
- メモリキャッシュと遅延読み込みの使い分け
- DTSのメモリキャッシュは,ユーザーアプリケーション単位で指定しますが,リンクベースの遅延読み込みは,解析する文書単位で指定できます。
- リンクベースの遅延読み込みとDTSのメモリキャッシュの両方を使用するよう指定した場合は,リンクベースの遅延読み込みが実行されます。メモリキャッシュは実行されません。
- 確実にメモリキャッシュをするには,リンクベースの遅延読み込みを使用しない設定にしてください。
- <この節の構成>
- 2.5.1 DTSの読み込み範囲と指定方法(XBRL2.0の場合)
- 2.5.2 DTSの読み込み範囲と指定方法(XBRL2.1の場合)
- 2.5.3 DTSのメモリキャッシュ
- 2.5.4 リンクベースの遅延読み込み
- 2.5.5 DTSの拡張読み込み(XBRL2.1の場合)