ここでは,XBRL2.0の場合の,関係リンクの上書きについて説明します。
関係リンクの場合,アーク型要素が上書きされます。
リンクは,同一リンクと判断された場合に上書きされます。同一リンクと判断されるのは,次の条件をすべて満たす場合です。
表2-7 アークロールの目的
項番 | 目的 | アークロールの指定 |
---|---|---|
1 | 親子階層 | http://www.xbrl.org/linkprops/arc/parent-child http://www.xbrl.org/linkprops/arc/child-parent |
2 | 同一要素 | http://www.xbrl.org/linkprops/arc/dimension-element http://www.xbrl.org/linkprops/arc/element-dimension |
3 | その他 | 指定値以外。 アークロールが未知になるため,uCosminexus Business Reporting Processorでは片方向のリンクしか記述されていないと判断されます。 |
関係リンクの同一リンクの判断を次の図に示します。
図2-12 関係リンクの同一リンクの判断
この例では,(1),(2)および(4)が示す先は同じなので,ラベル名(xlink:label属性の値)が異なっても同一リンクとして判断されます。しかし,(3)は,(1)と同じラベル名(LAおよびLB)を使っていますが,示す先が異なるため別のリンクとして判断されます。
ここでは,リンクの上書きに関する次の注意事項を示します。
アークロールが異なれば,別のリンクとみなされ,リンクは上書きされません。しかし,アークロールに指定されている値が異なっていても目的が同じであれば,リンクは上書きされます。
図2-13 アークロールの目的が異なる例
図2-14 アークロールに指定されている値が異なるが,目的が同じである例
リンクを上書きするため,uCosminexus Business Reporting Processorは,まずpriority属性の値をチェックします。同一priority属性の値が記述されている場合,エラー(KEBR10024-E)が表示されるので,priority属性の値を正しく修正してから実行してください。
priority属性の値が同じ場合の例を次の図に示します。なお,この文書では,xlink:from属性およびxlink:to属性のラベルの先は,同じタクソノミー本体の要素を参照することを仮定しています。
図2-15 priority属性の値が同じ場合の例
上記の文書では,下側の要素では,priority属性の値が省略されているため,priority属性値に0が仮定され,上側の要素と同じpriority属性値になります。この場合,uCosminexus Business Reporting Processorがリンクを処理する順序によって,どちらかまたは両方のアーク型要素が無視されます。先に下側の要素が参照された場合は,use="prohibited"が指定されているため,両方のアーク型要素が無視されます。
このような場合,表示されるエラー(KEBR10024-E)に従って,priority属性の値を正しく修正してから実行してください。