3.1.1 タクソノミー文書の出力フォーマット

タクソノミー文書の出力フォーマットについて説明します。

<この項の構成>
(1) タクソノミー文書の作成時に自動作成される内容
(2) ユーザーが作成できる内容
(3) 関係を追加・削除した場合に生じる影響

(1) タクソノミー文書の作成時に自動作成される内容

タクソノミー文書の作成時に自動作成される文書項目と要素を次に示します。

次に,ベースとなるタクソノミー文書がない場合とある場合とに分けて,タクソノミー文書の作成例を示します。実際にはインデントはありません。

(a) ベースとなるタクソノミー文書がない場合

ここでは,ベースとなるタクソノミー文書がない場合について,次の条件でタクソノミー文書を作成する例を示します。

この場合,次のようなタクソノミー文書が作成されます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<schema targetNamespace="http://www.hitachi.com/2004/XBRL"
       xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
       xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink"
       xmlns:xbrli="http://www.xbrl.org/2003/instance"
       xmlns:link="http://www.xbrl.org/2003/linkbase"
       xmlns:hi="http://www.hitachi.com/2004/XBRL">
   <import namespace="http://www.xbrl.org/2003/instance" schemaLocation="xbrl-instance-2003-12-31.xsd"/>
   <import namespace="http://www.xbrl.org/2003/linkbase" schemaLocation="xbrl-linkbase-2003-12-31.xsd"/>
   <annotation>
       <appinfo/>
   </annotation>
</schema>

(b) ベースとなるタクソノミー文書がある場合

ここでは,ベースとなるタクソノミー文書がある場合について,次の条件でタクソノミー文書を作成する例を示します。

この場合,次のようなタクソノミー文書が作成されます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<schema targetNamespace="http://www.hitachi.com/2004/XBRL/2"
       xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
       xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink"
       xmlns:xbrli="http://www.xbrl.org/2003/instance"
       xmlns:link="http://www.xbrl.org/2003/linkbase"
       xmlns:hi="http://www.hitachi.com/2004/XBRL/2">
   <import namespace="http://www.xbrl.org/2003/instance" schemaLocation="xbrl-instance-2003-12-31.xsd"/>
   <import namespace="http://www.xbrl.org/2003/linkbase" schemaLocation="xbrl-linkbase-2003-12-31.xsd"/>
   <import namespace="http://www.hitachi.com/2004/XBRL" schemaLocation="sample_xbrl_2_1.xsd"/>
   <annotation>
       <appinfo/>
   </annotation>
</schema>

ベースとしたタクソノミーがある場合は,ベースとしたタクソノミー(DTS)の基点となるタクソノミー本体をインポートするため,<xsd:import>要素を作成します。その際,namespace属性値には対象名前空間を設定し,schemaLocation属性値にはファイル名(絶対URIでない)だけを埋め込みます。なお,指定された対象名前空間が,基点となったタクソノミー本体と同じであった場合には,<xsd:include>要素を作成します。

ベースとしたタクソノミーがある場合,タクソノミー本体には,次に示す名前空間とその接頭辞が自動的に付加されます。名前空間宣言は追加・削除・変更ができません。

名前空間接頭辞
http://www.w3.org/2001/XMLSchemaデフォルト
http://www.w3.org/1999/xlinkxlink
http://www.xbrl.org/2003/instancexbrli
http://www.xbrl.org/2003/linkbaselink

さらに,タクソノミー(DTS)の基点となったリンクベースがある場合は,<link:linkbaseRef>要素を作成し,そのリンクベースを参照させます。

(2) ユーザーが作成できる内容

タクソノミー文書の作成時に,ユーザーが作成できる要素と関係は次のとおりです。

(a) ユーザーが作成できる要素

タクソノミー文書でユーザーが作成できる要素は,<xsd:element>要素と<link:label>要素だけです。それぞれの説明を次に示します。

(b) ユーザーが作成できる関係

タクソノミー文書で作成できる関係は次のとおりです。

既存関係と同じ関係や,既存関係のうち優先順位がいちばん高いものと同じ関係を作ることはできません(ベースとなるタクソノミー文書の関係を否定する場合を除く)。

(3) 関係を追加・削除した場合に生じる影響

アイテムとラベルの関係が追加・削除されると,ラベルリンクベースが作成・破棄されます。ラベルリンクベースが作成された場合,ファイル名は次のようになります。

 タクソノミー本体のファイル名(拡張子除く) + "_label.xml"

そのとき作成される要素は次のとおりです。

要素機能制限
link:linkbaseRefこの要素はschema[1]/annotation[1]/appinfo[1]に作成される。属性値には次の制限がある。
xlink:arcrole属性値
"http://www.w3.org/1999/xlink/properties/linkbase"固定。
xlink:href属性値
各リンクベース文書のファイル名だけ(絶対URIではない)。
xlink:role属性値
"http://www.xbrl.org/2003/role/labelLinkbaseRef"固定。
link:linkbaseラベルリンクベースのルート要素として作成される。
link:labelLinkロールごとに一つだけ作成する。xlink:role属性値に設定できる内容は次のとおり。
  • "http://www.xbrl.org/2003/role/link"
  • 拡張元のタクソノミー文書で定義されているカスタムロール
link:loc
xlink:label属性値
下記の値になる。
関連づけたアイテムまたはタプルの名前(対象名前空間接頭辞 + "_" + name属性値)
ラベルを参照する場合には,参照先のxlink:label属性値と同じ値とする。
拡張リンク内で値が重複する場合には,1から始まるシーケンシャル番号を末尾に付加する。
xlink:href属性値
ショートハンドポインタで作成する。参照先のアイテム・タプル・ラベルにid属性が存在しない場合は,element() schemeで作成する(新規作成するアイテムやタプルでは,id属性値を省略することはできない)。
link:labelArc
xlink:arcrole属性値
作成時に指定された値で作成する。
priority属性値
常に最大となる整数値を設定する。
注※ <link:linkbase>の出力形式は次のとおりです。

<link:linkbase xmlns:link="http://www.xbrl.org/2003/linkbase"
              xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink"
              xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
              xsi:schemaLocation="http://www.xbrl.org/2003/linkbase xbrl-linkbase-2003-12-31.xsd
                                  http://www.w3.org/1999/xlink xlink-2003-12-31.xsd">