XBRL(eXtensible Business Reporting Language)は,企業の財務情報を記述する標準言語です。XBRLは,XMLの技術を使用しています。XBRL InternationalがXBRLの仕様を策定し,規格として公開しています。XBRLは,すでに公的機関や企業で導入され始めていて,財務報告に欠かせない技術になると注目されています。
企業の財務情報は,日々の仕訳に始まり,会計,納税,決算公告など,多数の目的に使用されます。決算公告では,企業の経営状態を判断する材料となる財務諸表を,多くの投資家や金融機関,監査法人などに開示します。
XBRLのメリットには,財務情報を開示する企業にとって迅速な決算公告が実現できること,および開示された情報を利用する投資家や金融機関,監査法人などにとって,データの再利用ができることがあります。
- 迅速で正確な決算報告を実現
- 迅速で正確な決算報告は,企業経営にとって避けて通れない課題です。XBRLを使用すると,企業は,日々の仕訳から決算報告までを迅速に進められるようになります。会計システムに蓄積されている財務データをXBRL形式に変換することで,企業の財務情報をタイムリーに開示できます。
- また,XBRL形式の財務データを利用して,公共機関への納税や金融機関への融資申請などに必要な書類を容易に作成できます。
- データの再利用を実現
- 今までは,各企業が独自のシステムを使用して財務情報を開示していたため,開示される財務諸表のデータ形式が不統一でした。企業の財務情報を利用する金融機関などは,入手したデータの手入力が必要となり,データの再利用には,多大な労力と時間が必要でした。
- XBRLを導入することで,入手した各企業の財務データを,さらに適切な形式に加工して,複数企業の比較分析や税務を扱うシステムで再利用できます。
ここでは,XBRLで記述された文書の概要について説明します。
- <この節の構成>
- 1.1.1 XBRL文書
- 1.1.2 タクソノミー文書とは
- 1.1.3 インスタンス文書とは
- 1.1.4 タクソノミー文書の拡張