1.1.4 タクソノミー文書の拡張

XBRLでは,既存のタクソノミー文書に,勘定科目を追加したり変更したりできます。これをタクソノミー文書の拡張と呼びます。タクソノミー文書を拡張すると,一般に公開されているタクソノミー文書を流用して,独自の記載形式を定義できます。ここでは,タクソノミー文書の拡張と,タクソノミー文書の階層構造について説明します。

タクソノミー文書の階層構造を次の図に示します。

図1-2 タクソノミー文書の階層構造

[図データ]

タクソノミー文書の階層構造は,上位に世界共通タクソノミー文書があり,その下に国別タクソノミー文書,そして用途や業種ごとのタクソノミー文書,企業固有のタクソノミー文書などで構成されます。そのため,XBRL文書を取り扱うときには,複数のタクソノミー文書を組み合わせて一つの論理的なタクソノミー文書とみなす必要があります。

このように既存のタクソノミー文書を拡張して,新しいタクソノミー文書を定義した場合の,論理的に一つのタクソノミー文書であると判断する範囲をDTS(Discoverable Taxonomy Set)と呼びます。XBRL2.0仕様ではDTSという用語は使用されていませんが,このマニュアルでは複数のタクソノミー文書の集まりを論理的な一つのタクソノミー文書としてみなす場合,DTSと記載します。

タクソノミー文書の拡張には,次の方法があります。