5.4.5 コンテキスト要素(context)と単位要素(unit)

XBRL2.0の場合は,コンテキスト要素の一部として,単位要素が定義されていました。また,コンテキスト要素を,数値コンテキストまたは非数値コンテキストに区別する必要がありました。

XBRL2.1の場合は,コンテキストと単位を分離して定義します。また,数値,非数値の区別がなくなり,一つのコンテキスト要素に統合されました。

XBRL2.0とXBRL2.1のコンテキスト要素の変更点を次の表に示します。

表5-42 XBRL2.0とXBRL2.1のコンテキスト要素の変更点

分類XBRL2.0XBRL2.1説明
コンテキスト要素<xbrli:numericContext>
<xbrli:nonNumericContext>
<xbrli:context>XBRL2.1では,<xbrli:context>要素に統合されました。
単位要素<xbrli:unit><xbrli:unit>要素名は同じですが,含むことができる子要素および出現位置が変更されました。

ここでは,XBRL2.1の場合のコンテキスト要素および単位要素について説明します。

<この項の構成>
(1) <xbrli:context>要素
(2) 時期要素(period)
(3) 単位要素(unit)

(1) <xbrli:context>要素

<xbrli:numericContext>要素に定義されていた次の属性は廃止されました。

廃止された<xbrli:numericContext>要素の属性を次の表に示します。

表5-43 廃止された<xbrli:numericContext>要素の属性

項番属性名説明
1precision有効桁数は数値アイテム型要素の属性に付けるように変更されたため,この属性は廃止されました。
2cwa完全に廃止されました。

(2) 時期要素(period)

XBRL2.0の場合,<xbrli:period>要素は,<xbrli:numericContext>要素および<xbrli:nonNumericContext>要素の必須要素であり,時期または期間を表現するためのコンテナ要素でした。

XBRL2.1では,<xbrli:context>要素の必須要素であり,出現位置も変更されていません。ただし,<xbrli:period>要素の子要素に変更があります。

<xbrli:period>要素の子要素を次の表に示します。

表5-44 <xbrli:period>要素の子要素

項番要素名説明
1<xbrli:instant>XBRL2.0の場合と同様です。
ある特定の時点を示すときに使用し,dateUnion型(XMLのdate型またはdateTime型)の値を指定します。
2<xbrli:forever>XBRL2.0の場合と同様です。
永遠を表現するための要素です。属性,子要素,値があっても無視します。
3<xbrli:startDate>
<xbrli:endDate>
XBRL2.0の場合と同様です。
開始日と終了日を示し,期間を表現する形式です。共に,dateUnion型の値を指定します。
4<xbrli:startDate>
<xbrli:duration>
XBRL2.1では,<xbrli:duration>要素が廃止されたため,この組み合わせも廃止されました。
5<xbrli:duration>
<xbrli:endDate>
XBRL2.1では,<xbrli:duration>要素が廃止されたため,この組み合わせも廃止されました。

この組み合わせのうち項番3の<xbrli:startDate>要素と<xbrli:endDate>要素の組み合わせについて,uCosminexus Business Reporting Processorは日時が逆転していないかどうかをチェックし,エラーを通知します。なお,XBRL2.0の場合,同日の日付を指定すると,エラーとして検出されていましたが,XBRL2.1の場合は,エラーではなく正常データとして扱われます。

(3) 単位要素(unit)

XBRL2.0の場合,<xbrli:unit>要素は<xbrli:numericContext>要素の必須要素であり,計量に関する標準を指定する要素でした。

XBRL2.1の場合,<xbrli:unit>要素は,コンテキストと切り離され,ルート要素である<xbrli:xbrl>要素の子要素に出現位置が変更されました。

XBRL2.0とXBRL2.1の単位要素の属性,および子要素の変更点を次の表に示します。

表5-45 XBRL2.0とXBRL2.1の単位要素の属性,および子要素の変更点

項番属性または子要素変更点XBRLのバージョン
1id数値アイテム型要素から参照できるように,単位要素にID型の属性が追加されました。2.1
2<xbrli:measure>XBRL2.0では一つだけ記述できますが,XBRL2.1では複数記述できるように変更されました。2.0および2.1
3<xbrli:operator>XBRL2.1では廃止されました。
name属性に乗除算を指定していましたが,<xbrli:divide>要素に変更されています。
2.0
4<xbrli:divide>XBRL2.1で追加されました。
子要素として分子(<xbrli:unitNumerator>)および分母(<xbrli:unitDenominator>)を表す要素を持ちます。
2.1

数値アイテム型要素が参照する<xbrli:unit>要素の内容には,幾つかの制約があります。uCosminexus Business Reporting Processorでは,記述された<xbrli:unit>要素が制約を満たしているかをチェックします。

また,<xbrli:unit>要素には,単位を示す ISO4217で既定されている値を使用する必要があります。ただし,uCosminexus Business Reporting Processorでは,<xbrli:unit>要素に指定された値が,ISO4217で規定されているかどうかチェックしません。