インスタンス文書の検証では,アイテムやタプルの指定内容などを検証します。
検証方法には,通常の検証と,完全な妥当性検証の2とおりがあります。それぞれの検証内容について次に示します。
表A-3 インスタンス文書の検証
項番 | 検証内容 | 検証 | メッセージ | XBRLのバージョン | XBRL Dimensionsのバージョン | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | メッセージID | 2.0 | 2.1 | 1.0 | |||
1 | 次の名前空間が宣言されていません。
| - | 致命的エラー | KEBR10039-E | ○ | - | - |
2 | ルート要素に<xbrli:group>要素または<xbrli:xbrl>要素以外が指定されました。 | - | 致命的エラー | KEBR10033-E | ○ | - | - |
3 | インスタンス文書に<xbrli:xbrl>要素が含まれていません。 | - | 致命的エラー | KEBR10110-E | - | ○ | ○ |
4 | parse()メソッドに渡した要素が<xbrli:xbrl>要素ではありません。 | ||||||
5 | XBRLInstanceDocumentBuilder#parse()メソッドで複数の<xbrli:xbrl>要素を持つXML文書を解析しました。 | あり | 警告 | KEBR10111-W | - | ○ | ○ |
6 | ルート要素以外に<xbrli:group>要素の記述があります。 | - | 通知 | KEBR10017-I | ○ | - | - |
7 | schemaLocation属性に,既知のスキーマ※だけ,または空文字列が指定されました。 | - | 致命的エラー | KEBR10107-E | ○ | - | - |
8 | schemaLocation属性に指定した文書に,タクソノミー文書でないものが含まれています。 次の要素が一つも含まれていない場合は,タクソノミー文書でないと判断されます。
| - | 警告 | KEBR10105-W | ○ | - | - |
9 | アイテムと関連づけられていないコンテキスト要素の記述があります。 | あり | 警告 | KEBR10020-W | ○ | - | - |
10 | あり | 警告 | KEBR10004-W | - | ○ | ○ | |
11 | アイテムと関連づけられていないユニット要素の記述があります。 | あり | 警告 | KEBR10004-W | - | ○ | ○ |
12 | アイテムに指定されたコンテキストに対応するコンテキスト要素がありません。 または,参照している要素が同じ<xbrli:xbrl>要素のスコープ内にありません。 | - | 致命的エラー | KEBR10006-E | ○ | ○ | ○ |
13 | アイテムに指定されたユニットに対応するユニット要素がありません。 または,参照している要素が同じ<xbrli:xbrl>要素のスコープ内にありません。 | - | 致命的エラー | KEBR10006-E | - | ○ | ○ |
14 | <xbrli:period>要素で期間が指定されていません。 XBRL2.0の場合,同日の日付は致命的エラーになります。 XBRL2.1の場合,同日の日付は時間が省略されていると解釈され,正常データとして扱われます。 | - | 致命的エラー | KEBR10010-E | ○ | ○ | ○ |
15 | <xbrli:period>要素の日付・期間の値が誤っています。 | - | 致命的エラー | KEBR10009-E | ○ | - | - |
16 | <xbrli:period>要素の子要素の関係が正しくありません。 | - | 致命的エラー | KEBR10035-E | ○ | ○ | ○ |
17 | <xbrli:segment>要素または<xbrli:scenario>要素の子要素に,次の名前空間URIの要素が含まれています。
| あり | エラー | KEBR10057-E | - | ○ | ○ |
18 | <xbrli:segment>要素または<xbrli:scenario>要素の子要素に,アイテムまたはタプルが記述されました。 | ||||||
19 | <xbrli:unit>要素の子要素である<xbrli:measure>要素の値の接頭辞が次の名前空間URIを示す場合,ローカルパートの値には「pure」または「shares」を指定する必要があります。
| あり | エラー | KEBR10059-E | - | ○ | ○ |
20 | <xbrli:unit>要素の子要素である<xbrli:unitNumerator>要素と,同じ値を持つ<xbrli:unitDenominator>要素の記述があります。 | あり | エラー | KEBR10050-E | - | ○ | ○ |
21 | アイテムの型と<xbrli:measure>要素の値の関係が不正です。詳細については,この表の下の「アイテムの型と<xbrli:measure>要素の値との対応」を参照してください。 | あり | エラー | KEBR10058-E | - | ○ | ○ |
22 | アイテムまたはタプル要素がタクソノミー文書で定義されていません。 | - | エラー | KEBR10038-E | ○ | ○ | ○ |
23 | アイテムで参照しているコンテキスト要素が利用できません。次の場合が考えられます。
| - | 致命的エラー | KEBR10103-E | ○ | ○ | ○ |
24 | インスタンス文書中のアイテムに子要素が記述されました。 XBRL2.1の場合,xbrli:fractionItemType型には<xbrli:unitNumerator>要素と<xbrli:unitDenominator>要素を記述できます。 | - | 致命的エラー | KEBR10044-E | ○ | ○ | ○ |
25 | インスタンス文書で指定できない要素がタクソノミー本体に記述されています。
| - | 致命的エラー | KEBR10045-E | ○ | ○ | ○ |
26 | 数値型アイテムに,precision属性およびdecimals属性が同時に指定されました。なお,xbrli:fractionItemType型にはどちらの属性も指定できません。 | - | 致命的エラー | KEBR10068-E | - | ○ | ○ |
27 | 数値型アイテムでxsi:nil="true"のときに,precision 属性またはdecimals属性が指定されました。指定された属性は無視されます。 | - | エラー | KEBR10072-E | - | ○ | ○ |
28 | nillable="true"の要素宣言に対応するタプルに子要素が指定されました。または,アイテムに値が指定されているのに,要素の属性にxsi:nil="true"が指定されました。指定された子要素および値は無視されます。 | - | エラー | KEBR10072-E | - | ○ | ○ |
29 | 要素宣言の<xbrli:periodType>要素の指定と,アイテムから参照しているコンテキスト要素の<xbrli:period>要素の記述が不一致です。 <xbrli:periodType>要素がinstantまたはdurationの場合に検証されます。それ以外の場合は検証されません。 | あり | エラー | KEBR10051-E | - | ○ | ○ |
30 | デフォルト値がインスタンス文書に指定されています。 | あり | エラー | KEBR16200-E | - | - | ○ |
31 | ハイパーキューブの定義に基づいてアイテムを評価した結果が次の点で不正です。
| あり | エラー | KEBR16201-E | - | - | ○ |
32 | ハイパーキューブの定義に基づいてアイテムを評価した結果が次の点で不正です。
| あり | エラー | KEBR16202-E | - | - | ○ |
33 | タクソノミー文書ではセグメント要素で定義しているアイテムを,インスタンス文書ではシナリオ要素に記述しているなど,Context Containerの値が異なっています。 | あり | エラー | KEBR16203-E | - | - | ○ |
34 | usable="false"が指定されているアイテムをインスタンス文書に指定しています。 なお,同じ二つのアイテムに対してusable="false"とusable="true"が定義されている場合は,usable="false"と解釈します。 | あり | エラー | KEBR16204-E | - | - | ○ |
35 | closed="true"が指定されているハイパーキューブで,そのハイパーキューブでは定義されていないディメンジョンをインスタンス文書に指定しています。 | あり | エラー | KEBR16205-E | - | - | ○ |
36 | DTSに含まれているが,DRSには含まれていないメンバをインスタンス文書に指定しています。 | あり | エラー | KEBR16206-E | - | - | ○ |
37 | 一つのコンテキストに同じディメンジョンが複数指定されています。 | あり | エラー | KEBR16207-E | - | - | ○ |
38 | <xbrldi:typedMember>要素のdimension属性が,Typed Dimensionではありません。 | あり | エラー | KEBR16208-E | - | - | ○ |
39 | <xbrldi:explicitMember>要素のdimension属性が,Explicit Dimensionではありません。 | あり | エラー | KEBR16209-E | - | - | ○ |
40 | <xbrldi:explicitMember>要素の内容に指定されているQNameが,DTSに存在しません。 | あり | エラー | KEBR16210-E | - | - | ○ |
41 | cbrp.parse.validate.dimensions.roleプロパティに指定されたロールが定義されていません。 | あり | 警告 | KEBR16211-W | - | - | ○ |
(凡例)○:検証します。 -:該当しません。
表A-4 アイテムの型と,対応する<xbrli:measure>要素の値
項番 | アイテムの型 | <xbrli:measure>要素の値 | |
---|---|---|---|
名前空間接頭辞 | ローカルパート | ||
1 | xbrli:monetaryItemType型 | 次の名前空間URIを示す接頭辞を指定します。
| ISO4217で定義された値 |
2 | xbrli:sharesItemType型 | 次の名前空間URIを示す接頭辞を指定します。
| shares |
3 | xbrli:pureItemType型 | pure | |
4 | 上記以外 | 検証されません。接頭辞に対応する名前空間URIが見つからない場合は,致命的エラーになります。 |
インスタンス文書の完全な妥当性検証で検証される内容は次のとおりです。
表A-5 インスタンス文書の完全な妥当性検証
項番 | 検証内容 | メッセージ | |
---|---|---|---|
分類 | メッセージID | ||
1 | measure要素の値(xsd:QName型)の名前空間がISO4217のとき,ローカルパートに対応する値が,単位の一覧で指定された値の中にありません。 | エラー | KEBR15201-E |
2 | タプル要素の属性として,次に示すXBRL2.1規格の名前空間に属する属性が記述されています。
| エラー | KEBR15211-E |
3 | requires-elementアークに,インスタンス文書に必要な要素が記述されていません。 | エラー | KEBR15221-E |
4 | essence-aliasアークを検証した結果,インスタンス文書中のアイテム同士がp-equalかつc-equalですが,u-equalではありません。 | エラー | KEBR15231-E |
5 | essence-aliasアークを検証した結果,インスタンス文書中のアイテム同士がp-equalかつc-equalかつu-equalですが,v-equalではありません。 | エラー | KEBR15232-E |
6 | essence-aliasアークを検証した結果,p-equalかつc-equalである同一名称(名前空間とローカル名が同じ)のアイテムが,複数存在しました。 | 警告 | KEBR15233-W |
7 | essence-aliasアークを検証した結果,二つの拡張リンクの誤りによって,推測したアイテムに矛盾がありました。この場合,PTVIには最初に推測した値が含まれます。 | エラー | KEBR15234-E |
8 | summation-itemアークを検証した結果,合計値と検証値が等しくありません。 | エラー | KEBR15241-E |
9 | summation-itemアークを検証した結果,p-equal,c-equalかつu-equalである同一名称(名前空間とローカル名が同じ)のアイテムが,複数存在しました。 | 警告 | KEBR15242-W |
10 | summation-itemアークを検証した結果,p-equal,c-equalかつu-equalである同一名称(名前空間とローカル名が同じ)のアイテムが,複数存在しました。このため,合計値の検証は行われませんでした。 | 警告 | KEBR15243-W |
11 | summation-itemアークを検証した結果,アイテムのprecision属性の値に0が記述されていました。または,decimals属性から推測したprecision属性の値が0以下になっていました。 | 警告 | KEBR15251-W |
12 | 数値アイテムの値が,java.lang.Double.isInfinite()メソッドで true となる 正負の値,または,数値アイテムの値が 0 の近似値であり小数点以下の桁数が 1024 桁を超える値が記述されていました。 | 警告 | KEBR15252-W |