4.12.1 インスタンス文書の読み込み

XBRL Dimensions1.0に準拠したタクソノミー文書を読み込み,XBRL DOMを生成するサンプルコードについて説明します。XBRL Dimensions1.0の場合,タクソノミー文書の読み込み時にXBRL Dimensionsのバージョンを指定する必要があります。

ここでは,検証時にエラーや警告が発生した場合のレポートを受け取り,出力するエラーハンドラと,検証時にローカルに保存したスキーマ定義を使用するエンティティリゾルバも実装します。エラーハンドラおよびエンティティリゾルバの詳細については,「4.13 エラーハンドラ」および「4.14 エンティティリゾルバ」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 使用するクラスおよびインターフェース
(2) サンプルコード

(1) 使用するクラスおよびインターフェース

インスタンス文書の読み込みで使用するクラスおよびインターフェースを次の表に示します。

表4-49 インスタンス文書の読み込みで使用するクラスおよびインターフェース

項番使用するクラスおよびインターフェース説明
1com.hitachi.xbrl.XBRLDocumentManagerXBRL文書の入出力や,タクソノミー文書のキャッシュを管理します。
2com.hitachi.xbrl.instance.XBRLInstanceDocumentBuilderFactoryXBRLInstanceDocumentBuilderオブジェクトを生成するためのAPIを定義します。
3com.hitachi.xbrl.instance.XBRLInstanceDocumentBuilderインスタンス文書からXBRLInstanceDocumentオブジェクトを取得するためのAPIを定義します。
4com.hitachi.xbrl.instance.XBRLInstanceDocumentインスタンス文書全体を表します。
5com.hitachi.xbrl.util.XBRLConstantsユーザーアプリケーションで利用できる定数を定義します。

(2) サンプルコード

インスタンス文書を読み込み,XBRL DOMを生成するコードは次のとおりです。

/*
* 既存インスタンス文書の読み込み
*/

// 初期化
XBRLDocumentManager.init();
XBRLDocumentManager dm = XBRLDocumentManager.getInstance();

// XBRLInstanceDocumentBuilderFactoryの作成
XBRLInstanceDocumentBuilderFactory ibf =
   dm.newInstanceDocumentBuilderFactory();

// XBRLバージョンの設定
ibf.setXBRLVersion(XBRLConstants.XBRL_2_1);
ibf.setDimensionsVersion(XBRLConstants.DIMENSIONS_1_0);

// インスタンス文書のパース時に妥当性検証を行う設定
ibf.setValidating(true);

// XBRLInstanceDocumentBuilderの作成
XBRLInstanceDocumentBuilder ib = ibf.newInstanceDocumentBuilder();

// エラーハンドラの設定
SampleErrorHandler eh = new SampleErrorHandler();
ib.setErrorHandler(eh);

// エンティティリゾルバの設定
SampleEntityResolver er = new SampleEntityResolver();
ib.setEntityResolver(er);

// タクソノミー文書のパース
String filename = "input/sample_xbrl_dim_instance.xml";
XBRLInstanceDocument idoc = ib.parse(new File(filename));

System.out.println("インスタンス文書のパースに成功しました。");