タクソノミー文書は,勘定科目を表すアイテムおよび計算式を表す計算リンクなど,インスタンス文書で記載する内容を定義したひな型です。
タクソノミー文書は,タクソノミー本体とリンクベースから構成されます。財務諸表を例に挙げると,財務諸表で記載する勘定科目を定義するのがタクソノミー本体,勘定科目の表示順,計算式,会計基準などの参考文献を定義するのがリンクベースに該当します。
タクソノミー文書では,国や業種,会計基準によって異なる内容を別文書(リンクベース)として切り分け,それぞれをリンクさせています。別文書に分かれているため,会計基準などの変更に対応しやすく,各企業の事情に合わせた形式にカスタマイズできます。
- タクソノミー本体
- タクソノミー本体は,XML Schema言語を使用して,インスタンス文書に記述するアイテムを定義したXMLスキーマです。
- アイテムとは報告内容の各勘定科目のことで,数値と非数値があります。また,複数の項目をまとめて解釈する必要がある場合には,アイテムのまとまりを示すタプルも定義できます。
- タクソノミー本体は,XBRL2.1仕様ではタクソノミースキーマ(Taxonomy Schema)と記載されていますが,このマニュアルでは,タクソノミー本体と記載しています。
- リンクベース
- リンクベースは,XLinkやXPathの技術を使用して,タクソノミー本体に定義したアイテム間の関係などを記述したXML文書です。XBRLでは,次のリンクベースが使用できます。
表1-1 XBRLで使用できるリンクベース
リンク種別 | 定義内容 |
---|
関係リンク | プレゼンテーションリンク | アイテムまたはタプルの表示順序を定義します。 |
計算リンク | アイテムまたはタプルの数値データの重みつき加減算式を定義します。 |
定義リンク | アイテムの親子関係など,アイテムまたはタプル同士の関係を定義します。 |
ラベルリンク | アイテムまたはタプルの表示名称(ラベル)を定義します。日本語または英語などを指定して,さまざまな言語でラベルを記述したり,別名を定義したりできます。 |
リファレンスリンク | 参考文献を定義します。会計基準など,根拠となる文献への参照に使用します。 |
- タクソノミー本体とリンクベースの参照関係
- リンクベースは,タクソノミー本体に記述することもできますが,多くの場合は別文書に記述します。
- タクソノミー本体からリンクベースへの参照は,XLinkの単純リンクが使用され,リンクベースからタクソノミー本体への参照はXLinkの拡張リンク(ロケータ型要素)が使用されます。
- ロケータ型要素では,文書内の特定の項目を参照できるように,URIにフラグメントを付けます。フラグメントの指定には,XPointerのショートハンドポインタ(Shorthand Pointer)を使用できます。XBRL2.1の場合は,スキームベースポインタ(Scheme-Based Pointer)のelement()スキームも指定できます。