uCosminexus Business Reporting Processor 開発者ガイド

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6.6.14 XBRLInstanceNodeインターフェース

public interface XBRLInstanceNode

XBRLのバージョン:
2.0および2.1

説明:
インスタンス文書を構成するノードを表します。
ノードは,ほかのノードの子となることができます。getParentNode()を使用すると,任意のノードの親ノードを取得できます。一方,あるノードの子ノードを取得する方法は,ノードの種類によって異なります。例えば,XBRLEntityオブジェクトの子であるXBRLIdentifierオブジェクトを取得する場合は,XBRLEntity.getIdentifier()を使用します。子ノードを取得する方法については,ノードを表す各インターフェースの説明を参照してください。
ノードは,アクティブか非アクティブのどちらかの状態を持ちます。アクティブなノードは,インスタンス文書内に存在するノード,つまり,XBRLInstanceDocumentオブジェクトからオブジェクトツリーをたどることで到達できるノードです。一方,非アクティブなノードは,インスタンス文書にないノードです。ノードがアクティブかどうかは,isActive()で調べることができます。
非アクティブなノードをアクティブなノードの子として設定すると,子として設定されたノードはアクティブな状態へと変化します。また,あるノードの親ノードが非アクティブである場合,そのノードも非アクティブですが,親である非アクティブなノードがアクティブな状態へと変化すると,同時にその子ノードもアクティブになります。この状態の変化は,親から子,さらに孫へと伝播します。つまり,あるノードがアクティブになると,その子孫ノードもすべてアクティブになり,あるノードが非アクティブになると,その子孫ノードもすべて非アクティブになります。アクティブになるノードの範囲を次の図に示します。

図6-14 アクティブになるノードの範囲

[図データ]
あるノードが,非アクティブな状態からアクティブな状態へと変化する際に,次の処理が自動的に実行されます。
  • アクティブになったノードがXML要素に対応する場合,そのXML要素およびその要素が持つグローバル属性の名前空間接頭辞が,XBRLInstanceDocumentオブジェクトに設定されている名前空間接頭辞に設定されます。
ノードの種類によっては,アクティブになった時点で,上記以外のさまざまな処理が実行されます。詳細については,ノードを表す各インターフェースの説明を参照してください。

フィールドの概要:
XBRLInstanceNodeインターフェースのフィールドの概要を次の表に示します。

表6-37 XBRLInstanceNodeインターフェースのフィールドの概要

項番 説明
1 static int INSTANCE_DOCUMENT_NODE
  このノードは,インスタンス文書を表します。
2 static int SCHEMA_REF_NODE
  このノードは,<link:schemaRef>要素を表します。
3 static int LINKBASE_REF_NODE
  このノードは,<link:linkbaseRef>要素を表します。
4 static int ROLE_REF_NODE
  このノードは,<link:roleRef>要素を表します。
5 static int ARCROLE_REF_NODE
  このノードは,<link:arcroleRef>要素を表します。
6 static int NUMERIC_CONTEXT_NODE
  このノードは,数値コンテキスト要素を表します。
7 static int NON_NUMERIC_CONTEXT_NODE
  このノードは,非数値コンテキスト要素を表します。
8 static int CONTEXT2_NODE
  このノードは,コンテキスト要素を表します。
9 static int UNIT2_NODE
  このノードは,単位要素を表します。
10 static int ITEM_NODE
  このノードは,アイテムを表します。
11 static int TUPLE_NODE
  このノードは,タプルを表します。
12 static int FOOTNOTE_NODE
  このノードは,脚注を表します。
13 static int ENTITY_NODE
  このノードは,エンティティ要素を表します。
14 static int IDENTIFIER_NODE
  このノードは,識別子(identifier)要素を表します。
15 static int SEGMENT_NODE
  このノードは,セグメント要素を表します。
16 static int PERIOD_NODE
  このノードは,時期要素を表します。
17 static int UNIT_NODE
  このノードは,単位要素を表します。
18 static int MEASURE_NODE
  このノードは,計量要素を表します。
19 static int OPERATOR_NODE
  このノードは,演算子要素を表します。
20 static int SCENARIO_NODE
  このノードは,シナリオ要素を表します。
21 static int EXPLICIT_MEMBER_NODE
  このノードは,<xbrldi:explicitMember>要素を表します。
22 static int TYPED_MEMBER_NODE
  このノードは,<xbrldi:typedMember>要素を表します。

メソッドの概要:
XBRLInstanceNodeインターフェースのメソッドの概要を次の表に示します。

表6-38 XBRLInstanceNodeインターフェースのメソッドの概要

項番 説明 XBRLのバージョン
1 int getNodeType()
  ノードの型を表すコードを取得します。
2.0および2.1
2 XBRLInstanceDocument getOwnerInstanceDocument()
  ノードを所有するXBRLInstanceDocumentオブジェクトを取得します。
2.0および2.1
3 boolean isActive()
  ノードがアクティブかどうか(インスタンス文書に存在し,ツリーをたどって到達できるか)を調べます。
2.0および2.1
4 XBRLInstanceNode getParentNode()
  ノードが関連づけられている親ノードを取得します。
2.0および2.1
5 XBRLInstanceNode cloneNode(boolean deep)
  ノードを複製します。
2.0および2.1
6 org.w3c.dom.Node getW3CDOMNode()
  ノードに対応するorg.w3c.dom.Nodeオブジェクトを取得します。
2.0および2.1
<この項の構成>
(1) getNodeType
(2) getOwnerInstanceDocument
(3) isActive
(4) getParentNode
(5) cloneNode
(6) getW3CDOMNode

(1) getNodeType

public int getNodeType()

XBRLのバージョン:
2.0および2.1

説明:
ノードの型を表すコードを取得します。
このメソッドが返す値は,XBRLのバージョンによって異なります。利用できるノードの型とXBRLのバージョンの関係を次の表に示します。

表6-39 利用できるノードの型とXBRLのバージョンの関係

項番 ノードの型 XBRL2.0 XBRL2.1
1 INSTANCE_DOCUMENT_NODE
2 SCHEMA_REF_NODE ×
3 LINKBASE_REF_NODE
4 ROLE_REF_NODE ×
5 ARCROLE_REF_NODE ×
6 NUMERIC_CONTEXT_NODE ×
7 NON_NUMERIC_CONTEXT_NODE ×
8 CONTEXT2_NODE ×
9 UNIT2_NODE ×
10 ITEM_NODE
11 TUPLE_NODE
12 FOOTNOTE_NODE
13 ENTITY_NODE
14 IDENTIFIER_NODE
15 SEGMENT_NODE
16 PERIOD_NODE
17 UNIT_NODE ×
18 MEASURE_NODE ×
19 OPERATOR_NODE ×
20 SCENARIO_NODE
21 EXPLICIT_MEMBER_NODE ×
22 TYPED_MEMBER_NODE ×

(凡例)○:利用できます。 ×:利用できません。

注※ XBRL Dimensions1.0の場合だけ存在します。


戻り値:
このノードの型を表すコードを返します。

(2) getOwnerInstanceDocument

public XBRLInstanceDocument getOwnerInstanceDocument()

XBRLのバージョン:
2.0および2.1

説明:
ノードを所有するXBRLInstanceDocumentオブジェクトを取得します。

戻り値:
このノードを所有するXBRLInstanceDocumentオブジェクトを返します。このノードがXBRLInstanceDocumentの場合は,常にnullを返します。

(3) isActive

public boolean isActive()

XBRLのバージョン:
2.0および2.1

説明:
ノードがアクティブかどうかを調べます。アクティブなノードは,インスタンス文書内に存在するノード,つまり,XBRLInstanceDocumentオブジェクトからオブジェクトツリーをたどることで到達できるノードです。

戻り値:
このノードがアクティブな場合はtrue,アクティブでない場合はfalseを返します。このノードがXBRLInstanceDocumentの場合は,常にtrueを返します。

(4) getParentNode

public XBRLInstanceNode getParentNode()

XBRLのバージョン:
2.0および2.1

説明:
ノードが関連づけられている親ノードを取得します。
このメソッドが返す親ノードの型は,このノードの型によって異なります。getParentNodeメソッドが返す親ノードの型を次の表に示します。

表6-40 getParentNodeメソッドが返す親ノードの型

項番 このノードの型 メソッドが返す親ノードの型
1 INSTANCE_DOCUMENT_NODE このメソッドは常にnullを返します。
2 SCHEMA_REF_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
3 LINKBASE_REF_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
4 ROLE_REF_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
5 ARCROLE_REF_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
6 NUMERIC_CONTEXT_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
7 NON_NUMERIC_CONTEXT_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
8 CONTEXT2_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
9 UNIT2_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
10 ITEM_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODEまたはTUPLE_NODE
11 TUPLE_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODEまたはTUPLE_NODE
12 FOOTNOTE_NODE INSTANCE_DOCUMENT_NODE
13 ENTITY_NODE XBRL2.0の場合:NUMERIC_CONTEXT_NODEまたはNON_NUMERIC_CONTEXT_NODE
XBRL2.1の場合:CONTEXT2_NODE
14 IDENTIFIER_NODE ENTITY_NODE
15 SEGMENT_NODE ENTITY_NODE
16 PERIOD_NODE XBRL2.0の場合:NUMERIC_CONTEXT_NODEまたはNON_NUMERIC_CONTEXT_NODE
XBRL2.1の場合:CONTEXT2_NODE
17 UNIT_NODE NUMERIC_CONTEXT_NODEまたはNON_NUMERIC_CONTEXT_NODE
18 MEASURE_NODE UNIT_NODEまたはOPERATOR_NODE
19 OPERATOR_NODE UNIT_NODEまたはOPERATOR_NODE
20 SCENARIO_NODE XBRL2.0の場合:NUMERIC_CONTEXT_NODEまたはNON_NUMERIC_CONTEXT_NODE
XBRL2.1の場合:CONTEXT2_NODE
21 EXPLICIT_MEMBER_NODE SEGMENT_NODEまたはSCENARIO_NODE
22 TYPED_MEMBER_NODE SEGMENT_NODEまたはSCENARIO_NODE

注※ XBRL Dimensions1.0の場合だけ存在します。


戻り値:
このノードの親ノードを返します。このノードがXBRLInstanceDocumentの場合は,常にnullを返します。また,このノードがほかのノードの子ノードとして接続されていない場合も,nullを返します。

(5) cloneNode

public XBRLInstanceNode cloneNode(boolean deep)

XBRLのバージョン:
2.0および2.1

説明:
ノードを複製します。
このメソッドが返すノードはアクティブではなく,また,親ノードを持ちません。つまり,このメソッドが返すXBRLInstanceNodeオブジェクトのisActive()はfalseを返し,また,getParentNode()はnullを返します。
ノードを複製する処理は,ノードの型によって異なります。ノードの複製処理を次の表に示します。

表6-41 ノードの複製処理

項番 ノードの型 説明
1 INSTANCE_DOCUMENT_NODE 引数deepがtrueの場合は,インスタンス文書に含まれているコンテキスト要素,アイテム,タプル,脚注がすべて複製されます。
引数deepがfalseの場合は,インスタンス文書に含まれているコンテキスト要素,アイテム,タプル,脚注はすべて複製されません。つまり,複製されたインスタンス文書は空です。ただし,名前空間宣言は複製されます。
複製されたXBRLInstanceDocumentオブジェクトは,複製元のXBRLInstanceDocumentオブジェクトが参照しているXBRLTaxonomyDocumentオブジェクトの複製を参照します。つまり,XBRLInstanceDocumentのgetTaxonomyDocument()の戻り値は,複製元のXBRLInstanceDocumentオブジェクトと複製先のXBRLInstanceDocumentオブジェクトで異なります。ただし,それぞれが参照するXBRLTaxonomyDocumentオブジェクトの内容は同じです。
XBRL2.0の場合:インスタンス文書の読み込み時にリンクベースの遅延解析が指定されていて,かつリンクが未解析の場合は,複製処理の前にインスタンス文書中のリンクベースの遅延解析が実行されます。このとき,インスタンス文書が参照しているタクソノミー文書に含まれるリンクベース,および,インスタンス文書に記述された<link:linkbaseRef>要素が参照しているリンクベースは,未解析であっても解析されません。
複製されたXBRLInstanceDocumentオブジェクトに対応するorg.w3c.dom.Documentオブジェクトは新規に作成されます。また,インスタンス文書のルート要素がXML文書のルート要素として設定されます。
XBRL2.1の場合:複製されたインスタンス文書のルート要素はid属性を持ちません。
引数deepにtrueが指定された場合は,インスタンス文書の内容が複製されます。複製された各ノードがid属性を持つかどうかについては,この表の各ノードの説明を参照してください。
XBRL2.1の場合:インスタンス文書のIDを管理するXBRLIdManagerオブジェクトは新規に作成されるため,複製元のインスタンス文書と複製されたインスタンス文書とでIDを管理するXBRLIdManagerオブジェクトは異なります。ただし,XBRLIdManagerオブジェクトに設定されているXBRLIdCreatorオブジェクトは引き継がれます。つまり,複製元のXBRLInstanceDocumentオブジェクトと複製されたXBRLInstanceDocumentオブジェクトとで,getIdManager()メソッドが返すXBRLIdManagerオブジェクトは異なりますが,getIdManager().getIdCreator()によって取得できるXBRLIdCreatorオブジェクトは同一のものとなります。このため,インスタンス文書を複製する際にコンテキスト要素などのid属性の値が採番し直されます。このときに複製元と同じXBRLIdCreatorオブジェクトを使用してIDが生成されます。
XBRL2.1の場合:引数deepがfalseの場合は,複製元の<link:schemaRef>要素や<link:linkbaseRef>要素は複製されません。このため,引数deepにfalseを指定してインスタンス文書を複製した場合は,タクソノミー文書を構築する際の出発点となったタクソノミー本体およびリンクベースのリストをXBRLTaxonomyDocument.getStartingPoints()メソッドによって取得し,それらを指す<link:schemaRef>要素および<link:linkbaseRef>要素を追加する必要があります。このとき,各要素のxlink:href属性に指定するURIは,絶対URI,相対URIのどちらでもかまいません。ただし,インスタンス文書をストリームへ出力してから再度読み込んだ際に,それらのURIは適切な文書へ解決されなければなりません。なお,必要な<link:schemaRef>要素および<link:linkbaseRef>要素を追加しなかった場合は,インスタンス文書をストリームへ出力してから再度読み込んだ場合に,タクソノミー文書を構成するタクソノミー本体またはリンクベースに不足が生じるおそれがあるため注意してください。
2 SCHEMA_REF_NODE サブツリーが存在しないため,引数deepの値は影響しません。
3 LINKBASE_REF_NODE
4 ROLE_REF_NODE
5 ARCROLE_REF_NODE
6 NUMERIC_CONTEXT_NODE 引数deepの値に関係なく,常にサブツリーが複製されます。
複製されたコンテキスト要素のid属性の値は採番し直されます。
7 NON_NUMERIC_CONTEXT_NODE
8 CONTEXT2_NODE
9 UNIT2_NODE サブツリー※1が存在しないため,引数deepの値は影響しません。複製された単位要素のid属性の値は採番し直されます。
10 ITEM_NODE アイテムにはサブツリー※1が存在しないため,引数deepの値は影響しません。
複製されたアイテムは,複製元と同一のコンテキスト要素を参照します。
XBRL2.1の場合:数値アイテムを複製した場合,複製されたアイテムは,複製元と同一の単位要素を参照します。
XBRL2.0の場合:複製されたアイテムのid属性の値は採番し直されます。
XBRL2.1の場合:複製されたアイテムはid属性を持ちません。
11 TUPLE_NODE 引数deepがtrueの場合は,タプルの子要素もすべて複製されます。引数deepがfalseの場合は,子要素は複製されません。
XBRL2.0の場合:複製されたタプルのid属性の値は採番し直されます。
XBRL2.1の場合:複製されたタプルはid属性を持ちません。
12 ENTITY_NODE 引数deepの値に関係なく,常にサブツリーが複製されます。
13 PERIOD_NODE
14 UNIT_NODE
15 OPERATOR_NODE
16 IDENTIFIER_NODE サブツリー※1がないため,引数deepの値は影響しません。
17 SEGMENT_NODE XBRL Dimensions1.0ではない場合:サブツリー※1が存在しないため,引数deepの値は影響しません。
XBRL Dimensions1.0の場合:引数deepがtrueの場合は,セグメント要素に含まれている<xbrldi:explicitMember>要素および<xbrldi:typedMember>要素がすべて複製されます。
引数deepがfalseの場合は,セグメント要素に含まれている<xbrldi:explicitMember>要素および<xbrldi:typedMember>要素がすべて複製されません。
18 MEASURE_NODE サブツリー※1がないため,引数deepの値は影響しません。
19 SCENARIO_NODE XBRL Dimensions1.0ではない場合:サブツリー※1が存在しないため,引数deepの値は影響しません。
XBRL Dimensions1.0の場合:引数deepがtrueの場合は,シナリオ要素に含まれている<xbrldi:explicitMember>要素および<xbrldi:typedMember>要素がすべて複製されます。
引数deepがfalseの場合は,シナリオ要素に含まれている<xbrldi:explicitMember>要素および<xbrldi:typedMember>要素がすべて複製されません。
20 FOOTNOTE_NODE サブツリー※1がないため,引数 deep の値は影響しません。
XBRL2.1の場合:複製された脚注はid属性を持ちません。
21 EXPLICIT_MEMBER_NODE※2 サブツリー※1が存在しないため,引数deepの値は影響しません。
22 TYPED_MEMBER_NODE※2 サブツリー※1が存在しないため,引数deepの値は影響しません。

注※1 ここでのサブツリーとは,XBRL DOMのノード(XBRLInstanceNodeオブジェクト)によって構築されるツリーでのサブツリーのことです。W3C DOMのノード(org.w3c.dom.Nodeオブジェクト)によって構築されるツリーでのサブツリーではないので注意してください。

例えば,単位要素の子として記述される<xbrli:divide>要素は,XBRL DOMではXBRLUnit2オブジェクトの子ノードとしては表現されませんが,W3C DOMでは<xbrli:divide>要素は<xbrli:unit>要素を表すノードの子ノードとして表現されます。そのため,XBRLUnit2オブジェクトを複製した場合は,W3C DOMではサブツリーとなっている<xbrli:divide>要素を表すノードやその子孫(<xbrli:unitNumerator>要素を表すノードや<xbrli:unitDenominator>要素を表すノード)も複製されます。

これは,データ型がFRACTION_ITEMであるアイテム,XHTMLのタグを内容として持つ脚注,任意の子要素を記述できるセグメント要素やシナリオ要素についても同じです。

注※2 XBRL Dimensions1.0の場合だけ存在します。


引数:
deep - ノードのサブツリーを複製する場合はtrue,サブツリーを複製しない場合はfalseを指定します。

戻り値:
このノードの複製を返します。

(6) getW3CDOMNode

public org.w3c.dom.Node getW3CDOMNode()

XBRLのバージョン:
2.0および2.1

説明:
ノードに対応するorg.w3c.dom.Nodeオブジェクトを取得します。XBRLの仕様で規定されていない属性や要素を参照したい場合は,このメソッドで取得したDOMツリーを使用します。
このメソッドが返すorg.w3c.dom.Nodeオブジェクトの型は,このノードの型によって異なります。getW3CDOMNodeメソッドが返すorg.w3c.dom.Nodeオブジェクトを次の表に示します。

表6-42 getW3CDOMNodeメソッドが返すorg.w3c.dom.Nodeオブジェクト

項番 XBRLInstanceNode
オブジェクトの型
org.w3c.dom.Node
オブジェクトの型
説明
1 INSTANCE_DOCUMENT_NODE org.w3c.dom.Document インスタンス文書を表します。
2 SCHEMA_REF_NODE org.w3c.dom.Element <link:schemaRef>要素を表します。
3 LINKBASE_REF_NODE org.w3c.dom.Element <link:linkbaseRef>要素を表します。
4 ROLE_REF_NODE org.w3c.dom.Element <link:roleRef>要素を表します。
5 ARCROLE_REF_NODE org.w3c.dom.Element <link:arcroleRef>要素を表します。
6 NUMERIC_CONTEXT_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:numericContext>要素を表します。
7 NON_NUMERIC_CONTEXT_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:nonNumericContext>要素を表します。
8 CONTEXT2_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:context>要素を表します。
9 UNIT2_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:unit>要素を表します。
10 ITEM_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:item>要素の代替要素を表します。
11 TUPLE_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:tuple>要素の代替要素を表します。
12 FOOTNOTE_NODE org.w3c.dom.Element <link:footnote>要素を表します。
13 ENTITY_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:entity>要素を表します。
14 IDENTIFIER_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:identifier>要素を表します。
15 SEGMENT_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:segment>要素を表します。
16 PERIOD_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:period>要素を表します。
17 UNIT_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:unit>要素を表します。
18 MEASURE_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:measure>要素を表します。
19 OPERATOR_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:operator>要素を表します。
20 SCENARIO_NODE org.w3c.dom.Element <xbrli:scenario>要素を表します。
21 EXPLICIT_MEMBER_NODE org.w3c.dom.Element <xbrldi:explicitMember>要素を表します。
22 TYPED_MEMBER_NODE org.w3c.dom.Element <xbrldi:typedMember>要素を表します。

注※ XBRL Dimensions1.0の場合だけ存在します。


このメソッドが返したorg.w3c.dom.Nodeオブジェクト,およびそのorg.w3c.dom.Nodeオブジェクトが属するDOMツリーに対する更新操作の範囲は限定されます。getW3CDOMNodeメソッドが返すorg.w3c.dom.Nodeオブジェクトに対して許可される更新操作を次の表に示します。

表6-43 org.w3c.dom.Nodeオブジェクトに対して許可される更新操作

項番 XBRLInstanceNode
オブジェクトの型
許可される更新操作
1 INSTANCE_DOCUMENT_NODE 更新操作は許可されません。
2 SCHEMA_REF_NODE 更新操作は許可されません。
3 LINKBASE_REF_NODE 更新操作は許可されません。
4 ROLE_REF_NODE 更新操作は許可されません。
5 ARCROLE_REF_NODE 更新操作は許可されません。
6 NUMERIC_CONTEXT_NODE 更新操作は許可されません。
7 NON_NUMERIC_CONTEXT_NODE 更新操作は許可されません。
8 CONTEXT2_NODE 更新操作は許可されません。
9 UNIT2_NODE 更新操作は許可されません。
10 ITEM_NODE 次の属性以外の属性の追加・更新・削除が許可されます。
  • id
  • XBRL2.0の場合:numericContext
  • XBRL2.0の場合:nonNumericContext
  • xmlnsによる名前空間宣言
  • XBRL2.1の場合:contextRef
  • XBRL2.1の場合:unitRef
  • XBRL2.1の場合:precision
  • XBRL2.1の場合:decimals
  • XBRL2.1の場合:xsl:nil
11 TUPLE_NODE 次の属性以外の属性の追加・更新・削除が許可されます。
  • id
  • xmlnsによる名前空間宣言
  • XBRL2.1の場合:xsl:nil
12 FOOTNOTE_NODE 子孫ノードに対する任意の更新操作が許可されます。
13 ENTITY_NODE 更新操作は許可されません。
14 IDENTIFIER_NODE 更新操作は許可されません。
15 SEGMENT_NODE XBRL Dimensions1.0ではない場合:子孫ノードに対する任意の更新操作が許可されます。
XBRL Dimensions1.0の場合:次の子孫ノード以外の子孫ノードに対する任意の更新操作が許可されます。
  • <xbrldi:explicitMember>要素
  • <xbrldi:typedMember>要素
16 PERIOD_NODE 更新操作は許可されません。
17 UNIT_NODE 更新操作は許可されません。
18 MEASURE_NODE 更新操作は許可されません。
19 OPERATOR_NODE 更新操作は許可されません。
20 SCENARIO_NODE XBRL Dimensions1.0ではない場合:子孫ノードに対する任意の更新操作が許可されます。
XBRL Dimensions1.0の場合:次の子孫ノード以外の子孫ノードに対する任意の更新操作が許可されます。
  • <xbrldi:explicitMember>要素
  • <xbrldi:typedMember>要素
21 EXPLICIT_MEMBER_NODE 子孫ノードに対する任意の更新操作が許可されます。
22 TYPED_MEMBER_NODE 子孫ノードに対する任意の更新操作が許可されます。

注※ XBRL Dimensions1.0の場合だけ存在します。


許可されていない更新操作をした場合は,XBRL DOMが正常に動作しないおそれがあります。

戻り値:
このノードに対応するorg.w3c.dom.Nodeオブジェクトを返します。