uCosminexus Business Reporting Processor 開発者ガイド
ここでは,XBRL2.1の場合の,リンクが上書きされる条件について説明します。
リンクの上書きは,リンクの関係が同じと判断された場合に実行されます。次の条件をすべて満たしている場合,リンクの関係が同じであると判断されます。
リンクが上書きされる条件の一つに,アーク型要素の属性のうち,XLink以外の属性が一致していることがあります。アーク型要素に指定できる属性一覧と,上書きに必要な条件を次の表に示します。
表2-8 アーク型要素の属性一覧とリンクの上書きに必要な条件
| 分類 | 属性 | 条件 | 説明 |
|---|---|---|---|
| すべてのアーク型要素共通 | xlink:type | ○ | アーク型要素を示すために,"arc"を指定する必要があります。 |
| xlink:from | × | 指定するラベルの値は一致する必要がありません。 | |
| xlink:to | × | 指定するラベルの値は一致する必要がありません。 | |
| xlink:arcrole | ○ | アークの役割は同じである必要があるため,同じ値を指定します。 | |
| xlink:title | × | 一致する必要はありません。 | |
| xlink:show | × | 一致する必要はありません。 | |
| xlink:actuate | × | 一致する必要はありません。 | |
| order | ○ | XLinkで定義されている属性ではないため,一致する必要があります。 | |
| use | × | リンクの上書きで使用される値であるため,一致する必要はありません。 | |
| priority | × | リンクの上書きで使用される値であるため,一致する必要はありません。 | |
| プレゼンテーションリンク | preferredLabel | ○ | XLinkで定義されている属性ではないため,一致する必要があります。 これは,XBRL2.1だけで使用できる属性です。 |
| 計算リンク | weight | ○ | XLinkで定義されている属性ではないため,一致する必要があります。 |
(凡例)○:値の一致が必要です。 ×:値の一致は不要です。
次の場合は,XBRL文書検証時にエラーとなります。
アーク型要素のxlink:from属性およびxlink:to属性は,同じ拡張リンク内のロケータ型要素またはリソース型要素を参照します。このとき,リンクの関係が同じかどうかの判断材料となるXMLフラグメントは,ロケータ型要素ではなく,ロケータ型要素が指す要素になります。そのため,ロケータ型要素が同じタクソノミー本体を指している場合,ロケータ型要素が異なる拡張リンクに記述されていても,リンクの関係は同じであると判断されます。
アーク型要素がリソース型要素を参照する場合でも同様に,XMLフラグメントは,リソース型要素ではなく,リソース型要素が指す要素になります。
同じリンクの関係と判断されるロケータ型要素を次に示します。
<拡張リンクA xlink:role="http://www.xbrl.org/2003/role/link"> <loc xlink:href="xxx.xsd#abc" xlink:label="test1" ...> (中略) <Arc xlink:from="test1" ....> </拡張リンクA> <拡張リンクB xlink:role="http://www.xbrl.org/2003/role/link"> <loc xlink:href="xxx.xsd#element(/1/14)" xlink:label="test2" ...> (中略) <Arc xlink:from="test2" ....> </拡張リンクB> |
この場合,下線部分のxxx.xsdファイルで,#abcが指す要素と#element(/1/14)が指す要素が同じだった場合,XMLフラグメントが同一であると判断され,リンクが上書きされます。
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