はじめに

このマニュアルは,トランザクショナル分散オブジェクト基盤TPBrokerの運用方法について説明したものです。

TPBrokerでは,ORB機能,OTS機能,およびADM機能を使用してシステムの運用を行います。このマニュアルでは,これらの機能のうち,ORB機能のトラブルシュート,ORB機能の運用に必要な拡張機能,TPBrokerとほかのプログラムプロダクトとの連携方法,およびバージョンアップ時の移行について説明しています。

対象読者

システム管理者,システム設計者,またはオペレータで,TPBrokerを使用して分散オブジェクトコンピューティング環境を運用する方を対象としています。

次の知識がある方を対象としています。

マニュアルの構成

このマニュアルは,次に示す章と付録から構成されています。

第1章 TPBrokerの運用の概要
このマニュアルで説明するTPBrokerの運用の概要について説明しています。
第2章 ORBのトラブルシュート機能
ORBのトラブルシュート機能について説明しています。
第3章 ORBの拡張機能
ORBの拡張機能について説明しています。
第4章 Microsoft Cluster Serviceとの連携
TPBrokerとMicrosoft Cluster Serviceとの連携方法について説明しています。
第5章 HAモニタとの連携
TPBrokerとHAモニタとの連携方法について説明しています。
第6章 HACMPとの連携
TPBrokerとHACMPとの連携方法について説明しています。
第7章 JP1/ServerConductor/Deployment Managerとの連携
TPBrokerとJP1/ServerConductor/Deployment Managerとの連携方法について説明しています。
第8章 メッセージ
TPBrokerの運用時に出力されるメッセージについて説明しています。
第9章 Cosminexusのバージョンアップ時の移行
Cosminexusのバージョンアップ時のTPBrokerの移行について説明しています。
付録A 用語解説
このマニュアルで使用する用語について説明しています。

関連マニュアル

[図データ]

●HAモニタのマニュアル
●JP1/ServerConductor/Deployment Managerのマニュアル
●Cosminexusのマニュアル

なお,このマニュアルでは,次のマニュアルを省略して表記しています。マニュアルの正式名称とこのマニュアルでの表記を次の表に示します。

マニュアルの正式名称このマニュアルでの表記
TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker ユーザーズガイドTPBroker ユーザーズガイド
VisiBroker Version 5 Borland (R) Enterprise Server VisiBroker (R) デベロッパーズガイドBorland Enterprise Server VisiBroker デベロッパーズガイド
JP1 Version 8 JP1/ServerConductor/Deployment ManagerJP1/ServerConductor/Deployment Manager
高信頼化システム HAモニタ AIX(R)編HAモニタ
高信頼化システム HAモニタ HP-UX編
高信頼化システム HAモニタ Linux(R)編

読書手順

このマニュアルは,利用目的に合わせて直接章を選択して読むことができます。利用目的別に次の流れに従ってお読みいただくことをお勧めします。

[図データ]

このマニュアルでの表記

このマニュアルでは,製品名称および名称を次に示す略称で表記します。

略称製品名称および名称
AIXAIX 5L V5.2,またはAIX 5L V5.3
HP-UXHP-UX 11i,またはHP-UX 11i V2(PA-RISC)
HP-UX(IPF)HP-UX 11i V2,またはHP-UX 11i V3(IPF)
IPFItanium(R) Processor Family
JavaJavaTM
LinuxRed Hat Enterprise Linux AS 3,Red Hat Enterprise Linux AS 4,Red Hat Enterprise Linux ES 3,またはRed Hat Enterprise Linux ES 4
Linux(AS3)Red Hat Enterprise Linux AS 3
SolarisSolaris 8,Solaris 9,またはSolaris 10
VisiBrokerBorland(R) Enterprise Server VisiBroker(R)
Windows Server 2003Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003, Standard Edition,またはMicrosoft(R) Windows Server(TM) 2003, Enterprise Edition
Windows XPMicrosoft(R) Windows(R) XP Home Edition Operating System,またはMicrosoft(R) Windows(R) XP Professional Operating System
Windows VistaMicrosoft(R) Windows Vista(TM) Business,Microsoft(R) Windows Vista(TM) Enterprise,またはMicrosoft(R) Windows Vista(TM) Ultimate

Windows Server 2003,Windows XP,およびWindows Vistaで機能差がない場合,Windowsと表記しています。

また,下記に示すプログラムプロダクトで仕様差がない場合,TPBrokerと表記しています。

また,ご使用になるプログラミング言語またはOSによって説明が異なる場合,次の記号を使用しています。

記号意味
(C++ ORB)C++言語,またはTPBrokerで提供するC++インタフェースを使用するORB機能に該当
(Cosminexus TPBroker)Cosminexus TPBrokerに該当
(Java ORB)Java言語,またはTPBrokerで提供するJavaインタフェースを使用するORB機能に該当
(UNIX)すべてのUNIXプラットフォームに該当
(Windows)Windowsに該当

なお,環境変数の設定を説明する文中で,WindowsとUNIXの両方が考えられる場合,UNIXの表記を示し,その後ろにWindowsの表記を( )で囲んでいます。

例 ${VBROKER_ADM}/../logj(%VBROKER_ADM%¥..¥logj)

 

このマニュアルで使用する英略語の一覧を示します。

英略語英字での表記
ADMAdministration
APIApplication Programming Interface
CORBACommon Object Request Broker Architecture
CPUCentral Processing Unit
CTMCosminexus Component Transaction Monitor
DBDatabase
DBMSDatabase Management System
DHCPDynamic Host Configuration Protocol
DLLDynamic Linking Library
DNSDomain Name System
DTPDistributed Transaction Processing
EBEnterprise Bean
EJBEnterprise JavaBeansTM
ESEmbedded System
FIFOFirst-In First-Out
GIOPGeneral Inter - ORB Protocol
GUIGraphical User Interface
HACMPHigh Availability Clustering Multi-Processing
IDIdentification
IDLInterface Definition Language
IIOPInternet Inter-ORB Protocol
IORInteroperable Object Reference
IPInternet Protocol
J2EEJava 2 Enterprise Edition
JSPJava Server Pages
LANLocal Area Network
LIOPLocal Inter-ORB Protocol
MSDNMicrosoft Developer Network
OADObject Activation Daemon
OMGObject Management Group
ORBObject Request Broker
OSOperating System
OTSObject Transaction Service
OTSCRMObject Transaction Service Communication Resource Manager
PIDProcess Identification
POAPortable Object Adapter
QoSQuality of Service
RMReliable Messaging
RMIJava Remote Method Invocation
SDKSoftware Development Kit
SQLStructured Query Language
TCPTransmission Control Protocol
TCSTransaction Context Server
UAPUser Application Program
UDPUser Datagram Protocol
UTCUniversal Time Coordinated
UTFUCS Transformation Format
VMVirtual Machine

図中で使用する記号

このマニュアルの図中で使用する記号を,次のように定義します。

[図データ]

文法の記号

このマニュアルで使用する記号の意味を示します。

ただし,C++言語およびJava言語のインタフェースやコーディング例の説明は,それぞれの言語の文法規則に従います。これらの記号の意味は適用されません。

文法記述記号意味
|この記号で区切られた項目を選択できることを表します。
(例)admstop -f 1|2
これは,-fオプションに1か2のどちらかを指定できることを表します。
{ }この記号で囲まれている複数の項目のうちから一つを選択することを表します。
(例){-t|-T トランザクショングローバル識別子}
これは,-tと-T トランザクショングローバル識別子のうち,どちらかを指定することを表します。
...この記号で示す直前の項目を繰り返し指定できることを表します。
(例)tslsrm -o ファイル名 [,ファイル名]...
これは,-oオプションのファイル名を繰り返し指定できることを表します。
この記号のあとにユーザ指定値の属性を表します。
<< >>ユーザが指定を省略したときの省略値を表します。
< >ユーザ指定値の構文要素を表します。
(( ))ユーザ指定値の指定範囲を表します。
<英数字>英字と数字(0~9)で指定することを表します。
<文字列>任意の文字の配列で指定することを表します。
<パス名>記号名称,¥,/,および.(ピリオド)で指定することを表します。
ただし,パス名は使用するOSに依存します。

常用漢字以外の漢字の使用について

このマニュアルでは,常用漢字を使用することを基本としていますが,次に示す用語については,常用漢字以外の漢字を使用しています。

宛先(あてさき) 個所(かしょ) 汎用(はんよう) 必須(ひっす)

KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。