付録C.4 この設計例で想定するシステム要件
ここでは,想定したシステム要件の場合の設計例を示します。
アプリケーション呼び出しのスループットの目標の決定
アプリケーション呼び出しサービスの性能チューニングの目標を設定します。
ここでは,「1時間当たり50,000件の案件が投入される環境で,アプリケーション呼び出し対象の作業が増え続けないこと(作業の遷移が停滞しないこと)」を目標に設定したと想定します。
性能チューニング対象の環境の決定
単位時間当たりの案件投入数やJ2EEサーバの数など,この例で想定するシステム要件を次の表に示します。
項番 |
項目 |
値 |
---|---|---|
1 |
単位時間当たりの案件の投入数 |
|
2 |
1案件がシンクに達するまでに作成される呼び出し対象の作業数の平均値 |
10(単位:件) |
3 |
RESTアプリケーションの平均応答時間 |
0.4(単位:秒) |
4 |
CSCIWの平均処理時間※ |
0.1(単位:秒) |
5 |
J2EEサーバの数 |
1 |
6 |
ref識別子の数 |
200 |
- 注※
-
アプリケーション呼び出しサービスは一件の作業を呼び出すごとに,アプリケーション呼び出しサービスのトレースファイルに次の内容を出力します。
行番号 yyyy/mm/dd hh:mm:ss.sss tid message(LANG=ja) 1 2019/06/03 09:55:13.601 … 67D96C9E … mark KDIW63604-I The application call … … 2 2019/06/03 09:55:13.602 … 67D96C9E … call Client#method() 3 2019/06/03 09:55:13.635 … 67D96C9E … return Client#method() … 4 2019/06/03 09:55:13.636 … 67D96C9E … mark call-application success. …
「CSCIWの平均処理時間」は,行番号「1」から行番号「4」で掛かった時間から,行番号「2」から行番号「3」で掛かった時間を差し引くことで算出できます。なお,行番号「2」から行番号「3」に掛かった時間は,RESTアプリケーションの応答時間です。