2.4.1 データ条件による案件遷移の制御
- 〈この項の構成〉
(1) データ条件とは
データ条件とは,分岐ノードでの案件の流れを規定したり,業務ステップや作業の発生・完了を制御したりするための条件のことです。案件の実行時には,データ条件の内容に基づいて,業務データが格納されているデータベース(業務データベース)などが参照され,データ条件が評価されます。この評価結果によって,案件の流れおよび業務ステップや作業の状態が制御されます。
データ条件は,「分岐ノードの分岐条件」,「業務ステップの完了条件」および「作業の発生条件と完了条件」として設定できます。
データ条件による案件制御の概念を次の図に示します。
(2) データ条件による案件制御の例
データ条件による案件制御の例を次に説明します。
- ●分岐
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分岐ノードの分岐条件としてデータ条件を設定できます。案件が分岐ノードに到達した時点でデータ条件が評価され,案件の分岐先を決定します。
例として,「見積もり金額が10,000円以下なら業務ステップAに,10,001円以上なら業務ステップBに遷移する」という運用が考えられます。
- ●業務ステップの完了
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業務ステップの完了条件としてデータ条件を設定できます。業務ステップ内の各作業の完了時や業務プログラムからの評価要求時にデータ条件が評価され,条件が満たされていれば業務ステップが完了します。
例として,「承認日に日付が入力されていれば,該当する業務ステップ内の作業がすべて完了していなくても業務ステップを完了する」という運用が考えられます。
- ●作業の発生
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作業の発生条件としてデータ条件を設定できます。業務ステップの開始時,業務ステップ内にある,ほかの作業の完了時または業務プログラムからの評価要求時にデータ条件が評価され,条件が満たされていれば作業が発生します。
例として,「作成日に日付が入力されていたら,審査作業を発生させる」という運用が考えられます。
- ●作業の完了
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作業の完了条件としてデータ条件を設定できます。作業の発生時や業務プログラムからの評価要求時にデータ条件が評価され,条件が満たされていれば作業が完了します。
例として,「見積書の審査日に日付が入力されていたら,審査作業を完了する」という運用が考えられます。