7.4.2 リクエストトレース

HCSCサーバのメッセージング基盤では,次の内容をリクエストトレースとして取得できます。

リクエストトレースは,リクエストの障害要因の解析に使用します。

<この項の構成>
(1) リクエストトレースの出力形式と出力される内容
(2) リクエストトレースの取得ポイント
(3) リクエストトレースの取得方法
(4) リクエストトレースの出力先

(1) リクエストトレースの出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

リクエストトレースの出力形式を次の図に示します。

図7-7 リクエストトレースの出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

リクエストトレースに出力される内容を次の表に示します。

表7-17 リクエストトレースに出力される内容

項目内容
番号トレースレコードの出力通番が表示されます。
日付トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。
製品ID製品を特定するための識別子メッセージング基盤を示す「CSCMSG」が出力されます。
pidプロセスを識別するためのIDが出力されます。
tidスレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID表示されません。
メッセージ共通IDリクエスト識別情報(親ID)が出力されます。
サービスリクエストIDリクエスト識別情報(子ID)が出力されます。
取得ポイント識別情報取得位置トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
  • RCP:標準受付
  • URCP:ユーザ定義受付
  • SVSND:サーバ間転送(送信)
  • SVRCV:サーバ間転送(受信)
  • BPRCP:ビジネスプロセスリクエスト受付
  • BPREQ:ビジネスプロセス呼び出し
  • SVC:サービス部品呼び出し(アダプタ内)
  • SVCGP:サービスグループ呼び出し
プロトコル種別トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。ただし,取得位置がBPRCP,BPREQ,またはSVCGPの場合は,表示されません。
  • SOAP:SOAP
  • EJB:EJB(RMI-IIOP)
  • WSR:MDB(非同期メッセージング)
  • DBQ:MDB(非同期メッセージング)
  • CUSTM:カスタムアダプタ
詳細位置トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
  • IN:受付
  • OUT:応答
  • CAL:呼び出し(他コンポーネント)
  • RET:応答受信(他コンポーネント)
  • WRN:例外
名称トレースの取得ポイント情報(名称)が出力されます。
  • サーバ名
  • サービスアダプタのサービスID
  • ビジネスプロセスのサービスID
  • サービスグループ名
アダプタ種別トレースの取得ポイント情報(アダプタ種別)が出力されます。ただし,名称がサーバ名またはサービスグループ名の場合は表示されません。
  • SVA:サービスアダプタ
  • BP :ビジネスプロセス
結果応答結果種別が出力されます。ただし,詳細位置がINまたはCALの場合は,表示されません。
  • 正常終了:NORMAL
  • 異常終了:ERROR
付加情報応答結果の付加情報が出力されます。
CRLFレコード終端符号が出力されます。

(2) リクエストトレースの取得ポイント

リクエストトレースの取得ポイントには,次に示す場合があり,それぞれで取得ポイントが異なります。

(a) 単体サービス実行時

単体サービス実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-8 リクエストトレースの取得ポイント(単体サービス実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,図7-8中の番号と対応しています。

表7-18 リクエストトレース取得ポイント(単体サービス実行時)

図中の番号トレース取得ポイント
1標準受付(Webサービス)の入口
2標準受付(Webサービス)の出口
1標準受付(SessionBean)の入口
2標準受付(SessionBean)の出口
1標準受付(MDB(WS-R))の入口
2標準受付(MDB(WS-R))の出口
1標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2標準受付(MDB(DBキュー))の出口
3サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品呼び出し口
4サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品応答受信口
3サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品呼び出し口
4サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品応答受信口
3サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品呼び出し口
4サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品応答受信口
3サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品呼び出し口
4サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品応答受信口
3サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口
4サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口
(b) ビジネスプロセスサービス実行時

ビジネスプロセスサービス実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-9 リクエストトレースの取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,図7-9中の番号と対応しています。

表7-19 リクエストトレース取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

図中の番号トレース取得ポイント
1標準受付(Webサービス)の入口
2標準受付(Webサービス)の出口
1標準受付(SessionBean)の入口
2標準受付(SessionBean)の出口
1標準受付(MDB(WS-R))の入口
2標準受付(MDB(WS-R))の出口
1標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2標準受付(MDB(DBキュー))の出口
7サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品呼び出し口
8サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品応答受信口
7サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品呼び出し口
8サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品応答受信口
7サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品呼び出し口
8サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品応答受信口
7サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品呼び出し口
8サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品応答受信口
7サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口
8サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口
3ビジネスプロセスサービスの呼び出し口
4ビジネスプロセスサービスの応答受信口
5ビジネスプロセス受付の入口
6ビジネスプロセス受付の出口

(3) リクエストトレースの取得方法

リクエストトレースを取得するには設定が必要です。詳細については「7.3.1 Cosminexus サービスプラットフォームが出力するログやトレースの取得方法」を参照してください。

(4) リクエストトレースの出力先

リクエストトレースの出力先およびトレースファイル名を次の表に示します。

表7-20 リクエストトレースの出力先およびファイル名

トレースファイルの出力先パストレースファイル名
HCSCサーバランタイム定義ファイルのrequesttrace-filepathプロパティで指定したパスcscmsgreq_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

なお,指定したパスが存在しない場合,またはパスが誤っていた場合は,省略値の出力先にトレースが出力されます。