7.5.4 HCSCコンポーネントの配備および削除時の回復方法

サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付の配備に失敗後,再配備ができない,またはサービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付の削除を繰り返しても削除が完了しない場合は,次のように対処してください。

  1. csccompoundeployコマンドに-ignoreオプションを指定して実行し,リポジトリ情報を削除します。

    csccompoundeploy -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -ignore

    リポジトリ情報を削除後に,アプリケーションの削除が必要な場合は,手順2.~手順5.を実行してください。アプリケーションの削除が不要な場合は,手順5.を実行してください。
  2. 次のコマンドを実行して,削除の対象となるHCSCのアプリケーションの名称を確認します。

    cscapputil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Cosminexus Manager名称> -j2ee <J2EEサーバ名> -operation list

    削除の対象となるHCSCのアプリケーションを次に示します。

    表7-37 削除の対象となるHCSCのアプリケーション(HCSCコンポーネントの配備および削除の障害時)

    項目アプリケーション名共有
    HCSCコンポーネント(サービスアダプタおよびビジネスプロセス)のアプリケーション<サービスID>×
    HCSCコンポーネント(ユーザ定義受付)のアプリケーション<受付ID>×
    (凡例)
    ×:リソースをクラスタ内で共有しないことを示します。

  3. 次のコマンドを実行して,削除の対象となるHCSCコンポーネントを停止します。

    cscapputil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Cosminexus Manager名称> -j2ee <J2EEサーバ名> -app <アプリケーション名> -operation stop

  4. 次のコマンドを実行して,HCSCコンポーネントを削除します。

    cscapputil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Cosminexus Manager名称> -j2ee <J2EEサーバ名> -app <アプリケーション名> -operation delete

  5. 削除できないリソース(キュー)がある場合,表7-38を参考に削除します。
    ただし,クラスタ内で共有するリソースについては,クラスタ内で最後のサービスアダプタまたはビジネスプロセスを削除する場合にだけ削除してください。
  6. HCSCサーバを再起動します。

    表7-38 HCSCサーバ(サービスアダプタ,ビジネスプロセス)が使用するリソース

    項番項目リソース名種別共有
    1データベーステーブルCSCMSG_S<HCSCサーバ名>_LC_DIRECTORYテーブルのSERVICE_NAMEの列に,次のどれかが格納された行
    • 削除対象のサービスアダプタのサービス名
    • 削除対象のビジネスプロセス名
    • 削除対象のユーザ定義受付は次の形式
      :Reception_<削除対象のユーザ定義受付の受付ID>:<削除対象のユーザ定義受付の受付名>
    T×
    2アダプタのキューCSC_<クラスタ名><サービスID>Q
    3MDB(WS-R)アダプタのキューあて先CSC<サービスID>U
    4HCSCサーバ一時ファイルUserReceptionProperties_<HCSCサーバ名>_<受付ID>F×
    5UserReceptionProperties_<HCSCサーバ名>_<受付ID>.oldF×
    6UserReceptionPropertiesAct_<HCSCサーバ名>_<受付ID>.oldF×
    7_cscmsg_cnfrq_<HCSCサーバ名>_<受付ID>.xmlF×
    8IAdapterNameF2×
    9IServiceKindF2×
    10IServiceNameF2×
    11R<数字>※1F2×
    (凡例)
    T:データベーステーブルであることを示します。※2
    Q:Cosminexus RMのキューであることを示します。※3
    U:Cosminexus RMの転送キューに設定するあて先であることを示します。※4
    F:HCSCサーバ一時ファイルであることを示します。※5
    F2:HCSCサーバ一時ファイルであることを示します。※6
    ○:リソースをクラスタ内で共有することを示します。
    ×:リソースをクラスタ内で共有しないことを示します。
    注※1 ファイル内のSERVICE_NAMEの行に,次のどれかが格納されたファイルです。
     ・削除対象のサービスアダプタのサービス名
     ・削除対象のビジネスプロセス名
     ・削除対象のユーザ定義受付は次の形式
      :Reception_<削除対象のユーザ定義受付の受付ID>:<削除対象のユーザ定義受付の受付名>
    注※2 データベーステーブルの行は,SQL命令のDELETEを実行して一行ずつ削除してください。
    注※3 Cosminexus RMのキューは,hrmstopコマンドを実行して管理状態へ移行したあと,hrmdelqueコマンドを実行して削除してください。詳細は,マニュアル「Cosminexus Reliable Messaging」を参照してください。
    注※4 Cosminexus RMの転送キューに設定するあて先は,hrmstopコマンドを実行して管理状態へ移行したあと,hrmdeladdrコマンドを実行して削除してください。詳細は,マニュアル「Cosminexus Reliable Messaging」を参照してください。
    注※5 ファイルを削除したい場合は,「<Cosminexusインストールディレクトリ>CSC¥system¥msg」にあるファイルを削除してください。
    注※6 ファイルを削除したい場合は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルのhcscserver-data-filepathプロパティに指定した,「<hcscserver-data-filepathで指定したディレクトリ>¥inf¥LC_DIRECTORY」ディレクトリにあるリソース(ファイル)を削除してください。hcscserver-data-filepathプロパティにディレクトリを指定していない場合は,「<hcscserver-data-filepathのデフォルトのディレクトリ>¥inf¥LC_DIRECTORY」ディレクトリにあるリソース(ファイル)を削除してください。

    注意
    • J2EEサーバ上のHCSCコンポーネントを削除する場合には,cscapputilコマンドを使用します。CosminexusのJ2EEサーバのコマンドでは削除できません。
    • cscapputilコマンドは,障害を回復する場合にだけ使用してください。通常運用時や構築時には,このコマンドを使用しないでください。
    • cscapputilコマンドで,アプリケーションを削除した場合,サービスプラットフォームのシステムを破壊するおそれがあります。そのため,十分に注意して運用してください。