付録C.1 サンプルプログラムを動かしてみましょう

サンプルプログラムとして,次の3種類を用意しています。

注※ 詳細については,「付録C.2 サンプルプログラムを構成している要素」を参照してください。

最初に,最も基本的なHelloServiceAdapterサンプルプログラムを動かして,イメージをつかんでみましょう。

<この項の構成>
(1) サンプルプログラムを動かすための準備
(2) サンプルプログラムを動かしてみましょう
(3) プロジェクトを削除しましょう

(1) サンプルプログラムを動かすための準備

サンプルプログラムを動かすには,Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境(uCosminexus Service Architect)が必要です。Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境を使用するための動作環境,およびセットアップについては,「1.4 動作環境」,および「2.1 開発環境を使用するためのセットアップ」を参照してください。

サンプルプログラムを動かすための手順を次の図に示します。

図C-1 サンプルプログラムを動かすための手順

[図データ]

(a) テスト環境を構築します

テスト環境を構築するには,HCSC簡易セットアップ機能を使います。

<手順>

  1. 次のパスを環境変数PATHに追加します。
    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CSC¥bin¥
  2. コマンドプロンプトで次のコマンドを実行し,簡易構築画面を表示させます。
    csceasysetup.bat
  3. [セットアップ]ボタンをクリックします。
    テスト環境のセットアップが開始されます。セットアップの状況は,簡易構築画面のコンソールに表示されます。コンソールに「簡易構築機能のセットアップを終了します」と表示されたら,テスト環境は正常にセットアップされています。
    テスト環境のセットアップが異常終了した場合の手順については,「2.4.2(1) テスト環境のセットアップ」を参照してください。
  4. コマンドプロンプトを表示します。
  5. 次のコマンドを入力して,テスト環境の組み込みデータベースを起動します。
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CSC¥DB¥bats¥cddbstart.bat
    参考
    このコマンドを入力した場合,「KFPS01853-W Hostname=<ホスト名>, unable to execute pdstart command, unit state not OFFLINE」というメッセージが出力される場合があります。これは,同じマシンで二回目以降にサンプルプログラムを動かした場合に,すでに組み込みデータベースが起動されているために出力されるメッセージです。そのため,このメッセージが出力されても問題ありません。
  6. 次のコマンドを入力して,テスト環境のCosminexus Performance Tracer,J2EEサーバ,およびHCSCサーバを起動します。
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CSC¥bin¥cscsvstart.bat -system
(b) MyEclipseを設定します

MyEclipseの設定では,ライブラリーパスの設定,およびJ2EEサーバの選択を実施します。

<手順>

  1. メニューから[ウィンドウ]-[設定]を選択します。
  2. ツリービューから[MyEclipse]-[Java エンタープライズ・プロジェクト]-[ライブラリー・セット]を選択し,[J2EE 1.4]タブを選択します。
  3. [JAR/ZIPの追加]ボタンをクリックします。
  4. <Cosminexusインストールディレクトリ>¥c4web¥libを開いて,配下の「hitjaxrpc.jar」と「hitc4web.jar」を追加します。

    [図データ]

  5. MyEclipseを再起動します。

 

<手順>

  1. メニューから[ウィンドウ]-[設定]を選択します。
  2. ツリービューから[MyEclipse]-[アプリケーション・サーバー]-[Cosminexus 7]を選択します。
  3. Cosminexusサーバを選択し,[ログイン]ボタンをクリックします。
    ログイン画面が表示されます。
  4. [管理ユーザーID]に「admin」を,[パスワード]に「admin」を入力して,[OK]ボタンをクリックします。
  5. [Cosminexus サーバー]ツリービューで,使用するJ2EEサーバ(MyServer)のチェックをオンにして,[OK]ボタンをクリックします。

    [図データ]

(c) MyEclipseプロジェクトをインポートします

MyEclipseプロジェクトは,サンプルプログラムごとにインポートします。ここでは,サンプルプログラム(HelloServiceAdapterサンプルプログラム)の例で説明しています。

<手順>

  1. MyEclipseを起動して,メニューから[ウィンドウ]-[パースペクティブを開く]-[MyEclipse Java エンタープライズ開発]選択します。
  2. [OK]ボタンをクリックします。
    [MyEclipse Java エンタープライズ開発]パースペクティブが表示されます。
  3. メニューから[ファイル]-[インポート]を選択します。

    [図データ]

    インポート画面が表示されます。
  4. [一般]-[既存プロジェクトをワークスペースへ]を選択します。

    [図データ]

  5. [次へ]ボタンをクリックします。
  6. [ルートディレクトリの選択]を選択し,[参照]ボタンをクリックして,サンプルプログラムが格納されているディレクトリ(<Cosminexusインストールディレクトリ>¥CSCTE¥Samples¥HelloServiceAdapter)を選択します。
    プロジェクト一覧が表示されます。
  7. すべてのプロジェクトにチェックが入っていることを確認して,[終了]ボタンをクリックします。

    [図データ]

    パースペクティブにプロジェクトがインポートされます。
(d) Webプロジェクトをデプロイします

Webプロジェクトは,サンプルプログラムごとにデプロイします。ここでは,サンプルプログラム(HelloServiceAdapterサンプルプログラム)の例で説明しています。

<手順>

  1. メニューから[ウィンドウ]-[パースペクティブを開く]を選択し,[HCSC-Manager]を選択します。
  2. [OK]ボタンをクリックします。
    [HCSC-Manager]パースペクティブが表示されます。
  3. [HCSC-Manager]ビューから[HCSC-Manager]を選択し,右クリックして,[ログイン]を選択します。
    ログイン画面が表示されます。
  4. [ユーザID]に「admin」を,[パスワード]に「admin」を入力し,[OK]ボタンをクリックします。
  5. ツリービューの[Mycsc[localhost]]をダブルクリックします。
    [MyCSC]の基本情報ページが表示されます。
  6. [稼働運用]タブをクリックします。
    稼働運用ページが表示されます。
  7. HCSCサーバの[稼働状態]が[停止状態]の場合,[起動]ボタンをクリックします。
    HCSCサーバが起動します。
  8. [HCSC-Manager]ビューから[HCSC-Manager]を選択し,右クリックして,[ログアウト]を選択します。
  9. メニューから[ウィンドウ]-[パースペクティブを開く]を選択し,[Cosminexus Server Plug-in]を選択します。
  10. [OK]ボタンをクリックします。
    [Cosminexus Server Plug-in]パースペクティブが表示されます。
  11. [サーバー・エクスプローラー]ビューから[localhost]を選択し,右クリックして,[ログイン]を選択します。
    ログイン画面が表示されます。
  12. [管理ユーザーID]に「admin」を,[パスワード]に「admin」を入力し,[OK]ボタンをクリックします。
  13. [サーバー・エクスプローラー]ビューから[MyServer]を選択し,右クリックして,[停止]を選択します。

    [図データ]

  14. メニューから[ウィンドウ]-[パースペクティブを開く]を選択し,[MyEclipse Java エンタープライズ開発]を選択します。
  15. [OK]ボタンをクリックします。
    [MyEclipse Java エンタープライズ開発]パースペクティブが表示されます。
  16. [サーバー]ビューから[Cosminexus 7]サーバを選択し,右クリックして[実行モードで開始]を選択します。
    Cosminexus 7サーバが表示されていない場合は,「(b) MyEclipseを設定します」の「J2EEサーバの選択」を参照してください。

    [図データ]

    ログイン画面が表示されます。
  17. [管理ユーザーID]に「admin」を,[パスワード]に「admin」を入力し,[OK]ボタンをクリックします。
    Cosminexusサーバが起動します。
  18. [サーバー]ビューから[Cosminexus 7]サーバを選択し,右クリックして[デプロイメント管理]を選択します。
    [サーバー・デプロイメント]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  19. [追加]ボタンをクリックします。
    [新規デプロイメント]ダイアログが表示されます。
  20. プロジェクトのドロップダウンリストから,[HelloClient]を選択し,[展開ディレクトリー形式]を選択して,[終了]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  21. 同様に,プロジェクトのドロップダウンリストから,[HelloService]を選択し,[展開ディレクトリー形式]を選択して,[終了]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  22. [デプロイメントの状態]に「正常にデプロイされました」と表示されていることを確認し,[OK]ボタンをクリックします。
  23. [サーバー]ビューの[Cosminexus 7]の配下に[HelloClient]と[HelloService]プロジェクトが存在することを確認します。
(e) HCSCサーバへ定義内容を配備します

定義内容は,サンプルプログラムごとにHCSCサーバへ配備します。配備する内容は,サンプルプログラムごとに異なります。ここでは,サンプルプログラム(HelloServiceAdapterサンプルプログラム)の例で説明しています。

<手順>

  1. 次のパスを環境変数PATHに追加します。
    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CSC¥bin
  2. HCSC-Managerの画面をログアウトしていることを確認します。
    ログアウトしない場合は,エラーになることがあります。
  3. コマンドプロンプトを起動します。
  4. HCSC-Managerのコマンドを入力して,リポジトリをインポートします。
    cscrepctl -user admin -pass admin -import <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CSCTE¥Samples¥HelloServiceAdapter¥Repository¥HelloServiceAdapter.zip
    なお,ほかのサンプルプログラムのリポジトリは,次のところにあります。
    • HelloBusinessProcessサンプルプログラム
      <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CSCTE¥Samples¥HelloServiceBusinessProcess¥Repository¥HelloBusinessProcess.zip
    • 商品手配サンプルプログラム
      <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CSCTE¥Samples¥商品手配¥Repository¥商品手配.zip
  5. 次のコマンドを入力して,HCSCサーバにHCSCコンポーネントを配備します。
    csccompodeploy -user admin -pass admin -csc MyCSC -all
  6. 次のコマンドを入力して,HCSCコンポーネントを起動します。
    csccompostart -user admin -pass admin -csc MyCSC -all
  7. 次のコマンドを入力して,標準受付を開始します。
    cscrcptnstart -user admin -pass admin -csc MyCSC
  8. メニューから[ウィンドウ]-[ビューの表示]を選択し,[HCSC-Managerビュー]を選択します。
  9. [OK]ボタンをクリックします。
    [HCSC-Manager]ビューが表示されます。
  10. [HCSC-Manager]を右クリックして,[ログイン]を選択します。
    ログイン画面が表示されます。
  11. [管理ユーザーID]に「admin」を,[パスワード]に「admin」を入力して,[OK]ボタンをクリックします。
  12. [Helloサービスアダプタ]が起動していることと,標準受付が開始されていることを確認してログアウトします。

    [図データ]

これで,サンプルプログラムを動かすための準備ができました。

(2) サンプルプログラムを動かしてみましょう

それぞれのサンプルプログラムを動かしてみましょう。

(a) HelloServiceAdapterを動かしてみましょう

<手順>

  1. ブラウザから次に示すURLを入力し,画面を開きます。
    http://localhost/HelloClientWeb/index.html
  2. 適当な文字列を入力して,[送信]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  3. 次のように表示されます。
    • 正常に応答した場合
      入力した文字列に,文字列が追加され「Hello△<入力文字列>△from△Web△Service」(△は半角空白)と表示されます。

      [図データ]

    • エラーが発生した場合
      Helloサービスアダプタが起動していない場合,エラーの内容が表示されます。

      [図データ]

(b) HelloBusinessProcessサンプルプログラムを動かしてみましょう

<手順>

  1. ブラウザから次に示すURLを入力し,画面を開きます。
    http://localhost/HelloClientWeb/index.html
  2. 適当な文字列を入力して,[送信]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  3. 次のように表示されます。
    • 正常に応答した場合
      入力した文字列に,文字列が追加され「Hello△<入力文字列>△from△Web△Service△and△Business△Process」(△は半角空白)と表示されます。

      [図データ]

    • エラーが発生した場合
      Helloビジネスプロセスが起動していない場合,エラーの内容が表示されます。

      [図データ]

(c) 商品手配サンプルプログラムを動かしてみましょう

<手順>

  1. ブラウザから次に示すURLを入力し,画面を開きます。
    http://localhost/ArrangementClientWeb/index.html
  2. 商品名と個数を選択して,[手配]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  3. 次のように表示されます。
    • 正常に応答した(手配が完了した)場合
      手配した商品の商品名,個数,および配送番号が表示されます。

      [図データ]

    • 正常に応答した(在庫がない)場合
      選択した商品名の個数,および在庫がないことが表示されます。

      [図データ]

    • エラーが発生した場合
      サービスが起動していない場合,エラーの内容が表示されます。

      [図データ]

      参考
      商品手配サンプルプログラムでは,各商品の在庫数は10個です。手配が完了するたびに,在庫数から手配が完了した分が減っていきます。そのため,在庫がなくなった場合に,在庫数を元に戻すためには,Cosminexusサーバの再起動,またはJ2EEプロジェクトのリデプロイのどちらかを実施します。Cosminexusサーバの再起動,またはJ2EEプロジェクトのリデプロイの方法を次に示します。
      Cosminexusサーバの再起動方法
      1. [MyEclipse Java エンタープライズ開発]のパースペクティブを開きます。
      2. [サーバー]ビューから[Cosminexus 7]サーバを右クリックして,[リスタート]を選択します。
      J2EEプロジェクトのリデプロイ方法
      1. [MyEclipse Java エンタープライズ開発]のパースペクティブを開きます。
      2. [サーバー]ビューの[Cosminexus 7]の配下にあるプロジェクトを右クリックして,[リデプロイ]を選択します。

(3) プロジェクトを削除しましょう

サンプルプログラムを動かして確認できたら,プロジェクトを削除しましょう。削除するプロジェクトは,サンプルプログラムごとに異なります。ここでは,サンプルプログラム(HelloServiceAdapterサンプルプログラム)の例で説明しています。

<手順>

  1. コマンドプロンプトを開きます。
  2. 受付を停止します。
    cscrcptnstop -user admin -pass admin -csc MyCSC
  3. HCSCコンポーネントを停止します。
    csccompostop -user admin -pass admin -csc MyCSC -all
  4. HCSCサーバへ配備したHCSCコンポーネントを削除します。
    csccompoundeploy -user admin -pass admin -csc MyCSC -all
    • 参考
      HCSCサーバへ配備したHCSCコンポーネントをすべて削除した場合でも,HCSC-Managerの画面には,HCSCコンポーネントが表示されます。この場合は,ほかのHCSCコンポーネントを配備すると削除されるため,問題ありません。
  5. メニューから[ウィンドウ]-[パースペクティブを開く]を選択し,[MyEclipse Java エンタープライズ開発]を選択します。
  6. [OK]ボタンをクリックします。
    [MyEclipse Java エンタープライズ開発]パースペクティブが表示されます。
  7. [サーバー]ビューを開き,[Cosminexus 7]を選択し右クリックして,[デプロイメント管理]を選択します。
    [サーバー・デプロイメント]ダイアログが表示されます。
  8. [HelloClient]プロジェクトを選択して[除去]ボタンをクリックします。
  9. 同様に,[HelloService]プロジェクトを選択して[除去]ボタンをクリックします。
  10. [MyEclipse Java エンタープライズ開発]パースペクティブのビューから次の四つのプロジェクトを選択し,右クリックして削除します。
    • HelloClient
    • HelloClientWeb
    • HelloService
    • HelloServiceWeb

サンプルプログラムをすべて削除したあとに,ほかのサンプルプログラムを動かす場合は,MyEclipseプロジェクトのインポートから始めてください。詳細は,「付録C.1(1)(c) MyEclipseプロジェクトをインポートします」を参照してください。