2.4.3 HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境の運用

HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境の運用方法,および運用に必要な情報について説明します。

<この項の構成>
(1) テスト環境の起動と停止
(2) テスト環境の運用に必要な情報
(3) 障害対策

(1) テスト環境の起動と停止

テスト環境の起動および停止方法について,次の表に示します。

表2-3 テスト環境の起動および停止方法

起動・停止の対象起動・停止方法
組み込みデータベースコマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
起動する場合:

<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CSC¥DB¥bats¥cddbstart.bat

停止する場合:

<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CSC¥DB¥bats¥cddbstop.bat

 
組み込みデータベースの起動・停止方法および運用方法の詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーション開発ガイド」を参照してください。
組み込みデータベースのサービステスト環境のマシンを起動または停止すると,自動的に起動または停止されます。
  • Management Server
  • 運用管理エージェント
テスト環境のマシンを起動すると,自動的に起動されます。また,テスト環境のマシンを停止すると,自動的に停止されます。
  • Cosminexus Performance Tracer
  • J2EEサーバ
  • HCSCサーバ
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
起動する場合:

<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CSC¥bin¥cscsvstart.bat -system

停止する場合:

<Cosminexusインストールディレクトリ>¥CSC¥bin¥cscsvstop.bat -system

Cosminexus Performance Tracer,およびJ2EEサーバの起動・停止方法および運用方法の詳細は,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。
HCSCサーバの起動・停止方法および運用方法の詳細は,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」を参照してください。
注※
HCSC簡易セットアップ画面で[標準モデル]を選択した場合だけ実施します。

(2) テスト環境の運用に必要な情報

HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップした場合,必要な情報は自動的に設定されます。テスト環境を使ってテストおよびデバッグを行うには,HCSC簡易セットアップ機能でテスト環境をセットアップする際に設定される情報を知っておく必要があります。

HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境に設定される情報を,次に説明します。

ポイント
HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境に設定される情報は,テスト環境のセットアップ後にカスタマイズできます。カスタマイズの方法については,「2.4.4 テスト環境のカスタマイズ」を参照してください。
(a) ユーザIDおよびパスワードの情報

HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境に設定されるユーザIDおよびパスワードの情報を次の表に示します。

表2-4 テスト環境に設定されるユーザIDおよびパスワード

設定先設定されるユーザIDまたはパスワード初期値説明
組み込みデータベース※1ユーザIDadminテーブル所有者の認可識別子(環境変数のUSRID)。
パスワードadminテーブル所有者のパスワード(環境変数のPSWD)。
Management Server管理ユーザIDadminManagement Serverにログインするための管理ユーザID(cmx_build_system -changeコマンド※2などで使用)。
パスワードadminManagement Serverにログインするためのパスワード(cmx_build_system -changeコマンド※2などで使用)。
HCSC-ManagerHCSC-ManagerログインユーザIDadminHCSC-ManagerにログインするためのユーザID(cscsvstartコマンド※3などで使用)。
HCSC-ManagerログインパスワードadminHCSC-Managerにログインするためのパスワード(cscsvstartコマンド※3などで使用)。
HCSCサーバHCSCサーバが使用するデータベースのユーザIDadminHCSCサーバが使用するデータベースのユーザID(csmlslocationコマンド※3などで使用)。
HCSCサーバが使用するデータベースのパスワードadminHCSCサーバが使用するデータベースのパスワード(csmlslocationコマンド※3などで使用)。
注※1
HCSC簡易セットアップ画面で[標準モデル]を選択した場合だけ設定されます。
注※2
このコマンドについては,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
注※3
これらのコマンドについては,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」を参照してください。

(b) ポート番号の情報

HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境には,次に示すポート番号が設定されます。ポート番号は,HCSC簡易セットアップ画面で任意の値を指定できます。HCSC簡易セットアップ画面での指定値の詳細については,「表2-2 HCSC簡易セットアップ画面で入力する項目」を参照してください。

組み込みデータベース(HCSC簡易セットアップ画面で[標準モデル]を選択した場合だけ)
  • DB接続ポート番号
Management Server
  • HCSCサーバ運用ポート番号
  • 論理サーバ運用ポート番号
  • 終了要求受信ポート番号
  • 内部通信ポート番号
運用管理エージェント
  • エージェント接続ポート番号
J2EEサーバ
  • Webサービス/MDB(WS-R)受付ポート番号
  • SessionBean受付ポート番号
  • MDB(DBキュー)受付ポート番号
  • 稼働確認ポート番号
  • 簡易Webサーバポート番号
(c) 名称の情報

HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境に設定されるホスト名やサーバ名などの情報を次の表に示します。

表2-5 テスト環境に設定される名称

設定先設定される名称初期値説明
組み込みデータベース※1ホスト名localhost組み込みデータベースのホスト名(環境変数のDB_HOST)。
Management Serverホスト名localhostManagement Serverのホスト名(cmx_build_system -changeコマンド※2などで使用)。
HCSC-ManagerCosminexus Manager名MyMNGHCSC-ManagerがCosminexus Managerを認識するためのHCSC-Manager独自の識別名(cscsvstartコマンド※4などで使用)。
PRFサーバ名MyPRFPRFのサーバ名称。
J2EEサーバサーバ名MyServer接続先J2EEサーバの名称(cjstartsvコマンド※3などで使用)。
Cosminexus RMが連携するシステム全体で一意なシステム名RMCosminexus RMが連携するシステム全体で一意なシステム名(環境変数のHRM_SYSTEM_NAME)。
リソースアダプタ名Cosminexus Reliable Messaging対象となるRARファイルの表示名(cjdeployrarコマンド※3などで使用)。
DB_Connector_for_HiRDB_Type4
DB_Connector_for_HiRDB_Type4_Cosminexus_RM
クラスタクラスタ名MyUnitクラスタの名称
HCSCサーバHCSCサーバ名MyCSCHCSCサーバの名称(cscsvstartコマンド※4などで使用)。
注※1
HCSC簡易セットアップ画面で[標準モデル]を選択した場合だけ設定されます。
注※2
このコマンドについては,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
注※3
これらのコマンドについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」を参照してください。
注※4
このコマンドについては,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」を参照してください。

(d) そのほかの情報

HCSC簡易セットアップ画面で[標準モデル]を選択した場合,HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境の組み込みデータベースには,次の情報が設定されます。

RDエリア格納先
RDエリア格納先の情報は,HCSC簡易セットアップ画面で任意の値を指定できます。HCSC簡易セットアップ画面での指定値の詳細については,「表2-2 HCSC簡易セットアップ画面で入力する項目」を参照してください。
構築するデータベースの領域サイズ
構築するデータベースの領域サイズ(環境変数のDB_SIZE)が設定されます。
初期値は「660MB」です。

(3) 障害対策

HCSC簡易セットアップ機能を利用して,HCSCサーバのセットアップやアンセットアップ,HCSCコンポーネントの配備や削除,およびリクエストを送信し続けると,組み込みデータベース内で未使用のセグメントが不足するおそれがあります。

未使用のセグメントが不足した場合,次の対策を実施してください。

方法1:組み込みデータベース内の空きセグメントを解放する
  1. 組み込みデータベース内の表をSQL Executerで検索します。
    表の検索方法については,HiRDB SQL Executerのオンラインヘルプのpdsqlコマンドを参照してください。
  2. 手順1.で検索した結果から,「CSC」および「RM」で始まるすべての表に対して,pdreclaimコマンドを発行し,空きページを解放して再利用します。
    pdreclaimコマンドの詳細については,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
方法2:組み込みデータベース内の表を再編成する
  1. 組み込みデータベース内の表をSQL Executerで検索します。
    表の検索方法については,マニュアル「HiRDB SQL Executer オンラインヘルプ」のpdsqlコマンドを参照してください。
  2. 手順1.で検索した結果から,「CSC」および「RM」で始まるすべての表に対してpdrorgコマンドを発行し,表を再編成します。
    表を再編成する方法については,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド」の表の再編成に関する内容を参照してください。
    pdrorgコマンドの詳細については,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
方法3:HCSC簡易セットアップ機能で構築したテスト環境を再セットアップする
HCSC簡易セットアップ機能で構築したテスト環境をいったんアンセットアップし,再度セットアップします。この作業を行うと,組み込みデータベースが再生成されます。
ただし,再セットアップすると,作成したサービスアダプタやビジネスプロセスなども削除されます。そのため,あらかじめリポジトリをエクスポートしてから,再セットアップし,再セットアップ後にリポジトリをインポートしてください。