はじめに

このマニュアルは,Cosminexusが提供する機能を利用して,SOAに対応したサービス統合環境(サービスプラットフォーム)を開発する方法について説明しています。

Cosminexus サービスプラットフォームでは,次に示すプログラムプロダクトを使用してシステムを開発します。

また,オペレーティングシステム(OS)の種類によって,機能が異なる場合があります。OSごとの違いがある場合の表記方法については,「適用OSの違いによる機能相違点の表記」を参照してください。

対象読者

Cosminexus サービスプラットフォームを利用して,SOAに対応したシステムを開発する方を対象としています。

対象読者の前提知識として必要な知識を次に示します。

なお,このマニュアルの前提である,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム 概説」を必ずお読みください。

マニュアルの構成

このマニュアルは,次に示す章と付録から構成されています。

第1章 SOAに基づいたシステム開発の概要
SOAに基づいたシステム開発の概要について説明しています。
第2章 システムを開発する前に
Cosminexus サービスプラットフォームのシステムを開発する前に実施する作業,開発手順,および利用できるサービス部品の種類と適用範囲について説明しています。
第3章 プロジェクトの管理とリポジトリの管理
プロジェクトの作成,プロパティの設定など,プロジェクトの管理について説明しています。また,リポジトリの設定など,リポジトリの管理について説明しています。
第4章 電文フォーマットの作成
データ変換定義に利用する電文フォーマットの作成方法について説明しています。
第5章 アダプタの定義
サービスアダプタおよびDBアダプタの定義方法について説明しています。
第6章 ビジネスプロセスの定義
ビジネスプロセスの定義方法について説明しています。
第7章 データ変換の定義
データ変換(マッピング)定義の方法について説明しています。
第8章 ユーザ定義受付の定義
ユーザ定義受付の定義方法について説明しています。
第9章 HCSCコンポーネントのパッケージングと配備定義
定義したHCSCコンポーネントのパッケージング方法,およびパッケージングしたHCSCコンポーネントを実行環境に配備するための定義方法について説明しています。
第10章 サービスリクエスタの作成
HCSCサーバの標準受付およびユーザ定義受付にサービス部品を要求するサービスリクエスタの作成について説明しています。
第11章 開発環境で使用する画面
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で使用する画面の詳細および画面での操作方法について説明しています。
第12章 コマンド
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で使用するコマンドの文法について説明しています。
第13章 メッセージ
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で出力されるメッセージとその対処について説明しています。
付録A 下位バージョンからのリポジトリの移行
下位のバージョンで使用していたリポジトリ情報を開発環境で変更し,変更したリポジトリ情報を使用して,Cosminexus サービスプラットフォームをバージョンアップする方法について説明しています。
付録B 上流ツールとの連携で使用するBPELのサポート範囲
BPMNを用いたモデリングツールで作成したBPELファイルを,Cosminexus サービスプラットフォームで利用できるビジネスプロセスに変換するときに,情報がどのように変換されるのかについて説明しています。
付録C Cosminexus サービスプラットフォームのサンプルプログラム
Cosminexus サービスプラットフォームを理解するために,サンプルプログラムを実際に動かしてみる方法について説明しています。
付録D 用語解説
このマニュアルで使用している用語について説明しています。

関連マニュアル

Cosminexusのマニュアル体系について,次の図に示します。

[図データ]

それぞれのマニュアルで説明している内容の概要を次に示します。

Cosminexus 概説
Cosminexusの製品概要について説明しています。
Cosminexus 機能解説
Cosminexusの実行環境で提供する機能について説明しています。
Cosminexus システム設計ガイド
システム設計時に,システムの目的に応じたシステム構成や運用方法を検討するための指針について説明しています。また,チューニングの方法についても説明しています。
Cosminexus 簡易構築・運用ガイド
Smart Composer機能を使用して,システムを構築・運用する手順,および構築・運用時に使用するコマンドやファイルについて説明しています。
Cosminexus システム構築ガイド
運用管理ポータル,またはファイル編集とコマンド実行によって,システムを構築する手順について説明しています。
Cosminexus システム運用ガイド
Cosminexusを使用したシステムの運用方法について説明しています。
Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド
Cosminexus Component Containerのサーバ管理コマンド,およびServer Plug-inを使用した操作について説明しています。
Cosminexus 運用管理操作ガイド
Cosminexus Component Containerの運用管理ポータルの画面および画面操作について説明しています。
Cosminexus リファレンス コマンド編
Cosminexusのシステムを構築・運用するときに使用するコマンドについて説明しています。
Cosminexus リファレンス 定義編
Cosminexusのシステムを構築・運用するとき,またはアプリケーションを開発するときに,使用するファイルの形式について説明しています。
Cosminexus メッセージ 1 KAWS/KDAL/KDJE編,Cosminexus メッセージ 2 KEOS/KEUC/KFCB編,Cosminexus メッセージ 3 KFCT/KFDB/KFDJ編
Cosminexusで出力されるメッセージについて説明しています。
Hitachi Web Server
Hitachi Web Server(Webサーバ)の構築,管理方法について説明しています。
Cosminexus Reliable Messaging
Cosminexus RMを使用したメッセージの非同期通信によるアプリケーションの連携方法について説明しています。
Cosminexus アプリケーション開発ガイド
構築したCosminexusのシステムで動作させる,アプリケーションの開発方法について説明しています。
Cosminexus リファレンス API編
アプリケーションの開発で使用するAPIおよびタグについて説明しています。
Cosminexus XML Processor ユーザーズガイド
Cosminexus XML Processorが提供するXMLパーサ・XSLTトランスフォーマの機能,作成方法,および使用方法について説明しています。
Cosminexus SOAPアプリケーション開発ガイド
Cosminexusが提供する機能を利用して,SOAPアプリケーションを開発,実行する方法について説明しています。
Cosminexus Webサービスセキュリティ 使用の手引
Webサービスセキュリティ機能について説明しています。
Cosminexus XML Security - Core ユーザーズガイド
XML署名データの生成・検証機能,およびXML暗号化・復号化機能について説明しています。
Cosminexus サービスプラットフォーム 概説
Cosminexus サービスプラットフォームでSOAを適用したシステムを実現するための機能,および開発,運用の概要について説明しています。
Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド
Cosminexus サービスプラットフォームの機能,運用環境・実行環境の構築方法,および運用方法について説明しています。
Cosminexus サービスプラットフォーム ファイルアダプタ ユーザーズガイド
Cosminexus サービスプラットフォーム ファイルアダプタの機能,ファイルアダプタの作成および運用について説明しています。
Cosminexus サービスプラットフォーム TP1アダプタ ユーザーズガイド
Cosminexus サービスプラットフォーム TP1アダプタの機能,アダプタの作成および運用について説明しています。

また,マニュアル体系図に示したマニュアル以外で,このマニュアルと関連するマニュアルを次に示します。必要に応じてお読みください。

読書手順

このマニュアルは,利用目的に合わせて章を選択して読むことができます。利用目的別にお読みいただくことをお勧めします。

マニュアルを読む目的記述個所
概要,システム構成,およびuCosminexus Service Architectを利用する場合の動作環境について知りたい。1章
uCosminexus Service ArchitectのインストールなどCosminexus サービスプラットフォームのシステムを開発する前に実施する作業,開発手順,および利用できるサービス部品の種類と適用範囲について知りたい。2章
プロジェクトの管理(プロジェクトの作成,プロパティ設定など)およびリポジトリの管理(リポジトリの設定など)について知りたい。3章
電文フォーマットについて知りたい。4章
サービスアダプタおよびDBアダプタの定義について知りたい。5章
ビジネスプロセスの定義について知りたい。6章
データ変換について知りたい。7章
ユーザ定義受付の定義について知りたい。8章
HCSCコンポーネントのパッケージング方法と配備定義について知りたい。9章
サービスリクエスタの作成方法について知りたい。10章
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で使用する画面のボタンや項目,操作方法などについて知りたい。11章
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で使用するコマンドの文法について知りたい。12章
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で出力されるメッセージとその対処について知りたい。13章
下位のバージョンで使用していたリポジトリ情報を移行して,Cosminexus サービスプラットフォームをバージョンアップする方法について知りたい。付録A
BPMNを用いたモデリングツールで作成したBPELファイルを,Cosminexus サービスプラットフォームで利用できるビジネスプロセスに変換するときに,情報がどのように変換されるのかについて知りたい。付録B
サンプルプログラムの使用方法について知りたい。付録C
このマニュアルで使用している用語の意味について知りたい。付録D

このマニュアルでの表記

このマニュアルで使用している表記と,対応する製品名を次に示します。

表記製品名
EclipseEclipse Platform Runtime Binary 3.2.2以降(3.3は対象外)
ExcelMicrosoft(R) Office Excel
HiRDBまたはHiRDBサーバHiRDB/Single ServerHiRDB/Single Server Version 7
HiRDB/Single Server Version 8
HiRDB/Parallel ServerHiRDB/Parallel Server Version 7
HiRDB/Parallel Server Version 8
HiRDB Embedded Serverまたは組み込みデータベースHiRDB Embedded Server Version 8
OracleOracle9iOracle9i
Oracle9i R2
Oracle10gOracle 10g
Oracle 10g R2
TP1/EETP1/Server Base Enterprise Option
UNIXAIXAIX 6L V6.1
AIX 5L V5.3(5300-06 RMP)
AIX 5L V5.2(5200-10 RMP)
LinuxまたはLinux(x86/AMD64 & Intel EM64T)Red Hat Enterprise Linux AS 3(x86)
Red Hat Enterprise Linux AS 4(x86)
Red Hat Enterprise Linux ES 3(x86)
Red Hat Enterprise Linux ES 4(x86)
Red Hat Enterprise Linux AS 3(AMD64 & Intel EM64T)
Red Hat Enterprise Linux AS 4(AMD64 & Intel EM64T)
Red Hat Enterprise Linux ES 3(AMD64 & Intel EM64T)
Red Hat Enterprise Linux ES 4(AMD64 & Intel EM64T)
Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform(x86)
Red Hat Enterprise Linux 5(x86)
Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform(AMD/Intel 64)
Red Hat Enterprise Linux 5(AMD/Intel 64)
Windows Server 2003Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition 日本語版
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard Edition 日本語版
Windows Server 2003 R2Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise R2 Edition 日本語版
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard R2 Edition 日本語版
Windows Server 2003(x64)Microsoft(R) Windows Server(R) 2003,Enterprise x64 Edition Operating System
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003,Standard x64 Edition Operating System
Windows Server 2003 R2(x64)Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2,Enterprise x64 Edition Operating System
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2,Standard x64 Edition Operating System
Windows VistaMicrosoft(R) Windows Vista(R) Business 日本語版
Microsoft(R) Windows Vista(R) Enterprise 日本語版
Microsoft(R) Windows Vista(R) Ultimate 日本語版
Windows XPMicrosoft(R) Windows(R) XP Professional Operating System
WordMicrosoft(R) Word

Windows Vista,Windows XP,Windows Server 2003 R2(x64),Windows Server 2003(x64),Windows Server 2003 R2,Windows Server 2003を総称してWindowsと表記することがあります。

このマニュアルで使用している表記と,対応するCosminexusの機能名を次に示します。

表記Cosminexusの機能名
Cosminexus RMCosminexus Reliable Messaging
CTMCosminexus Component Transaction Monitor
HCSCCosminexus Service Coordinator
HCSC-Business Process,ビジネスプロセス基盤,またはBP基盤Cosminexus Service Coordinator - Business Process
HCSC-Data Transformまたはデータ変換基盤Cosminexus Service Coordinator - Data Transform
HCSC-DB AdapterまたはDBアダプタ連携基盤Cosminexus Service Coordinator - Data Base Adapter
HCSC-ManagerまたはHCSC-MNGCosminexus Service Coordinator - Manager
HCSC-Messaging,HCSC-MSG,またはメッセージング基盤Cosminexus Service Coordinator - Messaging
HCSCTECosminexus Service Coordinator Tools for Eclipse
MyEclipseMyEclipse for Cosminexus
TPBrokerCosminexus TPBroker

このマニュアルで使用している表記と,対応するJava関連用語を次に示します。

表記Java関連用語
EAREnterprise ARchive
EJBまたはEnterprise JavaBeansEnterprise JavaBeansTM
J2EEJavaTM 2 Platform, Enterprise Edition
J2SEJavaTM 2 Platform, Standard Edition
JARJavaTM Archive
JavaJavaTM
JMSJavaTM Message Service

適用OSの違いによる機能相違点の表記

このマニュアルは,適用OSがWindows,AIX,およびLinuxの製品に対応するため,OSの種類によって,機能が異なる場合があります。OSごとの違いがある場合は,次に示す表記を使用して,それぞれの説明にOS名を明記しています。

表記意味
Windowsの場合Windowsに該当する表記です。
AIXの場合AIXに該当する表記です。
Linuxの場合Linuxに該当する表記です。
UNIXの場合UNIX(AIXおよびLinux)に該当する表記です。

パスの表記について

このマニュアルでは,原則としてWindowsのパスの区切り(「¥」)を使用しています。UNIXの場合は,「¥」を「/」に置き換えてお読みください。

このマニュアルで使用している略語

このマニュアルで使用している英略語を次に示します。

英略語英字での表記
APIApplication Programming Interface
ASCIIAmerican Standard Code for Information Interchange
BMTBean Managed Transaction
BPBusiness Process
BPELBusiness Process Execution Language
BPMNBusiness Process Modeling Notation
CMTContainer Managed Transaction
DBDatabase
HTMLHyper Text Markup Language
HTTPHyper Text Transfer Protocol
HTTPSHyper Text Transfer Protocol Security
IDEIntegrated Development Environment
IIOPInternet Inter-Orb Protocol
MDBMessage-Driven Bean
OSOperating System
RDBRelational Database
RMIRemote Method Invocation
RPCRemote Procedure Call
SOAService Oriented Architecture
SOAPSimple Object Access Protocol
SQLStructured Query Language
UNCUniversal Naming Convention
URLUniform Resource Locator
UTFUCS Transformation Format
VMVirtual Machine
W3CWorld Wide Web Consortium
WSDLWeb Service Description Language
WS-IWeb Services Interoperability
WS-RWeb Services Reliability
WSTWeb Standard Tools
XMLExtensible Markup Language
XPathXML Path Language

このマニュアルで使用している記号

注意
間違いやすい点,および間違うとトラブルが発生するような項目について説明しています。
ポイント
その説明の要点について説明しています。
参考
補足的な情報を説明しています。

このマニュアルの図中で使用している記号

このマニュアルの図中で使用している記号を,次のように定義します。

[図データ]

このマニュアルの画面や操作の説明で使用している記号

このマニュアルでは,次に示す記号を使用して画面や操作を説明しています。

記号意味
[  ]ダイアログ名,キー名,メニュー項目名,ボタン名,および画面に表示されている項目名に使用します。
[  ]-[  ]-の前に示したメニューから,-の後ろのメニューを選択することを表します。
<  ><>内の名称がユーザの環境によって異なることを表します。
「  」入力値,可変値,またはメッセージなどのユーザが入力する内容を表します。
++の前のキーを押したまま,後ろのキーを押すことを表します。
(例) [Ctrl]キー+[V]キー

文法の説明で使用する記号

このマニュアルの文法の説明で使用する記号について次に示します。

記号意 味
 |横に並べられた複数の項目に対する項目間の区切りを示し,「または」を意味します。
(例) A|B
 AまたはBを指定することを示します。
{   }この記号で囲まれている複数の項目のうちから一つを選択することを示します。項目が横に並べられ,記号|で区切られている場合は,そのうちの一つを選択します。
(例) {A|B|C}
 A,BまたはCのどれかを指定することを示します。
[ ]この記号で囲まれている項目は省略してもよいことを示します。
(例) [A]
 「何も指定しない」か「Aを指定する」ことを示します。
記述が省略されていることを示します。
(例) ABC…
 ABCの後ろに記述があり,その記述が省略されていることを示します。
(( ))項目で指定できる値の範囲を示します。
< >この記号で囲まれている項目は,該当する要素を指定することを示します。
(例) <プロパティ>
 プロパティを記述します。

このマニュアルで使用している構文要素

このマニュアルで使用する構文要素の種類と意味を次に示します。

種類定義
英字A~Z a~z
英小文字a~z
英大文字A~Z
数字0~9
英数字A~Z a~z 0~9
記号! " # $ % & ' ( ) + , _ ・ . / : ; < = > @ [ ] ^ - { }  ̄ タブ 空白
文字列任意の文字の配列

注 すべて半角文字を使用してください。

常用漢字以外の漢字の使用について

このマニュアルでは,常用漢字を使用することを基本としていますが,次に示す用語については,常用漢字以外の漢字を使用しています。

宛先(あてさき) 個所(かしょ) 桁(けた) 進捗(しんちょく) 揃える(そろえる) 貼り付け(はりつけ) 汎用(はんよう) 必須(ひっす)

KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。