付録D 用語解説

(英字)
BPELBusiness Process Execution Language)
XMLをベースにしたワークフロー記述言語です。Cosminexus サービスプラットフォームでは,アクティビティとコネクションで定義したビジネスプロセスをBPEL形式で保存できます。
BPMNBusiness Process Modeling Notation)
業務手順をわかりやすく図示して可視化するための表記ルールを定めたものです。ビジネスプロセス・モデリング表記法ともいいます。
DB Connector
データベースに接続するためのリソースアダプタです。
DBアダプタ
データベースの操作をサービス部品として利用する場合に,操作するデータベースや実行するSQLを定義したHCSCコンポーネントです。
DBキュー
データベースを介してシステム間で連携する,TP1/EE(TP1/Server Base Enterprise Option)の機能です。DBキュー機能を使用すると,データベースをキューとして,TP1/EEとJ2EEとの間で,非同期型のメッセージ送受信ができます。
EAR(Enterprise ARchive)ファイル
J2EEアプリケーションを構成する複数のファイルをEARファイル形式でパッケージ化したものです。
Cosminexus サービスプラットフォームでは,HCSCコンポーネントをパッケージングして,EARファイルを作成します。
Eclipse
Eclipseプロジェクト(eclipse.org)が提供するオープンソースの統合開発環境です。ソースコードの編集支援機能やデバッグ機能など,アプリケーションの開発効率を向上させる各種機能を備えています。
Cosminexus サービスプラットフォームでは,Eclipseに必要な機能をプラグインして利用します。
EJBEnterprise JavaBeans)
業務ロジックをプログラムとして記述したビジネスロジック,および永続的データを格納するオブジェクトであるエンティティをJavaコンポーネント化したものです。Sun Microsystems, Inc.からEJB仕様が公開されています。
HCSCHitachi Cosminexus Service Coordinator)
uCosminexus Service Platformを構成する構成ソフトウェアの一つです。Cosminexus サービスプラットフォームでSOAを適用したシステムを構築,運用するための機能として,ビジネスプロセス実行機能,データ変換機能,DBアダプタ機能,実行環境の運用管理機能,およびメッセージング制御機能を提供しています。
HCSC-Business Processビジネスプロセス基盤
ビジネスプロセスの定義に従って,適切なサービス部品を呼び出すための機能です。
HCSC-Data Transformデータ変換基盤
データ変換定義に従って,要求電文・応答電文の電文フォーマットを変換する機能です。
HCSC-DB AdapterDBアダプタ連携基盤
DBアダプタの定義に従って適切なサービス部品(データベースの操作)を呼び出す機能です。
HCSCTE
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で利用する開発支援機能です。HCSCTEで提供される機能は,Eclipseにプラグインして利用します。
アダプタやビジネスプロセスの作成・定義機能などが含まれます。
HCSCコンポーネント
開発環境で作成するサービスアダプタ,DBアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付の総称です。
HCSCコンポーネントの検証
定義したアダプタ,ビジネスプロセス,データ変換定義の内容が妥当かどうか検証する機能です。必要な定義があるか,また定義の関係が正しいかを,必要に応じて任意のタイミングで検証できます。
HCSCサーバ
実行環境でサービス部品の実行を管理するサーバ機能です。メッセージング基盤,DBアダプタ連携基盤,ビジネスプロセス基盤,データ変換基盤など,実行環境に必要な機能が含まれます。また,標準受付や連携受付などの機能も含まれます。
HCSCサーバランタイム定義ファイルcscsvconfig.properties
HCSCサーバの起動時に必要なランタイム情報を定義するファイルです。J2SEのプロパティ形式のファイルとして作成します。
実行履歴を採取するかどうかや,トレースファイルのレベル・出力先などを定義できます。
HTTP
インターネットで,WWWサーバとWWWクライアントの間でHTML文書を送受信するための通信プロトコルです。
IDEIntegrated Development Environment)
Javaの統合開発環境です。Cosminexus サービスプラットフォームでは,Eclipseを利用します。
J2EEJavaTM 2 Platform, Enterprise Edition)
Sun Microsystems, Inc.からJ2EE仕様が公開されています。
J2EEサーバ
アプリケーションを実行するためのサーバ基盤であるJ2EEコンテナを生成,実行する環境です。Cosminexus サービスプラットフォームは,J2EEサーバとしてCosminexus Component Containerを使用します。
Java
1991年にSun Microsystems社内の研究グループが開発したインタプリタ言語を基に,C++をより移植性と信頼性が高くなるように改良した言語です。Webの普及によってブラウザに応用されています。
MDBMessage-Driven Bean)
JMSと連携するメッセージ駆動タイプのBeanです。EJBコンテナはJMSのDestinationからのJMSメッセージ受信を契機にBeanを起動します。
MyEclipse
Javaアプリケーションの開発環境です。MyEclipseには,Eclipseでアプリケーションを開発するときに使用するプラグインがまとめられています。MyEclipseを使用すると,アプリケーションの作成,J2EEサーバへのアプリケーションのデプロイ,J2EEサーバの起動・停止,データベースの操作などができます。
Cosminexusでは,構成ソフトウェアとして,MyEclipseの日本語版環境であるMyEclipse for Cosminexusを提供しています。
RMI-IIOP
JavaRMIとJavaIDLを統合したAPIです。
SessionBean
セッション単位での処理を行う機能がある,EJBで規定されているBeanの一つです。
SOAPSimple Object Access Protocol)
ネットワーク上のサービス部品を呼び出す際のメッセージを規定したものです。HTTPとXMLがベースとなっています。
SQLオペレーション定義ファイル
DBアダプタを利用してデータベースにアクセスする場合に,実行するSQLを定義するファイルです。DBアダプタ用のXMLフォーマット定義ファイルを作成するときの基となるファイルです。
TP1アダプタ
Cosminexusサービスプラットフォームの実行環境から既存のOpenTP1システム内にあるサービス部品を呼び出す場合に利用するアダプタです。
uCosminexus Service Architect
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境を構築・運用するための製品です。
uCosminexus Service Platform
Cosminexus サービスプラットフォームの実行環境・運用環境を構築・運用するための製品です。
W3CWorld Wide Web Consortium)
XMLやDOMを含むWeb関連技術の標準化を推進する非営利団体です。
Webサービス
インターネット上に分散するアプリケーションが提供するサービス部品を,クライアントにAPIとして提供するサービス部品です。
WS-RWeb Services Reliability)
標準化団体OASISで標準化された,インターネット向けのオープンな非同期通信プロトコルです。
WSDLWeb Service Description Language)
Webサービスを記述するための言語仕様です。XMLがベースとなっています。
XMLスキーマ
W3C勧告で定められた仕様で,XML文書内の論理的なデータ構造を規定するための仕組みです。
XMLフォーマット定義ファイル
XML形式のデータを扱う場合に利用する電文フォーマット定義ファイルです。XMLスキーマファイルとして作成します。
XPath
XML文書の中の特定の要素を示すための記述方法に関するW3C勧告の標準仕様です。XML形式のデータのツリー構造をたどって要素や属性にアクセスする手段が規定されています。
(ア行)
アクティビティ
ビジネスプロセスの処理フローを定義する部品です。基本アクティビティと構造アクティビティに分類されます。複数のアクティビティを画面上に配置し,コネクションで連結して,ビジネスプロセスの処理フローを定義します。
アダプタ
サービスリクエスタからの要求電文を受け取り,アダプタ内で定義されているサービス部品へ要求電文を送信して,サービス部品を呼び出すアプリケーションです。
アダプタには,標準で使用するサービスアダプタ(標準アダプタ)と,ユーザが必要に応じて使用するカスタムアダプタ(DBアダプタ,TP1アダプタなど)があります。サービスアダプタは,Webサービス,SessionBean,MDB(WS-R),およびMDB(DBキュー)のサービス部品を呼び出すアダプタです。カスタムアダプタは,それ以外のサービス部品を呼び出すアダプタです。
運用環境
開発環境で作成したEARファイルをリポジトリから読み込み,実行環境に配備する環境です。また,実行環境で利用するHCSCサーバをセットアップします。実行環境での業務の運用を開始したあとは,システムの起動・停止,および状態を監視します。
永続化
ビジネスプロセスのプロセスインスタンスの実行状況を履歴として,データベースに記録することです。
応答電文
サービス部品の実行結果を返すための電文です。応答電文には,サービス部品からHCSCサーバに送信される電文と,HCSCサーバからサービスリクエスタに送信される電文があります。
(カ行)
開発環境
実行環境でサービス部品を呼び出すために必要なHCSCコンポーネントを作成したり,作成したHCSCコンポーネントをHCSCサーバおよびクラスタにどのように配備するか定義(配備定義)したりする環境です。
カスタムアダプタ
呼び出すサービス部品の種類が,Webサービス,SessionBean,MDB(WS-R),MDB(DBキュー)以外のアダプタです。
基本アクティビティ
受付処理,応答処理,サービス部品の呼び出しなど,ビジネスプロセス内の基本的な処理を定義するためのアクティビティです。
構造アクティビティ
分岐処理,並列処理,繰り返し処理など,ビジネスプロセス内の処理の構造を定義するためのアクティビティです。
コネクション
アクティビティを連結して,アクティビティの実行順序を定義するための部品です。通常のコネクションに加えて,フォルト処理を連結するフォルトコネクションおよび並列処理時のリンクを設定するリンクコネクションがあります。
(サ行)
サービス
業務と一対一に対応し,業務に必要な機能を再利用できるソフトウェア部品のことです。SOAでは,サービスを組み合わせて業務システムを構築します。これによって,業務の変化に対して,システムを迅速に変更できます。
サービスアダプタ
どのサービス部品を実行するかを定義したHCSCコンポーネントです。呼び出すサービス部品の種類(Webサービス,SessionBean,MDB(WS-R),MDB(DBキュー))ごとに定義する内容は異なります。
サービス部品
サービスアダプタおよびDBアダプタから実行できる業務処理のことです。Webサービス,SessionBean,MDB(WS-R),MDB(DBキュー),およびデータベースの操作をサービス部品として利用できます。
サービス部品電文
サービス部品独自の電文フォーマットを持った電文です。サービス部品がデータベースの操作の場合,DBアダプタ電文といいます。
サービスリクエスタ
HCSCサーバへサービス部品の実行要求(要求電文)を送信するアプリケーションです。HCSCサーバの標準受付が同期標準受付(Webサービス/SessionBean)か,非同期標準受付(MDB(WS-R)/MDB(DBキュー))か,またはユーザ定義受付(Webサービス)かによって,作成するサービスリクエスタの形式が異なります。
標準受付にサービス部品の実行を要求するサービスリクエスタを作成するときは,HCSCサーバに送信される要求電文の電文フォーマットを,標準電文に合わせる必要があります。
ユーザ定義受付にサービス部品の実行を要求するサービスリクエスタを作成するときは,サービス部品またはビジネスプロセスに定義した電文フォーマット(WSDL)に合わせることができます。
システム構成定義
HCSCサーバおよびクラスタのセットアップ情報と,HCSCコンポーネントをHCSCサーバおよびクラスタにどのように配備するかの情報が含まれる定義情報です。
HCSCサーバおよびクラスタのセットアップ情報は,運用環境で更新されます。開発環境では,HCSCサーバおよびクラスタにHCSCコンポーネントをどのように配備するかの情報を定義します。
実行環境
サービスリクエスタで受け付けた実行要求に応じて,HCSCサーバを介して適切なサービス部品を呼び出し,業務を実行する環境です。
相関セット
サービスリクエスタから送信された要求電文を一意に識別するために利用する文字列です。HCSCサーバには,サービスリクエスタから相関セットを含む要求電文が送信されます。サービス部品のHCSCサーバは,相関セットを含んだ応答電文をサービスリクエスタに返信します。その結果,サービスリクエスタは受信した応答電文が,どの要求電文に対する応答であるのかを一意に識別できます。
(タ行)
データ変換
標準電文とサービス部品電文の電文フォーマットが異なる場合に,データ変換定義に従って,標準電文をサービス部品電文の電文フォーマットに変換することです。
データ変換定義
標準電文とサービス部品電文の電文フォーマットの相違を解消するためのデータ変換方法を定義したものです。標準電文とサービス部品電文の電文フォーマット定義ファイルの各要素をマッピングし,必要に応じてファンクションを設定して定義します。
電文フォーマット
要求電文および応答電文のデータ構造です。
サービスリクエスタからHCSCサーバに送信される要求電文の電文フォーマットは,標準電文の電文フォーマットに合わせる必要があります。標準電文とサービス部品に実行要求するための電文(サービス部品電文)の電文フォーマットが異なる場合は,データ変換定義を作成して,電文フォーマットの相違を解消します。
電文フォーマット定義ファイル
電文の構造(電文フォーマット)を定義したファイルです。XMLフォーマット定義ファイルとバイナリフォーマット定義ファイルとがあります。サービス部品の実行に利用する電文でXML形式のデータを扱う場合は,XMLフォーマット定義ファイルを,バイナリ形式(XML形式以外)のデータを扱う場合は,バイナリフォーマット定義ファイルを利用します。
(ナ行)
ノード
データ変換定義画面で,ツリービューに表示される各要素のことです。データ変換の元になる変換元ノードと,変換先になる変換先ノードがあります。
(ハ行)
バイナリフォーマット定義ファイル
バイナリ形式(XML形式以外)のデータを扱う場合に利用する電文フォーマット定義ファイルです。XMLスキーマファイルとして作成します。バイナリ形式のデータ内の値の格納形式を定義し,定義した情報をXMLスキーマファイルに付加したファイル(拡張子:.fdx)です。
配備
HCSCコンポーネントを適切なHCSCサーバに配置することです。開発環境で作成したHCSCコンポーネントは,運用環境を利用して実行環境(HCSCサーバ)に配備します。
配備定義
開発環境で,HCSCコンポーネントをHCSCサーバおよびクラスタにどのように配備するか定義し,システム構成定義を更新することです。運用環境からHCSCコンポーネントを配備するときには,開発環境で配備定義したシステム構成定義の内容に従って配備します。
パッケージング
開発環境で作成したHCSCコンポーネントを,実行環境に配備できるようにEARファイルに組み立てることです。
ビジネスプロセス
複数のサービス部品の処理の順番や条件などを定義して,一連の業務の流れとして定義したものです。Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境では,複数のアクティビティを画面上に配置し,コネクションで連結して定義します。
標準受付
サービスリクエスタからの要求電文を受け付けるための機能(インターフェース)です。HCSCサーバに含まれる機能です。標準受付を開始すると,サービスリクエスタからの要求電文を受け付けられる状態になります。
同期受付(Webサービス/SessionBean)および非同期受付(MDB(WS-R)/MDB(DBキュー))の要求を受け付けることができます。
標準電文標準電文フォーマット
Cosminexus サービスプラットフォームで提供する標準的な電文フォーマットです。
ファンクション
データ変換を定義する場合に,変換元ノードの値を加工して変換先ノードにマッピングする場合に使用するときの加工の方法を定義するものです。
文字列や数値を変換するファンクション,ノードの名称を取得するファンクション,条件による処理の選択や繰り返しを定義するファンクションなどがあります。
プロセスインスタンス
ビジネスプロセスで実行している業務の一つの実体です。ワークフローの案件に相当します。
(マ行)
マッピング
データ変換を定義する場合に,変換元と変換先のノードを連結することです。マッピングの始点をマッピング元,終点をマッピング先といいます。
(ヤ行)
ユーザ定義受付
サービスリクエスタからの実行要求を受け付けるための機能(インターフェース)です。HCSCサーバに含まれる標準受付とは異なり,ユーザが任意のインターフェースを定義できます。定義したユーザ定義受付をHCSCサーバに配備して開始すると,サービスリクエスタからの要求電文を受け付けられる状態になります。
ユーザ電文
サービスリクエスタから送信される要求電文です。
要求電文
サービス部品の実行を要求するための電文です。要求電文には,サービスリクエスタからHCSCサーバに送信される電文とHCSCサーバ内のアダプタからサービス部品に送信される電文があります。
(ラ行)
リポジトリ
定義したHCSCコンポーネントやシステム構成定義を格納するディレクトリです。格納した情報は,リポジトリの管理機能(リポジトリのインポート/エクスポート機能)を利用して,開発環境と運用環境との間で受け渡しします。