Cosminexus サービスプラットフォーム 概説

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4.3.5 HCSCコンポーネントの作成

HCSCコンポーネントの作成では,サービスアダプタ,DBアダプタ,ビジネスプロセス,データ変換定義,およびユーザ定義受付を作成し,詳細を定義します。

なお,HCSCコンポーネントを作成する前に,実行環境から呼び出して利用するサービス部品を準備しておく必要があります。

各HCSCコンポーネントの作成について次に説明します。

<この項の構成>
(1) 電文フォーマットの作成
(2) サービスアダプタの作成
(3) DBアダプタの作成
(4) ビジネスプロセスの作成
(5) データ変換定義の作成
(6) ユーザ定義受付の定義

(1) 電文フォーマットの作成

電文フォーマットとは,サービスリクエスタ,サービスアダプタ,およびサービス部品の間でやり取りされる電文の形式です。電文フォーマットを定義するには,電文フォーマット定義ファイルを作成します。XML形式のデータを利用するか,バイナリ(XML形式以外)形式のデータを利用するかによって,作成する電文フォーマットが異なります。

(a) XML形式のデータを利用する場合の電文フォーマットの作成

サービス部品の実行に利用する電文で,XML形式のデータを利用する場合,XMLフォーマット定義ファイルを作成します。次の手順で作成します。

  1. DBアダプタを利用する場合は,SQLオペレーション定義ファイルを作成します。
  2. XMLフォーマット定義ファイルを作成します。
    変換元および変換先のXMLフォーマット定義ファイルを作成します。
    XMLフォーマット定義ファイルの作成方法は,電文フォーマットの種類(標準電文,サービス部品電文,DBアダプタ電文)やサービス部品の種類(Webサービス,SessionBean,MDB)によって異なります。
(b) バイナリ形式のデータを利用する場合の電文フォーマットの作成

サービス部品の実行に利用する電文で,バイナリ形式のデータを利用する場合,バイナリフォーマット定義ファイルを作成します。次の手順で作成します。

  1. バイナリフォーマット定義ファイルを新規作成します。
    新規作成には,ウィザードを利用します。
  2. バイナリフォーマット定義ファイルに要素を定義します。
    要素の定義には画面を利用します。
  3. バイナリフォーマット定義ファイルを検証します。
    検証には画面を利用します。
  4. 要素を定義したバイナリフォーマット定義ファイルを保存します。

(2) サービスアダプタの作成

実行環境からサービス部品を呼び出すためのサービスアダプタを作成します。サービスアダプタの作成には画面を利用します。サービスアダプタは次の手順で作成します。

  1. サービスアダプタを新規作成します。
    新規作成には,ウィザードを利用します。
    ウィザードで指定する内容は,サービス部品の種類(Webサービス,SessionBean,MDB(WS-R),MDB(DBキュー))によって異なります。
  2. サービスアダプタの内容を定義します。
    内容の定義には画面を利用します。
    定義する内容はサービス部品の種類(Webサービス,SessionBean,MDB(WS-R),MDB(DBキュー))によって異なります。
  3. 必要に応じてデータ変換定義を作成します。

なお,検証機能を利用すると,作成中および作成後の任意のタイミングでサービスアダプタの定義内容の整合性を検証できます。

また,すでに作成されているサービスアダプタを流用して新たなサービスアダプタを作成する場合には,作成済みのサービスアダプタを複製して使用することもできます。

(3) DBアダプタの作成

実行環境からデータベースを操作するためのDBアダプタを作成します。

DBアダプタの作成では,事前に定義ファイルを作成する必要があります。事前に作成する定義ファイルを次に示します。

DBアダプタは次の手順で作成します。

  1. 必要な定義ファイルを作成します。
  2. DBアダプタを新規作成します。
    新規作成には,ウィザードを利用します(ウィザードでは汎用カスタムアダプタとして作成します)。
  3. DBアダプタの内容を定義します。
    内容の定義には画面を利用します。
  4. 必要に応じてデータ変換定義を作成します。

なお,検証機能を利用すると,作成中および作成後の任意のタイミングでDBアダプタの定義内容の整合性を検証できます。

また,すでに作成されているDBアダプタを流用して新たなサービスアダプタを作成する場合には,作成済みのDBアダプタを複製して使用することもできます。

(4) ビジネスプロセスの作成

実行環境から関連するHCSCコンポーネントを介してサービス部品を連続的に呼び出すためのビジネスプロセスを作成します。ビジネスプロセスの作成には画面を利用します。ビジネスプロセスの作成手順を次に示します。

  1. ビジネスプロセスを新規作成します。
    新規作成には,ウィザードを利用します。
  2. ビジネスプロセスの内容を定義します。
    内容の定義には画面を利用します。
    アクティビティの配置・連結や変数・相関セットの定義などを実施します。

なお,検証機能を利用すると,作成中および作成後の任意のタイミングでビジネスプロセスの定義内容の整合性を検証できます。

また,すでに作成されているビジネスプロセスを流用して新たなビジネスプロセスを作成する場合には,作成済みのビジネスプロセスを複製して使用することもできます。

(5) データ変換定義の作成

サービスリクエスタ,サービスアダプタ,およびサービスの間でやり取りされる電文フォーマットを変換するためのデータ変換定義を作成します。データ変換定義の作成には画面を利用します。データ変換定義の作成手順を次に示します。

  1. あらかじめ,電文フォーマット定義ファイルを作成しておきます。
  2. 手順1.で作成した電文フォーマット定義ファイルを利用して,データ変換定義を作成します。
    データ変換の内容の定義には画面を利用します。
    画面にツリー形式で表示される変換元と変換先のスキーマについて,変換元の要素や属性を変換先のどの要素や属性に変換するのかをマッピングして,変換時の処理を定義します。

なお,検証機能を利用すると,作成中および作成後の任意のタイミングでデータ変換定義の内容の整合性を検証できます。

電文フォーマット定義ファイルについては,「(1)電文フォーマットの作成」を参照してください。

(6) ユーザ定義受付の定義

サービス部品とリクエスタのインターフェース(受付)は,HCSC開発環境が規定する固定のインターフェース(標準受付)だけではなく,ユーザの規定したインターフェースを使用できます。ユーザの規定したインターフェースをユーザ定義受付といいます。ユーザ定義受付は,HCSC開発環境の画面から追加して,内容を確認できます。