3.3.14 高速化定義ファイルの作成

高速化定義ファイルの形式について説明します。なお,高速化定義ファイルを作成する際は,「6.17.5 高速化定義ファイルに関する注意事項」も参照してください。

<この項の構成>
(1) 形式
(2) 記述例

(1) 形式

高速パース機能の対象となるXML文書名=事前解析用XML文書名[,NS]

(凡例)  [ ]:[ ]内の文字列が省略できることを示します。


高速パース機能の対象となるXML文書名
高速パース機能の対象となるXML文書名を絶対URIまたは相対URIで指定します。「:」を記述する場合は,「¥」でエスケープしてください。
ここに指定する文字列は,実際にユーザプログラム上で解析対象のXML文書名として使用する文字列(parseメソッドの引数として指定するURI文字列や,InputSourceに設定するシステム識別子など)と必ず表記を一致させてください。同じファイルを示すURIであっても,表記上の違いがある場合は,高速パースが適用されません。例えば,parseメソッドの引数として使用するURIが「a.xml」である場合に,高速化定義ファイルで「./a.xml=~」と指定しても,高速パースは適用されません。
ただし,parseメソッドの引数としてFileオブジェクトを渡す場合は,必ず「file:」の後ろに絶対パスを連結した文字列を指定してください。この場合に,Fileクラスのコンストラクタ引数に指定した文字列が,Javaのプロパティファイルの中で使用できない文字(日本語や複数バイト文字など)を含むときは,次に示すように¥uxxxxの形式でエスケープする必要があります。
[図データ]
事前解析用XML文書名
事前解析用XML文書名を絶対パスで指定します。絶対パスを指定する際の注意事項については,「6.17.6 絶対パスの指定方法に関する注意事項」を参照してください。
NS 名前空間の設定
事前解析用XML文書を解析する際,名前空間を有効にするかどうかを指定します。名前空間を有効にする場合は,事前解析用XML文書名に続けて,「,NS」と記述してください。「,NS」の記述がない場合は,名前空間を無効にして事前解析を実施します。
なお,「NS」は必ず大文字で指定してください。小文字で指定した場合は,事前解析用XML文書名の一部として扱われます。また,「,NS」は,必ず事前解析用XML文書名の直後に,空白やタブを入れないで指定してください。

なお,高速化定義ファイルはJavaのプロパティファイルであり,基本的な構文規則はプロパティファイルの規則に従います。このため,同一のキーを複数指定した場合は,あとに書かれた指定が有効となります。

(2) 記述例

高速化定義ファイルの記述例を次に示します。

高速パース機能の対象となるXML文書名を相対URIで指定する場合

test.xml=C:/preparse/pre.xml

事前解析時に名前空間を有効にする場合

test.xml=C:/preparse/pre.xml,NS

解析対象のXML文書がFileオブジェクトでXMLパーサに渡される場合

file¥:C¥:/document/example.xml=C:/preparse/pre.xml

高速パース機能の対象となるXML文書名には,「file:」の後ろに絶対パスを連結した文字列を指定します。また,左辺に「:」を記述する場合は,「¥」でエスケープします。
複数のXML文書に同一の事前解析用XML文書を指定する場合

test1.xml=C:/preparse/pre.xml
test2.xml=C:/preparse/pre.xml