高速パース機能を使用する場合,通常は,ユーザプログラム中に高速パース機能用のコードを追加する必要があります。一方,ユーザプログラムを変更しないで高速パース機能を使用することもできます。
ユーザプログラムを変更しないで高速パース機能を使用するには,高速化定義ファイルを使用します。高速化定義ファイルとは,解析対象のXML文書と事前解析用XML文書の対応や解析時に名前空間を有効にするかどうかなどを定義するファイルです。システムプロパティに高速化定義ファイルを設定しておくことで,高速化定義ファイルで指定されたXML文書の解析時に,高速パースを適用します。
高速化定義ファイルを使用した高速パースの処理概要を次に示します。
図3-17 高速化定義ファイルを使用した高速パースの処理概要
ユーザプログラム中に高速パース機能用のコードを追加する,通常の高速パースと高速化定義ファイルを使用した高速パースの相違点を次に示します。
表3-4 通常の高速パースと高速化定義ファイルを使用した高速パースの相違点
項番 | 相違点 | 通常の高速パース | 高速化定義ファイルを使用した高速パース |
---|---|---|---|
1 | 高速パース機能を使用できない場合 | なし。 | 解析対象のXML文書にシステム識別子が設定されていない場合。 |
2 | ユーザが実装したエラーハンドラ,エンティティリゾルバの使用 | 使用できる。 | 使用できない。 |
3 | 事前解析を実行するタイミング | ユーザプログラム内の任意のタイミング。 | 次のどちらかを選択する。
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4 | 高速パースを適用した解析を実行するタイミング | ユーザプログラム内の任意のタイミング。 | 高速化定義ファイルで解析対象として指定したXML文書の解析時。 |
5 | ユーザプログラムの変更 | 必要。 | 不要。 |