ここでは,展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの概要および構成を説明します。
展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションとは,EJBやサーブレットなどのJ2EEアプリケーションの実体を,J2EEサーバの外部に持つJ2EEアプリケーションです。
次の図に展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの概要を示します。
図1-4 展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの概要
展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションを実行するためには,アプリケーションディレクトリと呼ばれる,ある一定のルールに従ったディレクトリとファイルの構造に,作成したプログラムを含め,そのままデプロイします。
展開ディレクトリ形式の場合,デプロイしたJ2EEアプリケーションをJ2EEサーバに監視させて,ファイルを更新したときなどに自動でリロードさせることができます(リロード機能)。このとき,J2EEアプリケーションの停止や削除,インポートなどの作業は不要です。
また,展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションは,複数のクラスタで共有できます。J2EEアプリケーションの実体をJ2EEサーバの外部に持ち,各クラスタから参照する形を取るため,プログラムを修正したときも,一回の更新作業ですべてのクラスタに反映できます。
なお,J2EEサーバにデプロイ済みの展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションに対して,次に示す変更はできません。
これらの変更をする場合,一度J2EEサーバからJ2EEアプリケーションを削除してから,再度デプロイする必要があります。
展開ディレクトリ形式では,アプリケーションディレクトリを作成し,アプリケーションディレクトリ以下にEJB-JARディレクトリとWARディレクトリを含めます。
ここでは,展開ディレクトリ形式でデプロイした場合のJ2EEアプリケーションの構成を説明します。
なお,MyEclipseを使用してJ2EEアプリケーションを開発した場合は,MyEclipseが自動的に展開ディレクトリ形式で作成するので,構成を意識する必要はありません。
アプリケーションディレクトリの構成例を次の図に示します。
図1-5 アプリケーションディレクトリの構成例
アプリケーションディレクトリに含まれるEJB-JARディレクトリ,およびWARディレクトリの構成を示します。