Developerでは,MyEclipseを使用してJ2EEアプリケーションを開発できます。MyEclipseとは,J2EEアプリケーション開発に必要なEclipseのプラグインが一とおりそろっているJava開発環境です。
MyEclipseを使用すると,J2EEアプリケーション開発の一連の作業を開発環境(Eclipse)からシームレスに実行できます。MyEclipseを使用した場合に開発環境から実行できる作業を次の図に示します。
図1-1 MyEclipse使用時に開発環境から実行できる作業
図に示すように,MyEclipseでは,UMLによるモデリングからJ2EEアプリケーションの開発,デプロイ,テスト,デバッグ,配布用アーカイブの作成までのJ2EEアプリケーション開発の一連の作業を実行できます。また,J2EEサーバやデータベースも開発環境から操作できます。開発時に作成したプログラムは,すべてMyEclipseのプロジェクトとして管理されます。
次に,MyEclipseを利用したJ2EEアプリケーション開発の特長を説明します。
MyEclipseではUMLモデリング機能を提供しているため,開発環境で上流設計ができます。UMLを利用するとユースケース図,クラス図などの各種ダイアグラムを作成できます。また,UMLモデルからのJavaソースコードの作成,およびJavaソースコードからクラス図の作成ができます。これによって,上流設計から開発までの作業をスムーズに進められます。
フレームワークとは,J2EEアプリケーションで実装する機能やサービスを規定するための枠組みのことです。フレームワークを利用すると,J2EEアプリケーションの開発効率が向上するとともに,プログラムコードの質のばらつきを防止できます。さらに,ソースコードが標準化されているため,メンテナンス効率も向上します。
MyEclipseでは,Struts,JSFなど,さまざまなフレームワークに対応しています。このため,ユーザインタフェース開発時のほとんどの作業を開発環境で実行できます。
Eclipseのビュー上で,開発したJ2EEアプリケーションをデプロイできます。MyEclipseでは,作成したプロジェクトをJ2EEサーバにデプロイします。アーカイブの作成またはアプリケーションディレクトリへのコピーは,デプロイ時に実施されるため,ユーザ側でのコピーやアーカイブのインポート作業は不要になります。また,Eclipseで開発したソースは,デプロイ時に自動的にビルドされます。
また,デプロイしたJ2EEアプリケーションは,Eclipseの機能を使用してデバッグできます。