付録B.2 開発環境の構築
インストール完了後,J2EEアプリケーションの開発環境を構築します。J2EEアプリケーションの開発環境の構築の流れを次に示します。
- 環境変数の設定
DeveloperおよびEclipseで必要となる環境変数を設定します。環境変数の設定方法については,「2.2.2 環境変数の設定」を参照してください。
- MyEclipseを利用するための設定
J2EEアプリケーション開発でMyEclipseを利用するための設定をします。設定方法については,「(1) MyEclipseを利用するための設定」を参照してください。
- テスト用実行環境のシステム構築
J2EEアプリケーションのテストで使用するシステムを構築します。システムの構築には,Smart Composer機能を使用します。Smart Composer機能とは,システムの構築を支援するための機能です。システムの情報を定義したファイルを作成してSmart Composer機能のコマンドを実行すると,簡単にシステムを構築できます。構築手順については,「(2) テスト用実行環境のシステム構築」を参照してください。
- プラグインを使用するための設定
CosminexusコネクタおよびServer Plug-inは,Management Serverリモート管理機能に接続します。CosminexusコネクタおよびServer Plug-inを使用するために,Management Serverリモート管理機能への接続の設定をします。設定方法については,「(3) プラグインを使用するための設定」を参照してください。
- Cosminexusコネクタの設定
Cosminexusコネクタを設定します。Cosminexusコネクタは,MyEclipseからJ2EEサーバやJ2EEアプリケーションを操作するときに使用します。設定方法については,「(4) Cosminexusコネクタの設定」を参照してください。
- Server Plug-inの設定
Server Plug-inを設定します。Server Plug-inは,J2EEリソースのプロパティ設定などで使用します。設定方法については,「2.4.4 Server Plug-inの設定」を参照してください。
ここでは,テスト用実行環境のシステム構築およびプラグインを使用するための設定について説明します。
- <この項の構成>
- (1) MyEclipseを利用するための設定
- (2) テスト用実行環境のシステム構築
- (3) プラグインを使用するための設定
- (4) Cosminexusコネクタの設定
(1) MyEclipseを利用するための設定
J2EEアプリケーション開発でMyEclipseを利用するためには,次の設定が必要です。
- Eclipseで使用するJDKの設定
- ローカル変数情報の出力の設定
- ライブラリパスの設定
ここでは,ライブラリパスの設定方法について説明します。Eclipseで使用するJDKの設定方法およびローカル変数情報の出力の設定方法については,「2.4.1 Eclipseの設定」を参照してください。なお,インターネット接続時にプロキシを使用している環境では,MyEclipseでプロキシを設定する必要があります。MyEclipseのプロキシの設定方法については,「2.5.1 MyEclipseのプロキシの設定」を参照してください。
MyEclipseでは,プロジェクト作成時にビルドパスが追加されます。ビルドパスのJ2EE 1.4ライブラリには,次に示すCosminexusのライブラリパスが設定されています。
C:/Program Files/Hitachi/Cosminexus/CC/client/lib/j2ee-javax.jar
C:/Program Files/Hitachi/Cosminexus/jaxp/lib/csmjaxp.jar |
Cosminexusのライブラリパスの「C:/Program Files/Hitachi/Cosminexus」は,Developerのデフォルトのインストールディレクトリです。Developerのインストール時に,インストールディレクトリを変更している場合は,Cosminexusのライブラリパスを変更します。
Cosminexusのライブラリパスの確認手順と変更手順を説明します。
(a) ライブラリパスの確認手順
ライブラリパスの確認手順を次に示します。
- Eclipseのメニューから[ウィンドウ]-[設定]を選択します。
[設定]ダイアログが表示されます。
- 左ペインのツリービューで[MyEclipse]-[Java エンタープライズ・プロジェクト]-[ライブラリー・セット]を選択します。
[ライブラリー・セット]ページが表示されます。
- [ライブラリー・セット]ページの[J2EE 1.4]タブを選択します。
ライブラリパスが表示されます。ライブラリパスとDeveloperのインストールディレクトリが一致しているかどうかを確認してください。一致していない場合は,(2)の手順に従って,ライブラリパスを変更してください。
- 注
- ライブラリの優先順位が変わるため,j2ee-javax.jarとcsmjaxp.jarの順序は変更しないでください。
![[図データ]](figure/zu030400.gif)
(b) ライブラリパスの変更手順
ライブラリパスの変更手順を次に示します。
- [ライブラリー・セット]ページの[J2EE 1.4]タブで表示されているCosminexusのライブラリパスをすべて選択し,[除去]ボタンをクリックします。
表示されているCosminexusのライブラリパスが削除されます。
![[図データ]](figure/zu030500.gif)
- [JAR/ZIPの追加]ボタンをクリックします。
[ファイルを開く]ダイアログが表示されます。
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥jaxp¥lib¥csmjaxp.jarを選択し,[開く]ボタンをクリックします。
csmjaxp.jarがライブラリパスに追加されます。
- [JAR/ZIPの追加]ボタンをクリックします。
[ファイルを開く]ダイアログが表示されます。
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥client¥lib¥j2ee-javax.jarを選択し,[開く]ボタンをクリックします。
j2ee-javax.jarがcsmjaxp.jarの上位に追加されます。追加するjarファイルの順序は,j2ee-javax.jar,csmjaxp.jarの順になるようにしてください。
- [ライブラリー・セット]ページの[J2EE 1.4]タブに追加されたライブラリパスを確認し,[適用]ボタンまたは[OK]ボタンをクリックします。
設定が保存されます。
![[図データ]](figure/zu030600.gif)
(2) テスト用実行環境のシステム構築
Smart Composer機能を使用したシステム構築の流れを次に示します。
- Management Serverの設定
Management Serverとは,アプリケーションサーバを一括管理・運用するための運用管理プロセスです。
Management Serverをセットアップして,Management Serverの管理ユーザを設定します。また,Management Serverおよび運用管理エージェントを自動起動するための設定もします。設定方法については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
なお,Management Serverおよび運用管理エージェントの概要については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」のSmart Composer機能で構築したシステムの概要に関する説明を参照してください。
- 簡易構築定義ファイルの作成
構築するシステムの情報を,簡易構築定義ファイルに定義します。簡易構築定義ファイルには,構築するシステムの名称やシステムに配置するサーバの種類などを定義します。また,J2EEアプリケーションのテスト用実行環境ではリロード機能を使用します。リロード機能を使用するための設定も簡易構築定義ファイルに定義します。作成方法については,「(a) 簡易構築定義ファイルの作成」を参照してください。
- システムの構築
Smart Composer機能で提供するコマンドを使用して,システムを構築します。構築方法については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
- JavaVMのセキュリティポリシーの設定
セキュリティマネージャを使用する場合は,必要に応じてJavaVMのセキュリティポリシーをあらかじめ設定しておきます。セキュリティマネージャを使用しない場合はこの設定は不要です。設定方法については,「(b) JavaVMのセキュリティポリシーの設定」を参照してください。
(a) 簡易構築定義ファイルの作成
構築するシステムの情報を定義した簡易構築定義ファイルを作成します。
ここでは,Cosminexusで提供しているテンプレートファイル(cmxdefcombinedmodel.xml)を使用して,簡易構築定義ファイルを作成します。簡易構築定義ファイルのテンプレートは次の場所に格納されています。テンプレートファイルを任意の場所にコピーして,簡易構築定義ファイルを作成してください。
- テンプレートファイル(cmxdefcombinedmodel.xml)の格納先
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥config¥templates¥
簡易構築定義ファイルで定義する内容については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
なお,テスト用実行環境を開発環境とは別のマシンに構築している場合は,簡易Webサーバにアクセスするホストを許可する設定が必要になります。簡易構築定義ファイルの<param>タグの下に次のタグを設定します。
- <param-name>タグ
「webserver.connector.http.permitted.hosts」を指定します。
- <param-value>タグ
簡易Webサーバへのアクセスを許可するホスト名またはIPアドレス(MyEclipseがインストールされている開発環境のホスト名またはIPアドレス)を指定します。
(b) JavaVMのセキュリティポリシーの設定
JavaVMのセキュリティポリシーを設定するには,server.policyを編集します。server.policyの格納先を次に示します。
- server.policyの格納先
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥usrconf¥ejb¥<サーバ名称>¥server.policy
- ポイント
- server.policyの格納先である<サーバ名称>フォルダ,およびserver.policyは,cmx_build_systemコマンドを実行すると作成されます。
server.policyに設定する内容については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」のserver.policy(J2EEサーバ用セキュリティポリシーファイル)に関する説明を参照してください。
(3) プラグインを使用するための設定
Developerが提供するプラグイン(CosminexusコネクタおよびServer Plug-in)は,Management Serverリモート管理機能を使用してJ2EEサーバに接続します。このため,Management Serverリモート管理機能の設定が必要になります。また,MyEclipseおよびServer Plug-inでコンソールに情報を出力するためには設定が必要になります。ここでは,Management Serverリモート管理機能の設定と,コンソールへの情報出力の設定について説明します。
(a) Management Serverリモート管理機能の設定
CosminexusコネクタおよびServer Plug-inを使用するためには,Management Serverリモート管理機能の設定が必要です。Management Serverリモート管理機能を使用するためには,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)にプロパティを設定します。mserver.propertiesの格納先と追加するプロパティを次に示します。
なお,Management Server実行中にプロパティを設定しても反映されません。設定を反映するには,Management Serverを再起動する必要があります。
- com.cosminexus.mngsvr.management.portキーに設定するポート番号について
- このキーに指定したポート番号は,CosminexusコネクタおよびServer Plug-inでManagement Serverリモート管理機能にログインするときに使用します。ここで指定したポート番号は,[Cosminexus 7]ページ(Cosminexusコネクタの場合),および[Cosminexus Server Plug-in]ページ(Server Plug-inの場合)のポート番号にも設定してください。Cosminexusコネクタの場合およびServer Plug-inの場合のポート番号の設定について説明します。
- Cosminexusコネクタの場合
[Cosminexus 7]ページでは,デフォルトのポート番号として28099が設定されています。このため,mserver.propertiesでポート番号を変更した場合は,[Cosminexus 7]ページのポート番号も変更してください。[Cosminexus 7]ページでのポート番号の変更方法については,「(4)(a) 接続先ホストの設定変更」を参照してください。
なお,デフォルトのポート番号を使用する場合は[Cosminexus 7]ページでのポート番号の変更は不要です。
- Server Plug-inの場合
「2.4.4(1) 接続先ホストの設定」に示す手順に従ってポート番号を設定します。
(b) コンソールへの情報出力の設定
コンソールに情報を出力する場合は,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)に次の設定を追加してください。
- 格納先
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥config¥adminagent.properties
- 追加するプロパティ
adminagent.j2ee.process.console_event.enabled=true |
- 注
- adminagent.propertiesには,上記のプロパティがすでに記載されています。adminagent.propertiesに記載されているプロパティを使用する場合は,次の内容を実施してください。
- ・コメントを削除します(#を削除します)。
- ・プロパティの値を,falseからtrueに変更します。
なお,Management Server実行中にプロパティを設定しても反映されません。設定を反映するには,Management Serverおよび運用管理エージェントを再起動する必要があります。
- ポイント
- ここ設定しているのは,コンソールに情報を出力するかどうかです。コンソールに表示する文字数などの設定については,「2.5.4 コンソールの設定変更」を参照してください。
(4) Cosminexusコネクタの設定
Cosminexusコネクタは,MyEclipseからJ2EEアプリケーションをデプロイしたり,J2EEサーバを起動したりするときに使用されます。ここでは,Cosminexusコネクタを使用するための設定について説明します。
デプロイ作業ディレクトリの設定およびソケット操作のブロックのタイムアウトの設定を変更したい場合は,Management Serverリモート管理機能へログインする前に設定を変更する必要があります。設定の変更方法については,「2.5.2 デプロイ作業ディレクトリの設定変更」または「2.5.3 ソケット操作のブロックのタイムアウト設定変更」を参照してください。
また,CosminexusコネクタからManagement Serverリモート管理機能へのログインおよびログアウト方法については,「2.4.2 Management Serverリモート管理機能へのログインおよびログアウト(MyEclipse)」を参照してください。
(a) 接続先ホストの設定変更
Cosminexusコネクタの場合,Management Serverリモート管理機能への接続情報がデフォルトで設定されています。このため,次に示す場合には,接続先ホストの設定をManagement Serverリモート管理機能にログインする前に変更する必要があります。
- 接続先がlocalhostで,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)でポート番号をデフォルトから変更している場合
Cosminexusコネクタが接続するポート番号を変更します。
- 接続先がlocalhost以外の場合
接続先がlocalhost以外の場合(MyEclipseと異なるマシンにManagement Serverがある場合),接続ホストを追加する必要があります。
それぞれの場合の設定方法を次に説明します。なお,接続先がlocalhostで,mserver.propertiesに設定するポート番号をデフォルトのまま使用している場合,次に示す設定は不要です。
●接続先のポート番号の変更
「(3)(a) Management Serverリモート管理機能の設定」で接続先ポート番号をデフォルトの28099から変更している場合,[Cosminexus 7]ページでポート番号を変更する必要があります。ポート番号の設定手順を次に示します。
- Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]-[設定]を選択します。
[設定]ダイアログが表示されます。
- 左ペインのツリービューで[MyEclipse]-[アプリケーション・サーバー]-[Cosminexus 7]を選択します。
[Cosminexus 7]ページが表示されます。
- [Cosminexusサーバー]ツリービューの[localhost]を選択し,[編集]ボタンをクリックします。
[接続ホストの編集]ダイアログが表示されます。
- 変更後のポート番号を設定します。
[接続ホストの編集]ダイアログの[ポート番号]に,mserver.propertiesに設定したポート番号を設定します。
●Management Serverリモート管理機能への接続ホストの追加
MyEclipseとは別のマシンにManagement Serverがある場合,あらかじめManagement ServerがあるマシンをManagement Serverリモート管理機能の接続ホストに追加しておく必要があります。Management Serverリモート管理機能の接続先がlocalhostの場合,この設定は不要です。
接続先ホストの追加手順を次に示します。
- Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]-[設定]を選択します。
[設定]ダイアログが表示されます。
- 左ペインのツリービューで[MyEclipse]-[アプリケーション・サーバー]-[Cosminexus 7]を選択します。
[Cosminexus 7]ページが表示されます。
- [新規]ボタンをクリックします。
[新規接続ホスト]ダイアログが表示されます。
![[図データ]](figure/zu031100.gif)
設定が必要な項目を次に示します。
項目名 | 設定値 |
---|
ホスト名またはIPアドレス | Management Serverリモート管理機能の接続先となるManagement Serverのホスト名またはIPアドレスを指定します。 |
ポート番号 | Management Serverリモート管理機能の接続先となるManagement Serverのポート番号を指定します。 |
- [OK]ボタンをクリックします。
[Cosminexusサーバー]ツリービューに追加したホストが表示されます。
- [適用]ボタンまたは[OK]ボタンをクリックします。
追加したホストの設定が保存されます。
(b) J2EEサーバ起動時の動作の設定
J2EEサーバの起動時の動作を設定します。Management Serverリモート管理機能にログインしてから設定してください。Management Serverリモート管理機能へのログイン方法については,「2.4.2 Management Serverリモート管理機能へのログインおよびログアウト(MyEclipse)」を参照してください。
設定手順を次に示します。
- Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]-[設定]を選択します。
[設定]ダイアログが表示されます。
- 左ペインのツリービューで[MyEclipse]-[アプリケーション・サーバー]-[Cosminexus 7]-[起動]を選択します。
[起動]ページが表示されます。
![[図データ]](figure/zu031400.gif)
必要に応じて,次の項目を設定してください。
項目名 | 設定値 |
---|
Cosminexus起動モード | J2EEサーバの起動モードを選択します。
- デバッグ・モード
デバッグモードでJ2EEサーバを開始します。
- 実行モード
実行モードでJ2EEサーバを開始します。
EclipseのツールバーからJ2EEサーバを起動すると,ここで設定した起動モードでJ2EEサーバが起動します。 |
デバッグ・ポート番号 | デバッグモードでJ2EEサーバを起動するときに,デバッガ・アプリケーション(Eclipse)が接続する任意のポート番号を指定します。 未使用のポート番号を指定してください。 |
J2EEアプリケーションを開始しない | J2EEサーバ起動時に,J2EEアプリケーションを開始するかどうかを設定します。
- チェックする
J2EEアプリケーションを開始しません。
- チェックしない
J2EEアプリケーションを開始します。
MyEclipseの[サーバー]ビューからデプロイしたJ2EEアプリケーションだけをテスト・デバッグする場合などに,チェックします。 |
セキュリティー・マネージャーを使用しない | J2EEサーバ起動時にセキュリティマネージャを使用するかどうかを指定します。
- チェックする
セキュリティマネージャを使用しません。
- チェックしない
セキュリティマネージャを使用します。
|
- [適用]ボタンまたは[OK]ボタンをクリックします。
設定が保存されます。
- 参考
- J2EEサーバを追加したあとに,[Cosminexus 7]ページの[Cosminexus サーバー]ツリービューの表示を更新するには,再度,Management Serverリモート管理機能にログインし直してください。