10.1.4 コンパイル不要なJSPファイルの指定

Webアプリケーションに,コンパイル不要なJSPファイルが含まれる場合,次のどちらかの方法で,コンパイル対象外ファイルに指定できます。

コンパイル対象外リストファイルを指定する方法
コンパイル対象外ファイルをコンパイル対象外リストファイルに記述し,コマンド実行時に指定します。
コンパイル対象外ファイルを直接指定する方法
コンパイル対象外ファイルをコマンド実行時に直接指定します。

それぞれの場合の指定方法について説明します。

<この項の構成>
(1) コンパイル対象外ファイルに指定するための前提条件
(2) コンパイル対象外リストファイルを指定する方法
(3) コンパイル対象外ファイルを直接指定する方法

(1) コンパイル対象外ファイルに指定するための前提条件

コンパイル対象外ファイルに指定する場合は,次の条件のうち,どちらかを満たす必要があります。

(2) コンパイル対象外リストファイルを指定する方法

コンパイル対象外リストファイルの作成方法,およびコマンド実行時の指定方法について説明します。

(a) コンパイル対象外リストファイルの作成

テキストファイルにコンパイル対象外のJSPファイルパスを記述します。コンパイル対象外リストファイルの記述形式を示します。

# コメント
<コンパイル対象外とするJSPファイルパス1>
<コンパイル対象外とするJSPファイルパス2>
...

コンパイル対象外とするJSPファイルパスを1行に一つ記述します。#で始まる行はコメント行とみなされます。

次に,コンパイル対象外リストファイルの記述例を示します。JSPファイルパスの指定方法については,「10.1.3(3) JSPファイルパスの指定方法」を参照してください。

コンパイル対象外リストファイル名に使用できる文字は,A~Z,a~z,0~9の半角英数字,「_」(半角のアンダースコア),および「.」(ピリオド)です。

(b) コンパイル対象外リストファイルの指定

コンパイル対象外リストファイルを指定するには,cjjspcコマンドのオプション-excludelistに,コンパイル対象外リストファイルの絶対パスまたはカレントディレクトリからの相対パスを指定します。

コンパイル対象外リストファイルの指定形式を示します。

> cjjspc -excludelist <コンパイル対象外リストファイルのパス> -root <Webアプリケーションのルートディレクトリ>

(3) コンパイル対象外ファイルを直接指定する方法

cjjspcコマンド実行時に,コンパイル対象外のJSPファイルを指定するには,cjjspcのオプション-excludefileにコンパイル対象外とするJSPファイルパスを指定します。対象外のJSPファイルを複数指定するには,Windowsの場合は「;」(セミコロン),UNIXの場合は「:」(コロン)でファイルパスを区切ります。

注意
  • ファイルパスに区切り文字(Windowsの場合は「;」,UNIXの場合は「:」)を含めることはできません。ファイルパスに区切り文字を含める必要がある場合は,コンパイル対象外リストファイルを使用してください。
  • ファイルパスにワイルドカード文字「*」(アスタリスク)や空白文字列を含める場合は,ファイルパスを必ず””(ダブルクォーテーション)で括ってください。

コンパイル対象外ファイルの指定形式を,WindowsおよびUNIXの場合に分けて示します。

JSPファイルパスの指定方法については,「10.1.3(3) JSPファイルパスの指定方法」を参照してください。

参考
コンパイル不要なJSPファイル
JSPファイルには,単独ではコンパイル不要なJSPファイルがあります。次に,単独ではコンパイル不要なJSPファイルの例を示します。
  • output.jsp

    <%@ page contentType="text/html; charset=Shift_JIS" %>
    <html>
    <head><title>tの値まで数値を出力</title></head>
    <body>

    <% int t = 10; %>

    <%@ include file="display.jsp" %>

    </body>
    </html>

  • display.jsp

    <%
     for(int i=0; i<t; i++){
              out.print(i + " ");
     }
    %>

この例の場合,output.jspに対してコンパイルを実行すると,display.jspを静的にインクルードしてコンパイルされます。そのため,display.jspを単独でコンパイルする必要はありません。display.jspをコンパイルすると,int型変数tがdisplay.jsp内で宣言されていないためコンパイルエラーとなります。
このように,コンパイル不要なファイルがある場合,-excludelistまたは-excludefileオプションを使用することでコンパイル対象外に指定します。