トランザクションコンテキストサーバは特定の名前と関連づけることができます。複数のトランザクションコンテキストサーバが同じ名前を持つこともできます。この名前はグループを指定し,そのグループとほかのグループとを区別します。
次のシステム環境定義で,トランザクションコンテキストサーバに名前を付けることができます。
/OTS/TCS trn_ctx_sv_name
JavaトランザクショナルクライアントおよびJavaトランザクショナルサーバでは,TpCosOTSオブジェクトのset_propertyメソッドを使用して,トランザクションコンテキストサーバの名前を設定できます。そして,ClientProxyまたはServerProxyオブジェクトはこの名前を使用して,特定のトランザクションコンテキストサーバを見つけることができます。
トランザクションコンテキストサーバのネーミングについて次の図に示します。
図5-11 トランザクションコンテキストサーバのネーミング
TCS名が重要となるのは,次のような理由からです。
ClientProxyまたはServerProxyオブジェクトは,トランザクションコンテキストサーバの名前が設定されている場合,接続先のトランザクションコンテキストサーバがダウンしていることを検出すると,同じグループ内にある別のトランザクションコンテキストサーバにバインドし直すことができます。これによって,複雑なシステムではより良い性能が得られます。
トランザクションコンテキストサーバグループを検索する例を次の図に示します。
図5-12 トランザクションコンテキストサーバグループの検索(groupAを設定)
ClientProxyまたはServerProxyオブジェクトは次のようにして名前を処理します。
すべてのトランザクションコンテキストサーバを検索する例を次の図に示します。
図5-13 すべてのトランザクションコンテキストサーバの検索(設定なし)