インプロセスHTTPサーバは,J2EEサーバのプロセス内で提供されるWebサーバ機能です。Webサーバを経由しないで,HTTPリクエストをJ2EEサーバプロセスが直接受信することで,Web連携時よりも優れた処理性能でWebサーバの機能を利用できます。インプロセスHTTPサーバ機能を使用する場合は,論理J2EEサーバの[Webコンテナの設定]画面で,インプロセスHTTPサーバ機能の使用に「する」を指定します。デフォルトでは「しない」です。ここでは,インプロセスHTTPサーバで提供する機能を使用するための設定方法について説明します。
インプロセスHTTPサーバで提供する機能と設定方法を次の表に示します。
表E-12 インプロセスHTTPサーバで提供する機能と設定方法
機能 | 設定内容 |
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Webクライアントからの接続数の制御とリクエスト処理スレッド数の制御の設定 | サーバを稼働するホストの性能やクライアントからのアクセス状況に合わせてリクエスト処理スレッド数を調節することで,インプロセスHTTPサーバのパフォーマンスを向上できます。 論理J2EEサーバの[通信・スレッド制御の設定]画面で,Webクライアントとの接続数の最大値,Listenキューの登録数の最大値,J2EEサーバ起動時に作成するリクエスト処理スレッド数,予備スレッド数の最大値・最小値などを指定します。 設定時の留意点を次に示します。
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Webクライアントからのアクセス制御の設定 | クライアントからの接続や送信されるリクエストに対するセキュリティを強化することで,外部からの不正アクセスやサーバへの攻撃を防ぐことができます。 論理J2EEサーバの[セキュリティに関する設定]画面で,アクセスを許可するホストの制限,リクエストラインの最大サイズなどのリクエストデータのサイズ制限,有効なHTTPメソッドの制限を指定します。 |
リクエストの流量制御の設定 | Webクライアントからの同時接続数やWebコンテナでの同時実行スレッド数を制御することで,J2EEサーバの負荷を抑えることができます。 論理J2EEサーバの[通信・スレッド制御の設定]画面で,接続を拒否するリクエスト処理スレッド数,同時実行スレッド数を指定します。同時実行スレッド数は,Webコンテナ単位,Webアプリケーション単位,およびURLグループ単位で制御できます。 なお,Webアプリケーション単位およびURLグループ単位の場合は,サーバ管理コマンドまたはServer Plug-inで設定します。同時実行スレッド数の制御を設定するための指針については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。 |
Webクライアントとの通信制御の設定 | Persistent Connectionの使用や通信タイムアウトの設定をすることで,WebクライアントとインプロセスHTTPサーバ間での処理時間の短縮,障害の発生の検知などができます。 論理J2EEサーバの[通信・スレッド制御の設定]画面で,Persistent Connection数の上限値,Persistent Connectionのリクエスト処理回数の上限値,クライアント-インプロセスHTTPサーバ間のリクエスト受信・レスポンス送信時のタイムアウトなどを指定します。また,論理J2EEサーバの[Webコンテナの設定]画面で,インプロセスHTTPサーバのIPアドレスを設定します。 |
Webクライアントへのレスポンスのカスタマイズ | HTTPレスポンスのServerヘッダやエラー発生時のエラーページをカスタマイズできます。 論理J2EEサーバの[その他の設定]画面で,HTTPレスポンスのServerヘッダに自動設定する文字列を,論理J2EEサーバの[エラーコンテンツに関する設定]画面で,エラーページと対応づけたいエラーステータスコードなどを指定します。 |
リダイレクトによるリクエストの振り分けの設定 | HTTPリクエストに含まれるURLパターンによってリクエストを振り分けることができます。 論理J2EEサーバの[リダイレクトに関する設定]画面で,リダイレクト定義名,リダイレクトするリクエストのURL,リクエストのリダイレクト先のURLなどを指定します。 |
Webコンテナにゲートウェイ情報を通知するための設定 | Webコンテナにゲートウェイ情報を通知して,WebアプリケーションのトップページやForm認証画面に正しくリダイレクトできます。 論理J2EEサーバの[その他の設定]画面で,ゲートウェイのホスト名やポート番号,リダイレクト先URLのスキームを指定します。 |
インプロセスHTTPサーバのアクセスログの設定 | インプロセスHTTPサーバで出力するログやトレースのうち,アクセスログでは出力形式をカスタマイズできます。 論理J2EEサーバの[ログに関する設定]画面で,アクセスログのフォーマット名,出力形式などを指定します。 |