付録D.2 Management Serverの設定

ここでは,Management Serverを使用するために必要なセットアップ,環境設定,動作環境の設定と,運用管理エージェントが論理サーバを監視するための設定について説明します。

<この項の構成>
(1) Management Serverのセットアップ
(2) Management Serverの環境設定
(3) Management Serverの動作環境の設定
(4) 運用管理エージェントによる論理サーバの監視に関する設定

(1) Management Serverのセットアップ

Management Serverを初めて使用するホストでは,まず,Management Serverをセットアップしてください。一度セットアップしたホストでは,この作業は不要です。

Management Serverは,mngsvrctlコマンドで引数setupを指定してセットアップします。

次に示すように引数の指定を省略すると,mngsvrctlコマンドの使用方法を表示できます。

mngsvrctlコマンドについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」を参照してください。

参考
セットアップ時に管理ユーザアカウントを設定できます。管理ユーザアカウントを設定する場合は,次のように指定してください。
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥mngsvrctl setup <サーバ名> -u <管理ユーザID> -p <管理ユーザパスワード>
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl setup <サーバ名> -u <管理ユーザID> -p <管理ユーザパスワード>
セットアップ後に管理ユーザアカウントを設定する場合や,設定済みの管理ユーザアカウントを変更したい場合は,mngsvrctlコマンドで引数setupを指定して実行するか,または「Cosminexus Management Serverの設定」の[管理ユーザアカウントの設定]画面で設定してください。

(2) Management Serverの環境設定

Management Serverや運用管理エージェントのプロパティを設定して,Management Serverの環境を設定してください。

(a) Management Serverのプロパティの設定

Management Serverのプロパティファイル(mserver.properties)で,Management Serverが使用するポート番号や,Management Serverへのアクセスを許可するホストなどを設定できます。

mserver.propertiesに指定するキーを次に示します。キーの詳細,およびここで説明していないキーについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

これらのキーのほかに,mserver.propertiesでは,snapshotログ収集や障害検知時コマンドによる資料取得のためのキーを設定できます。snapshotログ収集の設定や,障害検知時コマンドによる資料取得のための設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。

注意
Management Server起動後は,「Cosminexus Management Serverの設定」の[ネットワークの設定]画面からもポート番号を変更できます。ただし,mserver.propertiesにコメントを書いていた場合は,「Cosminexus Management Serverの設定」の[ネットワークの設定]画面からポート番号を変更すると,コメントが削除されます。
(b) 運用管理エージェントのプロパティの設定

運用管理エージェントのプロパティファイル(adminagent.properties)で,運用管理エージェントが使用するポート番号を設定できます。

このキーのほかに,adminagent.propertiesでは,論理サーバの動作確認のレベルや間隔,snapshotログの収集先などを設定できます。論理サーバの動作確認に関する設定については,「(4) 運用管理エージェントによる論理サーバの監視に関する設定」を参照してください。snapshotログの収集先の設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。

(3) Management Serverの動作環境の設定

「Cosminexus Management Serverの設定」で,Management Serverを利用するユーザのアカウント情報,ネットワーク情報など,Management Serverの動作環境を設定します。また,Management Serverを使用して設定した環境の退避または回復をします。Management Serverの設定に関する操作については,「1.2.1 Management Serverの設定」を参照してください。

(4) 運用管理エージェントによる論理サーバの監視に関する設定

Management Serverを利用して運用する場合,運用管理ポータルの「論理サーバの運用監視」やManagement Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用すると,論理サーバのステータスを確認でき,論理サーバの起動/停止状態がわかります。Management Serverで論理サーバを管理する場合は,運用管理エージェントが定期的に論理サーバのプロセス監視および動作確認を実施して,論理サーバのステータスをManagement Serverに通知します。運用管理エージェントが論理サーバの動作を確認するときのレベルや間隔は,ユーザ定義ファイルで設定を変更できます。必要に応じて,論理サーバの動作確認に関する次の項目を設定してください。

これらの項目は,運用管理エージェントの動作を設定するadminagent.propertiesで設定します。adminagent.propertiesおよび各項目で設定するキーについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

論理サーバの動作確認レベルの設定

運用管理エージェントでは,論理サーバが正常に動作しているかどうかを,プロセスの存在を確認したり,論理サーバにアクセスしたりすることで判断します。論理サーバの動作確認レベルは,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.levelキーに指定します。必要に応じて,論理サーバの動作確認レベルを変更してください。指定できる値は「1」または「2」です。「1」はプロセスの存在を確認するだけで論理サーバの動作を確認します。また,「2」はプロセスの存在を確認し,実際に論理サーバにアクセスして動作を確認します。指定できる値は論理サーバの種類によって異なります。

論理サーバの動作確認間隔の設定

論理サーバの動作確認の間隔(秒)は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.intervalキーに指定します。デフォルトは10秒です。必要に応じて,論理サーバの動作を確認するときの間隔を変更してください。

論理サーバの動作確認タイムアウトの設定

論理サーバの動作確認のタイムアウト時間(秒)は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.timeoutキーに指定します。デフォルトは60秒です。必要に応じて,論理サーバの動作を確認するときのタイムアウト時間を変更してください。

論理サーバの動作確認リトライの設定

論理サーバの動作確認のリトライ回数は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.retry_countキーに指定します。デフォルトは1回です。

また,adminagent.watch.retry_timeout.enabledキーでは,タイムアウトの発生をリトライの対象にするかどうかを指定できます。デフォルトはfalse(リトライの対象にしない)です。なお,新規インストール時はtrue(リトライの対象にする)が指定されています。

必要に応じて,論理サーバの動作を確認するときのリトライの設定を変更してください。

論理サーバの動作確認の開始時間の設定

論理サーバを起動してから動作確認(動作確認レベル2)を開始するまでの時間(秒)は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.start_timeキーに指定します。デフォルト値は論理サーバの種類によって異なります。必要に応じて,論理サーバの動作確認の開始時間を変更してください。

なお,論理サーバの動作確認の開始時間を変更する場合は,「論理サーバの動作確認の開始時間(秒) < 論理サーバの起動監視時間(分)」となるように注意してください。論理サーバの起動監視時間は,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」の[起動/停止の設定]画面で設定できます。起動監視時間が動作確認の開始時間よりも小さい場合は,論理サーバの起動に失敗します。

Hitachi Web Serverの動作確認の設定

Management Serverでは,WebサーバとしてHitachi Web Serverを管理できます。ここでは,動作確認用HTTPメソッドの設定,およびHitachi Web Serverの動作確認用URLの設定について説明します。ただし,Hitachi Web Server動作確認用URLは,動作確認用HTTPメソッドの設定で「HEAD」を指定している場合にだけ設定できます。