付録I.2 トラブルシューティングの資料取得の設定

トラブルシューティングに必要な資料のうち,一部の資料は,運用を開始する前に資料取得のための設定をしておく必要があります。例えば,OSの統計情報,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合),JavaVMのガーベージコレクションのログなどは,事前に取得のための設定をしておかないと,取得できません。これらの資料はトラブルシューティングで必要となるため,取得することをお勧めします。

また,デフォルトの設定で取得できるようになっている資料については,特に設定は不要ですが,ログの出力先やサイズなどを変更したい場合には,運用管理ポータルで項目の値を変更したり,ユーザ定義ファイルを編集したりして,設定を変更してください。

トラブルシューティングの資料取得のための設定を次の表に示します。

表I-8 トラブルシューティングの資料取得のための設定

資料の種類設定内容設定の要否
snapshotログsnapshotログの収集先,収集方法や収集のタイミングを変更する場合には,ユーザ定義ファイルを編集します。運用管理ポータルでは設定できません。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のsnapshotログ収集の設定に関する説明を参照してください。
Management Serverのログ「Cosminexus Management Serverの設定」にある[ログの設定]画面で,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。
性能解析トレースファイル「Cosminexus Management Serverの設定」にある[性能解析トレース収集の設定]画面で,性能解析トレースファイルの面数を設定します。
また,「論理サーバの環境設定」にある論理パフォーマンストレーサの[パフォーマンストレーサの設定]画面で,PRFトレースの取得レベルやファイルの面数を設定します。
バッチサーバのログ「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[ログの設定]画面で,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。
また,論理J2EEサーバの[ログの設定]画面で,システムログ出力の設定が有効になっている場合,バッチサーバの起動,停止および異常終了のメッセージがイベントログ(UNIXの場合,syslog)に出力されます。
バッチアプリケーションのユーザログ「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[ユーザログの設定]画面で,ロガーやハンドラの設定,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。また,server.policyで,セキュリティポリシーを設定します。
稼働情報ファイル「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[稼働情報の設定]画面で,稼働情報ファイルの出力先や面数などを設定します。
Cosminexus Managerのログmanager.cfgで統合ログの面数やサイズを指定します。運用管理ポータルでは設定できません。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のCosminexus Managerのログ取得の設定に関する説明を参照してください。
コンソールログadminagent.propertiesでコンソールログの出力の有無,面数やサイズを設定します。運用管理ポータルでは設定できません。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のコンソールログの取得の設定に関する説明を参照してください。
リソースアダプタのログサーバ管理コマンドまたはServer Plug-inを使用して,リソースアダプタ単位でのログ出力の有無を設定します。
また,「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[ログの設定]画面で,ログの出力レベル,サイズ,面数を設定します。
Cosminexus TPBrokerのトレースファイルバッチサーバ用のusrconf.cfgとusrconf.properties,サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)を指定します。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のCosminexus TPBrokerのログ取得の設定に関する説明を参照してください。
また,論理J2EEサーバの[ログの設定]画面で,トレースファイルの出力先や面数などを設定します。
Cosminexus DABroker Libraryのログ環境設定ユティリティまたはCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルで,ログファイルサイズなどを設定します。運用管理ポータルでは設定できません。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のCosminexus DABroker Libraryのログ取得の設定に関する説明を参照してください。
OSの統計情報Windowsの場合,Windowsのシステムモニタでシステムリソースのパフォーマンスデータ取得の設定をします。運用管理ポータルでは設定できません。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のOSの統計情報取得の設定に関する説明を参照してください。
ユーザダンプWindowsの場合,ワトソン博士で,ユーザダンプ取得の設定をします。運用管理ポータルでは設定できません。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のユーザダンプ取得の設定に関する説明を参照してください。
coreダンプUNIXの場合,usrconf.cfgやシェルコマンドで,coreファイル取得の設定をします。運用管理ポータルでは設定できません。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のcoreダンプ取得の設定に関する説明を参照してください。
JavaVMの資料論理J2EEサーバの[起動パラメタの設定]画面で,JavaVMのスレッドダンプや日立固有のJavaVMログ(日立JavaVMログファイル)の出力方法や出力内容などの設定をします。
サーバ管理コマンドのログサーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)とusrconf.propertiesで,ログの出力レベルなどを設定できます。詳細については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のサーバ管理コマンドのログ取得の設定に関する説明を参照してください。
(凡例)
○:資料を取得する場合には,設定が必要。
△:デフォルトの資料取得の設定を変更する場合だけ,設定が必要。

この表に示したログは,snapshotログで一括収集できます。ただし,Cosminexus TPBrokerのトレースファイルについては,収集できるものと収集できないものが混在しています。このほかにも,snapshotログのデフォルトの設定で取得できないログについては,取得のための設定をしたり,snapshotログの収集先に追加したりする必要があります。また,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)については,固定のファイル名に対して収集します。障害発生時に収集するためには,ユーザ作成の障害検知時コマンドを利用する必要があります。

なお,次のログはログ出力先を変更できません。

ログの種類やデフォルト値,チャネル名,取得できるログの詳細や取得方法については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。