バッチアプリケーションが動作するバッチサーバを構築する場合には,バッチサーバの動作設定として必ず設定する項目と,必要に応じて設定する項目があります。
バッチサーバを構築する場合には,動作設定で必ず設定しなければならない項目があります。バッチサーバの動作設定で必ず設定する項目を次の表に示します。
表I-1 バッチサーバの動作設定で必ず設定する項目
項目 | 設定内容 |
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バッチサーバとしてサーバを構築するための設定 | 論理J2EEサーバの[J2EEサーバの追加]画面で,[バッチサーバとして作成する]を選択します。バッチサーバを作成する場合には,必ず選択してください。 バッチサーバとして作成すると,[J2EEコンテナの設定]画面の「拡張パラメタ」に,有効欄がチェックされた状態で「batch.service.enabled=true」が自動的に表示されます。この設定は変更しないでください。 |
SecurityManagerを使用しない設定 | バッチサーバの場合,SecurityManagerは使用しません。 論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面で,セキュリティマネージャを使用しないように指定します。 なお,バッチサーバとして作成すると,デフォルトの設定では,セキュリティマネージャを使用しないようになっています。この設定は変更しないでください。 |
ライトトランザクション機能を有効にするための設定 | バッチサーバの場合,ローカルトランザクションを使用します※。このため,ローカルトランザクションに最適化された環境を提供する,ライトトランザクション機能を使用します。 論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面または[トランザクションの設定]画面で,ライトトランザクション機能を有効にするように指定します。デフォルトの設定では,ライトトランザクションが有効になっています。この設定は変更しないでください。 |
注※ バッチサーバの場合,グローバルトランザクションは使用できません。
デフォルトで設定されているバッチサーバの動作を変更したい場合は,運用管理ポータルの画面(「論理サーバの環境設定」)で編集できます。Cosminexusが提供する主な機能には,ガーベージコレクション制御機能などのように,デフォルトの設定で動作しないものがあります。デフォルトの設定で動作しない機能は,運用管理ポータルの画面やユーザ定義ファイルで設定内容を編集する必要があります。
ここでは,マニュアル「Cosminexus 機能解説」で説明した機能を使用するために設定する項目を,次の分類に分けて説明します。機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」を参照してください。機能ごとに,運用管理ポータルで編集できる設定項目と,その項目を設定する画面について説明します。
なお,運用管理ポータルで編集できない設定項目については,server.policyなどのユーザ定義ファイルのキーを編集して設定します。運用管理ポータルで編集できない設定項目の設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
EJBアクセス機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」に設定します。設定内容を次の表に示します。
表I-2 EJBアクセス機能を使用するための設定
項目 | 設定内容 |
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RMI-IIOP通信のタイムアウト | 論理J2EEサーバの[EJBコンテナの設定]画面で,RMI-IIOP通信のクライアントとサーバ間の通信タイムアウト時間を指定します。 |
リモートインタフェースでの通信障害発生時のEJBクライアントの動作 | 論理J2EEサーバの[システムプロパティの設定]画面のシステムプロパティの定義で,EJBメソッドの呼び出し時に通信障害が発生した場合のバッチサーバ側でのコネクションの再接続動作とリクエストの再送動作(usrconf.propertiesのejbserver.container.rebindpolicy)を指定します。 |
バッチサーバの通信ポートとIPアドレスの固定 | 論理J2EEサーバの[EJBコンテナの設定]画面で,次の内容を指定します。
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ネーミング管理の機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」に設定します。設定内容を次の表に示します。
表I-3 ネーミング管理の機能を使用するための設定
項目 | 設定内容 |
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基本設定 | デフォルトの設定では,バッチサーバはホスト名「localhost」,ポート番号「900」のCORBAネーミングサービスをインプロセスで自動起動して使用します。設定を変更したい場合には,論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面または[ネーミングの設定]画面で,利用するネーミングサービスとして次の内容を指定します。
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ラウンドロビン検索※ | 論理J2EEサーバの[ネーミングの設定]画面で,次の内容を指定します。
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ネーミングのキャッシング | 論理J2EEサーバの[ネーミングの設定]画面で,次のキャッシュの利用に関する内容を指定します。
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ネーミングサービスの通信タイムアウト | 論理J2EEサーバの[ネーミングの設定]画面で,ネーミングサービスとの通信タイムアウト時間を指定します。 |
注※ ラウンドロビン検索は,ユーザ指定名前空間機能を使用していることが前提になります。ユーザ指定名前空間機能を使用する場合,サーバ管理コマンドの動作設定のカスタマイズが必要です。設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のサーバ管理コマンドの動作設定のカスタマイズに関する説明を参照してください。
リソース接続とトランザクション管理の機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」に設定します。設定内容を次の表に示します。
表I-4 リソース接続とトランザクション管理の機能を使用するための設定
項目 | 設定内容 |
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トランザクションのタイムアウト | 論理J2EEサーバの[トランザクションの設定]画面で,トランザクションのタイムアウト時間を指定します。 |
Application Serverが管理するトランザクションの外でコネクションシェアリングの有効化 | 論理J2EEサーバの[システムプロパティの設定]画面のシステムプロパティの定義で,アプリケーションサーバが管理するトランザクションの外で複数回コネクションの取得を行ったときの,コネクションシェアリングの動作(usrconf.propertiesのejbserver.connectionpool.sharingOutsideTransactionScope.enabled)を指定します。 |
コネクションアソシエーション | 論理J2EEサーバの[トランザクションの設定]画面で,コネクションアソシエーション機能を使用するかどうかを指定します。 |
DataSourceオブジェクトのキャッシング | 論理J2EEサーバの[システムプロパティの設定]画面のシステムプロパティの定義で,DataSourceオブジェクトのキャッシングを有効にするかどうか(usrconf.propertiesのejbserver.jndi.cache.reference)を指定します。 |
DB Connectorのコンテナ管理でのサインオンの最適化 | 論理J2EEサーバの[システムプロパティの設定]画面のシステムプロパティの定義で,コンテナ管理のサインオンの最適化機能を有効にするかどうか(usrconf.propertiesのejbserver.connectionpool.applicationAuthentication.disabled)を指定します。 |
トランザクションタイムアウト(バッチサーバ単位) | 論理J2EEサーバの[トランザクションの設定]画面で,バッチサーバ上で開始されるトランザクションのタイムアウトのデフォルト値を指定します。 |
ガーベージコレクション制御機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」に設定します。
論理J2EEサーバの[システムプロパティの設定]画面のシステムプロパティの定義で,ガーベージコレクションを実行する条件となるメモリ使用量のしきい値(usrconf.propertiesのejbserver.batch.gc.watch.threshold)を指定します。
コンテナ拡張ライブラリの機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」に設定します。
論理J2EEサーバの[J2EEコンテナの設定]画面で,コンテナ拡張ライブラリのJARファイルのパスやJNI用ライブラリの検索パスなどを指定します。
システムの日常運用の支援機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」に設定します。設定内容を次の表に示します。
表I-5 システムの日常運用の支援機能を使用するための設定
項目 | 設定内容 |
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リソース枯渇監視機能 | 論理J2EEサーバの[リソース枯渇監視の設定]画面で,リソース枯渇監視機能の使用の有無,リソースの監視間隔やしきい値などを指定します。なお,リソースの種別によっては,リソースの監視間隔やしきい値は,サーバ管理コマンドまたはServer Plug-inで指定します。設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のリソース枯渇監視の設定に関する説明を参照してください。 |
稼働情報収集機能 | 論理J2EEサーバの[稼働情報の設定]画面,[イベントの設定]画面で,稼働情報の取得レベル,収集間隔,稼働情報ファイルの出力先,イベントを発行するためのしきい値や監視間隔などを指定します。設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」の稼働情報ファイルの取得とイベント発行の設定に関する説明を参照してください。 また,イベント発行時に出力されるメッセージを利用してManagementイベントを発行することもできます。Managementイベントの設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のManagementイベントによる処理の自動実行の設定に関する説明を参照してください。 |
Managementイベントによる処理の自動実行 | 論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面,[J2EEコンテナの設定]画面で,Managementイベントの発行を有効にするかどうか,Managementイベント発行時の動作などを設定します。設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のManagementイベントによる処理の自動実行の設定に関する説明を参照してください。 |
システムの保守支援機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」およびserver.policyに設定します。設定内容を次の表に示します。
表I-6 システムの保守支援機能を使用するための設定
項目 | 設定内容 |
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アプリケーションのユーザログ出力 | 論理J2EEサーバの[ユーザログの設定]画面で,バッチアプリケーションのユーザログの出力先,ログレベル,ログ面数,使用するフィルタ,フォーマッタなど(usrconf.propertiesのejbserver.applicationから始まるキー)を指定します。また,server.policyにセキュリティポリシーを指定します。設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のアプリケーションのユーザログ出力の設定に関する説明を参照してください。 |
バッチサーバのログ出力 | 論理J2EEサーバの[ログの設定]画面で,バッチサーバのログの出力先や出力レベルなどを指定します。 |
システムの監査支援機能を使用するためには,運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」および監査ログファイルに設定します。設定内容を次の表に示します。
表I-7 システムの監査支援機能を使用するための設定
項目 | 設定内容 |
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データベース監査証跡との連携 | 論理J2EEサーバの[システムプロパティの設定]画面のシステムプロパティの定義で,データベース監査証跡連携機能を有効にするかどうか(usrconf.propertiesのejbserver.container.audit_trail.enabled)を指定します。 |
監査ログ出力 | 監査ログ定義ファイルに,監査ログを出力するかどうかを指定します。設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」の監査ログ出力の設定に関する説明を参照してください。 |