付録H.1 システムの構築の流れ

ここでは,Management Serverの運用管理ポータルを利用してシステムを構築する場合の流れについて説明します。

Management Serverの運用管理ポータルや運用管理コマンド(mngsvrutil)を利用してシステムを運用し,Cosminexusのシステム全体のサーバの運用をManagement Serverで一括管理する場合のシステムの構築手順を次に示します。

  1. Management Serverの設定をします。
    • Management Serverを初めて使用するホストは,Management Serverをセットアップしてください。
    • Management Serverのプロパティファイル(mserver.properties)や運用管理エージェントのプロパティファイル(adminagent.properties)で,Management Serverが使用するポート番号や,Management Serverへのアクセスを許可するホストなどを指定してください。
    • 必要に応じて,運用管理ポータルの「Cosminexus Management Serverの設定」で,Management Serverのユーザやネットワークの設定をしてください。
    • 必要に応じて,運用管理エージェントによる論理サーバの監視に関する設定をします。
    詳細については,「付録D.2 Management Serverの設定」を参照してください。
  2. 論理サーバの設定をします。
    • 運用管理ポータルの「運用管理ドメインの構成定義」で,必要な論理サーバを運用管理ドメイン内に適切に配置して,論理サーバの構成を定義します。
    • 運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」で,「運用管理ドメインの構成定義」で追加した論理サーバを稼働させるために必要な設定をします。
    • 運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で,一括起動するときの論理サーバの起動順序,自動再起動するときの回数など,論理サーバの起動と停止の設定をします。
    • 必要に応じて,論理サーバの起動と停止で使用する環境変数の設定をします。
    詳細については,「付録H.2 論理サーバの設定」を参照してください。
  3. バッチサーバの動作設定を変更します。
    バッチサーバの場合,動作設定で必ず設定する項目があります。必要に応じて設定する項目の場合,デフォルトの設定のまま利用するときは,設定不要です。バッチサーバの動作を変更したい場合は,運用管理ポータルの画面,またはユーザ定義ファイルで設定内容を編集する必要があります。
    Cosminexusが提供する主な機能ごとの設定内容については,「付録I.1 バッチサーバの動作設定」を参照してください。
  4. トラブルシューティングの資料取得の設定をします。
    デフォルトの設定のまま利用する場合は,設定不要です。ログの出力先やサイズなどを変更したい場合は,運用管理ポータルの画面,またはユーザ定義ファイルで設定内容を編集する必要があります。
    ただし,次の資料は,事前に取得するための設定をしておかないと,取得できません。これらの資料はトラブルシューティングで必要となるため,取得することをお勧めします。
    • OSの統計情報,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)
    • JavaVMのガーベージコレクションのログ
    資料の種類ごとの設定内容については,「付録I.2 トラブルシューティングの資料取得の設定」を参照してください。
  5. システムの可用性を高める設定をします。
    システムの可用性を高めるための設定を使用しない場合は,設定不要です。
    システムの可用性を高めるための設定としては,Managementイベントによる障害の事前検知の設定があります。これらの設定方法については,「付録I.1 バッチサーバの動作設定」を参照してください。
  6. リソースを設定します。
    サーバ管理コマンドまたはServer Plug-inを使用して,リソースアダプタのプロパティなどを定義します。また,運用管理ポータルを使用して,リソースアダプタをManagement Serverに登録,バッチサーバにインポートします。バッチアプリケーションからデータベースに接続しない場合は,設定不要です。詳細については,「付録H.3 リソースの設定」を参照してください。
  7. システムを起動して,システムの動作を確認します。
    システムの起動および停止については,「付録J バッチアプリケーションを実行するシステムの起動と停止(Windowsの場合)」,または「付録K バッチアプリケーションを実行するシステムの起動と停止(UNIXの場合)」を参照してください。
    参考
    Management Serverを利用しているシステムでは,次に示すプログラムと連携した運用を実現できます。
    • JP1との連携
      バッチアプリケーションの開始をJP1のジョブとして定義できます。また,Management Serverを利用しているシステムは,JP1と連携することで,JP1の集中監視,運用の自動化,稼働状況の分析などの機能を使用して,Cosminexus以外で構築されたシステムも含めた業務システム全体を一括管理できるようになります。なお,JP1/IMと連携する場合に,JP1/IMの統合コンソールまたは統合スコープから,運用管理ポータルを表示できます。設定方法については,「付録L JP1/IMから運用管理ポータルを表示するための設定(Windowsの場合)」を参照してください。
    • クラスタソフトウェアとの連携
      Management Serverを利用しているシステムは,クラスタソフトウェアと連携することで,プロセス監視,障害発生時の系切り替えなどの機能を使用して,Application Serverの稼働率を向上できます。連携できるクラスタソフトウェアは,Microsoft Cluster Service(Windowsの場合),またはHAモニタ(AIX,HP-UXまたはLinuxの場合)です。
    ほかのプログラムと連携することで実現できる機能については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」を,設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
    また,運用管理ポータルを使用して構築したシステムで,Smart Composer機能のコマンド(cmx_export_model)を実行すると,運用管理ポータルで構築済みのシステムの定義内容を,簡易構築定義ファイルの形式(free-tier)で出力できます。出力した簡易構築定義ファイルを使用して,Smart Compsoer機能のコマンドを実行すると,同じ定義内容のシステムをほかの環境に構築できます。Smart Compsoer機能のコマンドを使用した構築済みのシステムの移行手順については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。