付録I.1 Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定

Cosminexus DABroker Libraryの動作環境は,環境設定ユティリティで設定します。また,環境設定ユティリティでは,トレース取得の設定ができます。ここでは,Cosminexus DABroker Libraryで取得できるトレースと,Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定について説明します。

<この項の構成>
(1) Cosminexus DABroker Libraryで取得できるトレース
(2) Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定

(1) Cosminexus DABroker Libraryで取得できるトレース

Cosminexus DABroker Libraryの動作環境設定で,必要に応じて,トレース取得の設定をしてください。取得できるトレースを次に示します。

拡張データベースアクセストレース
通常の運用ではトレースは採取しませんが,障害などの不具合の調査が必要なときに,拡張データベースアクセストレースを取得します。
拡張データベースアクセストレースは,データベースへの接続から切断までのアクセス情報を出力したトレースです。データベースへの接続ごとに出力されます。
拡張データベースアクセストレースは,次のように利用できます。
  • データベースのアクセス中に発生したトラブルの迅速な切り分け
  • 24時間稼働に対応するJ2EEアプリケーションの稼働状態でのトラブル調査
  • マルチスレッド環境でJ2EEアプリケーションが動作している場合のスレッドごとのデータベースアクセス履歴取得
  • コネクションプーリングなどの機能を使用している場合のデータベースへの接続ごとのデータベースアクセス履歴取得
  • トラブルが再現調査できない場合の常時トレース取得
XAトレース
XAトレースはXAインタフェースでエラーを検知した場合に,エラートレースを取得します。XAインタフェースでエラーが発生した場合にエラーの内容をトレースできるように,XAトレースの取得を設定してください。

(2) Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定

Cosminexus DABroker Libraryの動作環境は,環境設定ユティリティで設定します。なお,環境設定ユティリティにはオンラインヘルプがありますので,設定内容の詳細については,オンラインヘルプを参照してください。[スタート]メニューの[プログラム]から[Cosminexus]-[DABrokerLibrary]-[ヘルプ]を選択すると,Cosminexus DABroker Libraryのオンラインヘルプが表示されます。

注※
プログラムフォルダ名を変更している場合,任意のプログラムフォルダから,選択してください。

Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定手順を次に示します。

  1. 環境変数を設定します。
    システム環境変数のPATHに「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥DAB¥lib」を設定してください。設定されていない場合,環境設定ユティリティは起動できません。
  2. [スタート]メニューの[プログラム]から[Cosminexus]-[DABrokerLibrary]-[環境設定]を選択します。
    [DABroker動作環境設定]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  3. [DABroker動作環境設定]ダイアログで必要事項を設定して,[適用]ボタンをクリックします。
    [DABroker動作環境設定]ダイアログには次の三つのタブがあります。
    • [共通設定]タブ
    • [リモートアクセス設定]タブ
    • [for C++設定]タブ
    各タブの設定内容については,(a)~(c)で説明します。
  4. [DABroker動作環境設定]ダイアログでの必要事項の設定が終わったら,[OK]ボタンをクリックしてダイアログを閉じます。
  5. システムを再起動します。
(a) [共通設定]タブの設定内容

ここでは,[共通設定]タブの設定内容について説明します。Cosminexus DABroker Libraryを使用する場合の[共通設定]タブの設定内容を次に示します。

  1. 「作業ディレクトリ」に,作業ディレクトリ(例:「C:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥DAB¥tmp」)が表示されていることを確認します。
  2. 「使用するORACLEのバージョン」に,Oracleのバージョン(例:ORACLE9i)を指定します。
  3. 拡張データベースアクセストレースを取得する場合は,[拡張データベースアクセストレースを取得する]チェックボックスをチェックします。
  4. 拡張データベースアクセストレースを取得する場合は,[データベースアクセストレース設定]ボタンをクリックします。
    [アクセストレース設定]ダイアログが表示されます。
  5. [アクセストレース設定]ダイアログで,取得しない情報の項目のチェックを外して,[OK]ボタンをクリックします。
    [DABroker動作環境設定]ダイアログに戻ります。
  6. XAトレースを取得する場合は,[XAトレースを取得する]チェックボックスをチェックします。
  7. [適用]ボタンをクリックします。
(b) [リモートアクセス設定]タブの設定内容

ここでは,[リモートアクセス設定]タブの設定内容について説明します。Cosminexus DABroker Libraryを使用する場合の[リモートアクセス設定]タブの設定内容を次に示します。

  1. 次の項目を設定します。
    • HiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ
    • ORACLEのLONG型データ受取バッファサイズ
    • 漢字コードセット
  2. [適用]ボタンをクリックします。
(c) [for C++設定]タブの設定内容

ここでは,[for C++設定]タブの設定内容について説明します。Cosminexus DABroker Libraryがインストールされている環境で,DABroker for C++をインストールし,DABroker for C++を使用してデータベースにアクセスする場合の設定です。

[for C++設定]タブでは,DABroker for C++を使用して開発したJ2EEアプリケーションからのアクセスでエラーが発生した場合の,DABroker for C++のイベントトレースの取得について設定します。エラーが発生した場合にイベントトレースを取得しておくことで,トレースを参照してエラーに対処できるようになります。

Cosminexus DABroker Libraryを使用する場合の[for C++設定]タブの設定内容を次に示します。

  1. イベントトレースの取得の有無,取得する場合のトレース取得サイズやトレース取得レベルを設定します。
  2. 取得するトレースの種別を設定します。
  3. [適用]ボタンをクリックします。

DABroker for C++のイベントトレースの詳細については,マニュアル「DABroker for C++」を参照してください。

(d) 環境設定ユティリティとファイルとの対応

環境設定ユティリティで設定した内容は,Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルに反映されます。環境設定ユティリティとCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの対応を次の表に示します。

表I-1 環境設定ユティリティとCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの対応

環境設定ユティリティCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの項目名
タブ名項目名
[共通設定]タブ作業ディレクトリDABTMP
データベースアクセス処理終了待ちタイムアウトDABDBA_TIMEOUT
表検索カラム数DABSELECTCOLCNT
更新・検索条件カラム数DABSELECTINFCNT
ログファイルサイズ[dabsv.log]DABSVLOGSIZE
使用するORACLEのバージョンDABORACLE_TYPE
HiRDBのディクショナリ表のデータ属性DABSQL_HiRDB_DICTIONARY_DATATYPE
HiRDB環境変数区切り文字DAB_HIRDB_DBINF_ESC
拡張データベースアクセストレースを取得するDABEXSQL_TRCLINE
トレースファイルサイズDABEXSQL_TRC_LINE
XAトレースを取得するDABXA_LOG_ERROR
[リモートアクセス設定]タブHiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズDABHIRDBA_BLOBBUFSIZE
ORACLEのLONG型データ受取バッファサイズDABORADBA_LONGBUFSIZE
漢字コードセットDABLANGMODE
[for C++設定]タブDABroker for C++のトレース取得サイズDABCPP_EVTTRC_SIZE
DABroker for C++のトレース取得レベルDABCPP_EVTTRC_LEVEL
DABroker for C++のトレース取得種別DABCPP_EVTTRC_nn

環境設定ユティリティの[アクセストレース設定]ダイアログの項目とCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの対応を次の表に示します。

表I-2 [アクセストレース設定]ダイアログの項目とCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの対応

項目名(アクセストレースの種類)Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの項目名
CANCELDABSQL_TRC_CANCEL
CLOSEDABSQL_TRC_CLOSE
COMMITDABSQL_TRC_COMMIT
CONNECTDABSQL_TRC_CONNECT
DECLAREDABSQL_TRC_DECLARE
DESCRIBEDABSQL_TRC_DESCRIBE
DISCONNECTDABSQL_TRC_DISCONNECT
EXECUTEDABSQL_TRC_EXECUTE
FETCHDABSQL_TRC_FETCH
LOGGINGDABSQL_TRC_LOGGING
LOGLESSDABSQL_TRC_LOGLESS
PREPAREDABSQL_TRC_PREPARE
ROLLBACKDABSQL_TRC_ROLLBACK
OPENDABSQL_TRC_OPEN
AUTO_COMMIT_OFFDABSQL_TRC_AUTO_COMMIT_OFF
AUTO_COMMIT_ONDABSQL_TRC_AUTO_COMMIT_ON
ATTACHDABSQL_TRC_ATTACH
ATTRGETDABSQL_TRC_ATTRGET
ATTRSETDABSQL_TRC_ATTRSET
BINDDABSQL_TRC_BIND
CHARFORMDABSQL_TRC_CHARFORM
CHARIDDABSQL_TRC_CHARID
DEFINEDABSQL_TRC_DEFINE
DESALLOCDABSQL_TRC_DESALLOC
DESCANYDABSQL_TRC_DESCANY
DESFREEDABSQL_TRC_DESFREE
DETACHDABSQL_TRC_DETACH
ENVCREATEDABSQL_TRC_ENVCREATE
ERRGETDABSQL_TRC_ERRGET
GETPIECEDABSQL_TRC_GETPIECE
HDLALLOCDABSQL_TRC_HDLALLOC
HDLFREEDABSQL_TRC_HDLFREE
LOBCLOSEDABSQL_TRC_LOBCLOSE
LOBLENDABSQL_TRC_LOBLEN
LOBOPENDABSQL_TRC_LOBOPEN
LOBREADDABSQL_TRC_LOBREAD
LOBWRITEDABSQL_TRC_LOBWRITE
PARAMGETDABSQL_TRC_PARAMGET
SESBEGINDABSQL_TRC_SESBEGIN
SESENDDABSQL_TRC_SESEND
SETPIECEDABSQL_TRC_SETPIECE
GETDIAGDABSQL_TRC_GETDIAG
GET_INFODABSQL_TRC_GET_INFO
SET_INFODABSQL_TRC_SET_INFO
EXECUTE_DIRECTDABSQL_TRC_EXECUTE_DIRECT

Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。