11.4.1 システムのスケールアウト

10.1.2(1) 1台のサーバマシンに一つのサービスユニットを配置する構成」を基に構築したシステムをスケールアウトする手順について説明します。

システムをスケールアウトするには,次の内容を実施します。

  1. 構成変更定義ファイルの作成
  2. システムの情報モデルの変更
  3. サービスユニットの追加

システムのスケールアウトの手順について説明します。

なお,ここでは,既存のサーバマシンに,次に示すサービスユニットを追加する場合を例にして,説明しています。

参考
サーバ管理コマンドの指定値について
サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名
サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名は実サーバ名です。構成変更定義ファイルに実サーバ名を設定していない場合,実サーバ名は論理サーバ名と同じです。論理サーバ名は,構成変更定義ファイルのサービスユニットの定義内に,<logical-server-name>タグで指定している値です。
なお,論理サーバ名の設定を省略している場合,論理サーバ名は「cmx_<Webシステム名>_<サービスユニット名>_<種別>_<通番>」となります。バッチサーバの場合,<種別>には「J2EE」と表示されます。論理サーバ名の定義ルールについては,「12.3 コマンドの詳細」の「cmx_build_system」を参照してください。
注意
システムの構成を変更するとシステムが動作するために必要なリソースも変更する必要があります。システムが動作するために必要なリソースの見積もりについては,「9.1 使用リソースの見積もり」を参照してください。
<この項の構成>
(1) 構成変更定義ファイルの作成
(2) システムの情報モデルの変更
(3) サービスユニットの追加

(1) 構成変更定義ファイルの作成

サービスユニット・ホスト追加用の構成変更定義ファイルを任意の場所にコピーして,ファイルの内容を編集します。

  1. 構成変更定義ファイルを作成します。
    サービスユニット・ホスト追加用の構成変更定義ファイル(cmxaddcombinedmodel.xmlファイル)は,次の場所に提供されています。
    • Windowsの場合
      <Cosminexusインストールディレクトリ>¥manager¥config¥templates¥
    • UNIXの場合
      /opt/Cosminexus/manager/config/templates/
    このファイルをコピーし,名称を変更して,任意の場所に格納します。なお,ここではファイル名を「MyWebSystemAdd.xml」に変更しています。
  2. コピーした構成変更定義ファイルを編集します。
    MyWebSystemAdd.xmlファイルを編集します。ここでは,追加するサービスユニットの内容と,ホストの定義をします。
    設定後のMyWebSystemAdd.xmlファイルを次に示します。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <unit-addition xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/UnitAddition-2.5">
     <web-system>
       <name>MyWebSystem</name>
       
       <!-- 追加するサービスユニットの定義 -->
       <unit>
         <name>unit3</name>
         <allocated-host>
           <host-ref>apsv1</host-ref>
           <hosts-for>j2ee-tier</hosts-for>
           <define-server>
             <logical-server-name>BatchServer03</logical-server-name>
             <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type>
           </define-server>
           <define-server>
             <logical-server-name>PRF03</logical-server-name>
             <logical-server-type>performance-tracer</logical-server-type>
           </define-server>
         </allocated-host>
       </unit>
       
     </web-system>
    </unit-addition>

    注 太字の部分が編集部分です。
    注※ サービスユニットを追加する既存のサーバマシンのホスト名を指定します。この場合,既存のサーバマシンを使用するため,ホストの定義は不要です。

(2) システムの情報モデルの変更

作成した構成変更定義ファイルの内容を,Management Serverが保持するシステムの情報モデルに反映します。

  1. システムの情報モデルを変更します。
    cmx_change_modelコマンドに,(1)で作成した構成変更定義ファイルを指定して,Management Serverが保持するシステムの情報モデルを変更します。
    Windowsの場合

    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_change_model -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>¥MyWebSystemAdd.xml

    UNIXの場合

    # /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_change_model -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>/MyWebSystemAdd.xml

(3) サービスユニットの追加

変更したシステムの情報モデルを実システムに適用して,サービスユニットを追加します。

  1. 変更したシステムの情報モデルを実システムに展開します。
    cmx_build_systemコマンドを使用して,(2)で変更したシステムの情報モデルを実システムに適用します。
    Windowsの場合

    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_build_system -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem

    UNIXの場合

    # /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_build_system -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem

  2. 追加したサービスユニットを起動します。
    cmx_start_targetコマンドを使用して,追加したサービスユニット「unit3」を一括起動します。このとき,コマンドの-modeオプションに「ALL」を指定して,稼働状態で起動します。
    Windowsの場合

    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem -unit unit3

    UNIXの場合

    # /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem -unit unit3

  3. 追加したサービスユニットのリソースアダプタをインポートし,開始します。
    ここでは,サーバ管理コマンドを使用して,次の内容を実施しています。ファイル名をDBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar,表示名をDB_Connector_for_HiRDB_Type4,Connector属性ファイルのファイル名をMyDBConnectorAttr.xmlとした場合の手順を例にして説明します。DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar以外のRARファイルを使用する場合は,利用するDB ConnectorのRARファイルに読み替えてください。
    • リソースアダプタをインポートします。
    • バッチサーバにリソースアダプタをデプロイします。
    • Connector属性ファイルをリソースアダプタに反映します。
    • リソースアダプタの接続を確認します。
    • リソースアダプタを開始します。
    Windowsの場合

    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjimportres BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -type rar -f <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CC¥DBConnector¥DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjdeployrar BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4

    <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjsetrarprop BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>¥MyDBConnectorAttr.xml

    <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjtestres BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4

    <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartrar BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4

    UNIXの場合

    # /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjimportres BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -type rar -f <Cosminexusインストールディレクトリ>¥CC¥DBConnector¥DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

    # /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjdeployrar BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4

    # /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjsetrarprop BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>/MyDBConnectorAttr.xml

    # /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjtestres BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4

    # /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartrar BatchServer03 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4

    注※
    サービスユニット1のリソースアダプタに反映したConnector属性ファイルを使用します。Connector属性ファイルを保管していない場合は,サービスユニット1にデプロイしたリソースアダプタからサーバ管理コマンド(cjgetrarprop)を使用して取得します。取得したConnector属性ファイルは必要に応じて編集します。