5.2.1 Cosminexusのシステムでできる運用作業

J2EEアプリケーションを実行するシステムでは次に示す運用作業を実施できます。

それぞれの運用作業について説明します。

<この項の構成>
(1) システムの起動と停止で実行できる作業
(2) システムの運用監視で実行できる作業
(3) システムの処理性能解析で実行できる作業
(4) J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業
(5) システムの監査で実行できる運用作業
(6) システムの変更でできる運用作業
(7) システム環境の移行で実行できる運用作業
(8) トラブルシューティングで実行できる作業

(1) システムの起動と停止で実行できる作業

システムの起動と停止で実行できる作業について,次の表に示します。なお,Cosminexusのシステムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表5-36 システムの起動と停止で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
サービスユニットを一括起動します。不要7.2cmx_start_target
サービスユニットを一括停止します。不要7.2cmx_stop_target
クラスタソフトウェアを使用したシステムを起動・停止します。必要構築運用Cosminexusのコマンド,クラスタソフトウェアの機能
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
構築:マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」
運用:マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」

(2) システムの運用監視で実行できる作業

システムの運用監視で実行できる作業について,次の表に示します。なお,Cosminexusのシステムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表5-37 システムの運用監視で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
サービスユニットのステータス,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバを確認します。不要cmx_list_status
論理サーバのステータスを確認します。不要構築運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
Webシステム内のサービスユニットの構成,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバの一覧を確認します。不要cmx_list_model
稼働情報ファイルを参照して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。省略可構築運用
運用管理コマンドを使用して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。不要運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
リソースの使用率や使用数を監視して,しきい値を超えた場合に原因を調査します。省略可構築運用
稼働情報ファイルに出力される稼働情報,またはリソースの枯渇状況に応じてメッセージが出力された場合の処理を自動化します(Managementアクション)。必要5.2.3(3)6.19.2,構築
CTMの稼働統計情報を出力します。不要運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
トランザクションの状態を確認します。不要運用サーバ管理コマンド(cjlisttrn)
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
構築:マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」
運用:マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」

注※ CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus 概説」を参照してください。


(3) システムの処理性能解析で実行できる作業

システムの処理性能解析で実行できる作業について,次の表に示します。

表5-38 システムの処理性能解析で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
性能解析トレースファイルを収集します。不要運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
収集した性能解析トレースファイルを利用してシステムの処理性能を解析します。不要運用
(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
運用:マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」

(4) J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業

J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業について,次の表に示します。なお,Cosminexusのシステムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表5-39 J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
Webアプリケーションの稼働状況を確認します。不要運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
アクセス状況に応じて,Webアプリケーションの同時実行スレッド数を動的に変更します。不要運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
CTMのスケジュールキューの稼働状況を確認して,同時実行数を動的に変更します。※1不要運用
  • 確認:運用管理コマンド(mngsvrutil)
  • 確認と変更:CTMのコマンド(ctmlsque,ctmchpara)
J2EEアプリケーションの実行状態を確認して,J2EEアプリケーションでタイムアウトが発生したリクエストをキャンセルします(J2EEアプリケーションの実行時間監視機能)。必要5.2.3(3)6.19.2,構築運用
  • 確認:サーバ管理コマンド(cjlistthread)
  • キャンセル:サーバ管理コマンド(cjstopthread)
J2EEアプリケーションを通常開始します。不要リファレンスサーバ管理コマンド(cjstartapp)
J2EEアプリケーションを通常停止します。不要運用サーバ管理コマンド(cjstopapp)
J2EEアプリケーションを強制停止します。不要運用サーバ管理コマンド(cjstopapp)
負荷分散機を使用してサービスを閉塞します。※2運用負荷分散機の機能
CTMを利用してサービスを閉塞します。※1不要運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
J2EEアプリケーションを入れ替えます。リデプロイによる入れ替え省略可構築7.3.2(1),運用サーバ管理コマンド(cjreplaceapp)
通常の入れ替え不要7.3.2(2),運用サーバ管理コマンド(cjstopapp,cjimportapp)
リロードによる入れ替え必要構築運用サーバ管理コマンド(cjreloadapp)
JSPを事前にコンパイルしてから,J2EEアプリケーションを入れ替えます。省略可/不要構築運用cjjspcコマンド
J2EEアプリケーションの名称を変更します。不要サーバ管理コマンド(cjrenameapp)
CTMを利用して,オンライン状態でJ2EEアプリケーションを入れ替えます。※1不要運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
J2EEアプリケーションを本番環境でテストしてから本番運用を開始します。不要運用サーバ管理コマンド(cjimportapp,cjstartapp)
コネクションプールの情報を表示します。不要解説サーバ管理コマンド(cjlistpool)
コネクションプールをクリアします。不要解説サーバ管理コマンド(cjclearpool)
JavaBeansリソースを入れ替えます。不要運用サーバ管理コマンド(cjdeletejb,cjimportjb)
クラスタ構成のデータベースをメンテナンスします。不要運用サーバ管理コマンド(cjlistrar,cjsuspendpool,cjresumepool)
リソースの接続テストをします。必要構築解説サーバ管理コマンド(cjtestres)
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
解説:マニュアル「Cosminexus 機能解説」
構築:マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」
運用:マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」
リファレンス:マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」

注※1 CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus 概説」を参照してください。

注※2 負荷分散機をSmart Composer機能で管理していない場合に実行します。負荷分散機をSmart Composer機能で管理している場合は,cmx_stop_targetコマンドを使用してサービスを閉塞してください。cmx_stop_targetコマンドの詳細については,「12.3 コマンドの詳細」の「cmx_start_target」を参照してください。


(5) システムの監査で実行できる運用作業

監査ログを使用したシステムの監査,およびデータベース監査証跡と連携した運用で実行できる作業について,次の表に示します。なお,Cosminexusのシステムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表5-40 システムの監査で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
監査ログを出力して,管理します。必要構築運用
監査ログを収集して調査します。必要構築運用
データベース監査証跡に出力された情報を基に,データベースにアクセスしたリクエストの情報を特定します。不要運用
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
構築:マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」
運用:マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」

(6) システムの変更でできる運用作業

システムの変更で実行できる作業について,次の表に示します。なお,Cosminexusのシステムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表5-41 システムの変更で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
設定変更システム全体の設定を一括で変更します。不要7.4
構成変更システムをスケールアウトします。不要7.57.7
システムをスケールインします。不要7.67.7
削除システムを削除します。不要7.9
(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。

(7) システム環境の移行で実行できる運用作業

システム環境の移行で実行できる作業について,次の表に示します。なお,Cosminexusのシステムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表5-42 システム環境の移行で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
構築済みのシステムの環境を移行します。不要7.8cmx_export_model
(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。

(8) トラブルシューティングで実行できる作業

トラブルシューティングで実行できる作業について,次の表に示します。なお,Cosminexusのシステムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表5-43 トラブルシューティングで実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
トラブルシューティングに必要な資料を収集します。必要/省略可5.2.3(1),構築運用運用管理コマンド(mngsvrutil)
論理サーバ(構成ソフトウェアのサーバプロセス)に異常が発生した場合の処理を自動化します。省略可構築運用
トラブルシューティングに必要な資料を調査します。不要運用
負荷分散機を閉塞して,Webシステムの部分メンテナンスをします。不要7.3.1
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
構築:マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」
運用:マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」