EJBコンテナが提供する機能の概要について説明します。
機能の詳細については,「5. EJBコンテナ」を参照してください。
- Enterprise Beanの実行
EJBの仕様に準拠したEnterprise Beanを実行できます。
- EJBコンテナのJNDI名前空間へのリファレンス登録
java:comp/envのJNDI名前空間を使用した間接的なルックアップができます。また,Application Serverの拡張機能によってEJBホームオブジェクトリファレンスに別名を付与することで,複数ホスト間でJNDI名前空間の情報を共有できます。
- 外部リソースとの接続
データベース,OpenTP1およびSMTPサーバとの接続ができます。
- Enterprise Beanでのトランザクション設定
BMT(Bean-Managed Transaction)とCMT(Container-Managed Transaction)によるトランザクション管理ができます。
- EJBコンテナの動作の最適化
Enterprise Beanのプーリング,キャッシング,タイムアウト,およびリモートインタフェースでのローカル呼び出し最適化などによって,性能向上が図れます。
- Enterprise Beanへのアクセス制御
セキュリティアイデンティティ(J2EEサーバによるユーザ認証が成功した時にWebコンテナやEJBコンテナに伝達される認証情報)を使用したセキュリティ管理ができます。
- Timer Serviceの機能
指定した時刻,経過時間,または間隔でEnterprise Beanを呼び出せます。時刻を指定した処理を容易に実行できます。
- セキュリティ管理
セキュリティアイデンティティを利用したり,通信ポートとIPアドレスを固定したりして,セキュリティを確保できます。
EJBコンテナが提供する機能の目的,およびJ2EE標準との対応について,次の表に示します。
表2-3 EJBコンテナが提供する機能の目的およびJ2EE標準との対応
機能名 | 目的 | J2EE標準への準拠 | 参照先 |
---|
信頼性 | 性能 | 運用・ 保守 | 拡張性 | そのほか | J2EE標準 | 拡張 |
---|
Eneterprise Beanの実行 | - | - | - | - | - | ○ | ○ | 5.2 |
EJBコンテナのJNDI名前空間へのリファレンス登録※ | - | - | - | ○ | - | ○ | ○ | 5.3 |
外部リソースとの接続 | - | - | - | ○ | - | ○ | - | 5.4 |
Enterprise Beanでのトランザクション設定 | - | - | - | - | - | ○ | - | 5.5 |
EJBコンテナの動作の最適化 | Entity Beanのキャッシュモデル(コミットオプション指定) | - | ○ | - | - | - | ○ | - | 5.6 |
Stateless Session Bean,Entity Beanのプーリング | - | ○ | - | - | - | ○ | ○ | 5.7 |
タイムアウト | - | ○ | - | - | - | ○ | ○ | 5.9 |
EJBのリモートインタフェースの呼び出し | - | ○ | - | - | - | ○ | ○ | 5.11 |
Enterprise Beanへのアクセス制御 | ○ | - | - | - | - | ○ | - | 5.8 |
Timer Serviceの機能 | - | - | - | - | - | ○ | ○ | 5.10 |
セキュリティ管理 | ○ | - | - | - | - | - | ○ | 5.12 |
(凡例) ○:対応する -:対応しない
- 注
- 表中の項目「J2EE標準」と「拡張」の両方に○が付いている機能は,J2EE標準の機能にApplication Server独自の機能が拡張されていることを示します。「拡張」だけに○が付いている機能はApplication Server独自の機能であることを示します。
- 注※
- J2EEサービスのネーミング管理を利用して実現します。