6.1 EJBクライアントで使用できる機能

この節では,EJBクライアントで使用できる機能について説明します。

EJBクライアントとは,J2EEサーバ上のEJBコンテナで実行されているEnterprise Beanを呼び出すクライアントプログラムです。

EJBクライアントには,次の種類があります。

EJBクライアントアプリケーションとは,J2EEサーバ上で実行されるEnterprise Beanを呼び出すクライアントアプリケーションのことです。

EJBクライアントで使用できる機能について,次の表に示します。なお,それぞれの機能の詳細については,参照先の説明を参照してください。

表6-1 EJBクライアントで使用できる機能

分類機能概要機能についての参照先
JNDI基本機能EJBホームオブジェクトリファレンスおよびビジネスインタフェースのリファレンスの検索,取得ができます。6.38.2
拡張機能複数のネーミングサービスとJ2EEサーバで構成されるシステムで,EJBクライアントからのルックアップをラウンドロビンで実行できます。これによって,負荷分散を実現できます。8.4
ネーミングサービスからルックアップしたオブジェクトをメモリ上に保持(キャッシュ)できます。キャッシュの利用によって,ネーミングサービスへのアクセスの性能上のコストを削減できます。8.5
EJBEJBコンテナで実行されているEnterprise Beanを呼び出せます。5.26.26.6
EJB呼び出し実行時に通信障害が発生した場合に,送信動作を選択できます。5.11.3
トランザクションEJBクライアントでトランザクションを開始・決着できます。9.3
SecurityJ2EEサーバで定義されたユーザとパスワードを使用してユーザ認証ができます。EJBクライアントからログインして,セキュリティロールが設定されたEJBのビジネスメソッドを呼び出せます。5.12.16.5
そのほかEJBクライアントとネーミングサービス間,およびEJBクライアントとJ2EEサーバ間の通信で,通信タイムアウトを設定できます。5.9.4
EJBクライアントの性能解析トレースを出力できます。17.10

注※ アプリケーションの実装方法について説明しています。


EJBクライアントアプリケーションで使用できる拡張機能について,次の表に示します。なお,それぞれの機能の詳細については,参照先の説明を参照してください。なお,EJBクライアントアプリケーションでは,データソース(JDBC)およびコネクタ(Connector)は使用できません。

表6-2 EJBクライアントアプリケーションで使用できる拡張機能

分類機能概要機能についての参照先
トランザクションEJBクライアントアプリケーションでUserTransactionを取得し,トランザクションを開始・決着できます。UserTransactionの取得方法には次の2種類の方法があります。
  1. UserTransactionFactoryクラスを使用する方法
  2. ルックアップを使用する方法
なお,Cosminexusでは,1.の方法を推奨しています。
6.4
そのほかEJBクライアントのログを出力できます。マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」
EJBクライアントアプリケーションをコマンド(cjclstartapコマンド)で起動できます。マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」

次の節以降では,EJBクライアントアプリケーションについて説明しています。